Skip to Content

使わないなんてもったいない!今すぐ標準オブジェクトを使うべき5つの理由

使わないなんてもったいない!今すぐ標準オブジェクトを使うべき5つの理由

Salesforceの価値を最大限活用するために知っておきたい、「標準オブジェクトや標準機能を使用すべき理由のトップ 5 (とおまけの理由)」をご説明します!

※本ブログは、米国で発表したブログ「You’re Not a Special Snowflake: 5 Reasons Why You Should Really Be Using Standard Objects」の翻訳版です。著者のJon Anianoは、SalesforceのService Cloud プロダクトマネジメント シニアディレクターです。

みなさん、こんにちは。Service Cloud でProduct Management(製品開発)を担当しているJon Anianoです。

私がこの仕事を始めてからずいぶんと時間が経ちました。

私とSalesforce との出会いは 2006 年に遡ります。当時、私は自身で会社を運営しており、最初の AppExchange パートナーの 1 人でした。その後、2010 年に Salesforce に入社し、以来 6 年間にわたりService Cloud チームでProduct Managementに携わっています。

お客様や SI パートナーが Salesforce の製品を活用することにより成功を収め、 ISV パートナーが Salesforce の主力製品を強化する優れたアプリをリリースするお手伝いができたことは、私にとって最高の経験です。Salesforce はビジネスに価値を生み出します。そして Salesforce を使いこなす人々はヒーローになるのです。そのようなすばらしい Salesforce 製品をさまざまな場所に導入することに、私は情熱を注いでいます。

今回私がお伝えすることは、みなさんにとっては耳障りの良い話ではないかもしれませんが、あえて言わせてください。あなたの会社は特別ではありません。

ここからの文章をぜひ読んでください。そうすれば、あなたはご自分の会社(またはクライアント)のコストを大幅に削減し、ヒーローになれるかもしれません。

もちろん、あなたの会社は唯一無二の存在であり、さまざまな条件やビジネスプロセスにおいて、他社とは異なるでしょう。すべての企業がそうなのです。

だからこそ、Salesforce はカスタマイズ性にもっとも優れたプラットフォームを提供しているのです。Salesforce がカスタムフィールドやカスタムオブジェクトを作成することにより、データモデルのカスタマイズを可能にしている理由でもあります。プロセス・ビルダーを提供し、ビジネスプロセスを視覚的かつ簡単に管理することを可能にしている理由も、App Builder、Apex、Lightning、Heroku を提供している理由も同様です。必要なことはすべて Salesforce 上で実現できます。

しかし、ときにやりすぎてしまうケースもあるでしょう。

たとえば、標準の取引先責任者オブジェクトや ケースオブジェクトを使う代わりに、独自の取引先責任者オブジェクトやケースオブジェクトを構築したくなってしまう場合があります。あるいは Salesforce コンソールの代わりに、コールセンター用にまったく新しい UI を構築しなければいけないと考えてしまう場合もあります。

非常にもったいないことです。やめてください。そんなことをする必要はまったくないからです。あなたの会社は特別ではありません。

もったいないと感じるのは、Salesforce の標準機能が提供する価値が非常に大きいからです。大幅にカスタマイズしたとしても、全体を入れ替えてしまわない限り、この価値の恩恵を大いに受けることができます。

ベストプラクティスをご紹介します。

取引先責任者と取引先の管理が目的ならば、標準の取引先責任者オブジェクトと取引先オブジェクトを使用します。ケース管理が目的なら、ケースオブジェクトを使用します。複数レコードの一括操作など、生産性の向上が目的であれば、Salesforce コンソールを使用します。フィールドサービスチームをサポートする必要がある場合は Field Service Lightning を使用します。

どの機能についても、カスタマイズする前に、まずは標準機能を使ってみてください。最初からオブジェクトをカスタムオブジェクトに差し替えたり、いきなりコードを使って UI 全体を構築し直すようなことはやめてください。

なぜいけないのでしょう。ここで、Salesforce の導入時に標準オブジェクトや標準機能を使用すべき理由のトップ 5 (とおまけの理由)をご説明しましょう。それでもまだ納得いただけない場合は、直接説明いたしますのでご連絡ください(本気です、ご連絡ください)。

理由 1 – Salesforce のイノベーションの恩恵を受ける

Account、Contact、Case といった標準オブジェクトと Salesforce Console などの標準機能を使用する最も重要な理由は、そこに Salesforce による開発研究の成果が詰まっているからです。

