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Salesforceの「Architect」ってどんな仕事? ~TA(Technical Architect)編~

Salesforceの「Architect」ってどんな仕事? ~PM(Program/Project Manager)編~

Salesforce Customer Success Groupのプロフェッショナルサービスにて、アーキテクトチームの先頭に立ち、Salesforce導入プロジェクトを技術面で牽引するテクニカルアーキテクト(TA)にフォーカスを置いてお届けします。

お客様先でのSalesforce導入プロジェクトにおいて、構築やテクニカルサポート、運用支援などを行う専門家集団である、Customer Success Group(CSG)のプロフェッショナルサービス。本ブログでは、下の図1で示したような、同部門を構成する職種それぞれの業務内容を紹介していくという趣旨で、前回BA(Business Architect)を取り上げました。第2弾の今回は、TA(Technical Architect)について解説します。

図1 ※2021年12月現在の情報です。今後ご提供サービスや職種の内容や名称などが変更になる可能性があります。

TA(Technical Architect)とは?

エンジニアチームの先頭に立ち、Salesforce導入プロジェクトを技術面で牽引する存在です。実際に運用する本番組織に対して、標準機能のカスタマイズからプログラム開発までを自らの手で行います。特に、複雑で難易度の高いプロジェクト、たとえば大量データに適した設計やセキュリティ設計、高度な開発技術の標準化、他システム連携などの技術課題に対し、高い技術スキルを活かしてプロアクティブに対応するエキスパート集団です。

導入プロジェクトにおけるTAの活動事例

図2

さらに具体的なTAの仕事の内容について、前回と同じ大手保険会社様のSalesforce導入プロジェクト(図2)を例に挙げて見てみましょう。

この案件は、関わる人の数も多ければ扱うデータの量も多いという大規模プロジェクト。前回解説した通り、BAによるお客様のビジネス課題の整理から始まり、お客様とのSalesforce利活用のイメージの共有、役員会での開発プロジェクトの承認を経て、実際のシステム構築を始められる準備がようやく整いました。

そこからが、TAの上出涼子氏の出番です。上出氏にとって最大の懸念事項は、やはり大量データの存在でした。開発の途中、なんらかの問題が発生してから対処するのでは遅いと考えた上出氏は、最初から大量データを考慮した業務要件の整理や設計を行うことを決めます。大量データ連携を生じさせない仕様や負荷の少ない開発設計に気を配り、必要に応じて事前のパフォーマンス検証を実施しました。そのようにプロアクティブに対応することで、上出氏は難易度の高いプロジェクトを成功へ導きました。

そして、最終的にはお客様から、「稼働当初はなにかと障害に悩まされるのが常ですが、今回はまったくない滑り出しで驚いています、とてもよかったです」というお褒めの言葉をいただくことができたそうです。

TAにはどんな経歴の人が多い? 
向いているのはどんな人?

そのように、高い技術力と豊富な経験でプロジェクトの成功に貢献するTAという職種。いったいどんな経歴やスキル、考え方を持った人が多いのか、TAの上出涼子氏に聞いてみました。

——Salesforceに入社するまでの経歴を教えてください。

上出 最初はSIerに就職し、JavaやPHPなどによるWebアプリケーション開発の経験を積みました。さまざまなソフトウェアや言語をお客様にあわせて使い分ける当時の業務は、いろいろなことを勉強できてよかったですし、それはそれで楽しかったです。ただ、しばらく続けるうちに、そろそろ一本筋の通った、ひとつのことに精通したいと考えるようになりました。

そんな中、2011年からSalesforceの開発に携わるようになり、CRM・SFA・Field Serviceの領域を長く担当しました。その業務を通じて、「Salesforceというのは、本当によくできた楽しい製品だな」と強く感じ、なにかひとつを究めるならSalesforceがいいと思って、2016年にSalesforceに転職しました。現在はSenior Technical Architectとして、お客様のSalesforce導入プロジェクトにおいて主に技術的な課題を解決する役割を担っています。

——前職と比べて、エンジニアとしてどんな違いやメリットを感じていますか?

上出 前職のSIerでは、私のようなアプリケーション寄りのエンジニアであっても、まず開発のためのインフラから自分で準備しなければならないケースが多々ありました。それに対してSalesforceは、もともとインフラが用意されているので、極端にいえば今すぐにでも、タイムラグなしに開発を始められます。特に、大規模案件では開発環境をたくさん持つことができます。そういう開発環境の自由度の高さは、エンジニアとして非常に嬉しいですね。

——TAにはどんな会社・職種から転職してきた人が多いですか?

上出 いろいろな企業から、それぞれのバックグラウンドを持った人が転職してきている印象です。特定の会社から来た人たちが集まって派閥化するようなことはなく、Salesforce全体でひとつのファミリーという感じですね。各メンバーがあちこちから好き勝手に入ってきていて、周囲にそれほど気を遣うこともなく意見をいったり、議論したりできる雰囲気があると思います。

——Salesforceの経験のない方でも、入社後に勉強して活躍できると思いますか?

上出 勉強を始めるのは入ってからでも大丈夫ですが、TAは技術系なので、当然ながらどんな人でも、ずっと勉強を続けていかなければ置いていかれてしまいます。特にSalesforceは年3回のバージョンアップがあるので、継続的に勉強することが大前提となります。

ただ、裏を返せば、年3回のバージョンアップによって新しいことを学べる、これまでできなかったことができるようになる、ということ。重要なのは、それを「楽しい」と感じながらできるかどうかですね。私のように、ルーチンワークは苦手だけど、新しいことは楽しんでどんどんできる、という人にとってはすごくいい職種だと思います。

—— Salesforce固有のもの以外に、どんな技術や知識が必要とされますか?

上出 プロジェクトの流れ自体は、通常のSIerにおけるスクラッチのプロジェクトとそれほど大きな違いはありません。ただ、細かなタスクに関しては、Salesforce固有のものがあるので、その差分についてはSalesforceの勉強を通じて埋めていく必要があります。

また、Salesforceは独自の言語を持っているものの、近年の方針としてWebの標準に寄せていっています。そのため、一般的なWebアプリケーションの技術やSPAのフレームワークの知識、Java Scriptの知識などがあると、より仕事をしやすいと思います。

——今後のキャリアについてどう考えていますか?

上出 新しいことにどんどんチャレンジでき、飽きるということのないTAという仕事がとても好きなので、続けていきたいと考えています。一方で、新しいメンバーがたくさん加わってきているので、どんなフォローをすればそういう人たちが仕事に入りやすいか、立ち上がりやすいか、というチーム全体のことも、今後考えていきたいと思っています。

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以上のようにTAは、新しい技術を積極的に学び、どんどんチャレンジしてきたいというエンジニアに最適な職種です。ご興味のある方はぜひお問い合わせください。次回は第3弾としてPM(Project Manager)について紹介します。

Salesforceで働きませんか?弊社でのキャリアにご興味がある方はこちらをご覧ください。

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Ryoko Kamide カスタマーサクセス統括本部 サービスデリバリー本部 シニアテクニカルアーキテクト

日系SIerでプロジェクトマネージメント、ITアーキテクトを担当し、CRM/SFAシステム構築やECサイト構築に従事。 2016年にSalesforceに入社。プロフェッショナルサービスのシニアTA(Technical Architect)としてプロジェクトに参画し、要件定義から本番運用開始に至るまで、主に技術面をリードする役割を担当。

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