信頼性の高いSalesforceプラットフォームに構築されたLife Sciences Cloudにより、複雑な臨床からコマーシャルまでのプロセスでチームを統合し、患者さんのアウトカム(施策により得られる効果)を改善させる、AIエージェントファーストのアプリを提供
Life Sciences Cloud for Customer Engagementにより、消費者向けの操作性の高いモバイル体験と、企業レベルのセキュリティおよびコンプライアンスを兼ね備え、多忙な医療従事者の関心を引きつけ、治療の質向上に不可欠な情報提供が容易に
FidiaやPfizerがLife Sciences Cloudを活用することで、エンドツーエンドの連携を実現し、臨床試験やメディカルアフェアーズからサンプリングに至るまで、治療薬の市場投入を迅速化
株式会社セールスフォース・ジャパン(本社:東京都千代田区、代表取締役会長兼社長 小出 伸一、以下 Salesforce)は本日、ライフサイエンス企業と医療従事者(HCP)との関わり方を革新する新たなAIエージェントファーストのソリューション「Life Sciences Cloud for Customer Engagement」の提供開始を発表しました。本ソリューションの米国市場での提供は2025年10月11日、また日本市場における提供は2025年11月下旬を予定しています。SalesforceはLife Sciences Cloudのポートフォリオを拡充し、この新しいモジュールにより業界が直面する重大な課題の解決を目指します。
医師の負担増大により、10年前と比較して医薬品1品目あたりの情報処理量が75%(英語)増加しています。にもかかわらず、自身のニーズが満たされていると感じる医療従事者はわずか3分の1に留まり、製薬会社や医療機器メーカーからの情報提供が「迷惑メール」のように感じられると指摘する声が上がっています。厳しくなる規制と研究開発パイプライン創出の圧力の中で、Life Sciences Cloudはデジタル労働力を活用することで、情報過多を解消し、有意義なエンゲージメントを促進し医療のギャップを埋めることが可能となります。
また、Life Sciences Cloudにより、営業からマーケティング、メディカルサイエンスリエゾン(MSL)や臨床開発部門に至るまでの部門横断的な連携も実現できます。Agentforceにより医薬品や医療機器の開発、承認、アクセス、投与方法が再構築されるため、人間は医療において取り組むべき業務へ注力することが可能となります。
Salesforceの単一のアーキテクチャ上に統合されたプラットフォームにネイティブ構築されたLife Sciences Cloud for Customer Engagementは、従来のCRMの枠を超え、業務フローの中で直接、消費者向けの対話型ユーザー体験と企業レベルのセキュリティおよびコンプライアンスを提供します。これにより、営業担当者は多忙な医療従事者との限られた面談時間を最大限に活用できるようになります。音声入力によるメモやコンプライアンスチェック、ポッドキャストのようなストーリー機能、簡潔なアカウントサマリーにより、外出中のMR、MSL、SRは、24時間365日いつでも重要な情報にアクセスでき、医療従事者が患者さんを最善の方法で治療できるよう支援します。
イノベーションの実践:AIエージェント中心の全社的アプローチ
- AIエージェントファーストのモバイル体験:従来の複数のタブやアプリをクリックして情報を探す体験とは異なり、Agentforce for Life Sciencesは直感的なAIエージェントとの対話型インターフェースを提供します。音声起動によるアカウント準備、テリトリー評価、ポッドキャスト形式の要約、音声入力による会議まとめが、ウェブとモバイルの両方から利用可能です。
- わずか数回のタップで、営業担当者はスマートサマリーにアクセスし、単一の画面から必要な情報をすべて入手できます。また、自然言語を使用して複数のオブジェクトを横断的にフィルタリングすることも可能です。これにより、複数の画面をスワイプする必要がなく、オフラインでも利用可能です。
- 営業担当者は、医療機関から移動中に、ハンズフリーで音声ガイドによる入力や引用付きレコメンドコンテンツの概要確認、自動通話記録と音声メモ変換によるフォローアップ対応が可能です。面談のキャンセルが発生した場合、Agentforceは動的なルーティングと再スケジュール機能を活用し、優先度の高い医療従事者への訪問を迅速に提案します。予期せぬ空き時間を新たなビジネスチャンスへと転換します。

