顧客の問い合わせや要望に応え、満足度を高めるためにカスタマーサポートを充実させたい企業が多いのではないでしょうか。
カスタマーサポートの充実で顧客満足度を向上でき、リピーターの育成や製品・サービスの改善なども期待できます。
本記事では、カスタマーサポートで期待できる効果や成功のポイントを詳しく解説します。顧客対応を強化したい企業の方はぜひ参考にしてください。
音声認識とAIによる問合せ対応の自動化
サポート部門は、顧客との継続的な関係構築のために、重要な役割を担っています。
Salesforceのサポート専任チームが実践して結果を出している、様々な取り組みを紹介します。サポート組織運営の課題解決のヒントとして、ご活用ください。
目次
カスタマーサポートとは
カスタマーサポートとは、顧客からの問い合わせに対応する部署・部門です。
企業や店舗などで以下のように名称が異なります。
- カスタマーサポートセンター
- ヘルプセンター
- お客様相談室
カスタマーサポートには電話やメールなどの手段で顧客からの問い合わせが届き、製品・サービスへの疑問や不安、クレームなど内容はさまざまです。顧客がもつ課題の解決をサポートする重要な役割をもち、適切な対応によって顧客との関係を構築できます。
また、カスタマーサポートは顧客の声を直接受けられる貴重な部門です。製品・サービスへの意見やクレームなどは改善のヒントとなるため、企業の成長につなげる役割も求められます。
カスタマーサポートと同じく、顧客のサポートを担うカスタマーサービスは以下の記事で解説しているため、あわせてお読みください。
> カスタマーサービスとは?業務内容や重視される理由などを解説
カスタマーサポートの主な業務内容
カスタマーサポートには、顧客からさまざまな問い合わせが届くため、要望や意見に対応するために幅広い業務を担当します。
カスタマーサポートの主な業務内容は、以下の4つです。
- 電話やメールで顧客対応を行う
- チャット機能から届いた問い合わせに対応する
- SNSでのアクションに対してサポートを実施する
- FAQやよくある質問の作成で課題の自己解決をサポートする
業務内容とあわせて、電話やメールなどカスタマーサポートの手段も理解しましょう。
電話やメールで顧客対応を行う
カスタマーサポート窓口の電話番号やメールアドレスからの問い合わせが多く、電話やメールで対応する機会が大半を占めます。
電話では顧客がもつ課題や疑問などをヒアリングし、質問への回答やトラブルへの対応方法などを迅速に行います。問い合わせ内容によっては、担当者につないだり、専門の部署に引き継いだりするといった柔軟な対応が必要です。
メールの場合は顧客から届いた文面を正しく理解し、求めている情報を丁寧に記載して返信します。顔や声色などの情報がない分、言葉の伝わり方を意識した対応が求められます。
チャット機能から届いた問い合わせに対応する
近年、カスタマーサポートにチャットでの対応を導入する企業が増えており、チャットボットというシステムを利用する事例が注目されています。
チャットボットは事前に学習させたデータを活用し、顧客が入力した問い合わせ内容に自動で回答できるのが特徴です。
シンプルな質問への回答は得意ですが、複雑な対応を必要とする問い合わせは苦手としています。そのため、自動対応できる問い合わせはチャットボット、複雑な問い合わせはオペレーターと役割の分担が必要です。
チャットを活用しているカスタマーサポートでは、チャットボットの管理やオペレーターが対応すべき問い合わせの見極めなどの業務が発生します。
SNSでのアクションに対してサポートを実施する
SNSで発信している企業では、投稿やダイレクトメッセージで問い合わせ対応をしているケースもあります。
ダイレクトメッセージやコメントなどは通知が届く場合が多いため、アクションに対してすばやく対応するのが重要です。
直接働きかけるアクション以外に、ユーザーの投稿で製品・サービスに触れられていることもあります。こまめに自社に関する投稿をチェックし、必要に応じて企業側から対応することも求められます。
FAQの作成で課題の自己解決をサポートする
カスタマーサポートは顧客が課題を自己解決できるように、FAQ(よくある質問)についてホームぺージに記載する業務も行います。
顧客がもつ課題を理解したうえで、想定される質問と回答をわかりやすくまとめることで、問い合わせが発生する前に課題を解決できます。
FAQやよくある質問の作成には、顧客を知ることが欠かせません。顧客管理もカスタマーサポートの重要な業務であり、問い合わせ内容の傾向を把握し、精度の高いサポートページづくりを行います。顧客情報や課題分析などのデータは、営業やマーケティングにも役立つため、管理した情報を各部署・部門に連携することも仕事のひとつです。
カスタマーサポートと似た用語との違い
カスタマーサポートと間違えやすい言葉として、以下の3つがあります。
- カスタマーサクセス
- コールセンター
- テクニカルサポート・ヘルプデスク
それぞれ意味が異なるため、違いを理解したうえで、カスタマーサポートの役割を再確認しましょう。
カスタマーサクセスとの違い
カスタマーサクセスとは顧客がもつ目標を達成するために施策を講じる取り組みです。顧客が抱えると想定される課題を予測し、積極的にアプローチする点がカスタマーサポートと異なります。
