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マーケティングメールを効果的に活用できていますか?10個のKPIからわかること

メールマーケティングは変化し続けていますが、基本的な原則は変わっていません。価値あるものを提供すれば、顧客はこちらの期待に応えてくれます。

メールマーケティングは変化し続けていますが、基本的な原則は変わっていません。価値あるものを提供すれば、顧客はこちらの期待に応えてくれます。

メールマーケティングのKPIは、マーケティング活動を始めるうえで役立ちますが、それだけにとどまるべきではありません。常に学び、試し、進化を続けましょう。

メールマーケティングは「設定して放っておけばいい」という考え方では、決してうまくいきません。自社のプロセスを、研究室でのプロセスのように考えてみましょう。うまくいっている点、改善すべき点を把握するためには、常に結果を分析する必要があります。そして、適切な分析を行うためには、メールマーケティングのKPI(重要業績評価指標)を正しく設定することが重要になります。

適切なKPIの特定は、ビジネスの性質により異なります。たとえば、企業向けソフトウェアをエグゼクティブバイヤーに販売する場合と、スニーカーを欲しがるユーザーに販売する場合では、「成功」の度合いが大きく異なります。さらに、デジタルファーストな顧客への移行が加速しているため(英語)、このすでに複雑なプロセスはさらに複雑になっています。たとえば、Appleのメールプライバシー保護などのプライバシールールの変更により、開封率を正確に把握することが困難になっています。

そのような中でも、ほぼすべてのメールマーケティング担当者が利用すべき基本的なKPIがあります。ここでは、自社のメールマーケティングがどの程度成功しているかを把握し、成功率を高めるための調整をする上で役立つ、メールマーケティングのKPIを10個ご紹介します。

1.配信率

配信率とは、メールが配信された割合のことです。((送信数)-(バウンス数))/(送信数)で割り出します。

ターゲットしたオーディエンスにメールは届きましたか?キャンペーンを見直す際には、すべてここから始めるべきです。もしメールがうまく受信トレイに届かなかったり、迷惑メールに直行している場合、オファーやコンテンツがどんなに魅力的でも、届いていないことになります。

2.クリックスルー率

クリックスルー率とは、一度開封されたメールが何回クリックされたかを示す割合です。(ユニーククリック数)/(配信されたメール数)で割り出します。

クリックスルー率(CTR)とは、メールを開いただけでなく、メール内のリンクを少なくとも1つクリックしたメール受信者の割合のことです。マーケティング担当者はこの割合を利用して、メールのコンテンツ、メッセージ、オファーの効果を測ることができます。これをウェブコンバージョン(後述)と組み合わせることで、メールとウェブのメッセージの整合性がとれているか、適切で一貫性のあるカスタマージャーニーを実現できているかを示すことができます。

3.リンク/URLによるクリック

1つのメール内または多数のメールにわたるリンクへのユニークなクリックです。エイリアスやUTMパラメーターで追跡することもあります。

また、ユーザーが何をクリックしたかを知ることも重要です。高CTRは表面上よく見えますが、そのクリックがすべて配信停止ボタンであった場合はどうでしょうか?あるいは、キャンペーンで設定したメインの行動喚起ではなく、メール内の早い段階でリンクをクリックしているのかもしれません。リンクごとのクリック数を把握することで、何がオーディエンスの関心を集めているのか、メールの流れが意図した通りになっているのかを確認できます。

4.イベントラグ

イベントラグとは、クリックから送信までの平均時間のことです。

さて、誰かがリンクをクリックしたかどうか、そして何をクリックしたかは正確に把握できます。ですが、そこに到達するまでにどれくらいの時間がかかったのでしょうか?イベントラグは、件名やプレヘッダー、メール本文の効果を測定するうえで最適な方法です。この測定により、お客様がメールをすぐに開封するのか、それとも受信箱の中で滞留させるのかを把握できます。 

5.バウンスタイプ別バウンス率

バウンス率とは、メールクライアント(Google、Appleなど)によって拒否されたメッセージの割合です。計算方法:(バウンス数)/(送信数)。

配信率はメールマーケティングの重要なKPIの1つですが、それだけで全体を見るには不十分です。もしあなたのメールが顧客の受信トレイに届いていないのであれば、その理由を理解する必要があります。無効なメールアドレス、受信ボックスの容量超過、サーバーのダウン、受信ボックスに対して単純に大きすぎるメールなど、さまざまな理由が考えられます。バウンスは通常、下記のようなカテゴリーに分類されます:

  • ブロック:苦情、ブロックリスト、コンテンツ、URLブロック、認証エラーなどによるバウンス。
  • ハード:未知のドメインやユーザー、または構文エラーによって引き起こされるバウンス。
  • ソフト:メールボックスの容量超過や一時的な非アクティブ、または一時的なドメイン障害に起因するバウンス。 
  • テクニカル:サーバー、データ形式、またはネットワークエラーが原因で発生したバウンス。

