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いま押さえておきたいカスタマーサクセス。カスタマーサポートとの違いとは?

いま押さえておきたいカスタマーサクセス。カスタマーサポートとの違いとは?

カスタマーサクセスとは?従来のカスタマーサポートと違いなどについて、わかりやすく解説します。

あなたにとってこれまでで一番の「カスタマーサポート体験」は、どんな体験ですか?

そのやりとりが電話やメール、直接、あるいはソーシャルメディアのいずれで行われたにせよ、その体験について「簡単」「迅速」「反応が早い」「パーソナライズされている」「共感的」「楽」などとして思い出すのではないでしょうか。最適なサポート体験は、問題の迅速な解決につながります。しかし、問題がまったく発生していない場合や、助けが必要であるとわかっている場合に企業側から連絡をしてくれたらいかがでしょう。

そうしたお客様のニーズをサポートするための取り組みは、「カスタマーサクセス」と呼ばれます。ここでは、カスタマーサクセスの概要やその重要性、カスタマーサポートとの違いなどについて紹介します。

カスタマーサクセスとは何か

カスタマーサクセスとは、お客様の成功に向けて企業が行う取り組み、役割のことです。お客様が対象ですので、すでに何らかの契約をした相手に対して行う対応となります。「お客様対応」であるという点でカスタマーサポートと混同されがちですが、受け身ではなくお客様の成功に向けて能動的に貢献するところに大きな意味があります。またそうした対応から、マーケティング、営業といった分野とも関係があります。

Salesforceでは2000年初頭からこの「カスタマーサクセス」という考え方を提唱し、重要性を訴えてきました。今日では、カスタマーサクセスはクラウド業界を中心に大きな注目を集めるキーワードとなり、カスタマーサクセスを専門とする部署やカスタマーサクセスマネージャといった役職を設ける企業も増えてきています。

カスタマーサクセスが注目される理由

では、カスタマーサクセスがここまで注目されるようになったのはなぜなのでしょうか。3つの理由を挙げて説明します。

ソーシャルメディアの普及

ソーシャルメディアが普及したことにより、企業にお客様の声が直接届く環境が出来上がりました。それによって企業はお客様の声を把握しやすくなり、直接的な対応が取れるようになったのです。また、お客様の中にはソーシャルメディアを利用して情報の拡散を行う人もいます。そうしたことから、近年はカスタマーサクセスへの有効な取り組みを行う企業の評判が広まりやすい環境となっています。

サブスクリプションモデルの台頭

クラウド業界を中心として急速に普及しているサブスクリプションモデルでは、契約は販売の終点ではなく始点となります。そのため、サービスを継続して利用してもらわなければ利益を上げることができません。カスタマーサクセスは、そんなサブスクリプションモデルにおいてお客様への成功を提示し、LTV(※)を伸ばすことを目的として実施されています。

※LTV:Life Time Value/ライフタイムバリュー。お客様生涯価値。一人(または一社)のお客様が特定の企業と取引を行った際に、始めから終わりまでにどれだけの利益をもたらすか。

市場が成熟化してきた

月額課金やサブスクリプションの市場規模は2018年時点で5,600億円を超えており、2023年には8,600億円を超えるという予測もあります。サブスクリプション市場が拡大・成熟化し、カスタマーサクセスが重要視されることへとつながっています。

カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い

カスタマーサクセスは、お客様との関係を「今の問題を解決するにはどうすれば良いか」から「これから一緒にどこへ向かっていくか」に移行させるミッションクリティカルな役割のことです。カスタマーサクセスは、お客様が購入するものと、その投資から価値を得るまでの橋渡しをします。どんなに最良の製品やプロセスであっても故障することがあるため、カスタマーサポートは依然として重要な役割であることに変わりありませんが、故障した部分を修復するだけでは、長期にわたってお客様ロイヤリティを育成、維持することはできません。お客様がその製品またはサービスの価値を認識できるよう支援することで、企業との関係や親和性を築いていけるのです。

他に、従来のカスタマーサポートとカスタマーサクセスに違いはあるでしょうか。お客様はそれぞれにどんな役割を期待できるのでしょうか。

Traditional customer support versus customer success

カスタマーサクセスを意識することの重要性

では、なぜカスタマーサクセスを意識することがこれほど重要視されるのでしょうか。その理由について3つのポイントから考えてみましょう。

解約率を下げ、継続につなげる

サブスクリプションモデルで利益を得るためには、カスタマーサクセスにより既存のお客様に成功体験をもたらし、お客様の継続率を上げることが必須となります。成功体験を得てもらえれば解約率(チャーンレート)は下がり、継続してサービスを利用してもらうことにつながります。

お客様のニーズに気づきやすい

カスタマーサクセスに取り組みお客様の成功について考える機会を持つことは、お客様が何を求めているかを考えることでもあります。営業、マーケティングといった方面にもつながるこの考えはお客様のニーズを可視化するための取り組みでもあり、カスタマーサポートにはない特徴であるといえます。

LTVの最大化による利益の増加

既存のお客様に対してアップセル、クロスセルを行いお客様単価の引き上げを図ることも、カスタマーサクセスでは非常に重要となります。新規のお客様を得ることも大切ですが、カスタマーサクセスは、既存のお客様を大切にしてLTVを最大化することで利益を得る方策として欠かせない考え方なのです。

カスタマーサクセスのための考え方を身につける

カスタマーサクセスとは、成功が自社にとってではなくお客様にとって何を意味するかを定義することです。これには、お客様が目標を達成し、ROIを獲得し、成長への新しいパスを発見できるよう支援するためのリソースへの投資が含まれます。

成果を出せるカスタマーサクセスチームをつくる上で重要な3つの要素は以下の通りです。

  1. 報告体制: 最善の方法はCEOに直接レポートすることです。
  2. コアバリュー (企業がもっとも重要と考える価値観): エコシステム全体を成功させるコアバリューとして、カスタマーサクセスを強調しましょう。
  3. 資金: お客様を成功させるための資金調達モデルを用意しましょう。

もしあなたの会社でカスタマーサクセスについて対話を始めるなら、次の質問をしてみてください。:

  • 主要な顧客層は誰ですか?
  • それぞれの顧客層の成功をどのように測定しますか?
  • 最後にセグメンテーションと指標を更新したのはいつでしたか?
  • 継続してもらう必要があるもっとも重要なお客様は誰ですか?
  • 主要なお客様の1人(1社)とカスタマーサクセスプログラムを試験的に開始するためには何が必要ですか?

お客様に成功体験を

既存のお客様に対して成功体験に導くアプローチを行う取り組み、およびそれを行う役割を指す「カスタマーサクセス」。既存のお客様に対する活動という点ではカスタマーサービスと共通しますが、お客様の成功に向けて分析を実施しアプローチをしていくという能動的な取り組みであるところが両者の大きな違いです。

カスタマーサクセスは私たちSalesforceのコアバリューの1つでもあります。お客様がさらなる成功を実現するために私たちが実践している方法について、詳しくはこちらをご覧ください。

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