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パブリッククラウドの特徴やメリット、プライベートクラウドとの違いについて

パブリッククラウドの特徴やメリット、プライベートクラウドとの違いについて

クラウドサービスを導入する企業は近年増加の一途をたどっています。この記事では、これからクラウドサービスの導入を検討している担当者様へ向けて、「クラウドとは一体どんなものなのか」「パブリッククラウドとプライベートクラウドの違い」について解説していきます。

クラウドサービスを導入する企業は近年増加の一途をたどっています。総務省の調査によると、全国の企業の約6割が既に何らかのクラウドサービスを導入済みで、導入後の効果を感じている会社は約8割に上るそうです。災害対策や感染症対策として新たに導入を検討している企業も多いかと思います。 この記事では、これからクラウドサービスの導入を検討している担当者様へ向けて、「クラウドとは一体どんなものなのか」「パブリッククラウドとプライベートクラウドの違い」について解説していきます。 また、導入や運用についてのメリットやデメリット、用途に応じた最適な導入方法についても考えます。

パブリッククラウドとは

クラウドサービスとは、サーバーやデータベース、ソフトウェアなどをインターネット上で管理するサービス全体のことを指します。多くのパソコンユーザーに長く使われてきたマイクロソフトのソフトウェア「Word」や「Excel」も近年クラウド化されました。 パブリッククラウドは、そのクラウドサービスの一種です。身近なところでいうと、Google社が提供する「Googleドライブ」やApple社が提供する「icloud」などが挙げられます。 その名の通り「開かれた」クラウドであり、専用のシステムを用意しなくても、インターネット環境があれば簡単なユーザー登録を経て誰もが利用、共有できます。個人はもちろん、小規模のシステム構築を考えている企業に適したクラウドサービスです。

パブリッククラウドの市場予測

パブリッククラウドの導入は年々拡大しており、成長市場として期待が集まっています。 2019年は特にクラウド化の動きが進み、PaaSやIaaSといったサービスの成長が見られました。PaaSはプラットフォームを、IaaSはネットワークなどのインフラを、それぞれクラウドを介して提供するサービスです。 今後パブリッククラウドの成長において考えられるのは、ワークロード(システム領域の拡大、負荷)の増加やDX(デジタルトランスフォーメーション=人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる)の拡大、ツールを提供するベンダーやサービス数の増加、複数のクラウドサービスをかけ合わせたマルチクラウド化による最適な環境の構築の推進などです。 そうしたツールやサービスの拡大により、2024年には現在の2.4倍にまで市場規模が拡大すると言われています。

パブリッククラウドとプライベートクラウドの違い

パブリッククラウドと並び名前がよく聞かれるクラウドサービスとして「プライベートクラウド」というものがあります。 プライベートクラウドは、特定の会社や組織の中でのみ使用できるクラウドのことです。利用者が限定されることにより、自社のセキュリティポリシーに沿ったカスタマイズが可能となります。大規模な組織でクラウド導入を考える場合には、パブリッククラウドよりもこちらがマッチします。

パブリッククラウドの特徴や利用シーンは?

パブリッククラウドの一番の特徴は、かつてのようにサーバーやアプリケーションを用意することなく、オンラインでどこからでもデータの利用や管理ができることです。 社内でのやりとりはもちろん、取引先とデータをやりとりするうえでも手軽に共有することができます。また、大容量のデータもスピーディーにアップロード、ダウンロードができるのも魅力です。 パブリッククラウドの広まりにより、以前のようにパソコンのメモリを気にしたり、外出先での対応に備えてUSBでデータを持ち歩いたりするような必要がなくなりました。また外出先からも安全にメールや資料の確認が行えるようになりました。

パブリッククラウド導入のメリット

次に、導入や運用の観点から見たパブリッククラウドのメリットについて解説します。

・導入スピードが早く、低コストで運用できる

プライベートクラウドの場合、大規模導入となるとかなりのコストと時間がかかりますが、パブリッククラウドならオンラインでの簡単な登録で利用が開始でき、インフラ構築の手間や費用は必要ありません。

・システム担当者の負担が軽減できる

オンプレミス型のような物理サーバーの場合には定期的なメンテナンスやOSのバージョンアップなどが随時必要となります。専門のインフラ担当者を置くなどの対策が必要ですが、パブリッククラウドなら高度な専門知識がない人でも管理が可能です。

・必要な分だけ利用が可能

使った分だけ支払う従量課金制が基本です。最小限のシステムからスタートして適宜拡張すれば無駄な出費を抑えて使えるため、コストの面で大きなメリットがあります。

・BCP対策にも有効

近年、毎年のように大きな災害が発生していることから、従業員の安否確認やデータの保全を目的に、BCP対策(事業継続対策)としてクラウドサービスを導入する動きも活発になっています。

パブリッククラウド導入のデメリット

一方、パブリッククラウドの利用にはデメリットもあります。主に以下のようなことが考えられます。

・障害が発生した場合すぐに対応できない

システム障害やネットワーク障害が発生した場合、その対応はクラウド提供元にゆだねられるため、トラブルの対応が完了し復旧するまでは待つことしかできません。 障害時の対応のスピードなどについて、導入の前に口コミなどで確認しておくことをおすすめします。

・細かなカスタマイズには向いていない

プライベートクラウドや自社システムに比べてカスタマイズ性に劣ります。保守管理面も含め自社で運用をコントロールしたい場合には、プライベートクラウドやオンプレミス型を選択する必要があります。

・サードパーティ提供のサービスとの互換性がない場合がある

クラウドサービスを別の会社のものに変更したい場合に、それまで利用していたサービスとの互換性がなく、同じようが使い方ができない可能性があります。もしクラウドを移行する場合には、移行先のサービス内容を十分に確認するようにしましょう。

用途や規模に合わせて活用しよう

ここまで、パブリッククラウドの特徴やメリット、デメリット、プライベートクラウドとの違いなどについて紹介してきました。 クラウドを選ぶ際には、小さな組織でも導入コストをあまりかけずに必要なシステムだけを利用できるのがパブリッククラウド、大きな組織でセキュリティーにも配慮しながら柔軟にシステム設計できるのがプライベートクラウド、と覚えておくと良いでしょう。それぞれメリットとデメリットがありますので、導入を検討する際はまず組織内で必要とされる規模を把握し、自社に適切なクラウドサービスを選ぶようにしましょう。

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