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【進捗管理で遅延を防ぐ】見える化を実現する手法・ツール・成功のコツ

進捗管理とは、定めた計画通りにプロジェクトが進んでいるか、予定と実績のズレを把握して調整することです。本記事では進捗管理がうまくいかない原因、効果的に進捗管理を行うコツ、おすすめのツールを紹介しています。

「チームメンバーが今どの作業をしているのか分からない」「プロジェクトの状況を尋ねられても、すぐに正確な進捗を答えられない」「気づけばいつも納期が迫っていて焦る…」

プロジェクトリーダーやマネージャーの方なら、こうした進捗管理の悩みを一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

プロジェクトの遅延や失敗の多くは、適切な進捗管理が行われていないことに起因します。効果的な進捗管理は、単に作業の状況を追うだけでなく、問題を早期に発見し、計画通りに目標を達成するための羅針盤となるのです。

この記事では、「進捗管理とは何か」という基本から、ガントチャートやカンバン方式といった具体的な管理手法、Excelや専用ツールの活用法、そして進捗管理を成功させるための実践的なコツまで、網羅的に分かりやすく解説します。この記事を読めば、自社のプロジェクトやチームに合った進捗管理の方法を見つけ、明日からの業務改善に繋げることができるはずです。

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進捗管理とは?

進捗管理とは、定めたスケジュール通りにプロジェクトが進んでいるか、計画とのズレを把握して調整することです。タスクや担当者の割り当て、期限の設定をおこない、プロジェクト全体の進捗状況を見える化します。

  • 定めた期限に間に合うか
  • 遅れが生じていないか

目標達成に向けて適切にプロジェクトの進捗をコントロールし、問題が発生したときには迅速に対応できるように努めます。

よく比較される言葉として、スケジュール管理があります。しかし、スケジュール管理と進捗管理は同じではありません。スケジュール管理はタスクの期限や順序に重点を置いている一方で、進捗管理は計画と実績のズレ(達成率)に重きを置いています。

混同されがちですが、スケジュール管理と進捗管理は目的が異なることを知っておきましょう。

関連記事:営業進捗管理の方法や項目は?Excelテンプレート参考例を紹介

進捗管理がうまくいかない3つの原因

進捗管理が失敗する背景には、3つの原因があります。

  • 目標やタスクの設定が曖昧である
  • 進捗状況の可視化ができていない
  • 社内のコミュニケーションが不足している

これまでに進捗管理がうまくできていなかった方は、上記3つに当てはまっていないか確認するとよいでしょう。

目標やタスク設定が曖昧である

1つ目の原因としては、最初の段階で目標やタスクの設定が曖昧であるケースです。たとえば「作業効率を上げる」といった目標は具体性がなく、何をもって「作業効率が上がった」と判断できるのかがわかりません。またタスクも具体化されていないと、誰がどのように行動すればよいのか判断に迷います。

このように具体的な達成基準やタスクが決まっていないと、作業工程の見積もりにも影響が出ます。目標は『SMARTの法則』にもとづいて設定し、タスクは担当者や期限を定めるなどして明確にしていきましょう。

進捗状況の可視化ができていない

進捗状況を見える化する体制が整っていないことが原因で、進捗管理がうまくいかないケースも多々見られます。プロジェクトの全体像が把握しにくいために管理者が現状を把握できず、何か問題が起こった際の発見および対応が遅れがちです。

プロジェクトにおけるタスクは、各担当者がそれぞれに取り組むものではありません。チーム全体で進捗状況を把握し、重大な問題が起こる前に対策を講じられるような体制を整えていきましょう。後にご紹介するガントチャートやツールを活用して進捗を「見える化」するのが重要です。

社内のコミュニケーションが不足している

進捗管理には、チーム内の情報共有が欠かせません。進捗報告や情報共有が不十分な場合、タスクが滞りプロジェクト全体に影響する可能性があるからです。進捗管理がうまくいっていない会社は、社内のコミュニケーションが不足していないか振り返ってみましょう。

目標やタスクを設定した後も、メンバー内で密にコミュニケーションを取れる体制の構築が重要です。とくにテレワークを促進している企業は日常的な対面でのやり取りが減るため、情報共有や報告の仕組みを整えましょう。

進捗管理を成功させるコツ5選

進捗管理を成功させるためには、以下5つのコツがあります。

  • 担当者・責任者を明確にする
  • タスクの優先順位をつける
  • コミュニケーションを取る場を設ける
  • 定期的に進捗確認をする
  • 進捗状況を可視化する

1つずつ詳しく見ていきましょう。

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担当者・責任者を明確にする

各タスクに責任者と担当者を設定し、誰がタスクをおこない、その進捗を管理するのか明確にします。担当者と責任者を設定することで、タスクの進行や問題対応がスムーズになります。

