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めざせ売上30%アップ! facebook広告をはじめよう!

炎上させない、しても慌てない、ソーシャルメディア防災マニュアル

ソーシャル活用の現場で発生する「facebook広告」「投稿・交流」「分析」「炎上対応」といったハードルを乗り越えながら、最終的にソーシャル活動が「事業の収益化」に結びついている、という手応えを感じるまでに至って欲しい。

めざせ売上30%アップ! facebook広告をはじめよう!

ソーシャルの現場で発生する「ハードル」を乗り越える。

本連載も、今回からいよいよ後半である。ここからは、ソーシャル活用の現場で発生する「facebook広告」「投稿・交流」「分析」「炎上対応」 といったハードルを乗り越えながら、最終的にソーシャル活動が「事業の収益化」に結びついている、という手応えを感じるまでに至って欲しい。大豊作の恩恵 を得るには「まじめにコツコツ」が必要となるのがソーシャルメディアである。 筆者が知る限りでは、ソーシャルメディアは全収益の10~30%程度を、現在のマーケティング手法と関わりあいながらあと押ししてくれる。とはいえ、競争 激化の一途をたどる従来のSEOやPPC広告は、高い知識や工夫が要求され「マーケティング戦国時代」とも言える状況下で、この数字は心強いものと言える だろう。今、ライバルから頭ひとつ抜きん出るためにも、これらのスキルを十二分に身につけて、顧客や見込み客の高い満足度を達成し、事業の発展に役立てて 欲しい。

まずはファン数1,000人を獲得する

まず、フェイスブックでの「印象づくり」が収益につながる「予兆」を体感するため、あなたのフェイスブックページにファン数1,000名 を集めてみよう。ほとんどのケースでは、ファン数が5,000人 を超えたあたりから、web担当者が「収益に貢献しはじめた」と感じている。ファン1人1人を大切にすることは重要だが、やはり数を増やすことも必要だ。 だが前回でも説明したとおり、ソーシャルでの印象を損ないかねないような「ファン数を一気に増やす裏ワザ」への興味は封印しよう。ソーシャルというメディ アの性格上、地道にコツコツ積み重ねるしかない。ただ、フェイスブックが認めている公式ツールの「フェイスブック広告」を正しく使えば、スピーディかつ適 切なコストで、ソーシャル活動が加速できる。機能の追加や仕様の変更が激しいフェイスブック広告だが、1度身につけておけば、あとあとずっと使える本質的 な運用スキルを、1,000人を目安として、体得してもらいたい。 facebook広告経由でのファン獲得の目安は平均50円~100円だ。若干の差異はあるだろうが、上手くゆけば50円×1,000名だから約5万円ほ どの投資とみて欲しい。ただ、実際には、広告によって集まったファンの「いいね!」やシェアによって、広告以外からさらにファンが増えることが期待され る。また、前半で設置した「中間コンバージョン」が効率よく機能していれば、1,000人前後 のファン数でも収益への手応えは感じることができるはずだ。 ただ、なんの成果も得られないこともあるだろう。そうした場合は、もういちど本稿の第一回からの基本にもどって、体制を整え直して欲しい。お金さえかけれ ば何とかなる、という性質のモノではない。「集客・交流・コンバージョン化」これらのベースがしっかりと整っていなければ、ソーシャルで「収益をゴール」 として取り組み続けても徒労に終わるだろう。そもそも事業組織として、こうした体制作りができる、できないも有るかもしれない。だが、新しい取り組みとい うのは、頭ごなしに決めつけず、やってみなければ分からない局面も多いだろう。そうした判断も視野に入れながら、まずは1,000人のフェイスブックペー ジを運用してみてほしい。

クリック単価「5円」への挑戦

フェイスブック広告は、広告が1回クリックされると料金が発生する、いわゆる「PPC広告」と呼ばれるクリック課金型の広告だ。予算の組み方は、 10回、100回とクリックされた1日の広告費の合計を「5,000円までなら支払って良い」など、一日の上限値を決めておくのである。 現在、日本のフェイスブック広告の相場は1クリックあたりだいたい100円前後といわれている。

