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【基礎講座】価値のある事業計画の作り方。盛り込むべき6つの要素とは

事業計画書は、細部にまで丁寧に作成することで、潜在的なパートナーを探したり、組織の将来を形成する重要な決定を下す際のかけがえのないリソースとなります。

起業家は、創業するまでの過程で多くの壁にぶつかるでしょう。しかし、あなたには事業計画という味方がいます。丁寧に作成すれば組織の将来を形作る重要な決断を下す際、かけがえのない力になります。実際、事業計画を作ったほうがスタートアップの成功確率が16%高まる(英語)という調査結果もあります。この記事では、その作り方をご紹介します。

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ミッションステートメントから始める

ミッションステートメントは、企業文化の基礎として機能し、社員の意思決定と行動に役立ちます。

ミッションステートメントは、会社概要や初歩的な説明文よりも、はるかに重要です。従業員や顧客、利害関係者など、すべての関係者に対して組織の価値を明確に伝えるものでなければなりません。ミッションステートメントは、最終的に企業の存在意義につながり、人間関係を促進する原動力となります。

最良のミッションステートメントとは、企業が提供する価値とその提供方法、そして、その根源的な理由を明確化したものです。

企業に強力なミッションステートメントが必要な7つの理由

  1. 会社の方向性を決定する
  2. 会社の将来を明確にする
  3. 意思決定のひな型を提供する
  4. 従業員が自身の目的を理解する
  5. 変化への道を切り開く
  6. 戦略を形作る
  7. 評価と改善が容易になる

顧客基盤を深堀りする

ビジネスの基本的な考え方のひとつは、顧客を知れば知るほど、求められる価値を提供する準備がしやすいことです。顧客基盤を調査することは、この目的を達成するための大きなアドバンテージになります。

成功している企業の多くは、マーケティングやセールス、商品開発、カスタマーサービスなどさまざまな活動を微調整するために、顧客調査とデータを有効活用しています。ほとんどの企業は、これまでの業務で築いてきた人間関係のおかげで、広範な顧客データにアクセスしています。創業して間もない起業家は、このようなデータ収集の恩恵を受けられないかもしれませんが、潜在顧客のプロファイルを作成するための方法はまだたくさんあります。

潜在顧客とつながる方法の1つとして、フォーカスグループの委託があります。潜在顧客には企業のブランドや製品、価格設定、競合他社など、多岐にわたる質問をすることができます。投資が必要ですが、起業したばかりで購入者情報のソースが少ない場合には、その投資費用に見合う価値があります。

さらに低コストな調査方法としては、ソーシャルメディアリスニングを活用して、競合他社とやり取りしている顧客の意見を収集します。また、アンケート送付も一定の成果を得られるでしょう。

市場における自社の立ち位置を評価する

あなたのビジネスは、決して孤立したものではありません。事業を展開する業界、その業界に属する他の企業や顧客、そして地域、国、世界経済情勢が交差する複雑なエコシステムの一部です。したがって、事業計画を完全なものにするためには、あなたのビジネスと潜在顧客だけでなく、より広い範囲を網羅する必要があります。

これは、競合分析や市場全体およびその市場における自社の立ち位置を客観的に評価することを意味します。競合他社の強みと弱みを把握し、どのような市場戦略でシェアを維持・拡大しているのかを理解し、市場に参入した際の潜在的な反応を評価する必要があります。

この評価のためには、ソーシャルチャネルのモニタリングや、マーケティング資料および広告の分析、実店舗への訪問など、利用可能なあらゆるツールを活用して情報を収集する必要があります。

競合分析のもう1つの重要な要素は、ターゲット市場の規模と、事業開始後に現実的に獲得できる市場シェアの予測です。現実的な分析は実行可能であるのに対し、市場全体を独占するという非現実的な空想は不可能だからです。

競合分析に含めるべき情報

  • 製品・サービスの概要
    ・製品とサービス
    ・企業 
    ・価格 
    ・市場シェア
    ・…and more
  • 顧客のデモグラフィック
  • 製品・サービスの特徴リスト
  • ソーシャルメディアでの存在感
  • 視覚的なデザインの評価
  • メッセージ、広告コピー、コンテンツ

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事業計画に盛り込むべき要素

以下の5つの質問に対して、首尾一貫して、実行可能な方法を答えることができれば、会社を黎明期から成長期へと導いていくうえで役立つ事業計画を完成させることができます。

  1. 事業概要は?
  2. このビジネスを展開する市場の特徴は?
  3. 製品やサービスをどのように販売するのか?
  4. 売上をどのように達成するのか?
  5. このような活動の費用をどのように支払い、財務を管理するのか?

エグゼクティブサマリー

エグゼクティブサマリーは、ビジネスプラン全体をナビゲートするためのロードマップです。達成したいことを明確に表現し、この先のさまざまなセクションの概要も完結に含める必要があります。

事業内容

事業内容の説明は、事業計画の中で詳細を説明する導入部分です。ミッションステートメントもここに加えるべきです。また、このセクションには通常、対象となる業界の考察や、次のセクションで具体化されるアイデアを紹介します。一般的に、読者は事業内容を読み終えると、あなたの会社が何者で、何を計画しているのか、そしてターゲット業界の範囲がわかっているはずです。

競合分析

ターゲット市場の状況、競合他社の強みと弱み、その市場に与える潜在的な影響について詳しく説明するセクションです。

セールス・マーケティング計画

潜在顧客に自社の価値提案を伝えるために、どのようなツールやチャネルを使うかを説明します。さらに、製品の価格プランの詳細や、採用する可能性のある販売モデルも検討する必要があります。

運営計画

製品やサービスの生産方法から、顧客の注文に対する提供方法についての概要です。これには、どの運営タスクをどの部門に割り当てるか、また、経営陣の組織とその責任も示すことができます。

財務計画

前述の活動にはどれだけの費用がかかるのか。売上からどれだけの収益が得られるのか。健全なキャッシュフローを維持できるのか。読者は、あなたのビジネスが軌道に乗ったあと、経費を管理し、収益を得るための現実的な期待を持っていることを理解する必要があります。

事業計画が完成したら

事業計画は、実行可能なものでなければ、時間のかかる思考実験に過ぎません。言い換えれば、事業計画に価値を持たせるには、現実的な主張ができなければなりません。事業計画は成功の基礎を築きますが、プロセスにおける次のステップも同様に重要になります。

事業計画を通常のネットワーキング活動の一部にしましょう。潜在的なパートナーや投資家、または従業員を探し、事業に関わる人々に可能な限りあなたの計画を共有してください。あなたがしかるべき調査を行ったことを彼らが知ったとき、貴重な貢献をしてくれる誰かといつ出会うかわかりません。

事業計画は、決して完全に完成することのない、生きている文書であることを覚えておいてください。情報を更新し、予測をより正確かつ完全にするための方法を探し続け、調査を継続してください。あなたの事業計画は、会社の設立と運営を通じて難しい決断に直面する際の指針として機能します。あなたにとって可能な限り価値のあるものにするために努力し続けてください。

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<注釈>
※本記事はカナダで公開された “How to Create a Business Plan Worth Following” の抄訳版です。本ポストの正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。

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