マーケターの79%がAIを導入する一方で、依然として続く
一方的かつ画一的なキャンペーン運用
※本記事は、2026年2月19日に米国で発表された75% of Marketers Have Adopted AI Yet Still Use It To Send One-Way, Generic Campaignsを元に、日本語版のレポート完成を受け、日本向けに内容を加筆・再編集したものです。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。
株式会社セールスフォース・ジャパン(代表取締役会長 兼 社長 小出 伸一、以下 Salesforce)は本日、マーケティングの最新トレンドとインサイトをまとめた「マーケティング最新事情」(第10版)の日本語版を公開しました。
本レポートは、日本からの250人を含む世界26カ国、4,450人のマーケティング活動の意思決定者を対象に実施した調査結果に基づくもので、広く活用されてきたAIが自律型AIの進展を契機に、その活用方法や優先領域において、新たな転換点を迎えている実態を明らかにしています。
主なポイント
- 83%のマーケターが、双方向の対話ニーズを認識していると回答
- 一方で、メールやSMSでのコミュニケーションに対して確実に返信できていると答えたマーケターは約半数にとどまる
- 78%のマーケターが顧客対応でのAI活用に信頼を示す一方、データの分断が大規模運用の大きなハードルとなっている
現代の顧客は、企業とのやり取りにおいて、LLM(大規模言語モデル)との対話のような即時性、対話性、そしてパーソナライズを期待しています。しかし62%のマーケターが今なお顧客への迅速な対応に苦戦しているほか、81%のマーケターが画一的なキャンペーンを実施していると認めています。
SalesforceのAgentforce Marketing担当CMOであるボビー・ジャニア(Bobby Jania)は次のように述べています。「私たちは今、史上最も強力なテクノロジーを使って、一方通行のスパムメールを、より多く、より速く送っています。AIが顧客を正しく理解していなければ、その人に最適化された提案や返信を行うことはできません」
本調査が示しているのは、問題の本質が努力不足にあるのではなく、活用可能なデータの不足にあるという点です。サイロ化されたシステムとデータ品質の低さが、AIによるパーソナライゼーションの実現を阻む最大の障壁となっています。
一方で、顧客データを統合できているマーケターは、データソースが分断された企業と比べて、早い段階で優位性を確立していることも明らかになりました。データ統合(英語)を満足のいく形で実現したマーケティングチームは、データ基盤に課題を抱えるチームと比べ、顧客に対して継続的に返信できている割合が42%高いことが分かりました。さらに、対応規模の拡大を目的にAIエージェントを活用している割合も60%高くなっています。
ジャニアは次のようにも述べています。「すべてのマーケターが同じAIモデル(英語)にアクセスできる中、勝敗を分けるものは何か。それは関連性のある『コンテキスト(文脈)』です。適切なコンテキストを活用できるかどうかが、現状業務を単に自動化するAIと、実際にビジネスを成長させるAIエージェントとの違いになります」
詳細分析
データがパーソナライゼーションの最大のボトルネック
- 複数部門にまたがったサイロ化のために、マーケターのコミュニケーションが一方通行に
- 83%のマーケターが、顧客はマーケティングメッセージに返信でき、その声にきちんと返信が返ってくるような双方向の対話を求めていると回答しています。一方で、必要なコンテキストにアクセスできないため、62%のマーケターが迅速な対応に苦戦しています。
- マーケターのうち、すべてのサービスデータに完全にアクセスできているのは58%、営業データは56%、コマースデータは42%にとどまっています。
ジャニアは次のように述べています。「私たちが行っている『キャンペーン』と顧客が求めてる『対話』はかつてないほど食い違ってきています。しかし今、私たちは初めて、そのギャップを埋める技術を手に入れたのです」
- マーケターはパーソナライズ対応の規模を拡大するためにAIに期待
- マーケターの80%が、自分たちが制作できる量を上回る、より多くのパーソナライズドコンテンツ(英語)が必要だと回答しており、ほぼ同数の79%が、このギャップを埋めるためにAIの活用に注目しています。
- AIにはパーソナライズの規模拡大を支援する能力があるものの、本調査によると多くのマーケターは依然として課題に直面しています。マーケターの99%がパーソナライズに壁を感じており、最も多い原因はデータに関する問題です。