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上図は、こうした相場などを紹介しているsocialbakers.comだ が、本記事の執筆時である2012年の8月12日時点の日本の1クリックの相場は $1.33、つまり、日本円で約104円だそうだ。 だが、こうした相場は現場的にあまりあてにならない。少し工夫してやれば、単価はどんどんと低く抑えられるからだ。例えば、同じ2012年の8月12日時 点で運用していた、あるフェイスブック広告の1週間分の結果を見て欲しい。

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設定を工夫してやることで、1クリックあたり「5円」台にまで引き下げており、1週間で131名のファンを、1日あたり約500円で獲得している。 つまり獲得単価は「24円」ということになる。もちろん、日本人を対象とした国内向けサービスである。実際には、このような広告を複数作成して、ファン数 を伸ばしてゆく。 このように、「クリック単価を下げるコツ」さえ飲み込んでしまえば、運用は非常に楽になる。現状はどうだろうか、1人のファンを集めるのに50円ですむと ころを、ザルのように500円もかけて集めてしまっていないだろうか。どんなにgoogleのアドワーズやYahooリスティングなど、従来のPPC広告 の高度な知識があったとしても、フェイスブック広告の場合、また別の「攻略テクニック」が要求される。 なお、フェイスブック広告には、クリック課金では無く、表示回数分を課金する方法も用意されているので、その使い分けについては後述する。

フェイスブック広告運用のコツ その1 ~攻略のキモは、「4タイプの広告」~

では、実際にフェイスブック広告を作成しながら「運用のコツ」を身につけよう。ちなみに、広告作成は、午前中などが好ましい。フェイスブック広告の仕様なのか、午後8時などに新しく広告を作成すると、一日の予算を強引に予算を使い切ろうとする傾向にある。 では、できるだけ初めての方でも分かりやすい様に説明はしてゆくが、もし、基礎的な知識で不安な方は、フェイスブックが公開している動画セミナーなどを活用すると良いだろう。 だが、どんなに知識が豊富になったところで、現場で勝ち抜くスキルは身につかない。ソーシャルだって「理論」よりも「実践」だ。筆者なりに試行錯誤して得た、いくつかの勝ちパターンから、原稿の文字数が許す限りご紹介してゆきたい。 まず、フェイスブック広告をスタートさせるには、広告作成画面にアクセスする。 最初に表示される入力窓に、広告したいfacebookページの名前を入力しよう。

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問題は、このあとである。広告を作成したことがある方なら、まずココで迷われただろうが、フェイスブック広告には、いくつかの種類が存在するのだ。 実は、この段階でどの広告タイプを選んだかで、ほぼ勝敗は決定している。限られた広告予算を最大限に活かすためには、これらの広告を使う「順序」が存在す るのだ。大きく分けると、フェイスブック広告は、主に次の4通りとなる。

図

もちろん、ゴールは、「収益性が高く、クリックコストが低い」広告だ。前半の記事をご覧いただいているユーザであれば、図中右下の広告が収益性が もっとも高まる事はご理解いただけるだろう。一般的には、ファンの友達への広告はクリック単価が低くなる傾向にある。逆にフェイスブックページ紹介の広告 は、「いいね!」の数は増えるが、「ようこそページ」にメアド収集などの中間コンバージョンを設置していない限りは収益は見込めない。そもそも、ソーシャ ルでは、すぐに収益が生まれることは少ない。一方、投稿紹介の広告は、自社サイトへのリンクが貼られるなど、印象づくりを重ねることで、収益のチャンスが 生まれる。つまり、コストを低く抑え、収益を生むためには、一番右下の広告をたくさん掲載することができればよいのだ。 ただし、最初はファンがいないので、ページ紹介の広告を掲載してファンを増やす必要がある。次に、ある一定のファンが集まれば、右上の広告を掲載する。そ してファン数が一定数以上になったとき、「ここ一番」という良質な記事が投稿できたら、右下の広告で効率よく投稿を見てもらうことが可能だ。

