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工数管理とは?意味やステップ、エクセルのテンプレートを紹介

工数管理とは、プロジェクト完了までにかかる作業量や作業人数を把握し管理することです。本記事では工数管理の意味やメリット、やり方を紹介します。Excelやスプレッドシートのテンプレートも紹介しています。

企業の規模が大きくなってくると、それぞれのプロジェクト完遂にかかる人数や時間、コストの管理が難しくなってきます。テレワークを推進している会社の中には、社員の動きが不透明だと悩んでいる企業も少なくないでしょう。そこで重要なのが工数管理です。

工数管理をおこなうと、「どの業務」に「誰が」「どのくらい」関わったかが明らかになり、稼働の実態や事実確認にかかるコストや時間の無駄が省けます。

本記事では、工数管理の意味やメリット、具体的なステップを解説します。Excelのテンプレートもご紹介しているので、工数管理で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

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工数管理とは?

工数管理とは、プロジェクト完了までにかかる作業量や作業人数を把握し管理することです。

具体的には、作業にかかる時間を「工数」として記録し、それをもとに進捗状況を管理したり、次の作業の見積もりに活用したりします。

下記3種類の単位を用いて、「作業人数×作業時間」でかかった工数を計算するのが一般的です。

  • 人月(にんげつ)
  • 人日(にんにち)
  • 人時(にんじ)

たとえば、あるプロジェクトが完成するのに10人で8日かかった場合、「10人×8日=80人日」となります。5人で3ヶ月かかったケースだと、「5人×3ヶ月=15人月」です。プロジェクトの工数を管理したいときには、このような計算方法で工数を記録します。

工数管理が必要な理由

工数管理は、生産性の向上やコスト管理の観点から非常に重要です。各プロジェクトをどのくらいの人数がどのくらいの時間で進行しているのかを把握することで、プロジェクトの管理・収支の把握ができるようになります。

また適切な工数管理により作業の無駄を削減し、業務を改善できるのも利点です。工数を記録すると業務のボトルネックや無駄な部分が明らかになるため、業務改善、生産性の向上に向けて積極的に動けるようになります。

工数管理と勤怠管理の違い

工数管理と似た言葉に勤怠管理がありますが、これらの意味は異なります。

工数管理は、業務やプロジェクトに必要な人数と時間の管理です。作業の進捗状況を把握するために使われるもので、プロジェクトごとに算出します。

一方で勤怠管理とは、従業員が働いた勤務時間の管理です。出退勤や時間外労働、休暇申請など、プロジェクトの有無に限らず働いた時間を表します。

工数管理と勤怠管理は混同されがちですが、管理する対象が異なることを知っておきましょう。

工数管理をする3つのメリット

プロジェクト完了までにかかる時間と人の管理をする工数管理には、以下3つのメリットがあります。

  • 生産性の向上が期待できる
  • 社員の人件費を削減できる
  • 工数見積もり精度が上がる

具体的な内容を見ていきましょう。

生産性の向上が期待できる

工数管理をおこなうことで、プロジェクトにおけるタスクの進捗が詳細に把握でき、ボトルネックや無駄な作業の早期発見が容易になります。

作業ごとにかかる時間の分析ができれば、改善の余地がある箇所やリソースの見直しが必要なポイントを明確にすることが可能です。余裕がある業務の人員を減らして負荷がかかっていた業務に新たな人員を配置できると、プロジェクトの進行が加速します。

明らかになったボトルネックの解消策を練り少ない人員で効率よく作業を進められるようになると、生産性の向上も期待できるでしょう。

従業員の負担が軽減されると、モチベーションアップにもつながります。効率的な作業の割り当てが生産性を向上させ、スムーズなプロジェクトの進行を可能にします。

社員の人件費を削減できる

プロジェクトの工数が可視化されると、各タスクにかかる正確な時間を把握し、適切な人員配置が可能になります。

人手が足りているプロジェクトへ人員を増やす必要がないため、余計な人件費を削減できます。工数の見直しで無駄な作業の削減もできれば、さらなるコストカットが期待できるでしょう。

