自社に適したヘッドレスコマースを立ち上げるには

新たな顧客体験のタッチポイントが登場し、買い物客の期待が高まっています。そのため、どの企業にとってもEコマースは柔軟性や俊敏性を死守しなければならない場所となっています。既存タッチポイントの継続的な改善、新たなタッチポイントの導入、あらゆるタッチポイントにおける統一されたブランド体験の提供を実現するため、組織は顧客向けの体験をバックエンドから分離しつつあります。そこで使われているのが顧客を中心としたヘッドレスコマースというアプローチです。

顧客中心のヘッドレスコマースが持つビジネスメリット

ヘッドレスアプローチを導入すれば、企業は独自のブランド体験を確立し、好きなものを好きな方法で構築することができます。そのため、場所を問わず充実した体験とコマースサービスを提供できます。その他にも、顧客中心のヘッドレスコマースには以下のビジネス上のメリットがあります。

1. 自由に表現できる 

小売業者やブランドが顧客に望まれる豊かな没入型ショッピング体験を提供するには、独自の体験の構築を可能にする柔軟性が必要です。ストアフロントとバックエンドを分離することで、コマーステンプレートの制約がなくなるため、コマース、コンテンツ、パーソナライズをシームレスかつ自由に融合することができます。またAPIを使用することで、柔軟性がさらに向上します。   

2. 新たな収益チャネルが生まれる

顧客は、あらゆるチャネルで買い物をしたいと望んでいます。Web、音声、ソーシャルプラットフォーム、デジタルマーケットプレイスはもちろん、モノのインターネット（IoT）もその窓口になります。APIファーストのアプローチを導入すれば、小売業者とブランドはあらゆるタッチポイントにコマース機能を手早く挿入し、エッジでのショッピング（英語）を実現することができます。

3. スピードと俊敏性が向上する

顧客向けの体験をバックエンドから分離することで、組織全体のスピードと俊敏性が大幅に向上します。実験と導入を何度も自由に実行できるので、チームの学習期間が短縮し、開発コストを節約できます。

Salesforce Commerce Cloudでヘッドレスに移行する方法

リスクや運用上の負担をあまり増やさないように注意しながら、柔軟性に優れたヘッドレスコマースソリューションを構築し、俊敏性とイノベーションを高めましょう。Salesforceのヘッドレスコマースソリューションは、バックエンドサービスをフロントエンドの顧客体験から分離できるスケーラブルなCommerce APIを備えており、柔軟性に優れています。そのため、Instagram、Facebook、ビデオゲームなど、顧客とのあらゆるタッチポイントにコマース機能を柔軟に組み込むことができます。

Salesforceのヘッドレスコマースソリューションにより、ITチームは最新のインフラと開発効率化ツールを使って俊敏性と生産性を大幅に高め、ビジネスユーザーはイノベーションを推進して成長を加速させることができます。

ヘッドレスに最適な「ヘッド」を選択

ビジネスニーズと目標に合わせて、ヘッドレスアーキテクチャに最適なストアフロントを選択しましょう。完全な自律性を求めるチームは、Commerce APIを土台とし、あらゆるフロントエンドフレームワークを使用して独自のストアフロントをゼロから構築できます。この手法は成熟度の高い大規模なIT部門に最適です。そのような部門は、ストアフロントをホスト、スケーリング、保護し、パフォーマンスを継続的に最適化する必要があるためです。

一方で、カスタムビルドのストアフロントを稼働させるためのコスト、時間、リソースが足かせになるケースもあります。このためSalesforceでは、Progressive Web App (PWA)キットと、マネージドランタイムを使用してヘッドレスコマースのストアフロントを構築するオプションもご用意しています。PWAキットのコンポーネントとEコマースフローにはベストプラクティスが組み込まれているため、ブランドはフルカスタマイズ可能な最新のWeb体験を構築できます。またマネージドランタイムでストアフロントをホスト、保護、スケーリングできるため、開発チームはメンテナンス作業に時間を割かれることがなく、イノベーションに専念できます。  

フロントエンドエンジニア、DevOps、運用担当者、APIエキスパートやクラウドエキスパートなど、需要の高いチームの維持コストを節約できます。また、インフラの整備や、クラウドテクノロジーに精通した複雑なDevOpsチームの構築から解放されるため、数時間かかっていたグローバルなリリースが数秒で完了し、時間も節約できます。