Key Takeaways
Salesforceは「ビジネスは社会を変える最良のプラットフォームである」という信念のもと、ビジネスの力で社会や環境にポジティブなインパクトを与え、全てのステークホルダーに還元する取り組みを創業当初から継続しています。
気候危機が深刻化する中、現在企業には実効性のあるアクションが求められています。Salesforceは、2021年に100%再生可能エネルギー化を達成し、現在は2019年度比で2041年度までに排出量を90%削減する意欲的なロードマップを掲げています。
この記事では、その中核であるサプライヤーとの連携とその施策を後押しするテクノロジーの活用について詳説します。
ESG経営を推進する3つのアプローチ
SalesforceのNet Zero Cloud活用事例
Net Zero CloudでESGデータの統合管理、会社全体の関与、プロジェクト運用の最適化を実現し、スコープ3排出量の削減やESG情報開示プロセスの短縮など、本資料でESG経営を推進するためのヒントを得ることができます。
目次
Salesforceのサステナビリティ戦略。
総力を結集してネットゼロへ
Salesforceは、5つのコアバリューの1つに「サステナビリティ」を掲げ、地球の気温上昇を1.5℃以内に抑えるための科学的根拠に基づく目標(SBT)に沿って、以下のロードマップを策定しています。
・短期目標 : 2031年度までにスコープ1・2(自社のオフィスや車両、使用電力などに伴う排出)の総量を2019年度比で67%削減し、スコープ3(その他のサプライチェーン排出量)にあたるの排出原単位を68%削減
・長期目標:2041年度までスコープ1・2の総排出量を2019年度比で90%削減、スコープ3の排出原単位を97%削減
この達成に向け、「事業活動全体における排出量の削減」「再生可能エネルギーへの移行」「自然の回復・再生」「環境起業家の支援」に加え、最新の「AIサステナビリティの推進」と、グローバル全体で包括的に活動を展開しています。
排出削減を支える4つの優先事項
私たちは、温室効果ガス排出の主要因を「サプライヤー(調達)」「データセンター」「出張」「オフィス」という重点4領域に定め、以下の優先事項に基づきアクションを展開しています。

- 排出量の多い活動の回避
- 出張の削減や鉄道利用の優先(483km以下は鉄道を推奨 )など、不要な温室効果ガス排出の根源の削減を徹底
- 化石燃料の使用削減
- 次世代インフラ「Hyperforce」への移行による炭素効率の40%向上や、オフィスでの省エネ対策(ECM)、さらには貸主と協力した「グリーンリース契約」の導入により、運用・設備の両面からエネルギー消費を抑制
- クリーンエネルギーへの移行と投資
- 2022年度に世界全体の事業活動での再生可能エネルギー100%利用を達成。現在は新興市場での分散型再生可能エネルギー証書(D-REC)などの調達を通じて、電力網自体の調達脱炭素化に貢献
- 革新的な低炭素テクノロジーの開発と支援
- 「サステナブルなAIポリシー原則」に基づき、AI開発のエネルギー効率基準策定をリードし、テクノロジーの進化と環境負荷低減を両立を推進
そして、これらをグローバルに展開する戦略と実行を支えているのが、自社製品である「Agentforce Net Zero(旧Net Zero Cloud)」です。事業全体の排出量データをリアルタイムで可視化・分析し、「Slack」での迅速な意思決定や透明性の高い「ステークホルダーインパクトレポート」の作成にも活用しています。 (詳細はこちらのE-Bookへ)
サプライヤー・サステナビリティ・プログラム戦略。
なぜ「サプライヤー」が最優先か
Salesforceの総排出量の大部分は、バリューチェーンの上流、つまりサプライヤー企業による「スコープ3」が占めています。目標とする「2019年度比で、スコープ3排出原単位の97%削減」を達成するには、サプライヤー各社との共創による脱炭素化が不可欠です 。私たちは「サプライヤー・サステナビリティ・プログラム」を通じて、以下の3つの軸で連携を築いています
① コミットメントの共有(Sustainability Exhibit)
私たちはサプライヤーに対し、SBT(科学的根拠に基づく目標)の設定や排出データの開示を求める「サステナビリティに関する付属契約(Sustainability Exhibit)」の締結を推進しています。
現在、管理下支出の50%以上をカバーするサプライヤーと締結しており、気候変動対策をビジネスの必須要件に位置づけ、目標を共有するサプライヤーとの連携をより深めていく方針です。
②行動変容のための包括的な支援
単に目標を課すだけでなく、達成を共に目指すパートナーとしての支援も重視しています。サプライヤー向け「Net Zero Toolkit」の提供や、直接的な対話を通じて、炭素会計の基礎から削減施策までをガイドしています。
③テクノロジーを駆使したデータの透明性と統合の推進
従来の「支出額ベース」の概算から、サプライヤーの削減努力を正当に評価できる「サプライヤー固有データ」への移行を、以下の5ステップで進めています。
・多角的なデータ収集: CDP、EcoVadis、SBTi等のデータベースに加え、AIを活用した企業照合により精緻なデータを収集
・配分: Salesforceへの提供サービス・商品に紐づく排出量を特定
・品質レビュー: 第三者保証の有無などでデータの信頼性をスコアリング
・統合: Agentforce Net Zeroを活用し、API連携や一括インポートにより支出額ベースの概算値を高精度な実データへ置換
・一貫性の維持: 算出方法の変更に伴い、基準年(2019年度)まで遡って数値を調整
この取り組みにより、2024年度にはサプライヤー排出量の45%について、サプライヤーが実際に測定した「正確なデータ」へと置き換えることに成功しました。支出額ベースの推定値と比較して総排出量を13%減少*させることができました。(*ロケーション基準)
これは、サプライヤー各社の具体的な削減努力が、Salesforce全体の成果として正当に反映され始めたことを意味します。

