💡この記事で得られるインサイト
- 📊 Salesforce 標準ダッシュボード:日々の進捗を確認する「定点観測」
- 🔍 Tableau:探索的分析で「なぜ?」を解明
- ⚖️ 使い分けのベストプラクティス:現状把握は標準、戦略立案はTableau
- ⚡ シームレス連携:Tableau ダッシュボードを Salesforce に埋め込もう
- 🚀 次のステップ:無料トライアルでデータドリブン経営を体験
目次
【公式】Tableau(タブロー)とは何か。選ばれる3つの理由を5分解説
Tableau(タブロー)は、データを見て理解するための強力な分析プラットフォームです。その特長とお客様に選ばれる理由を紹介します。

営業会議で「今月の進捗は把握できるものの、なぜ失注が増えているのかが見えにくい」と感じたことはありませんか? Salesforce には標準でレポートやダッシュボード機能が備わっており、営業活動や顧客の現状を的確に把握できます。まずはこれらを活用し、組織全体で共通の指標を共有しながら営業活動を進めることが重要です。
しかし、さらに一歩踏み込んで「より深く原因を探りたい」「外部データも組み合わせて分析したい」と考える企業も少なくありません。
Tableau を使えば、Salesforce 標準ダッシュボードでの日々の進捗確認を超えて、市場データやサプライチェーンなど外部システムの情報を組み合わせた高度な分析・探索が可能になります。
本記事では、Salesforce 標準ダッシュボードからのステップアップとして Tableau をどう活用できるのかを解説し、「データドリブンな意思決定」を実現するためのポイントを紹介します。
Salesforce 標準ダッシュボード・レポートの役割
まず、Salesforce 標準のダッシュボード・レポートは、追加開発なしですぐに利用でき、営業活動の現状を把握できます。
主な特徴
Salesforce に格納したデータを中心に、営業活動の状況や案件の進捗を素早く把握するのに適しています。誰でも直感的に操作できるため、担当者からマネージャー層まで幅広く活用できます。さらに「Data Cloud」と組み合わせれば、外部データを取り込んで可視化することも可能です。

活用シーン
たとえば、営業マネージャーが週次でパイプラインを確認する場面では、標準ダッシュボードが非常に有効です。
- 今月の商談がどのフェーズで停滞しているか
- チーム全体の成約率がどのように推移しているか
- 新規リードから受注までのプロセスにボトルネックがないか
こうした「現状を定点観測する」ニーズには、標準機能がシンプルかつ強力に応えてくれます。
Tableau で広げるデータ活用と意思決定の進化
Salesforce の標準ダッシュボードやレポートで「現状を把握する」ことが可能になると、組織では「なぜそうなったのかを知りたい」や「将来の改善に活かしたい」といったニーズが生まれます。
そんなときに力を発揮するのが Tableau です。ここでは、その特長を 4 つのポイントに絞ってご紹介します。
探索的な要因分析
標準機能では難しい「原因の特定」や「営業改善につなげる分析」も、Tableau なら直感的な操作で実現できます。たとえば売上が前年より減少している場合、その原因を 業種別・製品別・地域別 など複数の切り口で分析し、そこから改善策を導き出すことができます。

大規模データ・複数年分析
Salesforce 標準のダッシュボード・レポートでは、経年分析は最大 90 日間に限られており、1年以上にわたる長期的な傾向を可視化できません。また、扱える件数も画面表示では 2000 件までと制約があります。
一方、 Tableau はインメモリデータベース「Hyper」 を活用することで、数千万件から 1 億件以上の大規模データを処理し、複数年にわたる長期的なトレンドを可視化できます。これにより、短期的な数値変動にとどまらず、中長期の成長戦略をデータで裏付けることができます。
リッチなビジュアライゼーション・共有・AI 活用
また、Tableauはデータ分析ツールに精通していないユーザーでも直感的に理解できるダッシュボードを作成でき、より豊かな表現力で情報を伝えられます。さらに「Slack」 や 「Microsoft Teams」、メールなどさまざまなチャネルで共有できるため、現場から経営層まで組織全体でデータを活用できます。
加えて、Tableau Pulse などを活用し、生成 AI を取り入れた新しい分析体験も提供しており、現場から経営層までデータ活用の幅を一層広げることができます。

外部データ統合
最後に、Tableauは Salesforce のオブジェクトだけでなく、Data Cloud に統合された外部データにも直接接続できます。加えて、「Snowflake」や「Google BigQuery」、「Amazon Redshift」 などのDWHやERP、マーケティングツールといった幅広いシステムとも連携可能です。さらに、Tableau 独自の 100 種類以上のコネクターにより、ユーザー部門が必要なデータにすぐにアクセスできる点も大きな利点です。