時間外労働で人件費が圧迫されている場合は、工数管理で原因追究をするのが効果的です。ボトルネックがどこかを把握し、改善に向けて対策を講じましょう。

工数の見積もり精度が上がる

プロジェクトごとにかかる工数が把握できていれば、次回以降の工数の見積もり精度が上がるのも特徴です。

過去のプロジェクトにかかった工数が蓄積されれば、次のプロジェクトでの工数の見積もりが正確になります。見積もり精度が高まると、コスト面での見積もりだけでなく、正確な納期設定や人員確保も可能になります。

プロジェクト計画段階でのスケジュール調整が容易になり、計画通りプロジェクトを進行できるようになるでしょう。余計な軌道修正が必要なくなるので、スムーズに作業できます。

工数管理をおこなう方法

工数管理をおこなう方法としては、Excelやスプレッドシートで管理する方法と工数管理ツールを利用する方法の2種類があります。

Excel・スプレッドシート工数管理ツール
メリットコスト負担が少ない自由度の高い工数管理表の作成ができるシンプルで使いやすい入力規則の設定で入力の漏れやミスを防げるスマホからでも入力できる
デメリット管理するプロジェクトが増えると重くなる共同編集に向いていない費用がかかる操作に慣れるまでに時間がかかる

それぞれのメリットとデメリットを把握し、自社に最適なツールを選択してください。

Excelやスプレッドシートで管理する

Excelやスプレッドシートは手軽に工数管理ができるツールとして、多くの企業で利用されています。

メリットコスト負担が少ない自由度の高い工数管理表の作成ができる
デメリット管理するプロジェクトが増えると重くなる共同編集に向いていない

最大のメリットとしては、コスト負担が少ない点でしょう。スプレッドシートであればGoogleのアカウントさえあれば無料で利用できます。Excelの使用に関しては基本的に利用料金がかかりますが、すでに導入しているのであれば問題ないでしょう。

自由度の高い工数管理表の作成も可能なので、少ないコストで始めたい方はExcelやスプレッドシートを利用するのがおすすめです。

ただ、管理するプロジェクトが多くなると重くなる点や、共同作業に向いていない点、セキュリティが厳しい会社では活用が難しい点がデメリットです。膨大なプロジェクトの工数を管理する必要がある企業やセキュリティが厳しい企業には、次の工数管理ツールの導入を推奨します。

工数管理ツールを利用する

効率的かつ正確な工数管理を期待する方は、工数管理ツールの利用がよいでしょう。

メリットシンプルで使いやすい入力規則の設定で入力の漏れやミスを防げるスマホからでも入力できる
デメリット 費用がかかる操作に慣れるまでに時間がかかる

Excelやスプレッドシートで共同作業をおこなうと、入力の漏れやミスが生じる可能性があります。しかし工数管理ツールは、入力規則の設定でこれらのミスを防げるのが特徴です。スマホからの入力も容易でリアルタイムの共有も可能なので、使い勝手がよいでしょう。

ただ費用の負担がネックです。ツールの導入にあたりコストがかかるため、導入する場合はよく検討する必要があります。

またツールの操作に慣れていない方にとっては、慣れるまでに時間を有するかもしれません。あらゆるツールを比較しながら、自社に最適な工数管理ツールを導入するとよいでしょう。

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Excel・スプレッドシートを使った工数管理のやり方

ここからは、Excelやスプレッドシートを使った工数管理の方法をご紹介します。工数管理は「WBS」と「ガントチャート」が一般的で、本記事ではガントチャートの作成方法を解説していきます。

  • WBS:タスクを細分化したリスト
  • ガントチャート:プロジェクトの進捗状況を見える化する表

Excelとスプレッドシートのテンプレートは以下よりダウンロード可能です。

スプレッドシートのテンプレートは、Googleスプレッドシート右上の「テンプレートギャラリー」より、「ガントチャート」を検索すると利用できます。

1.大カテゴリーのタスクを洗い出す

いきなりタスクを細かく分けるのではなく、まずは主要な業務内容を大カテゴリーに分けましょう。たとえば新しい商品を開発するプロジェクトの場合、「商品の企画・計画」「マーケティング」「試験・品質管理」などに分けられます。

大カテゴリーで大枠を設定することで、タスクの管理がしやすくなります。大きなプロジェクトだとタスクの量も増えるので、概要が掴める大カテゴリーを設定しておきましょう。