- AIを活用したコンプライアンス対応:本ソリューションは、SalesforceのHyperforceのインフラストラクチャ上に構築され、Trust Layerおよびゼロコピー統合を実現しています。これにより機密データの保護、信頼性の高い情報に基づくAIの運用、HIPAA)、GxP、GDPRといったグローバルなプライバシーおよびコンプライアンス要件への対応が可能となります。Agentforceはコンプライアンスの障壁となるのではなく、誤情報の防止、ブランド信頼性の維持、収益の最大化を促進する手段として機能します。
- 規制対象コンテンツ管理(Regulated Content Management)により、組織はバージョン管理、AIを活用した医療・法務・規制(MLR)レビュー、安全な配信を活用し、患者さん向けウェブサイトからデジタルパンフレットに至るまで、科学的正確性、医学的適切性、法的妥当性を確認できます。Marketing Cloud Nextと統合することで、マーケティングにおいて、カスタマイズされたキャンペーンやセグメントを生成することが可能です。
- 現在の方法では膨大な書類作業と継続的なリスク管理が必要ですが、Salesforceは電子化された事前検証済みエンジンを提供し、自動化された認証テストと「サービスとしての検証」により、コンピュータシステムバリデーションの検証作業を効率化し、コストのかかる手作業の必要性を低減します。
- Agentforceは監査履歴を記録し追跡可能性を確保するパーソナルアシスタントとして機能し、FDA 21 CFR Part 11準拠の電子署名による同意取得を通じて、対面、オンライン、ハイブリッド形式の訪問全般におけるガバナンスを保護します。
- 設定可能なガイドラインに基づき、Agentforceは日常的な質問への回答や医療相談の分類を行い、必要に応じて人間のオペレーターへシームレスに引き継ぎます。ポリシーや役割に基づいた事前設定の権限により、組織は特定のユーザーが閲覧可能なフィールドを制御し、機密情報を保護することが可能です。

- 実用的なインサイトを備えた顧客向けインターフェース:Data CloudとMuleSoftを基盤とした直感的なインターフェースにより、アカウント状況やレコメンドアクションを明確に表示し、専門分野・所属機関・フィードバック・嗜好に対応します。

病院の地下やWi-Fi環境のない遠隔診療所など、いかなる場所においても、担当者はトップページからすぐにエンゲージメント履歴・処方傾向・関連ニュースを確認できます。
- 厳選されたマルチメディアプレゼンテーションを活用し、Agentforceは営業担当者が医療従事者に対し、自社製品について最も効果的な論点と承認済みプロモーションコンテンツを用いて説明できるよう支援します。これはそれぞれMSLおよび営業担当者向けとなります。各スライドに要した時間を記録し、プロセス全体を通じてフィードバックを収集します。
- あらゆるチャンネルを可視化するインタラクティブなTableauダッシュボードにより、営業担当者はCAR-T製造の遅延や医療機器在庫不足を迅速に特定し、次善の代替案を見つけることが可能です。

- 常時対応のパーソナライズドサービス:医療従事者やキーオピニオンリーダーは、医療に関する問い合わせ、サンプルの請求、研修資料などに対し、対面、ウェビナー、ソーシャルメディア、メールなど様々なチャネルを横断してリアルタイムで迅速な対応が可能です。効果測定も行われ、オンデマンドサービスにより臨床部門と営業部門の連携を強化します。
- 検索拡張生成(RAG)を活用することで、Agentforceは数千件に及ぶ医療記録や内部文書を迅速に検索し、投与方法、禁忌事項、有効性、投与量などに関するSlackスウォーミングへの応答や開始が可能です。
- athenahealthやViz.aiなどとの連携により、医療従事者は診療現場において、患者さんにレコメンドされる経済的支援プログラムを知らせることが可能となります。これにより、医師は患者さんを電子健康記録(EHR)システムから患者支援プログラムへの登録手続きを進められます。