カスタマーサポートは顧客からの問い合わせが発生してから対応することが多く、受動的な姿勢が基本です。
また、カスタマーサポートは一時的に顧客への対応が必要ですが、カスタマーサクセスは顧客の成功に向けて継続的に関わるのが特徴です。
カスタマーサクセスの業務内容やカスタマーサポートとの違いは以下の記事で詳しく解説しているため、ぜひチェックしてください。
> カスタマーサクセスとは?カスタマーサポートとの違い・業務内容とKPI
コールセンターとの違い
コールセンターは電話対応に特化したサポート部門です。一方でカスタマーサポートは電話やメールなどさまざまな手段で対応します。
コールセンターは問い合わせ対応以外に、見込み顧客や潜在顧客への案内を行う場合もあり、企業側からのアプローチも担うのが特徴です。能動的な電話業務はアウトバウンドと呼ばれ、テレアポのように見込み顧客へのアプローチをします。
カスタマーサポートが関わるのは既存顧客であり、問い合わせへの受動的な対応を行う点も異なります。
テクニカルサポート・ヘルプデスクとの違い
テクニカルサポートやヘルプデスクは、技術的な問い合わせに対応する部門・部署です。主にIT製品を取り扱う企業に設置され、操作方法や機器のトラブルなどに対する専門的なサポートを行います。
カスタマーサポートと既存顧客を対象とする点や顧客の悩みを解決する点は共通していますが、取り扱う内容が大きな違いです。カスタマーサポートで対応が難しい技術的な問い合わせには、テクニカルサポートで対応できるよう円滑に連携する必要があります。
以下の記事では、ヘルプデスクについて解説しているため、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。
カスタマーサポートが担う3つの重要な役割
カスタマーサポートは、顧客対応やFAQ作成などの業務をとおして、以下の役割を果たすことが求められます。
- 顧客満足度を向上する
- 顧客の意見をもとに製品・サービスを改善する
- 企業のブランドイメージを高める
顧客と接する企業の顔・窓口であるため、3つの役割を十分に理解し、質の高いサポートの提供を目指しましょう。
顧客満足度を向上させる
カスタマーサポートには、顧客がもつ課題や悩みを解消し、顧客満足度を高める役割が求められます。
顧客が求める回答を迅速かつ正確に提供できると、顧客満足度を高めることができます。困ったときに頼れる存在であると認識されれば、製品・サービスの継続や自社の他製品の購入にもつながります。
顧客満足度の重要性や顧客満足度を向上させる方法は以下の記事で解説しているため、ぜひ参考にしてください。
> 顧客満足度とは?重要な理由や向上させる施策、成功事例などを解説
顧客の意見をもとに製品・サービスを改善する
カスタマーサポートは顧客の声が集まる部署・部門であるため、要望や意見を企業にフィードバックする役目を果たす必要があります。
製品・サービスへの疑問や意見は、解決しなければならない課題であり、改善に欠かせません。
カスタマーサポートが顧客の声を逃さず拾い上げ、営業やマーケティングなどに連携することで、成約率の高い訴求ポイントの発見やニーズのある製品・サービスの開発につなげることができます。
企業のブランドイメージを高める
カスタマーサポートは顧客と直接関わる部署・部門であるため、企業の顔であることを自覚し、ブランドイメージをよくする役割が求められます。
インターネットやSNSの普及で、よい評判も悪い評判も広がりやすくなっているため、カスタマーサポートの対応ひとつで企業のイメージが変わります。
スピーディーで丁寧な対応は企業イメージの向上につながるため、満足度の高いサポートの提供を徹底しましょう。
音声認識とAIによる問合せ対応の自動化
サポート部門は、顧客との継続的な関係構築のために、重要な役割を担っています。
Salesforceのサポート専任チームが実践して結果を出している、様々な取り組みを紹介します。サポート組織運営の課題解決のヒントとして、ご活用ください。
カスタマーサポートの成果を高めるためのポイント
カスタマーサポートで顧客満足度やブランドイメージの向上などを実現するためには、以下のポイントに注意してサービスの質を高めましょう。
- ルール設定やマニュアル作成で体制を整える
- KPIを明確にする
- 研修でスタッフのスキルアップを目指す
- 顧客の声を反映し課題を先回りして解決する
- アウトソーシングを検討する
- ツールを導入する
担当者のスキルアップはもちろんですが、サポート体制の構築も大切であるため、カスタマーサポート部門全体での取り組みが重要です。
ルール設定やマニュアル作成で体制を整える
質の高いカスタマーサポートを提供するためには、担当者によってサービスの質にバラつきが出ないように、マニュアルやルールを設定するのがポイントです。
誰が対応しても品質にブレがなく、満足度の高いサポートを提供できるように対応方法のマニュアル化を進めましょう。マニュアルを作成する際は、過去の対応事例を参考にし、よい対応を明確にするのが方法のひとつです。
また、カスタマーサポートの取り組み方を統一するためには、ルールの設定も検討しましょう。たとえば、メールを返信するまでの時間を決めれば、顧客を待たせることが少なくなるはずです。
