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グロスとネットとの違いとは?業界別の計算方法や使い分ける際の注意点を解説

グロスとネットの違いを解説。広告・会計・給与・不動産・自動車業界など、業界別の使い分けや計算方法を紹介。契約や取引で誤解しないための注意点や、グロス・ネットの語源も解説。

「グロスとネットの違いがよくわからない」「契約書に書かれているけど意味が曖昧」

上記の疑問を持った方もいるのではないでしょうか。

ビジネスでは「グロス=総額」「ネット=控除後の実額」として使われやすく、業界によって意味や計算方法が異なります。

本記事では、広告・会計・給与・不動産・自動車業界などのグロス・ネットの使い分けや計算方法を具体的に解説します。

グロスとネットの違いをしっかり理解し、取引や契約で正しく活用できるようになりましょう。

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ビジネスにおけるグロスとネットの違い

ビジネスの現場では、「グロス(Gross)」と「ネット(Net)」という言葉が頻繁に登場します。

具体的には、取引価格や広告費、給与、売上、利益計算など、さまざまな場面で使われており、違いは以下の通りです。

  • グロス=控除前の総額
  • ネット=控除後の実際の受取額

たとえば、給与においてグロスは額面の支給額を指し、ネットは社会保険料や税金などを引いた手取り金額です。

金額の計算や利益管理において非常に重要な概念であり、意味の違いを正しく理解しなければいけません。

基本概念を整理することで、契約交渉や経理処理の場面での認識ズレを防ぎ、正確な判断が可能になります。

グロスとネット、それぞれの意味と使いどころを押さえておくことが、ビジネススキルとしても重要です。

ここからは、それぞれの用語について順番に見ていきましょう。

グロスを使用する場面

グロス(Gross)は、「税金や手数料などを含めた総額」を指す概念で、取引金額の全体像を把握するために用いられます。

主に、見積もりや価格提示など、外部とのやり取りで使われることが多いです。

たとえば以下のような場面でグロスが使用されます。

  • 広告費の見積もりを出す際
  • 商品のカタログ価格を提示する際
  • 請求書を発行する際
  • 投資家向けの売上報告をする際

グロスは、スケールや費用全体を伝える際に重要な指標となるため、商談や対外的な資料作成時にはよく使われます。

ネットを使用する場面

ネット(Net)は、「税金や手数料などを差し引いた後の純額」を指し、実際の受取額や利益計算など、内部的な数値把握に適しています。

つまり、「いくら残るのか」「本当のコストはいくらか」を明確にする際に使われるのがネットです。

具体的には、以下のような場面で活用されます。

  • ECサイトで販売価格を設定する際:決済手数料や送料などを引いた実収益を元に価格を決定
  • 従業員の給与を支払う際:社会保険料や税金を差し引いた手取り額を計算
  • 卸売業者が実際の仕入れ価格を計算する際:割引やリベートなどを差し引いた実質的なコストを確認
  • 会社の利益を計算する際:売上から各種経費を引いた純利益を算出

ネットは内部管理・意思決定・経営分析に欠かせない指標です。

グロスとネットの差額をマージンという

ビジネスでは、グロス(総額)とネット(純額)の差額を「マージン(Margin)」と呼びます。

企業や個人がサービス提供によって得る利益や、中間業者が得る手数料として扱われます。

具体的な事例としては以下の通りです。

項目グロス(総額)ネット(純額)マージン(差額)備考
人材派遣業派遣先企業が派遣会社に支払う金額派遣社員が受け取る給与派遣会社の利益・手数料(運営費含む)社会保険料・教育費・営業費などを含む
商品取引販売価格(例:1,500円)仕入れ価格(例:1,000円)利益(例:500円)単純な売買差益

マージンは、ビジネスの収益性やコスト構造を読み解くうえで重要な指標です。

売上だけでなく、「どれだけ利益を残せているか」に注目する際には、このマージンを意識する必要があります。

業界別!グロスの使い分けと計算方法

グロスとネットの考え方は業界によって異なり、正しく理解することで利益管理や価格交渉に役立ちます。

定義は共通でも、現場での適用方法には違いがあります。業界別に計算式や使い分けのポイントを押さえることが重要です。

ここでは、業界別のグロスの使い方を以下にまとめました。

業界グロスの意味
広告業界媒体費+代理店手数料
食品業界包装を含んだ商品の総重量
物流・製造輸送時の梱包込みの重量

業界ごとの基準に沿って正しく運用しましょう。

広告業界・代理店業務におけるグロス

広告業界では、クライアントに提示される広告費は一般的に「グロス金額(総額)」で表記されます。

単なる広告掲載費に加えて、代理店が得る手数料(マージン)も含まれた金額が一般的です。

たとえば、広告代理店が100万円の広告提案をした場合、その中には媒体に支払う実費(ネット)と、代理店の運営費や人件費・利益に相当するマージンが含まれています。

一方で、ネット金額とは、代理店手数料を差し引いた実際に広告媒体へ支払われる金額のことです。

広告業界では、以下のような計算式がよく使われます。

  • グロス広告費=ネット広告費 ÷(1-代理店手数料率)

