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AIの活用で口コミ分析だけのSNSマーケティングから脱却しよう

AIの特技を活かしたソリューションがもたらすマーケティング革新

顧客の「求める体験」を提供することが最重要課題となっているマーケターにとって、顧客の声を収集することは、同じく重要になっています。そこでSNSを活用したいと思う人も多くいるのでは。AIをうまく活用することで、今までは実現できなかった範囲のソーシャルリスニングが可能になるのです。

マーケターにとっての最重要課題は顧客の行動を把握・予測すること。そのため近年ますます重要度を増しているのが、FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSのトレンドを把握するための「ソーシャルリスニング」です。今、ソーシャルリスニングにAIを活用することで、革新的なマーケティングが実現しようとしています。

マーケターが抱えるソーシャルリスニングのジレンマ

SNS上の情報の多くは顧客個人が友人や社会に対して共有するために作成される、顧客の本音であり、「生の声」です。どのような文脈や感情で語られているかを含め、適切に分析できれば、リアルな顧客のインサイトが得られるはずです。また、マーケティングやキャンペーンの最適化、さらには潜在的な顧客開拓や新商品の開発に結びつくアイデアも得られることが期待できます。

しかし、企業のマーケターは今、ソーシャルリスニングを適切に行うための人材・知見不足に直面しています。増え続けるSNSの情報は「ビッグデータ」であり、少ないマーケティング人材が人力で行ったソーシャルリスニングの結果を、効果的なマーケティング施策に結びつけるのは非常に難しくなってきています。

テキストによる、簡単なソーシャルリスニングはGoogleやSNSの検索機能を使えば可能かもしれません。しかしSNS上の情報の多くを占めるのは画像です。InfoTrendsによる調査報告では、2017年に撮影される写真の数は1兆2,000億枚以上と推定されていました。2017年には、「インスタ映え」が流行語の年間大賞*をとったことに代表されるように、これら膨大な量の写真の一部または多くはスマートフォンで撮影後、SNSへ投稿され、世界中の人々にリアルタイムで共有されています。それらを目視と手動の検索によってソーシャルリスニングを行うことは、もはや人間には不可能と言っても過言ではありません。

企業のマーケターは今、SNS上の情報を利用したくても、適切に利用できないというジレンマを抱えているのです。

AIの特技が可能にするソーシャルリスニングとは

Marketing Cloudは、AI「Einstein」を活用することで従来はできなかったソーシャルリスニングをも可能にします。

AIの特技は、人間の能力では対処できないような膨大な量の情報から、意味のある情報や物事の関連性や法則性を見出すことです。

Social Studio」に搭載されているSalesforceのAI「Einstein Vision」は最先端の画像認識技術により、TwitterやInstagramなどのSNSに投稿された画像から、マーケターにとって必要な情報を取り出すことができます。

たとえば、あなたがシューズブランドのマーケターであれば、SNS上の写真から、自社ブランドロゴを横断検索することが可能です。新しいシューズを買って喜んでいるユーザー、シューズ愛好家が自社ブランドの他にどのようなブランドのシューズを購入しているか、有名人などのインフルエンサーが身につけてどのような感想を持ち、どんな写真を投稿しているか、といった画像の情報を自在にかつスピーディーに取得することができます。

Einstein Visionは、ブランドロゴの他にも、風景、食べ物、オブジェクトの4種類の分類器を用いて、ソーシャルリスニングを行うことが可能です。これにより、テキストでブランドについて言及されていない投稿であっても、どのようなシーンで利用されているのかを把握することができるようになります。

またSocial Studioはキーワードによるリスニングにも、充実の機能を備えています。YouTubeやTwitter、Facebookなどの複数のアカウントを一括管理でき、特定のキーワードで横断検索を行うことができます。

コンピュータに私たち人間が用いる言語を認識させる技術「自然言語処理」を活用したテキスト解析「テキストマイニング」によって、投稿した文章からユーザーの感情を分析する「感情分析」も可能です。SNSに投稿された文章を複数のアルゴリズムで解析し、顧客が特定のブランド・商品に対し、どのような感情を持っているのかを把握することができます。この技術によって、「炎上」の有無をも判別することができます。

社会で活用進む、AIを使った情報収集

AIは現在、スマートスピーカーやスマートフォンの音声アシスタントで身近になった音声認識によって人間の言葉を「聞き取る」ことができます。また、画像認識では人やモノを「見分ける」ことができます。さらにテキストマイニングでは、「文章の意図」すらも判別できるようになってきています。これらAIの基礎技術を活用した情報収集が、徐々に社会でも実用化されつつあります。

たとえばAIの画像認識だけを見ても、社会のさまざまな領域で情報収集に活用されています。

SNSや防犯カメラの映像解析などに使われる「顔認識」、セキュリティに活用が進む「顔認証」、自動車会社各社がより安全な技術開発にしのぎを削る自動運転も基礎技術は、走行する環境の画像認識です。また、空港などの手荷物検査にAIの画像認識を活用し、安全性を自動識別する技術も開発されています。

これらの動きは、情報が増え続ける社会において、AIによって社会の運用を効率化しようという動きと言えるでしょう。

こうした社会の中で、マーケターも顧客の情報に対し、人間の目と耳だけで収集していては到底追いつけるはずもありません。

マーケティング活動においてAIを活用するということは、人手では大きなコストのかかる業務を効率化し、マーケターが変化する社会やユーザーをより的確に把握する強力なサポーターになるのです。

*2017ユーキャン新語・流行語大賞

参考資料:

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