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Salesforceのオープンエコシステムが信頼性の高いAIエージェント間連携を推進

Salesforce’s Open Ecosystem Boosts Trusted Agent Interoperability

※本記事は2025年6月25日に米国で公開されたHow Salesforce’s Open Ecosystem Is Driving Trusted Agent Interoperabilityの抄訳です。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。


AIの可能性は、人と共に働くAIエージェント(英語)によるデジタル労働力を通じて、ビジネスを変革する力にあります。しかし、その真価を引き出す上で、企業にはひとつのジレンマが存在していました。それは、イノベーションを促進するオープンかつ協調的なエコシステムを受け入れる一方で、従来のクローズドなプラットフォームが提供してきたセキュリティやガバナンスの水準をいかに維持するかという課題です。

Salesforceはこのたび、オープンかつ信頼性の高いAIの次なる大きな進化として、デジタル労働力プラットフォーム「Agentforce」において、ネイティブなModel Context Protocol(MCP)対応を発表しました。AgentforceでのMCP対応は7月よりパイロット開始予定であり、あわせて、信頼性の高いAgentforceのマーケットプレイスであるAgentExchangeにおいてMCPサーバーのサポートも提供します。これまで、テクノロジーパートナーは個別のAPI統合やクローズドなAIスタックに悩まされてきましたが、Salesforceはオープンスタンダードに基づくネイティブなAIエージェント間連携とエンタープライズ水準の信頼性制御によって、新たな道を切り拓こうとしています。

重要な理由

ほとんどのAI(英語)導入企業は、来年までにオープンエコシステムが標準になると考えており(英語)、テクノロジーのリーダーたちは、それがイノベーションの促進とAI導入の加速につながると指摘しています。しかし現実には、クローズドなエコシステム、手動でのAIエージェント間統合、そしてセキュリティとのトレードオフが、AIのイノベーションや企業向けAIエージェントの開発をするパートナーの活動を妨げてきました。これにより、6兆ドル規模に成長が見込まれるデジタル労働力市場(英語)において、競争力を高めることが困難な状況でした。

Salesforceは、イノベーションとセキュリティのどちらかを選ぶ必要はないと考えています。AgentExchange上でのMCPサーバーリスティングに加え、将来的にはAgent2Agent(A2A)のサポートを提供することで、パートナーとともにエンタープライズレベルのAIエージェント相互運用性を実現します。これにより、企業はエンタープライズ水準のセキュリティのもとで、AIエージェント対応のパートナーソリューションを構築・展開・収益化できるようになり、従来のDIY手法に比べて平均で16倍の速さ(英語)で自律型AIエージェントを提供できるようになります。

Salesforceの視点

「AIエージェントの相互運用性は、パートナーが自社の知的財産を活用して、“AIエージェントファースト”という新たなビジネスカテゴリーに参入する大きなチャンスをもたらします。AgentExchange上のパートナーは、AIエージェントの構成要素だけでなく、AIエージェント間の接続機能も提供し、顧客は自前でAIを構築することなく、安心して“AIエージェント化された企業”への変革を推進できます」 — Salesforce、AppExchange(英語)&グローバルパートナーシップ担当CEO、ブライアン・ランズマン(Brian Landsman)

AIエージェントの相互運用性は、パートナーが自社の知的財産を活用して、“AIエージェントファースト”という新たなビジネスカテゴリーに参入する大きなチャンスをもたらします

Salesforce、AppExchange(英語)&グローバルパートナーシップ担当CEO、ブライアン・ランズマン(Brian Landsman)

AgentExchangeのパートナーは一度構築すればどこでも接続可能

MCPおよびA2Aサポートの導入により、テクノロジーパートナーはエンタープライズシステムにカスタム統合なし・ベンダーロックインなしで接続できる、相互運用可能なAIエージェント(英語)およびコンポーネントを構築できるようになります。これは、特に規制の厳しい業務環境においても、ガバナンスを損なうことなく拡張性を実現できるという利点をもたらします。 

すでにAWS、Box、Cisco、Google Cloud、IBM、Notion、PayPal、Stripe、Teradata、WRITERなど30社以上の主要パートナーが、MCPサーバーのリスティングを正式に表明しており、Salesforceのオープンなエコシステムのもとで多数のAIエージェントファーストなツールの構築が進行中です。

例:

