30歳のときに網膜色素変性症によって視力を失い、ホースセラピーで乗馬を始めました。ある日、日本障がい者乗馬協会の会長がシドニーパラリンピックに出場したことを知り、「私も馬術でパラリンピックに出てみたい!」と思って主人と一緒に馬術に挑戦することにしました。やがてパラ馬術の競技大会に出場するようになり、東京2020パラリンピックの千葉県強化選手に選ばれたこともありました。競技を通じて視覚以外の障害を持つ選手と交流できることも大きな励みになっています。現在の目標は、今年の秋に開催される馬術大会に出場すること。以前は、パラリンピックや強化選手など大きな結果にこだわっていましたが、今は「こんなふうになれたらいいな」と自分なりに目標を立て、それに向かうことを大切にしています。また、視覚障害者の馬術ライダーはまだ少ないため、馬術のノウハウや楽しさを後輩に伝えることも私の使命だと思っています。
 
 
人事本部で、Wellbeing Specialistとして社員に鍼灸マッサージを施術したり、瞑想の手法をベースにしたマインドフルネスコンテンツを提供したりしています。当社の人事本部は社員の成功を意味する「Employee Success(エンプロイーサクセス)」と呼ばれています。当社のコアバリューであるカスタマーサクセスを実現するためには、まずは社員の成功を後押しし、その成功を支援するという意味からきています。私はその一員として、社員の皆さんを癒すことがカスタマーサクセスにつながることにやりがいを感じています。今後は、現在毎朝実施しているマインドフル瞑想に加え、それ以外のマインドフルネスのコンテンツをランチタイムにも展開して、社員の仕事により深く関わっていきたいです。鍼灸マッサージはコロナの影響でお休みしていますが、再開されたら、社員の皆さんがポジティブな気持ちで仕事に臨めるような施術を行えればと考えています。
ー 仕事と競技の両立
仕事は月曜〜金曜の週5日勤務で、仕事が休みになる土曜、日曜、祝日に練習を行っています。平日は仕事、週末は練習というふうにメリハリのある生活のおかげで、仕事と競技に良い相乗効果が生まれていると感じています。
 
 
Salesforceに入社して最初に驚いたのは、盲導犬の待機場所を盲導犬目線で考えてくれたことでした。また、以前いた会社では盲導犬と一緒に使える場所が制限されていたのですが、Salesforceではそうした制限は一切ないんです。会社の避難訓練にも盲導犬と一緒に参加できるなど、障害者への配慮と理解の深さを実感しています。さらに、社員の皆さんには馬術の大会でもサポートいただいています。視覚障害者が大会に出るときには、声で馬の現在地やポイントの場所を知らせる「コーラー」と呼ばれるスタッフが複数名必要なのですが、社員の方々が会社のボランティア休暇制度を利用してコーラーを務めてくれるのです。大会前にボランティアを募集すると、部署を問わずたくさんの社員が参加してくれます。全盲の私が大会で活躍できるのは、コーラーの皆さんとのチームワークがあってこそ。まさに、Salesforceという素晴らしい環境が、夢を追う私の力になっています。
コロナの影響で在宅勤務になり、社内で行っていた鍼灸マッサージに代わる仕事を職場の仲間と一緒に考え、実現できたときには、Salesforceの社員で良かったと思いました。Salesforceはいろいろなことにチャレンジさせてくれる会社で、自分のやりたいことを形にすることができます。Salesforceには家族のように社員、お客様、パートナー様、地域社会の人々を大切にし、助け合うという企業文化があります。社員の間にも、それぞれの違いを認め、尊重し合う意識が浸透しています。私自身、こうした文化を持つSalesforceの一員であることに誇りを持ちながら仕事と競技に取り組んでいます。
ー デュアル・キャリアを検討する方へメッセージ
Salesforceには、仕事と競技活動のデュアル・キャリアを実践するための環境が整っています。もし、何らかの理由で自分のやりたいことを諦めている人がいるとすれば、「トライしてもいいんだよ」とやさしく背中を押してあげたいです。