- パフォーマンスが高いマーケターはこのギャップを縮小
- 注目すべき例外として、AIエージェントを活用するマーケターは部門横断的なデータアクセスに対する満足度が高いと回答しています。これが、AIエージェントの導入にあたって彼らが最初にデータ統合を進める必要があったためなのか、あるいはAIエージェント自体が接続性を高めた結果なのかは明らかではありません。
- AIを活用しているマーケターの76%が顧客接点の統合ができていると答えたのに対し、AIを活用していないマーケターは55%にとどまっています。
- パフォーマンスが高いマーケターは、顧客データを活用して関連性の高い体験を提供する割合が1.7倍高く、データソースを統合している割合も1.7倍高いことがわかりました。
ジャニアは次のように述べています。「エージェント型マーケティングは、私たちの分野における次の大きな進化です。これからのマーケティングに求められるのは、顧客に一方的に語りかけることではなく、顧客と対話することです。これを実現できなければ、顧客はそうした体験を提供する他の企業へと移っていくでしょう」
AIが発見と顧客エンゲージメントのルールを塗り替える
- 従来の手法と新たな現実の間で揺れ動くマーケター
- マーケターの約60%が、変化する顧客行動への対応に苦戦していると回答しました。また、65%が、自社の戦略をAIの広範な活用にどう適応させるべきかについて、明確な方向性を見いだせていないとしています。
- AIの影響で、顧客の行動と期待にはすでに明確な変化
- 現在、Google検索の半数でAIによる概要が表示され、企業のウェブサイトは完全にパスされるようになっています。その結果、マーケティングファネルの上位フェーズの認知が縮小し、顧客は購入判断にLLMを活用するようになっています。
- ホリデーシーズンだけを見ても、AIとAIエージェントを通じて行われた購買は全体の20%、売上高にして2,620億ドルを占めており、顧客が商品を発見し、購入する経路の明確な変化を示しています。
- マーケターの86%が、AIによって顧客の期待水準が高まっていると感じており、83%が、顧客はすべてのチャネルにおいて双方向の対話を求める傾向が強まっていると回答しています。
- 注目ポイント:Answer Engine Optimization(AEO):顧客がすでに行っている双方向の対話
- マーケターの大多数(82%)が、AIによって自社のSEO戦略が再構築されていると回答しています。さらに83%が、すでにChatGPTやGoogleのAIによる概要など、AI生成の回答に向けた最適化を開始しています。
- 興味深い点として、AIが複数の情報源から回答を生成すると、マーケターにとって顧客の注意を引くのが困難になるものの、結果として生まれる顧客エンゲージメントはよりパーソナルかつ具体的になり、高い購買意欲につながる傾向があります。
- マーケティング投資に対して最も高いリターンを上げているパフォーマンスが高いマーケターは、成果の低いマーケターに比べ、AI検索への最適化を行っている可能性が2.2倍高いことがわかりました。
ジャニアは次のように述べています。「従来の、情報を一方的に発信し、反応を待つという手法は、もはや通用しません。顧客はすでに次の段階へ進んでいます。Google検索結果に並ぶ青いリンクを10件クリックするのではなく、AIから直接答えを得るようになっています。さらに、AIインターフェースが情報発見までのプロセスを短縮することで、企業が顧客の注目を集める機会はますます限られています。だからこそ、このアンサーエンジンの世界に最適化できなければ、企業は顧客の視界に入ることすら難しくなります」
詳細情報:
- AI、データ、パーソナライゼーションに関する最新の見解をまとめた「マーケティング 最新事情レポート」の全文は、こちら。
調査方法:
本レポートのデータは、2025年10月8日から11月17日にかけて実施された、第三者による匿名調査(ダブルブラインド方式)による調査に基づいています。北米、中南米、アジア太平洋、欧州地域のマーケティング活動の意思決定者を対象としており、総計4,450の回答を得ました。
本レポートで言及されるパフォーマンスレベルの定義は以下の通りです:
- パフォーマンスが高い:マーケティング投資から得られる成果に「完全に満足」と回答した層
- パフォーマンスが中程度:マーケティング投資から得られる成果に「非常に満足」と回答した層
- パフォーマンスが低い:マーケティング投資得られる成果に「やや満足」あるいは「あまり満足していない」と回答した企業
その他の属性情報や詳細については、レポートをご参照ください。
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