AIは顧客とのコミュニケーションを大きく変えていますが、成功のカギはテクノロジーだけではありません。AIを動かす「人」の力が不可欠です。「Agentforce」の活用スキルに精通したチームを構築することで、AIへの投資を確かな価値へと変えることができます。
この記事では、私たちSalesforceがどのようにAgentforceの活用によって価値を創出しているかを紹介します。
AIエージェントはどの業務に使える?業種別ユースケースのご紹介
業務生産性を向上させたいけど、具体的にはどう使えるの?お困りの方はぜひご覧ください。

ユースケースを理解する
まずはAgentforceのユースケースを深く理解することから始めましょう。どのような顧客体験を提供したいか、お客様が達成しようとしているタスクは何か、そしてお客様はどこで行き詰っているのか。私たちはこれらを常に考えています。解決すべき問題を明確にすれば、理想の顧客体験の構築が格段に容易になります。
Salesforceのヘルプサイト「Agentforce on Help」の目標は、お客様が必要なサポートを簡単に得られるようにすることでした。
「サポート」とは、明確で正確な回答へのアクセスや、サポートエンジニアに連絡を取るためのプロセスなどを指します。これらを実現するために、既存プログラムやスキルを活用しながら、顧客体験向上に特化した専任のAgentforceチームを編成しました。
「Agentforce」が100万件のサポートリクエストに対応
3つのイノベーションでさらに進化

SalesforceのAgentforceチームは、カスタマーサクセスやサポートエンジニアリング、開発など、通常は協業しないさまざまな部門から専門家を集めています。
同じチームに配置することで、共同作業やアイデアの共有が容易になりました。
多くのメンバーは、すでにAI機能の構築や会話設計に関する経験を持っていました。彼らの既存のスキルを活用し、Agentforceに関する知識を増大させることで、Agentforceを効果的に展開。明確な回答を提供し、顧客体験を向上させることができました。
Agentforceチームを編成する
ゼロから始める必要はありません。多くの企業はすでにチャットボットや生成AIを使っていると思いますので、これまで培ってきたそのスキルをさらに磨くことで実現できます。まずは、管理者・開発者から製品管理、運用にわたるまで必要なスキルを把握しましょう。
Agentforceは、AIエージェント構築にローコードとプロコードの両方のオプションを提供している点も検討してください。
あなたのチームの現在の専門知識を評価するにあたって、ローコード開発は簡単にできる人材がいても、より複雑なタスクには高度なAgentforceスキルが必要になる場合があります。多くの場合、管理者や開発者が知識を共有しスキルギャップを埋めていきます。
以下に、Agentforce成功のためのキーとなるスキルとその重要性、そして今のチームでこれらを活かす方法の要点をまとめました。
AIエージェント活用の最初の一歩、現状業務の可視化と利用ルール設計
AIエージェントの導入を拡大し、組織に定着させるには“人の利用”の可視化が不可欠!PoC段階から始める仕組み作りのポイントとは。

製品管理:顧客体験に焦点を当て、機能の優先度を判断します。プロジェクトによっては、専任の製品マネージャーが務める場合があります。
開発・システム設計:堅固な基盤とスムーズな技術スタックの統合を確実にする上で不可欠なスキルです。必要なスキルレベルは設定の複雑さによって決まります。この役割は、管理者または専任のAIエンジニアが担当できます。
データ管理:このスキルはAgentforceの成果の品質に大きく影響します。堅固な戦略があれば、正確で関連性の高いデータを確保できます。小規模なプロジェクトでは管理者がデータを担当できますが、大規模なプロジェクトでは専任のデータエンジニアが必要になる場合があります。
ナレッジ管理(英語):情報を常に最新かつ整理された状態で、アクセスしやすいように保つことが重要です。これにより、Agentforceが正確な回答を迅速に見つけ、顧客サービスの効率が向上します。経験豊富な管理者は通常、情報アーキテクチャとコンテンツ管理の経験を有しています。
レポートとダッシュボード:顧客とのやり取りや全体的なパフォーマンスに関するインサイトを得る上で不可欠です。CSATスコアのような信頼性の高いデータと追跡により、何が起こっているかを把握し、確信を与えてくれます。強力な分析スキルを持つSalesforce管理者、ビジネスアナリスト、またはデータアナリストがこの役割に適しています。
API開発:シームレスな統合を可能にし、ワークフローの自動化、データ交換の改善することで、Agentforceの機能を大幅に向上できます。これは通常、バックエンドエンジニアまたはMuleSoftの専門家が担当します。
ユーザーエクスペリエンスデザイン(UXデザイン):ユーザーが簡単に、そして継続的にエンゲージメントを維持できるように支援するためのものです。直感的でユーザーフレンドリーな体験を提供することで、ユーザーはAgentforceを日々の業務に取り入れ、使い続けてもらいやすくなります。この役割に最適なのは、UXデザインとユーザー行動に精通した人物です。
これらのスキルは、SalesforceがAgentforceの成功のために活用してきたものです。あなたのチームは、これらすべてを用意する必要はありません。顧客に提供したい体験を念頭に置き、徐々に必要なスキルを習得していけば、素晴らしいものを構築できるでしょう。
チームのAgentforceスキルをレベルアップしましょう
Agentforceをチームに定着させるには、まず各メンバーの現在のスキルを把握することから始めましょう。
すでに持っている経験を活かしながらAgentforceのスキルを向上させ、さらにその進捗を「認定Agentforceスペシャリスト」のような資格で評価・証明してあげましょう。この資格は、組織内でAgentforceを管理する人のための、最新の認定資格です。
ビジネスユーザーには、Agentforceの概念やその影響について、自分たちの理解を積極的に示してもらいましょう。魅力的なワークショップやデモ動画、そしてFAQのような分かりやすいドキュメントを活用して、その勢いを維持してください。トレーニングを改善するためにフィードバックの仕組みを構築し、成果を出した人を称賛しましょう。
ユーザーメリットに焦点を当て、継続的な学習を重視することで、Agentforceの導入を成功させ、チームをAgentblazerに変身させることができます。
次はあなたがAgentforceのドリームチームを築き上げましょう!
※本記事は米国で公開された “Create Your Dream Team with These 7 Agentforce Skills” の抄訳版です。本ポストの正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。