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TalentX、新卒もMA運用し取引量は約2倍。その秘訣とは

「Account Engagement Trailblazer Award 2023」受賞企業インタビュー 株式会社TalentX セールス&マーケティング本部様

「Account Engagement Award」を受賞した 株式会社TalentX セールス&マーケティング本部 への取材記事。その受賞理由についてインタビューを通じて深掘りしていきます。

「人と組織のポテンシャルを解放する社会の創造」をパーパスに掲げ、採用とエンゲージメントをつなげるためのHRtechサービスを提供するTalentX 様。「リファラル採用」の概念を日本に根付かせた企業として注目されています。

この度、「Account Engagement Award 2023」を受賞されたTalentX様ですが、これまで他社のMAツールを利用していた同社のセールス&マーケティング本部 で、「Account Engagement」への移行を決意した理由はどこにあるのでしょうか。TalentXの取締役でセールス&マーケティング本部本部長を務める細田亮佑氏にお話をお聞きしました。

「MAツールが成長を支える」と断言できる理由

-- 「Account Engagement Award 2023」の受賞、おめでとうございます。今のお気持ちをお聞かせください。

細田 亮佑 氏(以下、細田):
ありがとうございます。このような賞をいただき、光栄です。

--TalentXでは、他社のMAツールをお使いになられていましたが、「Account Engagement(旧 Pardot)」に切り替えられました。その理由を教えていただけますか。

細田:大きく分けて2つあります。1つは我々の営業活動における基盤「Sales Cloud」や「Slack」とシームレスかつスピーディに連携できること。もう1つは「Account Engagement」のほうがお客様のインサイトを深掘りできることです。

-- お客様のインサイトを得ることは、非常に重要ですよね。

細田:はい。TalentXは、リファラル採用を活性化させるクラウドサービスをはじめとした「企業が自前で人材を獲得するタレント獲得プラットフォーム”Myシリーズ”」の提供を主力事業にしています。こうした事業は、顧客の潜在的なニーズを知ることがカギであり、そのためにはカスタマージャーニーを把握することが不可欠です。

そうした観点でMAツールを比較すると「Account Engagement」は我々のサイトに訪問した顧客の流入経路や個別コンテンツの閲覧時間、ダウンロードしたコンテンツの種類といったデータはもちろん、その顧客が過去にどのようなコンテンツを閲覧していたのか、長期にわたり深度のある情報を追うことができます。

-- 「どういった属性のお客様が・いつ・どのコンテンツをダウンロードしたのか」だけでは十分なインサイトは得られないのですね。「そもそも論」ですが、なぜMAツールが必要だと判断されたのでしょうか。

細田:端的に言えば、「自力では無理だから」です(笑)。

顧客の数が増加すればするほど、属人的な営業やマーケティングでは追いつかなります。たとえば、1店舗で製品数も少なく、オーナーがすべてのお客さんの顔を覚えているようなお店なら、MAツールは必要ありませんよね。

また顧客を“塊”と捉え、「この塊にはこのメルマガを定期的に送付すればよい」といったマーケティング活動でも、MAツールは不要でしょう。ただし、こうした活動だけでは、マーケティング施策による事業の成長は見込めません。

MAツールを導入する目的は、新規受注獲得と持続的な利活用の促進です。そのためには「どのような顧客に対し」「どのような価値を提供すべきなのか」を見極め、顧客からいただいた要望に対してスピード感を持って的確に対応する必要があります。

こうした「見極め」を人間がアナログでやろうとすれば、人員を増やすしかありませんが、その人件費は軽視できません。MAツールを導入したほうがコスト的にも良いですよね。

営業を強くする マーケティングオートメーション

Account Engagementの代表的な機能や、導入することにより具体的にどのようなメリットがあるのかを10分間でわかりやすくお伝えします。

入社半年の新卒スタッフたちがチームの主軸

-- 「Account Engagement」を活用していく中で「こんな部分も役に立つんだ」といった発見はありましたか。

細田:地味なことですが、「Account Engagement」ではメルマガの転送状況や閲覧するデバイスの種類もレポートしてくれます。これらを細かく分析したところ、新たな発見がありました。

例えば「採用マーケティングの必要性」や「採用ブランディングを確立するためのフレームワーク」といった概念を説明するメルマガでも、こちらが想定したよりも多く転送されていました。お客様に直接伺ってはいないので詳細は分かりませんが、部門の管理職が参考記事としてスタッフに転送し、それを読んだ担当者が興味を持ってコンタクトしてくださったケースもありました。

