日本企業がエージェンティック エンタープライズへの変革を急速に進める中、2027年までにマルチAIエージェントの導入が82%急増する見込み―統合アーキテクチャが成功の鍵に
AIエージェントの導入が普及する中、日本のITリーダーの92%が、AIエージェントの成功はシステム間の統合にかかっていると回答
インフラの断片化や「シャドーAI」によるイノベーションの停滞を防ぐため、ITリーダーは、複数のAIエージェントを連携させ、API主導の駆動型アーキテクチャに注目
※本記事は2026年2月5日に米国で公開されたMulti-Agent Adoption to Surge 67% by 2027 as Enterprises Race Toward Agentic Transformation — Unified Architecture Key to Successを元に、日本語版のレポート完成を受け、日本向けに内容を加筆・再編集したものです。
株式会社セールスフォース・ジャパン(本社:東京都千代田区、代表取締役会長兼社長 小出 伸一、以下 Salesforce)は、「2026年版 接続性ベンチマークレポート」(第11版)を発表しました。
日本の企業は、人とAIエージェントが協働する「エージェンティック エンタープライズ」への移行が加速中です。現在、日本の組織では平均11体のAIエージェントが導入されています。また、その数は2年以内に82%増加すると予測されています。すでに日本の組織の71%が、ほとんどの、あるいはすべてのチームや部門でAIエージェントを導入していると回答をしました。しかし、日本のITリーダーは、オーケストレーション(AIエージェント同士の管理・連携体制)やガバナンスに関する喫緊の課題に直面している現状が明らかになっています。現在、AIエージェントの51%が、マルチエージェントシステムの一部としてではなく、孤立したサイロ状態で稼働しており、その結果、ワークフローの断片化、自動化の重複、そしてシャドーAIの潜在的なリスクが生じています。
これらの課題に対処するため、回答者がマルチエージェントを接続・調整・管理し、AIの成功を推進するための統合された基盤として、API主導のアーキテクチャを採用しつつあることも明らかになりました。
「2026年版 接続性ベンチマークレポート」の主な調査結果
マルチAIエージェントへの道
AIエージェントはもはや実験的な存在ではなく、企業の生産性を牽引する主要な原動力となりつつあります。日本のITリーダーは、多様なAIエージェントソリューションの活用や、AIエージェント群を管理するための通信プロトコルの確立に注力しています。
- 高い期待:ITリーダーの91%が、AIエージェントによってすでに従業員体験が改善された、あるいは今後改善されると期待していると回答しました。95%が、AIエージェントの導入により開発者がより付加価値の高い業務に集中できるようになると考えています。
- 多様な開発手法: 組織の報告によると、既存のAIエージェントは平均してさまざまな手法で開発されており、その内訳は以下の通りです。
- 既製のSaaSエージェント(37%)
- エンタープライズプラットフォームに組み込まれたAIエージェント(36%)
- 社内で独自に開発されたもの(27%)
- プロトコルの採用: 組織がAIエージェントを導入するにあたり、それらを管理・連携させるためのさまざまな標準規格やプロトコルを積極的に採用しているか、あるいは採用を計画しており、特に以下の項目への関心が高まっています。
- Agent Network Protocol(46%)
- Model Context Protocol(46%)
- Agent Communication Protocol(43%)
- Agent-to-Agent Protocol(37%)
オーケストレーションとガバナンスのギャップ
企業がAIエージェントの全面的な導入を急ぐ中、オーケストレーションとガバナンスの面で重大なギャップが生じています。導入率は高いものの、企業全体からデータを安全に活用し、連携できるマルチAIエージェントのワークフォースを支えるためには、それを支えるインフラのさらなる統合が必要です。
- アプリとAIエージェントの乱立:日本企業のアプリ数は前年比で721から906へと増加しましたが、そのうち相互に統合されているのはわずか29%にとどまっています。統合の課題やAIエージェントのサイロ化により、ITリーダーの76%が、AIエージェントが価値よりも複雑さを増すのではないかと懸念しています。
- 主な障壁:現在、AIエージェント主導の変革を妨げている主な課題は以下の通りです。
- AIやエージェント設計に関する社内の専門知識の不足(56%)
- リスク管理、コンプライアンス/セキュリティ、および/または法的影響(54%)
- サイロ化されたアプリとデータの統合(43%)
- データの障壁: 97%の組織が、AI活用事例におけるデータ利用の障壁を経験しており、42%が、データサイロや連携していないシステムに起因する旧式のITアーキテクチャ/インフラを最大の阻害要因として挙げています。
- 「シャドーAI」の台頭: 組織の半数以上(53%)が、アプリケーションを横断するデータガバナンスを統合における最大の課題として挙げています。現在、平均して推定31%のAPIがガバナンスの対象外となっており、組織の半数未満(46%)しか、AIエージェント機能に対する正式な監督体制を備えた一元化されたガバナンスフレームワークを有していません。