たとえば、ネット広告費が80万円、手数料率が20%であれば、グロス広告費=800,000 ÷(1-0.2)= 1,000,000円となります。

広告業界でのグロスとネットには明確な意味があり、契約や見積もり時には注意が必要です。

関連記事:顧客を中心に据えた広告戦略を構築する方法 | セールスフォース・ジャパン

CPAにおけるグロス

CPA(Cost Per Action)は、「1件の成果(例:購入・会員登録など)を得るための広告費単価」をあらわす指標です。

広告の費用対効果を測るうえで非常に重要ですが、このCPAにも「グロス」と「ネット」の2つの見方があります。

広告代理店を通じて広告運用を行う場合、グロスCPAとは成果1件あたりにかかる総コストを指し、媒体に支払う広告費(ネット)と代理店手数料(マージン)を含んだ金額になります。

一方、ネットCPAは、純粋に媒体へ支払った広告費ベースでの単価です。

計算式としては以下のようになります。

  • グロスCPA=ネットCPA ÷(1-代理店手数料率)

たとえば、ネットCPAが4,000円、代理店手数料が20%の場合、グロスCPA=4,000 ÷(1-0.2)= 5,000円となります。

関連記事:CACとは?CPAとの違いやLTVとの関係、計算方法を詳しく解説-Salesforceブログ

食料品におけるグロス

食品業界では、「グロス(Gross)」と「ネット(Net)」という言葉が商品の重量表示に使われる点が特徴です。

金額の話ではなく、「重さ」に関する使い分けがポイントとなります。

  • グロス重量:商品の総重量。包装材や容器を含めた重さ
  • ネット重量:中身だけの重さ(可食部の実重量)

たとえば、スープの缶詰であれば、缶の重さを含めた合計がグロス、缶の中のスープだけの重さがネットです。

食品業界での違いは以下のような場面で重要になります。

  • 物流管理:輸送コストはグロス重量を基準にすることが多い
  • 栄養表示・消費者情報:パッケージにはネット重量を記載
  • 業務用仕入れ:レシピ計算や食材コスト算出はネット重量が基準

グロスは運ぶ量、ネットは使う量と捉えるとわかりやすいです。

不動産業界におけるグロス

不動産投資では、「グロス利回り(表面利回り)」と「ネット利回り(実質利回り)」という2つの利回り指標が使われます。

グロス利回りは、物件価格に対して年間家賃収入の割合を示すものです。管理費や固定資産税などの経費は考慮されていません。

一方、ネット利回りは、実際の収益性をより正確にあらわす指標です。家賃収入から各種経費(管理費、修繕積立金、固定資産税など)を差し引いて計算します。

  • グロス利回り=年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100
  • ネット利回り =(年間家賃収入-経費)÷ 物件価格 × 100

たとえば、家賃収入が120万円・物件価格が2,000万円・年間経費が20万円の場合、以下のようになります。

  • グロス利回り:6%(120万 ÷ 2,000万)
  • ネット利回り:5%(100万 ÷ 2,000万)

