【5分で解説】Salesforceの自律型AIエージェント “Agentforce”とは?
本デモ動画では、AIエージェントによる顧客対応の様子をはじめ、Agentofrceがどのように業務を変革するのかを、5分間の動画でご紹介します。
カスタマーサービスを長い間提供し続けていれば、この真実に気が付くはずです。それは、たった1つの言語でさえ優れたサービスを提供することが難しいこと。第2言語、第3言語、さらにそれ以上の言語が加われば、その難しさは急速に増大するでしょう。
企業が複数言語を取り扱う場合、その対応にはばらつきが生じがちです。主要言語は円滑に機能するかもしれませんが、第2言語、第3言語となると、対応時間が限定されたり、応答が遅くなったり、ドキュメントにまとめるのも不完全になったりするでしょう。
米国内でさえ、英語は24時間365日対応なのに、その他の言語サポートは営業時間内のみで、しかも全てのチャネルではまだ提供されていないケースも珍しくありません。主要言語を話せないと同等のサービスレベルを受けられないという格差をお客様は実感することになります。
従来のやり方で複数の言語をサポートするには、各言語ごとに大規模なチーム、あるいはバイリンガルチームが必要です。需要が十分でなく、対応する側もほぼフル稼働させられない場合であってもです。この状況はコストがかかるので、維持するのが困難になりがちです。
言語の壁を越えてカスタマーサービスを再考する
そこで、Salesforceはこのようなシンプルながらも意欲的な問いを投げかけました。「もしAgentforceを活用し、あらゆる言語で完全かつ高品質なサービスを提供できたらどうだろう」
この問いに答えるため、まずセルフサービスに注目しました。これは、製品ドキュメントやリリースノート、ナレッジ記事などのオンラインリソースを通じてお客様が自ら回答を見つける、顧客サービス体験の一部です。
何十万ものドキュメントを複数の言語に翻訳するという、コストがかかるうえに終わりのない作業を行う代わりに、AIを活用してこの重労働を代行させることを考えたのです。
現在、Salesforce ヘルプ上のAgentforceは以下のように動作します:
- お客様がAgentforceにフランス語で質問。
- Agentforceがその質問を英語に翻訳。
- Data Cloudが英語のナレッジベースを検索し、最適な回答をまとめる。
- Agentforceがその回答を即座にフランス語に再翻訳。
Agentforceでは、問い合わせに対する回答はどの言語からでも開始でき、どの言語でも提供可能です。つまりお客様は、回答の元となる資料が別の言語であっても、やり取りを完全に自国語で体験できるのです。
この最初のマイルストーンは、自然言語理解において最も複雑な言語の1つである日本語でした。Agentforceが日本語を処理できることを実証したことで、他の追加言語への拡張基盤を確立し、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語を追加しました。
現在、これら7言語で世界の問い合わせ量の94%をカバーし、24時間365日の大規模かつ迅速な回答を実現しています。
日本語を話すお客様が、Agentforceを通じてすぐに回答を得られるようになったことは素晴らしいことです。以前は多くのお客様が回答が来るまで待たなければならなかったり、限られた情報源を頼りにしなければならなかったのに、今ではいつでも自国語で自ら問題を解決できます。テクノロジーの利用により、真のカスタマーサポートをどの国にも等しく提供できるのを目の当たりにできることを非常に嬉しく思っています。」
— セールスフォース・ジャパン 常務執行役員 カスタマー サクセス統括本部 テクニカルサポート本部長 稲垣 巖
Salesforceは、セルフサービスだけにその活用範囲を留めませんでした。ライブサポートも同様に重要と考えていたからです。これは多言語対応が破綻してしまうポイントでもあります。
お客様はセルフサービスでは自国語で開始しても、その問題が人間のサポートを必要になった段階で言語を切り替えざるを得ないケースが多いのです。私たちはそのような状況を望みませんでした。それに対する現在のAgentforceの対応は以下の通りです。
- お客様がフランス語で質問を入力、Agentforceとフランス語でチャット開始。
- その問題が人の対応を必要な場合、Agentforceがサポートエンジニアに連携。
- Agentforceがお客様のメッセージを英語に翻訳、サポートエンジニアに提供。
- サポートエンジニアの英語での返信を、Agentforceがフランス語に再翻訳。
- お客様は自国語で完全にシームレスな双方向会話でカスタマーサポートを体験。
これは単なるAIによる翻訳ではありません。AIと人間のエージェントが連携し、引き継ぎ時に完全な文脈を引き継ぐことで、サポートエンジニアが即座に対応を引き継ぎ、最初から最後まで正確なサービスを提供できる仕組みです。
結果として、より完全な対応範囲で、より低コストで、そしてお客様が望む言語でシームレスに提供される、はるかに優れた顧客体験が実現します。
SalesforceのAgentforce導入事例から学ぶ
SalesforceがAgentforceを活用し、世界中でどのように迅速かつ一貫性のあるサービスを提供しているかを紹介します。成功事例と課題、そしてAIを活用した多言語カスタマーサービスをどのように拡大しているのかご理解いただけます。
新たな市場と顧客体験の開拓に向けて
多くの企業では現在、1つの言語では自信を持って運営しているかもしれませんが、第2言語では部分的にしか対応できていないこともあります。AIを活用した多言語サービスは、次のような新たな可能性を開拓しています:
- 新たな市場への進出。AIにより、ある特定の言語コミュニティだけでなく、まったく新しい市場や国全体に確実にサービスを提供できるようになり、現在の限界を成長と顧客ロイヤルティの機会へと変革。
- サービスの差別化。追加言語へのサービス拡大は、特に先駆者にとって独自の競争優位性となる。
- 効率的な拡張。さまざまな言語に対応するため、そうした言語をカバーするチームを雇用する必要はなく、AIが翻訳を担う間、サービスチームは複雑な問題解決と優れたサービス提供に集中できます。
この技術により、企業はこれまでにない方法で新な可能性を実現できるようになります
【LINEヤフー】カスタマーサポートの舞台裏。
「Agentforce(エージェントフォース)」を活用し、顧客からの問い合わせ対応の80%を最終的にAgentforceで自動処理することを目標に掲げ、カスタマーサポート業務の徹底した効率化に挑んでいます。
今後の展望: テキストから音声へ
現在、Agentforceはチャットとメッセージングをサポートしています。近い将来、音声対応に拡大されます。お客様はご利用になりたい言語で自然に話し、AIエージェントがどの言語を話しても、AIによるリアルタイム翻訳によりシームレスにやり取りが可能になります。このあらゆる言語間のモデルの実現により、従来は単一言語に縛られていたサービスから、あらゆる言語でお客様に対応できるようになります。
長年、業界では大規模な多言語サービスは非現実的と見なされてきたかもしれません。コストが高すぎ、運用が複雑すぎたからです。しかし、それはもはや真実ではありません。Agentforceはこのような障壁を打ち破り、これまで実現できなかった体験、すなわち完全で包括的、真にグローバルな体験を可能にします。
優れたカスタマーサービスに国境はありません。Agentforceと共に、私たちにも国境はありません。
企業のAIエージェント活用方法をご紹介
営業、サービス、社内業務など、あらゆる分野でAIエージェントがどのように企業を支援しているか、ご紹介します。
ハイブリッドな職場環境の管理、最適化、拡張を実現
Agentforceは、すべての従業員、部門、ビジネスプロセスにデジタルレイバーを導入し、従業員を強化して、顧客体験を向上させます。