- 医療従事者は、個人専用ポータルから、デモの依頼、医療情報担当者とのチャット、または品質管理と適切な当局への迅速な報告を目的としたファーマコビジランス部門への有害事象の詳細な報告が可能です。これにより、医療従事者は必要な瞬間にワークフロー内で迅速にアクセスでき、患者さんに提供する医療格差、ケアの格差、複雑な手続きを減らすことができます。
信頼できる唯一の情報源として、創薬から上市までチームを統合
Life Sciences Cloud for Customer Engagementは、コマーシャル部門、メディカル部門、医療アクセス部門の全ライフサイクルを、患者サービスおよび臨床試験と連携させる最後のピースとなります。これにより、研究施設の選定から、精密治療のオーケストレーションや支援プログラムに至るまで、重要な業務機能を効率化し、AIを活用することが可能となります。その結果、タスクが約30%高速化されると推定されます*。
Salesforceは、社内外の専門システムインテグレーター、H1、MedPro Systems、ZSなどのデータプロバイダー、ならびに導入パートナーからなるグローバルのアライアンス(英語)を構築しています。これにより、顧客が従来のベンダーから移行するための明確な道筋を提供します。診断薬、医薬品、医療機器の規制承認取得期間を短縮し、医療機関へ安全に届けることで、医療機関は早期発見を促進し、適切な治療を指示し、疾病予防を実現することで、より健康な世界の構築に貢献できます。
顧客の視点
FidiaはSalesforce Life Sciences Cloudの早期導入企業として、Pfizerと同様、新たなソリューションを活用して治療へのアクセスを改善し、患者さんが生活の質を高める治療をより迅速に受ける取り組みを進めています。
Fidia Farmaceuticiの最高情報責任者(CIO)兼デジタルトランスフォーメーション責任者、エマヌエーレ・ペロン(Emanuele Peron)氏は次のように述べています。
「Salesforce Life Sciences Cloudの導入により、現在進行中のCRMおよびData Cloudプログラムと共に、Fidia Farmaceuticiにとって転換点を迎えています。医療従事者とのエンゲージメントと見積から受注までのプロセスを、単一のコンプライアンスに対応したプラットフォーム上で段階的に統合することで、オムニチャネル戦略の実行とAIを活用したインサイトのための拡張可能なデータ基盤を構築しております。これにより営業チームの効率性と機動性を高め、医療従事者との関係を強化し、最終的には患者さんの治療成果の向上を目指しています」
Pfizerの最高デジタル・テクノロジー責任者 リディア・フォンセカ(Lidia Fonseca)氏は次のように述べています。
「当社のイノベーションと進捗を合わせ、コマーシャル部門の従業員間の連携ができる拡張性のあるソリューションが必要でした。Salesforceとの連携により、当社の医薬品、ワクチン、サービスについて医療従事者が情報に基づいた判断を下すために必要な正確で質の高い情報を提供できるよう、現場の担当者を支援する体制が強化されました。この連携は既に、チームの管理業務の負担を軽減し、医療従事者との関わりに集中できる環境を整えることで、患者さんの生活を変える画期的な成果を提供するという当社の目的達成に貢献する可能性を示しています」
提供時期:
- Life Sciences Cloud for Customer Engagementは、米国では2025年10月11日より、SalesforceおよびApple App Storeで提供開始します。日本市場では2025年11月下旬に提供開始予定です。
- これにはスマートサマリー(Smart Summaries)、キーアカウント管理(Key Account Management)、インテリジェントコンテンツ(Intelligent Content)が含まれます。
- 完全なリリースノートは提供開始時にこちら(英語)で更新されます。
- 本アプリは、本年後半よりAWS Marketplaceで利用可能となります。
- Podcast Stories、Agentforce Voice、AI対応コンプライアンス機能は、2026年2月より利用可能です。
- 規制対象コンテンツ管理(Regulated Content Management)とMarketing Cloud Nextとの統合は、2026年後半の提供を予定しています。
- H1、MedPro Systems、Viz.ai、ZSとの統合機能は、提供開始しています。
詳細情報:
- Life Sciences Cloudの詳細は、こちら。
- Life Sciences Cloud for Customer Engagementのデモは、こちら。
- Life Sciences Cloudに関するホワイトペーパーは、こちら。
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