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Salesforce、「Agentforce for Public Sector」を発表 法令遵守対応から住民支援まで、行政の煩雑な業務を効率化

Salesforce Announces Agentforce for Public Sector
  • Agentforce for Public Sectorにより、公共機関はカスタムAIエージェントと標準搭載AIエージェントを迅速に導入し、行政職員や住民が、給付申請や法令順守などの複雑な業務を完了できるよう支援します。
  • アメリカ合衆国テキサス州カイル市のような先進的な公共機関では、Agentforceを活用して多様な住民のリクエストに自律的に対応し、スピーディなサービス提供と住民体験の向上を実現しています。

※本記事は2025年8月19日に米国で公開されたSalesforce Launches Agentforce for Public Sector to Take on Time-Consuming Government Work, from Compliance to Constituent Supportの抄訳です。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。


公共機関は、人員不足と国民の高まる期待の中で、即応性・効率性・生産性の向上を求められる圧力が一層高まっています。そこでSalesforceは本日、公共機関向けにAgentforce for Public Sectorを発表しました。これは、行政職員の業務を補完するデジタル労働力として、知能的なAIエージェントが、定められたルールの範囲内で自律的に動き、複雑で時間を要する業務を担います。

Agentforce for Public Sectorにより、公共機関はAIエージェントを活用して職員や市民を支援し、行政の対応スピードを高め、住民サービスの充実、業務の効率化や職員負担の軽減を実現できます。これにより、職員は本来注力すべき業務に専念できる一方で、迅速で効率的な行政サービスが提供可能になります。

重要な理由

世界中の政府関係者は、AIによって業務効率、生産性、職員の満足度、サービス提供が向上することを認識しており、64%(英語)がAIの導入によって大幅なコスト削減が見込まれると考えています。また、90%(英語)の住民がAIを活用した行政サービス(英語)に期待しています。しかし、その価値は明確な一方で、データプライバシーやセキュリティなどに関する懸念(英語)が、導入の障壁となっているのも事実です。こうした状況に対応するために、Agentforce for Public Sectorは、信頼性が高く、安全かつ認証済みのAIソリューションを提供し、職員と住民双方を支援することで、AIの潜在能力を最大限に生かして行政サービスの変革を可能にします。

市役所でのAgentforce活用事例

AIを先行導入した自治体では、すでに効果が現れています。アメリカで最も急成長中(英語)の都市の一つであるテキサス州カイル市では、Agentforceを活用して住民との接点を刷新し、統合管理型でスケーラブルなサービスモデルを構築しています。住民は、道路に空いた穴の通報から議会会議の結果の照会まで、自治体とシームレスにやりとりできるようになり、問い合わせ状況も透明化されました。

「Agentforce により、優れた住民体験を提供し、業務効率が向上し、コストも大幅に削減できるようになりました。市役所のあらゆる機能が、職員にも住民にも24時間いつでもアクセス可能になったような感覚です」
テキサス州カイル市 副市長、ジェシー・エリゾンド(Jesse Elizondo)氏

 Agentforceにより、優れた住民体験を提供し、業務効率が向上し、コストも大幅に削減できるようになりました

テキサス州カイル市 副市長、ジェシー・エリゾンド(Jesse Elizondo)氏

さらに詳しく:信頼できるデジタル労働力が行政の応答力を強化

Agentforce for Public Sectorにより、公共機関はカスタムAIエージェントと標準搭載のAIエージェントを構築、調整、導入できます。たとえば、住民からのよくある問い合わせへの対応や、ライセンス更新手続きの処理などもAIエージェントが自律的に対応できます。また、FedRAMP High、Protected-B、IRAPを含む厳格なグローバルのコンプライアンス要件(英語)に準拠しているため、公共機関は安心・安全に利用できます。 

また、Agentforce for Public Sectorでは、公共機関向けに特別に設計されたAIエージェントが実行できる事前作成済みのアクションも利用できます。たとえば、「類似する苦情を検索」「規制違反の有無を確認」といったタスクです。これらのアクションは職員、部門、業務プロセスごとに迅速に導入・適用でき、開発時間の短縮、業務効率の向上、職員の生産性向上が実現します。新たに提供されたアクションは以下の通りです。

  • 規制順守を簡素化しリスクを低減関連する規制に基づき、AIエージェントはコンプライアンス担当者や検査官を支援し、違反箇所の指摘や規制料金の算定、文書作成などを行うことができます。違反の検出からフォローアップメールの作成まで自律的に対応し、Compliance Managementアクションを備えたAIエージェントが事務作業の負担を軽減します。
  • 対応スピードの向上と傾向の把握(英語):住民からの苦情を要約・分析し、過去の関連事例を特定、規制や政策に基づいた対応策を提示します。類似の苦情をグルーピングし、頻出課題を把握することで、Compliance Managementアクションを備えたAIエージェントが、問題解決までのスピードを上げ、制作やサービス改善に役立つ知見を提供します。
  • 優秀な人材を迅速に採用(英語):AIを活用した履歴書マッチングや候補者対応により採用業務における管理負担を軽減できます。Recruitment Managementアクションを通じて、リクルーターは候補者の資格や適性を一目で把握し、採用担当者と情報を共有し、応募者へのメールを自動送信することが可能です。これにより、採用判断を迅速化し、応募者体験の改善にもつながります。
  • 応募者への職種提案(英語):求職者のスキル、経験、目標に基づき最適な職種を提案します。プロフィールに最も合致する求人を提示することで、応募率を高め、求職者による検索時間を削減します。
  • 給付金申請の支援住民はAIエージェントと自然に会話しながら、利用可能な給付や的確条件を確認することができます。必要な支援をタイムリーに受けられるとともに、申請処理の迅速化、誤りの削減、制度順守の向上にもつながります。
  • 苦情申し立ての簡素化(英語):苦情申立人や職員が、政策や法令遵守要件に関する正確な情報を容易に入手でき、適切な手順に沿って苦情を提出できるよう支援します。これにより、審査プロセスの迅速化と解決までの時間の短縮が実現できます。