責任者が不明だと、各メンバーは誰に相談をすればよいのかわかりません。トラブルが生じた際も対応が遅れて改善に時間がかかってしまいます。

プロジェクト、タスク毎に担当者と責任者を設定しておきましょう。

タスクの優先順位をつける

重要度や緊急度をもとにタスクに優先順位を設定するのは、効率的な進捗管理の基本です。すべてのタスクを同列に扱うと、何から手をつけるべきかわからず重要なタスクの進行が遅れる危険性もあります。

しかし、優先度がはっきりしていると時間やリソースを最適に配分できるため、スムーズにタスクを進行できるでしょう。優先順位をつける際には、チーム全体で合意を得るのがポイントです。

関連記事:タスク管理とは?おすすめのツールや上手くなるコツ、メリットを解説

コミュニケーションを取る場を設ける

進捗管理を円滑にするには、チーム内の情報共有および連携が不可欠です。定期的なミーティングや報告会を開催する機会を設け、進行状況や課題を共有できるようにしましょう。メンバー間での協力体制が強化されることで問題解決がスムーズになります。

日ごろから相談しやすい環境を作るのもポイントです。日常的にチーム内でコミュニケーションを取り、協力しやすいチームを作っていきましょう。

関連記事:社内コミュニケーションを活性化させる6つの方法、2種類のメリットを解説

定期的に進捗確認をする

メンバーからの報連相を待つだけではなく、定期的に業務の進捗状況を確認するのも重要です。問題が生じてから対応していては、他のタスクやプロジェクト全体に影響を及ぼすリスクがあります。

計画通りに進んでいるか、懸念点はないかなど、日頃から確認する習慣をつけましょう。定期的な進捗確認が成功のコツです。

進捗状況を可視化する

進捗を管理する上でコミュニケーションは非常に重要です。ただ、最初から全員のタスクや進捗状況をリアルタイムで把握できる体制を整えるのが最適だと言えるでしょう。

  • 誰がどのプロジェクトを担当しているのか
  • どのタスクに取り組んでいるのか
  • 進捗状況はどうか

メンバー全員が上記のような内容を一目で把握できるように、見える化の仕組み作りを徹底しましょう。ガントチャートやホワイトボード、専用ツールの利用がおすすめです。

進捗管理表の作り方と項目例

進捗管理を始めるにあたり、まずは進捗管理表を作成することが一般的です。ここでは、効果的な進捗管理表を作成するためのポイントをご紹介します。

進捗管理表に最低限含めるべき項目とは?

どのような手法を用いるかによって多少異なりますが、一般的に以下のような項目を入れておくと管理しやすくなります。

  • WBS要素/タスク名:具体的に何を行うかを示します。WBSで細分化した最小単位のタスク名を記述します。
  • 担当者:そのタスクの責任者を明確にします。
  • 開始予定日/終了予定日:計画段階でのスケジュールです。
  • 実績開始日/実績終了日:実際に作業を開始・終了した日付を記録します。計画との差異を見るために重要です。
  • 進捗率 (%):タスクがどの程度完了しているかを数値で示します。(例:0%, 50%, 100%)
  • ステータス:タスクの現在の状態を示します。(例:未着手, 進行中, レビュー待ち, 完了, 保留)
  • 工数(予定/実績):そのタスクにかかる予定時間と、実際にかかった時間を記録します。(必要に応じて)
  • 課題/備考欄:遅延理由、発生した問題、関連情報などを自由に記載できる欄です。コミュニケーションを補完します。

Excelで作成する場合のポイントと注意点

多くの現場で広く使われているExcelは、進捗管理表の作成にも活用できます。Excelで作成するメリットとして、例えば条件付き書式を利用すれば、ガントチャートのように進捗状況を視覚的に分かりやすく表現できます。さらに、NETWORKDAYS関数で実働日数を算出するなど、関数を組み込むことでスケジュール計算を効率化することも可能です。

一方で、作成したファイルを複数人で共有したり編集したりする際には、いくつか注意すべき点があります。特に、ファイルのバージョン管理や複数人での同時編集については、混乱を避けるために事前にルールを明確にしておくことが重要です。対策としては、共有フォルダでファイルを一元管理したり、Google スプレッドシートのようなリアルタイムでの共同編集に適したクラウドサービスを利用したりすることも有効な手段と言えるでしょう。

ただし、Excelでの進捗管理が万能というわけではありません。リアルタイムでの情報共有の難しさや、タスク間の複雑な依存関係の表現、そして特に大規模なプロジェクト管理においては、機能的な限界があることも理解しておく必要があります。

自社に合った進捗管理ツール選びの6つのポイント

数あるツールの中から最適なものを選ぶためには、以下の点を考慮しましょう。

1. 導入目的・解決したい課題は明確か?

なぜツールを導入するのか、ツールで何を解決したいのかを明確にすることが最も重要です。目的が曖昧だとツール選びの軸がぶれてしまいます。

2. 必要な機能は過不足なく揃っているか?