Salesforce では、大規模なユーザーリサーチやマーケットリサーチ、そしてお客様への聞き取り調査を実施することによって、どのような新機能が必要とされ、最も求められているかを判断します。その後、膨大な数の UX、PM、エンジニアリング、品質管理のリソースを投入して、年に 3 回、新しい機能を開発し、リリースします。Salesforce の製品を使用するということは、常に最新のバージョンを使用でき、導入された新しい機能を「オンにする」だけでよいことを意味します。

しかし、標準オブジェクトをカスタムオブジェクトやカスタムコードに差し替えてしまうと、このイノベーションの恩恵を受けることができない場合があります。たとえば、この 2、3 年にわたって 取引先責任者やケースのカスタムオブジェクトを使用してきた企業は、以下の主要機能を使用する機会を逃したことになるのです。

  • ケースフィード
  • エンタイトルメントとマイルストン
  • スナップイン
  • ナレッジ
  • Service Wave など…。

これはつまり、これらの機能が必要となった場合に、標準オブジェクトを用いて導入をやり直すか、自社のリソースを投じてこの機能を自社開発するかを判断しなければならないことを意味します。

それだけでなく、こうした手法は現状に即しているとは言えません。この原稿の執筆時点で、15 万社を超えるお客様が Salesforce とその標準オブジェクトを使用しています。また、Salesforce は、これまで 17 年間にわたって、標準オブジェクトの機能の最適化に努めてきましたし、お客様も、これらの標準オブジェクトを使用して大きな成功を収めてきました。

1日に 100 万件のケースを取り扱うコールセンターは、そこまで多くありませんが、 Salesforce のお客様には、実際にこの規模のケースを扱っている企業が存在します。そして彼らは標準オブジェクトを用いているのです。あなたの会社もきっとできるはずです。Salesforce の標準機能を使用するということは、大規模で複雑な構造を持つ Salesforce の既存のお客様がこれまでに培ってきたエクスペリエンスとスケールを受け継ぐことに他なりません。

標準オブジェクトを使わないということは、Salesforce を最適な方法で活用できていないということです。本当にもったいないことです。

理由 2 – AppExchange の価値を最大限に利用する

Salesforce の製品開発部門だけが、標準機能に関わるイノベーションに携わっているわけではありません。パートナー企業のエコシステムでは、標準オブジェクトや標準機能を使ってすべてのアプリが構築されています。

たとえば、AppExchange には、Internet Creations という優れたパートナー企業が存在します。(英語のみ対応)。この企業は、コールセンターの代理店の生産性を高めるために、多数の代理店生産性向上ツールを構築してきました。こうしたアプリの中には、無料のものも含まれており、このようなアプリを利用することで、あなたの会社(またはクライアント)は、莫大な時間と費用を節約できます。アプリは、1クリックでインストールできます。 これらアプリはすべて、標準のケースオブジェクトを使用した環境でのみ動作します。

ここまで説明したように、特殊な要件を満たすために標準のケースオブジェクトをカスタムオブジェクトに差し替えようと判断した場合(その時点では名案だと思われたかもしれませんが)、何百もの AppExchange のアプリを今すぐ使用できるチャンスを自ら逃していることになります。

AppExchange を活用することにより、企業、ユーザー、そしてお客様にとって最高のイノベーションを、短時間で簡単に取り入れることができます。これによって、あなたのビジネスに独自の価値を付加したり、業務の最適化、お客様とのつながりに時間や労力を費やすことができるようになります。

理由 3 – 導入にかかる初期投資と継続的投資を最適化する

これは、非常に重要なポイントです。

「カスタムオブジェクトではなく標準オブジェクトを使用する」または「独自の UI を構築する代わりに標準 UI を使用する」という適切な判断を下すことで、導入した環境をビジネスプロセスとユーザーのニーズに合わせて最適化するために費やす時間と予算を増やすことができます。

これは、次の 2 つの方法で実証できます。

(a)初期テストまたはパイロットフェーズの導入期間を短縮できます。その結果、そのパイロットグループで追加のサイクルを何度もテストできる時間を確保でき、実運用に最適なソリューションを実現できます。これにより、ユーザーは受け入れ体制を整えやすくなり、生産性や満足度を高めることにもつながります。実際に Service Cloud を導入したケースでは、エンドユーザーの CSAT(顧客満足度)を大幅に向上できました。

(b)もっと先のフェーズで実施する予定だった項目を、初期の作業範囲に前倒しで盛り込めるようになる場合があります。より早く価値を実現できるため、最終的に Salesforce の導入でターゲットとしていた事業目標の達成も促進できます。企業の収益アップまたはコスト削減の効果として、この違いは大きいはずです。