ルールやマニュアルの作成は、現場の声を取り入れましょう。現場に寄り添った体制づくりによって、ルールやマニュアルを浸透させやすくできます。
KPIを明確にする
カスタマーサポートの質を高めるためには、成果を正しく把握し改善を繰り返すことが大切であるため、指標となるKPIの設定が重要です。
KPIとは目標を数値化するための指標で、目標達成への進捗状況が明らかになり、課題発見につなげられます。
カスタマーサポートにおけるKPIの例は、以下のとおりです。
項目例 | 詳細 |
---|---|
FCR(First Contact Resolution) | 初回で解決できた問い合わせの割合 |
対応件数 | 1日に対応した件数 |
解決率 | 解決できた問い合わせの割合 |
応答速度 | 着信から対応を開始するまでの時間 |
応答率 | 着信に対して応答した割合 |
上記のKPIを例に、カスタマーサポートの現状を把握し、課題を解決することで質の高いサポートを実現しやすくなります。
ただし、カスタマーサポートにおいては、KPIの数値だけでは判断できない点があることも知っておきましょう。たとえば、対応件数は多ければ多いほどよいわけではありません。ひとり当たりの件数が多い場合には、負担が大きくなっている可能性が考えられます。数値だけを確認して現在の状況や課題を分析しましょう。
研修でスタッフのスキルアップを目指す
カスタマーサポートチーム全体の強化のために、研修を実施しましょう。座学や実技などで必要な知識や技術を学び、実践でスムーズに対応できるようスタッフを育成します。
また、カスタマーサポートには製品・サービスへの深い理解も求められます。顧客の質問にすばやく答えられるように、定期的に勉強会を実施するのもおすすめです。
顧客の声を反映し課題を先回りして解決する
製品・サービスに関する質問回答やトラブル対応の多いカスタマーサポートの場合、課題を先回りして自己解決できる仕組みをつくりましょう。
件数が増えるとスタッフの負担になり、サポート品質が低下しやすくなります。
FAQやよくある質問を充実させたり、製品・サービスを改善したりできれば、問い合わせにつながる件数が減少するでしょう。FAQの更新や顧客の声のフィードバックを仕組みに落とし込み、こまめに先回りできる体制づくりが重要です。
アウトソーシングを検討する
カスタマーサポートの質は、サポートに必要なノウハウやリソースが求められるため、自社での対応が難しい場合にはアウトソーシングを検討しましょう。
専門的なノウハウをもつ業者に一任でき、自社のリソースを確保しやすくなります。経営や営業などのコア業務に集中できるようになり、売上増加につなげられるでしょう。
ただし、将来的に自社でカスタマーサポートを設置したい場合、ノウハウの蓄積が難しくなるので注意が必要です。委託先からデータを共有してもらったり、一部の顧客対応を自社で実施したりして、自社でも対応できるようにすることが必要です。
ツールを導入する
カスタマーサポートでは、顧客にあった対応を行うために顧客情報の管理・共有が重要になるため、ツールを導入するのが効果的です。
顧客情報を一元管理しながら、リアルタイムで全体に共有できるため、必要な情報を活用した適切な顧客対応が実現できます。
担当者の稼働状況やチーム全体の成果などを管理できるツールもあるため、カスタマーサポートの運営や強化にも活用できるでしょう。
カスタマーサポートを充実させ、顧客満足度を高めよう
カスタマーサポートは顧客の問い合わせに対応する部署・部門であり、電話やメールなどさまざまな手段で対応を行います。
顧客と直接関わる部署・部門であるため、顧客満足度アップやブランドイメージの向上、顧客の声のフィードバックなどの役割を担う重要な部署です。
役割を果たすためには、マニュアル作成によるサポート品質の統一や研修によるスタッフのスキルアップなどが必要になります。
また、カスタマーサポートの品質を高めるには、ツールの導入を検討しましょう。
セールスフォース・ジャパンの「Service Cloud」では、カスタマーサポートの業務効率化や顧客満足度の向上に活用できる機能を搭載しています。顧客情報や過去の問い合わせ内容などのデータをAIが解析し、問い合わせへの最適な対応方法を担当者に提案します。
FAQやチャットボットなどにも問い合わせデータを活用することで、顧客が自己解決できるようになり、カスタマーサポートの負担を軽減できるでしょう。
現在、Service Cloudではデモ動画を公開しています。30日間の無料トライアルも実施していますので、カスタマーサポートの品質向上を実現したい方は、ぜひお試しください。
▶ Service Cloudのデモ動画はこちら
▶ Service Cloudの30日間無料トライアルはこちら
Service Cloud製品デモ動画
このデモ動画では、Service Cloudの実際の操作と解説をまじえながら、以下のユースケースをご紹介します。
・オムニチャネルで顧客とつながる、デジタルコンタクトセンターの実現方法
・業務プロセスの自動化とAIを使って、コンタクトセンター業務を効率化する方法
Service Cloudだからできる、顧客満足度の高いコンタクトセンターの実現方法をぜひご覧ください。