Agentforce Net Zeroの活用。
テクノロジーでESGデータを経営の力に
私たちは、複雑なサプライチェーンの排出データを一元管理し、戦略的成長を支える基盤としてAgentforce Net Zeroを活用しています 。
Agentforce Net Zeroは、SalesforceのAgentic AI「Agentforce」を組み込み、ESGデータの収集・分析・報告を効率化します。活用のポイントは以下です。
•外部データ連携によるサプライヤー評価の効率化:外部評価機関とAPIで連携し、各社の気候目標や排出量データを自動で取得しサステナビリティパフォーマンスを可視化
・AIによる照合の効率化: AIを活用し、自社システムと外部プラットフォーム間の膨大なサプライヤーのマッチングを行い、データ統合の精度と速度を向上
• データに基づく対話と意思決定: 可視化されたデータは、調達部門の選定やビジネスレビュー(SBR)における重要指標として活用し、課題がある際は、データを基に具体的な改善策を共に検討する対話ツールとして機能
日本での共創事例:株式会社グリーン・ワイズ
日本においても、私たちのコアバリューに共感いただき、共に歩みを進めるサプライヤーが増えてきています。ここではその内容を紹介します。
2021年より「Salesforce Tower Tokyo」の植栽管理を担当するグリーン・ワイズは、従来進めていた環境活動をさらに深化させ、2024年にSBTi認証を取得されました。
これは、Salesforceがサプライヤーエンゲージメントを通じて気候変動対策の重要性を共有し、グリーン・ワイズがそれに呼応して自社の排出削減目標をグローバルな科学的基準へと整合させた、素晴らしい「行動変容」の事例です。
現在では、排出削減計画の策定に加え、オフィスにある植物の再生や装飾で使用した植物のワークショップでの再活用を通じて「自然との共生」という価値をオフィス利用者に提供するなど、環境負荷低減とウェルビーイングを両立させたサービスを展開されています。
これまでご紹介した「Supplier Sustainability Program」は、Salesforceの財務(Finance)部門のProcurementチームが主導し、サステナビリティチームと密に連携しながら推進しています。本プログラムを牽引する、常務執行役員CFOの三牧 宏行は、次のように語ります。

常務執行役員CFO 三牧 宏行
”私たちが担当する「調達」というビジネスプロセスは、脱炭素化において極めて重要な役割を担っています。ネットゼロは、私たち一社では成し遂げられません。皆さまから提供いただく一つひとつのデータと削減への努力が、確かな進展を生み出します。この重要な道のりを、これからもサプライヤーの皆様とともに歩んでいきましょう。”
Salesforceでは、これからもサプライヤーの皆様と密に連携し、バリューチェーン全体の脱炭素化を加速させていきます。 この挑戦はまだ道半ばですが、共に手を取り合うことで、ポジティブなインパクトがお客様や社会へ広がると信じています。ぜひご一緒にはじめましょう。