ベースとなるファンを広告で100名集める

まず、フェイスブックページにまだあまりファンがいない場合は、「ページの紹介」の広告を利用せざるをえない。先ほどの図では、最もコストが高く、 収益性が低いとされた広告だ。だがしかし、これらの広告も徹底的にコストを抑えることができる。以下をチェックすると作成できる。

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すると、画面の右側に広告のプレビューが表示される。また、この広告では、テキスト文言、画像、リンク先を比較的自由に変更ができる。なお、この広告では、見出しは編集できない。

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テキストについては、3行程度に収まるように、「ユーザのメリットや興味」「自社の強みや実績」「自社ブログで人気があったコンテンツの件名」など から文言を選んでみよう。視認性や判読性にも留意して、難しい漢字は使わずに、カタカナ・ひらがな・数字をうまく組み合わせて作ってみると良い。できれ ば、10文字ごとに改行して、より判読性を高めたい。

図

画像の大きさは、横100ピクセル×縦72ピクセルまでなら自由に編集できるが、最初の広告であれば、フェイスブックページのプロフィール画像が自 動的に採用されているはずだ。プロフィール画像には、自社を象徴的に表すロゴなどが使われていると思うので、わざわざ新たにバナーを用意する必要はないだ ろう。もし適切な画像がなければ、フェイスブック広告の掲載につかわれることを前提に、プロフィール画像自体を見直すのもよいだろう。これは極端な例だ が、初期の当社のフェイスブックページでは、プロフィール画像をfacebookのメインカラーであるブルーの補色(互いの色を引き立て合う相乗効果を持 つ色)となるよう微調整していた。

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もっとも重要なのが、「リンク先」だ。初期設定値の「タイムライン」でも可能だが、ファン獲得の効率を向上させるベストなリンク先は「ようこそペー ジ」だ。男女別、年齢別など、広告の対象ユーザごとに数種類のようこそページを用意することも可能なので必要に応じて使い分けたい。なお、ようこそページ については、第五回を参照いただきたい。

図

このように、まったくのゼロから新たにファンを増やすには、「ようこそページ」を使った広告が有効だ。また、ようこそページに、メルマガ登録フォームを設置したり、来店クーポンなどを発行しておけば、中間コンバージョンとして収益性を高めることも可能だ。 なお、ある程度のファン数がいる場合は、広告作成の段階で図の様に「ページに『いいね!』といっているユーザの友達に関する記事」つまり、「ファンの友達への広告」を選択する方法もある。先ほどの広告との違いは、ユーザから見た時に、友達の顔写真つきとなる点である。

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こちらのほうがクリック単価も安価となる傾向にあり、またクリック自体もされやすいが、リンク先が「タイムライン」しか選べない。このため、投稿内 容などが明確でなかったり魅力的でない場合は、ファンの獲得率で伸び悩むケースもある。このあたりの使い分けは、状況をみながらテストしてみて欲しい。

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フェイスブック広告運用のコツ その2 ~細分化でコストを抑える~

facebook広告を運用する上で、最も簡単にクリック単価を下げるには「細分化」が有効だ。配信対象を、年齢と性別などで細かく区分し、長期的 に少しずつ露出する。その上で、一般的な広告でおこなう、仮説と検証を繰り返すことになる。 つまり、広告の画面で以下の左図のような状態になっているキャンペーンは、極めて効率が悪く、本当に必要なユーザに広告が見られていない可能性がある。ど ういう状況下というと、一番外のグレーが「ターゲット」と呼ばれ、指定した広告条件で本来みられるべきユーザ数だ。それに対して、グリーンが「リーチ」 で、実際に広告が見られたユーザ数で、オレンジの「ソーシャルリーチ」は、「友達の名前が表示された広告」をみたユーザ数となる。当然、図の右側のように グレーの部分が少なければ少ないほど、機会損失が少なくなり、費用対効果も高まる。