関連記事:タスク管理とは?おすすめのツールや上手くなるコツ、メリットを解説

2.中・小カテゴリーのタスクを洗い出す

大カテゴリーを設定できたら、さらに細かく分けられるタスクを洗い出します。

たとえば先ほど設定した大カテゴリーの「商品の企画・計画」のケースで言うと、中カテゴリーに「市場調査」、小カテゴリーに「市場データ収集」「消費者アンケート実施」を設定するイメージです。

階層となるようにタスクを書き出すのがポイントですが、細かく設定しすぎないようにしましょう。タスクを細かく分けすぎると管理が難しくなるので、チームで話し合いながら最適な数を設定するのがおすすめです。

3.担当者をタスクごとに振り分ける

タスクを洗い出した後は、それぞれのタスクに担当者をアサインします。プロジェクトの統括責任者はいるはずですが、メンバーの中からも各タスクに関する担当者を設定するのが重要です。担当者を明確にすると責任の範囲が明らかになるため、進捗状況が把握しやすくなるからです。

誰が、何をしているのかがわかると、コミュニケーションが円滑になりプロジェクトもスムーズに進みます。タスクを洗い出すだけでなく、必ず担当者を割り振りましょう。

4.タスクの開始日と終了日を設定する

タスクの担当者が決まれば、各タスクの開始日と終了日を設定しExcel・スプレッドシートに記入します。終了日から逆算し、計画的に開始日を設定するとよいでしょう。期限を設定してスケジュールを可視化することで、計画的に進行できます。

日程を設定するときは、スケジュールに余裕を持たせるようにしましょう。ギリギリの設定をしてしまうと、トラブルが生じたときにプロジェクトの進行に影響を及ぼします。

5.進捗ステータスをタスクごとに入力する

次は、進捗ステータスを作成して各タスクの進捗状況を可視化します。「未着手」「作業中」「完了」などといったステータスを設定しましょう。「作業中」を段階に応じて「%」で設定するのもよい方法です(30%、50%、80%など)。

進捗状況がわかる欄を設けておくと、プロジェクト全体の進行度が把握しやすくなります。タスク担当者以外のチームメンバーも一目で状況を理解できるので、お互いにコミュニケーションが活発になるでしょう。

6.工数を分析する

プロジェクトが終了したら結果を分析します。予定通りプロジェクトが進んだか、ボトルネックはどこか、どこを改善するべきかなど、予定と実績のズレを参考に振り返りをおこないます。

今後のプロジェクトに活かせるように、課題を洗い出して対策を講じましょう。分析をもとに改善をおこなうことで、次の見積もり工数の精度を高めたり、作業効率を向上させたりできます。

Excelやスプレッドシートで工数管理する際のポイント

Excelやスプレッドシートで工数管理をする際、以下2つのポイントを押さえるとスムーズに管理できます。

  • テンプレートを活用する
  • 入力項目を細分化しすぎない

負担を減らして効率的に工数管理をおこないましょう。

テンプレートを活用する

Excelやスプレッドシートは便利なツールですが、ゼロから工数管理表を作成するのは大変です。公式サイトでテンプレートが提供されているので、ぜひ活用するとよいでしょう。

標準的なフォーマットがあれば、時間の節約になるほか、使いやすい形式で工数を記録できます。項目や進捗状況などは自社に応じてカスタマイズするのがおすすめです。

入力項目を細分化しすぎない

入力する項目が多すぎると、毎回手間になり活用されなくなる可能性があります。正しく記入されないと、分析にも悪影響を及ぼします。タスクは必要最小限に絞り、入力作業を簡素化して入力にかかる従業員の手間を減らしましょう。

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Excelやスプレッドシートは低コストで始められるものの、入力の工数が増えたり手作業の入力でミスが増えたりという危険性もあります。集計や分析も容易ではないため、効率的な工数管理には向いていません。

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工数管理をして生産性を向上させよう

工数管理とは、プロジェクト完了までにかかる作業量や作業人数を把握し管理することです。正確な工数が把握できると、生産性の向上や人件費の削減、工数の見積もり精度向上といったメリットが期待できます。

具体的に工数を管理する方法は、Excelやスプレッドシートで管理する方法と工数管理ツールで管理する方法の2つです。分析や集計を自動化させて効率的に工数管理をおこないたい方は、ツールの利用をおすすめします。

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