統合された基盤の構築
統合のギャップを埋めるため、日本のITリーダーたちは統合された基盤の構築へと動き出しています。APIを「結合組織」として活用することで、組織は断片化したAIツールを、AIエージェント同士が安全に通信し、データのコンテキストを共有し、IT環境全体にわたってタスクを実行できる、一貫性のあるマルチAIエージェントシステムへと変革することができます。
- 接続性の重要性:日本のITリーダーの92%が、AIエージェントの成功は、すべてのシステムにわたるシームレスなデータ統合にかかっていると認識しています。
- アーキテクチャの転換: ITリーダーの88%が、AIエージェントの成功には、ITアーキテクチャがよりAPI主導型になることが必要であることに同意しています。そこでは、APIが企業全体でアプリケーション、データ、AIを接続するための基本的な構成要素となります。
- 統合の加速: 41%のチームが、すでにAPIを活用してシステム間の統合を加速させています。
- AIのためのAPI: 日本の組織の半数以上(64%)が、すでにAIの接続とガバナンスのためにAPIを活用しています。
マルチAIエージェントの実践
AIエージェントを早期に導入した企業は、すでに、統合された基盤によって、AIエージェントを実験的なサイロ状態から、複数のAIシステムが連携して機能する中核的な事業運営へと移行させる方法を実証しています。
- 経営幹部が人材配置を最適化できるよう戦略的インサイトを提供するエンタープライズ・インテリジェンス企業であるr.Potentialは、SalesforceのプラットフォームとAgentforceを活用してソリューションを開発しています。また、MuleSoft Agent Fabricを導入することで、同社はAgentforceやその他の専用エージェント、MCPツールを統合し、外部コンテキストや独自データを分析して経営幹部向けのインサイトを生成するための、安全かつガバナンスの整った基盤を確保しています。
Salesforceおよびパートナーの視点:
- SalesforceのMuleSoft担当SVP兼GMアンドルー・コムストック(Andrew Comstock)は次のように述べています。「エージェンティック エンタープライズの真の成功は、導入されたAIエージェントの単純な数にあるのではなく、それらのAIエージェントの全体的な有効性にあります。AIエージェントをどのように発見し、管理し、連携させて機能させるかについて考える必要があります。このマルチAIエージェント時代へと移行するにつれ、ITの役割は、サイロ化されたシステムの管理から、マルチAIエージェントシステムを安全かつ信頼性が高く、スケーラブルなものにするための中心的な制御プレーンとして、統合された基盤を構築することへと進化しています」
- Deloitte Consulting LLPのマネージング・ディレクター兼APIトランスフォーメーション・リーダーのカート・アンダーソン(Kurt Anderson)氏は次のように述べています。「本年のSalesforce Researchとデロイト・デジタルの調査結果により、組織が単にAIエージェントを導入する段階から、大規模に運用する段階へと移行しなければならない重要な転換点が浮き彫りになりました。成功には、サステナビリティと安全性を確保するために、統合戦略を再考することが求められます。API主導のガードレールを確立することで、企業は自社のエージェンティック トランスフォーメーションが、現代の企業に求められる要件に対応することが可能となります」
詳細情報:
- 接続性ベンチマークレポートをダウンロードは、こちら。
- MuleSoft Agent Fabricの新しい自動エージェント検出機能は、こちら。
- MuleSoft Agent Fabricの技術的基盤の詳細は、こちら。
- MuleSoftブログでレポートに関するさらなるインサイトは、こちら(英語)。
調査方法:SalesforceがVanson Bourneと共同で、Deloitte Digitalのインサイトも取り入れて作成した第11回年次「Connectivity Benchmark Report」は、世界中のITリーダー1,050名を対象としたインタビュー調査データに基づいています。この二重匿名方式のオンラインアンケートは、2025年10月から11月にかけて、米国、英国、フランス、ドイツ、オランダ、オーストラリア、シンガポール、香港、および日本で実施されました。厳格な多段階のスクリーニングプロセスを経て、適切な参加者のみがアンケートに回答するよう確保しました。回答者は全員、IT部門において管理職以上の地位にあるITリーダーです。すべての回答者は、公共部門または民間部門の企業組織(従業員数1,000名以上と定義)に勤務しています。
本発表のデータは、特に日本のITリーダー100名からの回答に基づいています。
本記事、または公式に言及されている未提供のサービスや機能は現在利用できないものであり、予定通りに、または全く提供されない可能性があります。お客様は、現在利用可能な機能に基づいて購入をご判断くださいますようお願いいたします。