一般的なMAツールであれば、1通のメルマガに対するレポートはコンバージョンレートだけです。「Account Engagement」では「送付したメルマガがどのように読まれているか」まで把握できるのはありがたいことです。

さらに言えば、顧客の行動もある程度把握できます。閲覧しているデバイスの種類を見ると、朝と昼はモバイルからの閲覧率が高いんです。これは通勤中や昼休みに自分のモバイルから閲覧しているのですね。さらに詳細を知りたいという方がパソコンからもアクセスし、コンタクトしてくださる。

コロナ禍でも現場に行かないと仕事ができない製造業に就いていて、朝と昼休みにモバイルデバイスで閲覧している方が一定数いらっしゃるようなのです。ですから、次なる施策として、製造業を意識した情報提供やアプローチを講じられるのです。「Account Engagement」はそうしたヒントを与えてくれます。

--さまざまなデータを活用し、いかに顧客のインサイトを引き出せるかはマーケターの腕にかかっていますね。現在はどのような体制で「Account Engagement」を運用しているのですか。

細田:マーケティングチームのメンバーは5名で、半数が新卒です。彼らは「Account Engagement」に触れてから半年も経っていません。ですが、UIがシンプルなのでMarketing未経験者でも使いやすいこと、さらには「Sales Cloud」と同じ言語になるため習得が早いと感じています。

キャンペーンやランディングページの作成、各フォームとの連携、オートメーションルールの策定といった作業は、既に私より詳しくなっています。今では、そうしたオペレーションは現場に任せ、最終的なチェックはマネージャーが担当しています。

マーケティングチームにはデータ分析が大好きで好奇心旺盛なスタッフもいます。そのスタッフも新卒ですが、データを見ながらさまざまな分析の切り口を考えています。また、ほかのメンバーもサムネイルの配置などを見直し「こちらのデザインのほうが、CTR(Click Through Rate)が上がるのでは?」といった提案もします。こうした試行錯誤ができるのも、「Account Engagement」の優位点ですね。

ちなみに「Account Engagement」を運用しているのはマーケティングチームですが、データを活用しているのはフィールドセールスやインサイドセールスです。彼らがヒアリングで得たお客様の声をマーケティングチームが集約し、文章化して営業部に渡しています。つまり、セールス部門は「Account Engagement」の存在を意識することなく営業活動ができるのです。

お客様との接点数やお取引量が約2倍に

-- 「Account Engagement」導入の具体的なビジネスインパクトを教えてください。

細田:まず、お客様との接点数やお取引量が約2倍になりました。その背景には我々のプロダクトがコンバウンド化(複合化)し、複数の商材を同時に提供できるようになったことが挙げられます。

「Account Engagement」の導入でお客様のニーズを深く把握できるようになった結果、1人のお客様に対して複合商材を提案できる機会が多くなりました。

例えば商談時間でみてもこれまでは半年に一度、60分程度いただけていたお客様との商談時間が、ニーズを深く把握し最適な提案を行えることで90分~2時間近くに増えたり、短い期間で再商談をいただけるようになりました。もちろん、顧客接点が増えたことでお客様の課題を引き出しやすくなったことも背景にあります。

--お取引量が約2倍とは、Salesforceとしても嬉しいです。率直にお答え
いただきたいのですが、「Account Engagement」は投資に見合う効果を出していますか。

細田:はい。今年度上半期におけるマーケティンググループの「直接貢献金額(利益)」は過去最高でした。もちろん、人件費に置き換えれば、その投資対効果はてきめんです。

--最後に、現在MAツールの導入を検討している企業の担当者さんにアドバイスをお願いします。

細田:よく言われることですが、これまでの営業は一般に「嗅覚(勘)と経験と度胸」に頼りがちでした。昔からお付き合いのある顧客だけを相手にビジネスをしているのであれば、そうした営業もアリでしょう。

しかし、これまでにないサービスやプロダクトで新たな市場を創出しようとしているのであれば、MAツールは必須です。営業プロセスを標準化し、マーケティングチーム全体で顧客のインサイトを把握できるよう情報を可視化する。そして、セールスチームが的確な提案をできるように支援するのです。

そのためには、リード管理から商談締結まで一気通貫で把握できるMAツールが不可欠です。そうした観点からも「Account Engagement」は最適だと考えています。

--貴重なお話をありがとうございました。

『Account Engagement Trailblazer Award 2023』受賞企業 記事一覧

Kosuke Takagi
Kosuke Takagi クラウドセールス統括本部 - Account Engagement営業本部 担当マネージャー

2022年セールスフォース・ジャパンに入社。Account EngagementのセールスとしてEnterPriseのBTCマーケットを担当。

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