物件の収益性を判断する際に非常に重要な概念であり、投資家にとっては必須の知識です。

関連記事:成長を続けるための不動産業の新たなビジネスモデル

自動車業界でのグロス

自動車業界では、「グロスプロフィット(総利益)」と「ネットプロフィット(純利益)」という2つの指標が使われます。

グロスプロフィットは、車の販売価格から仕入れ価格を差し引いた金額を指し、販売1台あたりの粗利益にあたります。

一方、ネットプロフィットは、グロス利益から販売にかかる各種経費(人件費・広告費・展示場維持費など)を差し引いた純利益です。

  • グロスプロフィット=販売価格-仕入れ価格
  • ネットプロフィット=グロス利益-販売経費

たとえば、1台300万円の車を250万円で仕入れた場合、グロスプロフィットは50万円です。

そこから販売スタッフの人件費や広告費が20万円かかった場合、ネットプロフィットは30万円になります。

収益構造を改善するには、グロスだけでなくネットの視点をもつことが不可欠です。

関連記事:自動車業界のトレンド | セールスフォース・ジャパン

給与でのグロス

給与明細においても、グロス(額面給与)とネット(手取り給与)の区別が存在します。

グロス給与は、基本給に加えて各種手当(残業手当、通勤手当など)を含んだ税金や社会保険料が控除される前の総支給額を指します。

一方、ネット給与は、所得税や住民税、健康保険料、厚生年金などを引いた実際に口座に振り込まれる手取り金額です。

  • グロス給与=基本給+各種手当
  • ネット給与=グロス給与-所得税-住民税-社会保険料

たとえば、グロスが30万円の場合でも、ネットは22〜24万円程度になることが一般的です。

転職時や求人の比較、生活設計を立てるうえでは、「手取り=ネット給与」を基準に考えるようにしましょう。

グロスとネットを使い分ける際の注意点

グロスとネットは、業界や文脈によって意味や用途が異なるため、使い分けには細心の注意が必要です。

とくに契約や会計に関わる場面では、双方の認識ズレがトラブルの原因になり得ます。

混乱を防ぐには、関係者間で共通認識を持ち、透明性を高めることが不可欠です。

各業界の違いについて順番に見ていきましょう。

広告・マーケティング業界でのグロスとネットの違い

広告・マーケティング業界では、「グロス」と「ネット」という言葉が費用構造の中で頻繁に使われます。

  • グロス費用:広告費に加えて代理店の手数料(マージン)を含めた総額
  • ネット費用:純粋な広告媒体費のみ

グロス費用は、クライアントに提示される見積もりの多くがこの形式です。

ネット費用は、実際にメディアやSNSなどに支払われる金額を指します。

たとえば、広告媒体に80万円を支払い、代理店手数料が20万円である場合、グロスは100万円となります。

広告契約の際は、グロスでの契約かネットでの契約かを明確にすることが信頼関係の構築に不可欠です。

また、代理店側がマージンを上乗せして利益を得る場合は、その金額や率についてクライアントに対して透明性を保つことがトラブル防止につながります。

関連記事:マーケティングとは?実施する目的や戦略の立て方を初心者向けに解説

売上・会計でのグロスとネットの違い

売上や会計処理の現場でも、「グロス売上」と「ネット売上」の区別は非常に重要です。

企業の業績評価や税務申告、損益計算書の作成に直結するため、明確な使い分けが求められます。

  • グロス売上:商品やサービスの販売価格の総額
  • ネット売上:グロス売上から返品、値引き、販売手数料などを差し引いた実質の売上

グロス売上は、割引や返品、キャンペーンなどを考慮しない金額で、売上のインパクトを示す際に使われます。

ネット売上は、企業の実態に即した収益を把握する際に用いられます。

たとえば、月間売上が1,000万円で、返品や割引、決済手数料で200万円が引かれる場合、ネット売上は800万円です。

税務や財務分析の精度を高めるためにも、グロスとネットの違いを理解し、状況に応じて使い分けるようにしましょう。

値・重量でのグロスネットの違い

グロスとネットは、金額だけでなく「重量」や「容量」にも使われる用語であり、食品・物流・医薬品業界などで重要な意味を持ちます。

  • グロス重量(総重量):包装材や容器、付属物などを含めた重さ
  • ネット重量(正味重量):中身だけ/可食部分や有効成分のみの重さ

グロス重量は、物流コストや輸送効率の計算に使われることが多いです。

ネット重量は、価格設定や品質評価に用いられます。

たとえば、冷凍肉1kgの中に氷が200g含まれていれば、グロスは1kgでもネットは800gとなります。

また、医薬品や化学製品では、「グロス=総容量」「ネット=有効成分量」と定義されることもあるため、取引先との認識合わせが重要です。

業界ごとに異なる意味で使われることもあるため、文脈と用途に応じて正確に理解することが求められます。

グロスとネットに関するよくある疑問

グロスとネットの用語は、業界や文脈によって使い方が異なるため、混乱する人も多いでしょう。

ここからは、グロスとネットに関するよくある疑問に答えます。

  • ネット建て取引とグロス建て取引とは?
  • グロスとネットの言語の違いは?

用語の背景を知っておくと、資料作成や契約時にも安心して使えるでしょう。

ネット建て取引とグロス建て取引とは?

ビジネス取引や金融・貿易の現場では、「ネット建て取引」と「グロス建て取引」という用語が使われます。

どの金額を基準に契約・決済を行うかを示す重要な区別です。

  • ネット建て取引:税金や手数料などをあらかじめ控除した実際の受取額ベースの取引
  • グロス建て取引:控除前の総額を基準とする取引

ネット建て取引では、取引相手との金銭のやりとりがより正味に近く、実務に即した処理ができます。

グロス建て取引は、請求書や契約書には「税・手数料込み」の金額が記載されます。

金融業界や貿易業界では、グロス建てかネット建てかによって支払い方法や税務処理が大きく異なるため、契約時に明確にしておくことが重要です。

グロスとネットの言語の違いは?

グロスとネットという言葉は、それぞれ異なる語源を持ち、意味も対照的です。

グロス(gross)はラテン語の「grossus(大きい、厚い)」が語源で、英語でも「総計の、大きな、全体の」といった意味で使われます。

一方、ネット(net)はラテン語「nitidus(きれいな、純粋な)」に由来し、「純粋な」「正味の」という意味を持ちます。

意味や語源を知ることで、より正確な使い分けができるようになるでしょう。

業界によってグロスとネットの意味は違う!

グロスとネットは、どちらも日常的に使われる用語ですが、業界によって意味や使い方が異なります。

広告業界では手数料の有無を指し、不動産では利回りなど、同じ言葉でも対象が変わることがあります。

そのため、場面ごとに「何を指すグロス・ネットなのか」を必ず確認することが重要です。

「なんとなく」でそれぞれの用語を使ってしまうと誤解を生みます。

今回の記事を参考に、用語の正しい理解と使い分けを意識してみてください。

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