Salesforce 標準とTableauは何が違う?
ここまでご紹介したように、Salesforce 標準のダッシュボード・レポートは「現状の定点観測」に適しており、Tableau は「なぜそうなったのか」を分析し、将来の意思決定に活かすために利用します。
この2つは競合するのではなく、共存関係を構築します。それぞれの得意分野を生かしながら使い分けていくことで、データ活用の幅をさらに広げられるのです。以下の表に、標準ダッシュボードと Tableau の違いを示す主なポイントを整理しました。
項目 | Salesforce 標準ダッシュボード・レポート | Tableau |
---|---|---|
データ範囲 | Salesforce 内のオブジェクト(商談、リード、ケースなど)に加え、Data Cloud を活用し外部データも参照可能 | SalesforceやData Cloud、DWH(Snowflake、BigQuery、Redshift など)、ERP、マーケティングツールなど 100+ のデータソースに直接接続可能 |
ドリルダウン | 1 階層のみ | 複数階層を動的にドリルダウン可能 |
データ量 | 最大 2000 件を表示(バックエンドでは数百万件まで対応) | 数千万件〜1 億件以上に対応 |
経年分析 | 最大 90 日間 | 複数年にわたる長期的分析が可能 |
複数データの組み合わせ分析 | 単一または親子関係のオブジェクトに限定 | 複数オブジェクトや外部データを自由に組み合わせた横断分析が可能。例:商談 × ケース × マーケティングキャンペーンを掛け合わせて売上への影響を可視化。Salesforce 外のデータも統合して分析可能 |
表現力 | 基本的な棒グラフ・円グラフ・折れ線グラフに限定され、複雑な可視化や高度なレイアウト調整は困難 | 多彩で直感的な可視化(地図、ヒートマップなど |
共有 | 主に Salesforce 内での共有(Chatter など) | SlackやMicrosoft Teams、メールなど多様なチャネルで共有 |
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活用シナリオとベストプラクティス
結局のところ、どちらを選ぶべきでしょうか。Salesforce 標準ダッシュボードと Tableau は、どちらか一方を選ぶのではなく、目的や状況に応じて段階的に2つとも活用することで単一で使うのに比べてさらに効果を発揮します。ここでは、その代表的なシナリオをご紹介します。
標準機能によるリアルタイムでの定点観測
営業マネージャーやチームリーダーが、毎週のパイプラインや今月の商談進捗を確認する場面では、標準ダッシュボードがシンプルかつ有効です。
- 案件の停滞フェーズを把握
- チーム全体の成約率の推移を確認
- 営業活動の現状を素早く共有

この標準ダッシュボードでは、商談ステージごとの滞留状況を可視化し、滞留が多いステージをクリックすることで個別の商談にドリルダウンできます。日々の商談フォローや停滞案件の特定に役立つ様子を表しています。
Tableau での要因分析・戦略立案
次に、Tableau はどうでしょうか。「なぜ売上が伸び悩んでいるのか」「どの業種や地域に新たなチャンスがあるのか」といった“なぜ”を解き明かす問いに答えるためには、Tableau が効果的です。
複数のデータを掛け合わせて要因分析を行い、具体的な改善施策や新たな戦略立案につなげることができます。さらに、ダッシュボード上でグラフをクリックすると関連するほかのグラフが自動的にフィルタリングされるため、直感的な操作で要因分析を進められる点も大きな特長です。
- 複数のデータソースを掛け合わせた横断分析
- 地域別・製品別・顧客セグメント別の要因分析
- 中長期の成長戦略に向けたシナリオ検討

Tableau のダッシュボードでは、前年との売上増減を起点に、時間(年度・月別)・地域・業種・製品・担当者といった切り口で受注金額を分解し、伸び悩みや成長の要因を特定できます。
たとえば「製造業の売上が前年に比べて低下しているのはなぜか」といった疑問からフィルタリングを行い、「どの都道府県エリアや製品が落ち込んでいるのか」「営業担当者ごとの成果にどんな差があるのか」まで、多角的に要因分析を深められる様子を表しています。
両者を組み合わせたデータドリブン経営
つまり、Salesforce データを日々の業務に活かすうえで最も効果的なのは、標準機能と Tableau を組み合わせるアプローチです。
- 標準機能:営業現場が日常的に定点観測し、現状をすぐに把握
- Tableau:複雑な要因分析や長期的なトレンド把握を行い、経営や戦略立案に活用
この補完的な使い分けにより、現場から経営層までが同じデータに基づいて行動できる「データドリブン経営」を実現できます。
Salesforce に Tableau ダッシュボードを埋め込む
「Salesforce を開き、さらに Tableau も開かないといけないのか?」というと、そんなことはありません。
Tableau で作成したダッシュボードは Lightning Web Component (LWC) を使って Salesforce の画面に簡単に埋め込むことができます。これにより、ユーザーは Salesforce を離れることなく、Tableau のリッチな分析結果をそのまま活用できます。
- 商談画面に Tableau ダッシュボードを埋め込み、案件の詳細と関連データを一目で把握
- サービス担当者がケース画面から離れずに、サポート履歴や顧客の利用状況を可視化
- 経営層が Salesforce 上で、全社のパフォーマンスを Tableau の可視化で即時確認
日々使い慣れた Salesforce の画面上で Tableau の高度な分析をシームレスに利用できることは、ユーザーの業務の流れを妨げない大きなメリットとなります。

まとめ:標準は“今”を見る、Tableau は“未来”を描く
Salesforce 標準ダッシュボードは、現状を把握するためのシンプルで強力な第一歩です。Tableau は「なぜ?」を解き明かし、「次にどう動くか」を導きます。両者を組み合わせることで、現場から経営層までが同じデータで動き出す「データドリブン経営」を実現できます。
まずは標準で“今”を知り、次に Tableau で“未来”を描く旅へ踏み出しませんか?
Tableauを体感する
Tableauは「We help see and understand data」をスローガンに、直感的に複雑なデータをわかりやすく見える化して、次のアクションに繋げることができます。