理由 4 – トレーニングや人材の配属にかかる時間と費用を節約する

Salesforce の利用、管理、開発のスキルは、すべて非常に需要の高いスキルです。企業は、優れたスキルを持ち、Salesforce の使用経験が豊富な人材を雇用し、その人材が高い生産性を維持することを求めています。

Salesforce は最近、Trailhead を発表しました。Trailhead は、Salesforce の初心者から上級開発者、経営者までを対象とし、何百もの学習モジュールを提供するガイド付きトレーニングシステムです。Salesforce の豊富な標準機能を使用する際のベストプラクティスとパターンを学ぶことができます。Trailhead は、Salesforce のプラットフォームでトレーニングを受けた、次世代のユーザー、管理者、開発者を育成します。またこれによって、採用した人材が一人前になり、実際に成果をあげるようになるまでの時間を短縮できます。

ただし、現在活躍中の優れた人材が持っている Salesforce スキルは、Trailhead の発表前も、標準オブジェクトや標準機能を使ったスキルです。あなたの会社が標準機能を使っていれば、こうした人材は、その専門知識によってより短時間でより良い結果を出すことができるでしょう。

標準機能を差し替えたり、完全に独自の機能を構築した場合は、優れた人材がもたらす成果を制限することになります。採用された人材が、すでに導入されている独自の環境を把握するのに苦労することもあるでしょう。

独自の環境では、採用した人材の生産性が低下することは避けられず、機能の強化や改善を依頼する際に、更新や変更にかかる時間が長引く可能性があるということです。

理由 5 – 組織の統合に備える

Salesforce 管理者は、遅かれ早かれ次のような大きな出来事を経験するかもしれません。

(a)それぞれ個別に Salesforce を使用している 2 つの事業部門が事業を統合したため、 Salesforce も統合しなければならない。

(b)企業が別の企業を買収し、買収された企業が使用している Salesforce を親会社のシステムに統合する必要がある。

(c)企業が買収され、組織を新しい親会社の組織に統合する必要がある。

これらすべてのシナリオで、もし企業が Salesforce の標準オブジェクトと標準機能を使用していれば、組織の統合に必要な作業は比較にならないほど簡単なものとなります。逆に、標準オブジェクトと標準機能を使用していなければ、何か月もの作業期間が余分にかかり、生産性も下がるため、小規模な業務にも莫大なコストがかかる可能性があります。

おまけの理由 – コミュニティから価値を受け取り、コミュニティに貢献できる

まずは理由の「トップ 5」を挙げたかったので、6 番目の理由はおまけとしてご紹介します。

Salesforce では、Ohana (オハナ)について話し合います。Ohana とは、家族の意味を持つ、Salesforce の文化です。Salesforce を選んだ時点で、あなたはSalesforce コミュニティの参加者となり、Ohana の一員となります。

Salesforce を活用することで、価値を最大限に引き出せるように支援し合うという志を持った、スマートで、経験豊かな人々が集まる素晴らしいコミュニティもあります。情熱的で、イノベーション精神に富み、ユーモアに溢れる、とても面倒見のよい人々です。これらの参加者と出会い、コミュニティに参加するには、こちらをご覧ください。

標準オブジェクトや標準機能を使うということは、このコミュニティのメンバーとの共通言語を持てるということです。サポートを求めると、何についてサポートが必要なのかを即座に理解してくれますし、あなたの会社が抱える問題に対するソリューションがすでに存在していることもあります。また、標準オブジェクトや標準機能を使っていると、これまでにないソリューションを思いつくこともよくあり、それをコミュニティに紹介して貢献することによって、キャリアアップやあなた自身の価値の向上にもつながります。

独自のオブジェクトや機能に差し替えてしまうと、コミュニティに貢献することは難しくなり、学べることも少なくなります。最終的に、時間とお金の無駄につながり、ストレスを増加させることになります。

まとめ

Salesforce を活用することで大きな力が得られます。大きな力には、大きな責任が伴います。導入した Salesforce の価値を最大限に引き出す第一歩は、標準オブジェクトと標準機能を使うことです。これにより、Salesforceが行っている、Salesforce 製品及び、AppExchangeでのパートナー企業に対する投資を最大限に活用することができます。あなたがSalesforceの実装のためにかけた費用の回収を短くし、価値を最大限に得られるようになるのです。

もっと詳しく知りたいですか?この情報は役に立ちましたか?ご意見をお聞かせいただければ幸いです。Twitter(@jonaniano)からご連絡ください。

(原文:You’re Not a Special Snowflake: 5 Reasons Why You Should Really Be Using Standard Objects by Jon Aniano

Astro

ビジネスに役立つコンテンツを定期的にお届けします