「行政の未来は、より知的で効率的、そして住民のニーズに深く根ざしたものになっていきます。Agentforce for Public Sectorは、信頼性と安全性を備えたAIを行政業務に組み込むことで、その未来を実現します。AIエージェントが行政職員と協働し、日常的な問い合わせから複雑で時間のかかる業務まで、住民を24時間365日支援することで、公共機関はこれまで以上に迅速で柔軟、かつ効果的に運営できるようになります」 
Salesforce 公共機関担当EVP兼GM、ナシ・ジャザイエリ(Nasi Jazayeri)氏 

注目ポイント

Agentforce for Public Sectorは、SalesforceのPublic Sector Solutions上に構築されており、数週間でAIエージェントの導入が可能です。非技術者のチームでも、自然な言語と事前作成済みのテンプレートを用いて容易にAIエージェントをカスタマイズできます。また、Public Sector SolutionsのデータモデルとData Cloudとの統合により、複数のアプリケーションやデータソースから知見を引き出し、包括的な情報に基づいた意思決定が可能になります。

Agentforceの頭脳となるAtlas推論エンジンは、複数のデータソースから複雑な情報を処理・分析し、根拠に基づいた意思決定、予測的洞察や実行可能な推奨事項を提供します。複数の検索拡張生成(RAG)モデルを組み合わせた手法により、正確で特定性の高いデータをAIエージェントに提供します。 Data Cloudは、Salesforce Platformをつなぐ基盤として、アプリ、データレイク、メール、画像、PDF、レガシーシステムなど、Salesforce内外の構造化/非構造化データを容易に統合できます。 さらに、Salesforce独自のTrust Layerは、ダイナミックグラウンディング、ゼロデータ保持、有害性検出といった機能を備え、プライバシーとセキュリティの両面で責任あるAIの利用を可能にします。

Salesforceの統合型プラットフォームを活用することで、公共機関はSalesforceエコシステム全体で進むイノベーションを活用することができます。たとえば、Agent Builderを使えば、自然言語による指示や追加のガードレールを含むトピックを定義することで、標準搭載のAIエージェントを公共機関向けのユースケースに容易にカスタマイズできます。さらに高度なカスタマイズを行う場合も、Salesforce上に構築された既存のビジネスロジック(Flow、Apex、MuleSoft API、プロンプトテンプレートなど)にあるアクションライブラリを簡単に接続することも可能です。

Agentforce for Public Sectorを支えるSalesforceのパートナーエコシステム

Agentforce for Public SectorはAWS上で安全に稼働し、規制やデータの保管要件への準拠を支援します。また、AWS Marketplaceからも利用可能です。さらに、IBM Consultingのような信頼できるパートナーと協業することで、導入期間を短縮し、ROIを最大化することが可能です。

「AIエージェントは組織運営を根本から変える存在であり、すべての業界において前例のない生産性とイノベーションをもたらします。当社のインフラは、世界中の高感度な組織が求める最も厳しいセキュリティ要件に対応しており、SalesforceのFedRAMP取得やAWS Marketplace活用を通じ、公共機関の課題解決とイノベーション加速に貢献していきます」
AWS WWPS ISVセールスディレクター、エイミー・ベルチャー(Amy Belcher)氏

「Agentforce for Public Sectorによって、公共機関のあらゆる分野において前例のない効率性が実現されるでしょう。高度にチューニングされたAIエージェントは、すべての住民向けのサービスのあり方を変革する可能性を秘めています。IBM ConsultingのSalesforce専門チームは、公共機関のAI変革を支援し、AIエージェント導入の拡大を後押ししています。Agentforce Public SectorはIBM watsonxと連携しており、エージェント型AIの導入においてオープンなアプローチを可能にします」
IBM Consulting 米国連邦市場担当マネージングパートナー、スーザン・ウェッジ(Susan Wedge)氏

提供時期:

  • Agentforce for Public Sectorは、8月に日本での一般提供を開始しています。
  • Compliance Management、Complaint Management、Recruitment Managementは、8月に日本での一般提供を開始しています。
  • Recommend Job Position、Apply for Benefits、Complaints Filingは、10月に日本での一般提供を開始する予定です。

詳細情報:

  • Agentforce for Public Sectorがどのように組織を変革できるかについては、こちら。 
  • テキサス州カイル市がAIを活用して住民体験をどのように改善しているかについては、こちら。 
  • ウィスコンシン州経済開発公社 SalesforceとAIを活用して、効率性、生産性、協働をどのように向上させているかについては、こちら(英語)。 
  • 米国政府機関および公共機関におけるSalesforceの利用状況は、こちら(英語)。 
  • Salesforceの「State of IT in the Public Sector」レポートで、公共機関のITリーダーが直面している主な課題については、こちら(英語)。 
  • Connected Government レポート(住民、職員、IT部門の意識調査)は、こちら。 
  • 公共機関向け標準機能による迅速な導入方法は、こちら。 
  • Salesforceのセキュリティとコンプライアンス情報は、こちら(英語)。

本記事には、現在開発中で未リリースのサービスや機能に関する記載が含まれている場合があります。お客様は、完全にリリースされ利用可能な機能に基づいて購入判断を行ってください。