  • AWS:Agentforceは、Amazon Bedrock Data Automation MCP ServerやAmazon Nova Canvas MCP Serverなどの一連のMCP サーバーを活用することで、AWSに保存された膨大な非構造化データから、AIエージェントが重要なインサイトを引き出せるようにします。これにより、Agentforceは、ドキュメントのインテリジェントな処理と要約、画像からの重要情報の抽出、音声録音の書き起こしと分析、動画ファイル内の重要な部分の特定、エンタープライズナレッジベースのクエリ、セマンティックなコードリポジトリ検索、Aurora PostgreSQL/MySQL MCPサーバーを介した自然言語インターフェースによるデータベース操作などを行うことができるようになります。これらすべてが、カスタマーサービス、コンプライアンスチェック、業務レポーティングを強化します。
  • Box:Agentforceは、BoxのMCPサービスを通じて最新の署名済みNDA(秘密保持契約書)を取得し、その主要条項の要約を含めることができます。その後、AgentforceはAIによる要約、PDF形式の契約書、推奨される次のステップを含むアップデートをSlackで関連チームに自動投稿することができます。
  • Google Cloud: 顧客は、MCPを通じてGoogleおよびGoogleCloud の主要サービスと接続することで、Agentforceの新たなユースケースを実現できます。たとえば、開発者はAgentforceをGoogle Maps Platformや、Veo、Chirp、Imagen、Lyriaといった生成AIモデルにシームレスに接続できるようになるほか、Google CloudのデータベースとAIエージェントによる対話も可能になります。これにより、位置情報サービス、クリエイティブAI、トランザクションデータにまたがるAgentforceのアクションが実現されます。
  • PayPal: 顧客は、AgentforceをPayPal のMCPサーバーに接続することで、幅広いAIエージェント主導のコマース機能を活用できるようになります。これにより、商品の掲載、注文の実行、支払い処理、異議申し立ての処理、配送状況の追跡、サブスクリプション管理、返金処理などを含むさまざまな業務をPayPal上で実行でき、統合がシンプルかつ容易になります。
  • Stripe:Agentforceは、StripeのMCP サーバーを介し、製品検索、支払いリンクの即時生成、サブスクリプションの設定、迅速な異議申し立ての処理など、Stripeの幅広い機能をAIエージェントがリアルタイムで直接操作できるようにします。 
  • WRITER:WRITERのMCPサーバーとの安全な接続を通じて、Agentforce はWRITERのエンタープライズ水準のAIエージェントを呼び出し、コンテンツ生成、ナレッジ検索、コンプライアンスチェックをSalesforceのワークフロー内で自動化することができます。

Salesforceはパートナーエコシステムへの投資を通じて、“AIエージェント経済圏”を活性化

企業がデジタル労働力(英語)を迅速に導入し拡張する中で、Salesforceのパートナーは、信頼と確信を持って顧客のAIエージェントによる変革を支援し、次世代のAgentforceソリューションの導入を後押ししています。 

Salesforceはパートナーの体験を簡素化するために、AppExchangeとGlobal Partnerships チームを統合し、CEO のブライアン・ランズマン(Brian Landsman)のもとに新体制を編成しました。この体制により、製品開発と市場展開におけるイノベーションがより密接に連携され、エコシステム戦略への取り組みが一層強化されます。この戦略的なコミットメントは、ソフトウェア、AI、テクノロジー業界が急速に変化する中で、パートナーとSalesforceの協業をより革新的かつ機動的なものにすることを目的としています。パートナーは、Salesforce全体のAI 戦略の中核を担う存在であり、AppExchangeおよびAgentExchangeの継続的な進化は、その成功に欠かせない要素です。 

また、コンサルティングパートナーも、顧客が初期の概念実証(PoC)段階から企業全体への本格導入に至るまで、AIエージェント導入の道のりを導く上で極めて重要な存在です。Salesforce は、システムインテグレーター(SI)やコンサルティングパートナーが、顧客に対してAIエージェント導入の価値を最大限に引き出せるよう支援しています。これには、Agentforce for Partner Community(英語)や新しいトレーニングプログラムなどのイノベーションが含まれており、これまでに272,000人のAI認定スペシャリストを輩出しています。 

さらに、Salesforce Global PartnershipsおよびSalesforce Ventures(英語)は、Agentforce上でAIソリューションを構築する次世代スタートアップの成功を加速するための戦略的プログラムを開発中です。このプログラムでは、専用のリソース、専門的なガイダンス、そしてAgentExchangeエコシステムへのスムーズなアクセスを提供し、スタートアップがSalesforceおよびそのグローバルな顧客基盤と連携して、迅速に開発・統合・拡張できるよう支援します。

詳細情報:

  • Agentforce 3の発表については、こちら
  • AgentExchangeを通じてオープンな相互運用性に貢献しているMCPパートナーについては、こちら(英語)。 
  • AgentExchangeがどのように連携型のエージェンティック企業を支えているかについては、こちら(英語)。 
  • Agentforceを活用したAIエージェント変革の道のりを支援するSalesforceコンサルティングパートナーによる新サービスについては、こちら(英語)。 
  • AIエージェントがいかにして新たな経済を牽引しているかについては、こちら(英語)。 
  • AgentExchangeの発表については、こちら
  •  AIエージェントによって創出される6兆ドル規模のデジタル労働力市場については、こちら
  •  AIエージェント成熟度モデルについては、こちら

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