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このためには、広告作成の先ほどの次のステップで、「共有範囲を選択」という項目で、適宜「地域」や「年齢」「性別」を設定しておく。特に、年齢と 性別は、すでに事業を営んでいれば、自社のターゲットユーザが明確になっているはずなので、それらにあわせて区分化しておく。例えば、当社であれば、30 才以下は5才きざみだが、30才から45才は、対象者数が多いので1才きざみ、45才以上は2才きざみなどにしている。このとき「厳密年齢ターゲット設定 を有効にする」にチェックを入れておこう。

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最後に、キャンペーン名を図の様に命名して、1日の予算は500円程度にしてみよう。ここで、「目的」が「ページへのいいね!」と自動的に選択されている。つまり、クリック課金では無く、CPM(コストパーミル=1000回表示される毎に課金)課金となる。フェイスブックのヘルプ画面では「アクションしてもらいやすい人に広告を表示させます」と の記述だけで、詳細な仕様は公開されていないが、今まで検証してきた限りだと、「同じユーザにはムダに何度も表示させない(傾向強し)」「ページをたくさ ん『いいね!』している人に優先的に見せる(傾向強し)」「広告をよくクリックしているユーザに優先的に表示させる(要検証)」などで自動的に調整してい ると思われる。一般ユーザでは判断が難しい「クリック課金」よりも、効果的に運用できる確率一方で、「機械に任せっきり」という怖さもある。ただ、初めて の広告ならこちらのほうが有効だ。 最後に「注文する」を押すと、作成した広告が表示されるので、右下の「同様の広告を作成」をクリックした後、「年齢」「キャンペーン名」などを修正して 「注文する」を押す。また、同様の広告を作成、を繰り返し、必要な年齢分を複製してゆこう。この時、一つのキャンペーン内に複数の広告を作成することもで きるが、今回の主旨からは「キャンペーン」を分けて管理して置いた方があとあと楽である。 このようなコピペが楽にできる方法もあるがそれはまた次回触れたい。

ファンの関連ページを対象にしたキャンペーンを作成しよう。

こうして、細分化されたキャンペーンを8つほど作成したら、次に「ファン関連ページキャンペーン」を作成しよう。たとえば、当社ページにコメントし てくれたりシェアしてくれているユーザと交流していると、web関連や経営者、自営業のユーザが多く、「Evernote」や「Googleプラス」 「IRONMAN」「自転車」などのフェイスブックページを「いいね!」しているユーザが多い事がわかった。そこで、年齢や性別では区分せずに、図の様 に、Evernoteのページに「いいね!」しているユーザのみを対象としたキャンペーンなどを作成している。これは人数が少ないので一日300円程度の 予算だ。

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こうしたユーザの「いいね!」率は高く、また実際にコメントやシェアもしてもらいやすい。ある程度ファンが集まり、コメントやシェアがもらえたら、活発なファンの趣味関心にも興味を持って、そうしたユーザへの広告アプローチにもトライしてみよう。 こうした広告は、だいたい2日目か3日目で見直す必要がある。次回は、こうした広告掲載後、どのようなポイントに注意してチェックし、改善を行うべきか、 またさらに効率よくファン数などを増やして行く方法をご紹介してゆきたい。まずは、フェイスブック広告の管理画面になれておいて欲しい。

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Toshihiro Miyamatsu 株式会社ISSUN 代表取締役

2000年よりEC数社を立ち上げ、2005年に株式上場、事業の保有株を売却した後、シリコンバレー等、海外の次世代eコマースの現場を研究しながら、ソーシャルとの連携による新たなマーケティング手法を確立。2011年にウェブ制作・マーケティング会社、ISSUNを設立し、先細りしつつある従来のマーケティング手法を改善しながら「心の通うオンラインマーケティング」で売上改善を行っている。全国各地でのセミナーやコンサルティングなども手がける。

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