Skip to Content

小売・消費財業界はAgentforceをどう使う?業界に特化した効果を最大化する活用法

セールスフォース・ジャパンがこのほど開いた小売・消費財業界向けのAIエージェントに関連するセミナーをサマリーで紹介します。

セールスフォース・ジャパンはAIの導入・活用を目指す小売・消費財企業向けにセミナーを開催しました。この記事ではセミナーの内容をもとに、AIが現場でどのように活用されているのか、業界ごとのユースケースや実際の導入事例を交えながら、その可能性を具体的にご紹介します。

さらに、自律型AIソリューション「Agentforce(エージェントフォース)」のデモを通じて、AIを業務に組み込むことで得られる効果を具体的にご紹介いたします。AI導入を検討されている企業の皆様にとって、実践的なヒントをお届けします。

中小企業の成長を支える AIエージェントの実力

このガイドでは、中小企業が少人数でも業務効率を高め、コストを抑えながら成長していくためのヒントを紹介します。
予測AI、生成AI、自律型AIを通じて、チームがよりスマートに働き、スピーディーな成長を実現しましょう。

小売・消費財業界のAI戦略。事例から学ぶ変革の秘訣

最初のセッションでは、セールスフォース・ジャパンのインダストリーアドバイザー本部 CX & ロイヤルティ・小売 ディレクターを務める小川哲が登壇。生成AIおよびAIエージェントの小売・消費財業界に与える影響を実例を交えながら紹介しました。

なぜ今、AIエージェントなのか?

「ChatGPT」などの生成AIが生活やビジネスで大きな広がりを見せています。このトレンドは、第一波の予測AIに続くAI第二波と言われています。さらに、本日紹介する自律型AIエージェントがAIの第三波です。

生成AIは生産性を向上させる革命的な技術ですが、対話型であるがゆえに実行の起点は常に人間であり、活用の範囲も質問の回答が中心でした。

一方、AIエージェントは人間が自然言語で与えた質問や依頼の意図を汲み取り、最終的な目標に必要なタスクを自ら考え実行することができます。あたかも一人の同僚であるかのように人間の業務を代行したり協業したりすることが可能です。

国内の労働力不足は加速しており、小売・消費財業界でも大きな経営課題となっています。このような環境下で、もし「24時間365日稼働が可能で」「商品/顧客/店舗のデータを全て理解し」「動員状況を自由に上げ下げできる」労働力が存在したらどうでしょうか。AIエージェントは労働力不足の環境下で大きな可能性を秘めているのです。

小売・消費財業界におけるユースケース

AIエージェントはさまざまな業務に活用できますが、小売・消費財業界ではどのような活用が可能なのでしょうか。セミナーでは小売・消費財業界におけるユースケースとして以下を紹介しました。

小売業界における代表的なユースケースはコンタクトセンターです。利用中の商品の問合せや修理受付など、コンタクトセンターに寄せられる数多くの問い合わせを高精度かつ自動で対応できれば、大きな成果が期待できます。

コンタクトセンターにチャットボットを利用するケースはこれまでもありましたが、主流のメニュー選択型では利用者の利便性は限定的でした。

Agentforceでは、利用者は自然文で自由に質問や依頼を行うことができ、大きな利便性の向上が期待できます。一方、管理者はこれまでメニューやコンテンツの整備に多くの労力を割く必要がありました。

社内データやシステムをAgentforceに接続さえすればAgentforceが適切な情報をピックアップして回答してくれるため、管理者が回答用のメニューや情報整備に管理工数を使い続ける必要がなくなります。

また、販促企画案の推奨は消費財業界における有望なユースケースです。消費財企業の営業活動の中で、小売バイヤーへの販促企画の提案は非常に重要なプロセスのひとつですが、提案対象の得意先や商圏、季節や商品など、状況や時流にあった適切な提案を用意することはノウハウと時間を要する業務でした。

AIエージェントを使えば、

  • 選択された画面の商談情報(対象チェーン、商品、販促種別)
  • 販売データ
  • 過去の販促企画の内容

などをもとに、販促企画の案を推奨してくれるため提案の質と生産性の向上を実現できます。

Agentforceがカスタマーサービス向上をどのように実現させるかご覧ください


AIエージェントの導入ステップ/ビジネス効果の考え方

次のセッションでは、「Consumer Goods Cloud 」Specialistの田中 妙佳よりAgentforceの技術解説とデモンストレーションを行いました。Agentforceの技術的な背景や優位性は、こちらの記事ブログをご参照ください。

AIエージェントの可能性を理解した後、自社に導入するためにはどのように検討を進めれば良いか、セッションでは、具体的な検討のステップやビジネス効果の試算例を紹介しました。

AIエージェントが対応可能な業務は多岐にわたります。そのため、他社のさまざまなユースケースや事例をインプットに自社でAIエージェントに任せたい業務を洗い出すことをオススメします。

具体的なユースケースや事例を参考にすることで活用のアイデアが広がるはずです。セールスフォース・ジャパンはさまざまな業界でのAIエージェントの導入・検討のナレッジを蓄積していますのでぜひ相談いただければと思います。

まず任せたい業務に優先度をつけます。AIエージェントに業務を任せた際の「想定利益」はもちろん、「必要な投資」つまり必要なデータの保有状況やシステム連携の要否も大きな要素となります。

店舗を巡回するスーパーバイザーやラウンダーを例にした検討例では、AIエージェントの導入前後を4つの段階に分けて計画することで導入の成功確率を高めながらAIエージェントの活用範囲を広げて想定利益を拡大していることが分かります。

このような、小さくはじめて効果を確認しながらスコープ拡張するアプローチはとても有効です。

セッションでは、最後にサクセスナビのAgentforce特設ページを紹介しました。サクセスナビはお客様の成功を支援するためのセールスフォース・ジャパンのナレッジページですが、お客様のAIエージェント導入の成功のためAgentforce特設ページが設けられています。資料や動画でAIエージェントを学ぶことができ、自社でのAIエージェント活用の第一歩を踏み出すことができます。

まとめ

注目を集めている生成AIとAIエージェントですが、各社でのビジネス利用は手探りの段階だと思います。

本セミナーではAIの基本から小売・消費財業界におけるユースケースや活用事例、導入ステップに至るまで幅広いトピックを実践的にカバーしました。

業務基盤であるCRMと深く統合されたSalesforceは、AIエージェントを実業務で活用する上で最短距離のアプローチであるため、お客様のAI活用の有力な選択肢のひとつとなるはずです。

今後もさまざまなな角度から、AIエージェントの導入・活用のお役に立てるよう業界特化のご支援を継続していきたいと思います。

最後にセミナーに参加いただいたお客様の声の一部を紹介します。セールスフォース・ジャパンはこうしたセミナーを随時開催しておりますので、興味のあるイベントやセミナーがあったらぜひご参加ください。

  • 活用事例、設定例のデモがあり、AI Agentのある業務のイメージをもつことができたと思う。
  • 具体的なデモを見せていただいたので、消費財メーカーでのAIエージェントの活用方法に気づきがあった。セールス、マネジメント層それぞれの生産性向上のサポートとして使えるツールに感じた。

日常業務の即戦力となるAgentforceの始め方と3つのユースケース

本ガイドでは、Salesforce上で生成 AI を活用し、業務の効率化や意思決定の質向上を支援する生成 AI 活用の具体例を紹介します。

今、知るべきビジネスのヒントをわかりやすく。厳選情報を配信します