目的達成に必要な機能が搭載されているかを確認します。多機能すぎても使いこなせず、コストが無駄になる可能性もあります。自社の規模や管理したい内容に合わせて選びましょう。

3. チームメンバーが使いこなせるか?

実際にツールを使うのは現場のメンバーです。操作画面が直感的で分かりやすいか、ITツールに不慣れなメンバーでも無理なく使えるかは非常に重要です。無料トライアルなどを活用して試してみましょう。

4. 他の利用ツールとの連携は可能か?

すでに利用しているチャットツール、カレンダー、ストレージサービスなどと連携できると、業務効率がさらに向上します。

5. セキュリティ対策は万全か?

特にクラウド型のツールを利用する場合は、提供元のセキュリティ対策が信頼できるかを確認する必要があります。アクセス権限の設定が柔軟に行えるかも重要です。

6. 費用対効果は見合っているか?

初期費用や月額・年額の利用料金が予算内に収まるか、そしてその費用に見合う効果(効率化、生産性向上など)が期待できるかを検討します。料金体系(ユーザー数課金、機能別課金など)もしっかり確認しましょう。

進捗管理の見える化におすすめのツール

進捗管理を可視化するのにおすすめのツールは、以下4つです。特徴とともに表にまとめました。

ツール特徴
Excel・Googleスプレッドシート・無料~利用できる
・大規模のプロジェクト管理には向いていない
ホワイトボード・ツールの知識が必要ない
・リモートワークに対応できない
進捗管理ツール・カスタマイズに知識を必要としない
・導入にあたって料金がかかる
CRM・SFA・営業での進捗管理に最適である
・導入コストがかかる

各ツールでどのようなことができるのか、詳しい特徴や向いている企業を解説していきます。

Excel・Googleスプレッドシート

特徴・無料~利用できる
・ガントチャートやWPSの作成ができる
・大規模のプロジェクト管理には向いていない
向いている企業・プロジェクトの数が少ない、小規模の企業

Excelやスプレッドシートの最大の特徴は、大きなコストをかけずに利用できる点です。

とくにスプレッドシートはGoogleのアカウントさえあれば無料で利用できるので、コストを抑えたい企業はスプレッドシートを活用するとよいでしょう。ガントチャートやWPSの作成が可能です。

ただExcelやスプレッドシートは大規模のプロジェクトには向いていません。情報が増えると動きが重くなったり、共同作業による入力のミスが生じたりする可能性があります。プロジェクトの数が少ない、小規模の企業におすすめです。

ホワイトボード

特徴・ITツールの知識が必要ない
・タスクの並べ替えやグルーピングが簡単にできる
・リモートワークに対応できない
・過去のタスクを保存できない
向いている企業・リモートワークが少ない企業
・月額コストをかけずに進捗管理をしたい企業

社内のホワイドボードに付箋を貼るなどしてタスクを管理する方法もあります。パソコンやITツールの操作に慣れていない社員でも気軽に利用可能なので、親しみやすく使いやすいのがメリットでしょう。付箋を利用すれば、タスクの並べ替えやグルーピングも容易におこなえます。

ただ、リモートワークに対応できない点や、過去のタスクを保存できない点がデメリットです。

進捗管理ツール

特徴・登録したタスクが一覧で表示される
・タスクに期日を設定すると自動でガントチャートが作成できる
・カスタマイズに知識を必要としない
・導入にあたって料金がかかる
向いている企業・効率的に進捗管理をおこないたい企業

進捗管理ツールとは、登録したタスクが一覧で表示されたり、タスクに期日を設定すると自動でガントチャートが作成されたりする、タスク管理専用のツールです。

Excelやスプレッドシートのようなカスタマイズに知識を必要とせず、UIが直感的で使いやすいツールが多くあります。ただ、導入にあたってのコスト負担がデメリットです。

CRM・SFA

特徴・営業での進捗管理に最適である
・案件の担当者やタスク、進捗状況が一目で把握できる
・導入コストがかかる
向いている企業・営業組織体制を強化したい企業

営業での進捗管理であれば、CRM/SFAの活用がおすすめです。CRM/SFAは案件の担当者やタスク、進捗状況を一目で把握できます。社内で情報を共有できるので、ブラックボックス化しない点も魅力です。

ただ導入コストがデメリットだと言えます。CRM/SFAの料金はツールによってさまざまなので、自社の利用目的に合った、コスパがよい製品を選ぶのが重要です。

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進捗状況の見える化で効果的な進捗管理をしよう

プロジェクトを計画通り進めて納期を守るためには、進捗管理が欠かせません。会社の規模が大きくなったりテレワークが増えたりすると、進捗状況の管理が難しくなるでしょう。

進捗管理を成功させるコツは、「見える化」です。誰が、いつ、何をするのか、どういう状態なのかをチームで把握できるようにするのがポイントです。コミュニケーションが取りやすい雰囲気を作り、ツールの活用でプロジェクトを可視化していきましょう。

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