今後のバウンスを回避するために、バウンスしたメールとその理由を追跡することは重要になります。

今後のバウンスを回避するために、バウンスしたメールとその理由を追跡することは重要になります。たとえば、ブロックバウンスはマーケティング担当者の不手際を示すものであり、一方でソフトバウンスはマーケティング担当者のコントロールが及ばないものであることが一般的です。

6.購読解除率および苦情率

配信停止率とは、配信数に対して購読解除された数の割合です。 

苦情率とは、配信数に対する苦情の割合です。苦情は、購読者がそのメールをスパムとしてマークした場合に記録されます。

配信停止はチームの士気を下げますが、そこから学べることもたくさんあります。そのため、これらのベンチマークを設定することは非常に重要です。メール1通あたりの平均配信停止率は?購読解除が発生するのは当然です。たとえば、小さな子供を持つ親をターゲットにしている企業は、その顧客の子供がそのブランドや製品を卒業するたびに、継続的にリストを精査し、更新する必要があります。 

一方、特定のメールや期間において購読解除や苦情が多い場合は、ターゲティング、頻度、メッセージング、チャンネル、製品オファーなど、あらゆる面で変化を必要とする赤信号となります。各メールの件名やコンテンツの内容をセグメントごとに詳細に分析することで、今後避けるべきミスを理解できます。

7.Webトラフィックとコンバージョン

ウェブトラフィックとコンバージョン、そして売上はメールマーケティングの糧となる要素です。ほぼすべてのメールキャンペーンは、顧客を何らかのウェブプロパティに導き、そこでコンバージョンを発生させます。しかし、このアクションはトラッキングされずに放置されることが多いです。トラッキングするには、メールとウェブという2つのデータサイロをつなぐ必要があるからです。

一般的には、メールリンクにUTMパラメータを追加して、メール自動送信ツールで送信したメールやキャンペーンと、ウェブ解析ツールのウェブページを簡単に整合させ、追跡します。 

これらの指標はオンライン訪問、購入、ダウンロード、または同様のコールトゥアクションの完了など、メールの目的を達成した受信者の割合を示すため、追跡する価値があるのです。 

ROIの測定や、キャンペーンの目標達成のための最適化において特に重要な指標となります。

顧客へ送るメールの大半は、特定の目的のために送られるものではありません。一連のメールであれ、多くのチャネルにまたがる複雑なメッセージングであれ、全体的なカスタマージャーニーの一部なのです。

8.キャンペーンパフォーマンス(キャンペーンごとまたはメールごと)

顧客へのメールは、よく考えられた上で送られています。一連のメールであれ、多くのチャネルにまたがる複雑なメッセージングであれ、より大きなカスタマージャーニーの一部なのです。多くの場合、1通のメールが複数のジャーニーで、異なるステージや異なるオーディエンスに対して使用されます。

どのようなケースであっても、メールマーケティング担当者はメールのパフォーマンスを個別のサイロの中で評価しないことが重要です。キャンペーンごとのメールパフォーマンスと、特定のメールのパフォーマンスの両方を検証する必要があります。 

たとえば、キャンペーン全体のクリックスルー率と、複数のキャンペーンにおける個々のメールのクリックスルー率など、それぞれに個別のメールマーケティングKPIを設定することが有効です。そうすることで、キャンペーンがうまくいっている理由やうまくいっていない理由を把握することができ、今後どのメールを使えばよいかを考えることができます。

9.購読者リストの成長率及びトレンド

ここまでご説明してきたことの背景には、購読者リストがあります。購読者リストは成長していますか?停滞中、あるいは減少していますか?さまざまなリストやセグメントの健全性を把握することは、メールのパフォーマンスや、メール登録のCTAが効果的であるかどうかを知る上で重要な指標となります。

特に、キャンペーンやメールのパフォーマンスと照らし合わせながら、リストの状態を見ることが重要です。前述した他のKPI(CTR、バウンス、配信率など)と同じ期間のリストの伸びを調べてみましょう。低CTRと伸び悩むメールリストに相関関係はあるでしょうか? 

もしかすると、特定のメールからリストセグメントへの苦情が急増し、それに伴いリストが減少した可能性もあります。これらはすべて、今後の改善点を知るうえでヒントになります。

高エンゲージメントということは、ブランドへの忠誠心が高いということであり、今後のロイヤルティオファーでターゲットにすべき顧客かもしれません。

10.最もエンゲージの高い/低い購読者

同様に、リストの中で最もエンゲージメントの高い購読者と低い購読者を定期的に分析することも、素晴らしいエクササイズになります。高エンゲージメントということは、ブランドへの忠誠心が高いということであり、今後のロイヤルティオファーでターゲットにすべき顧客かもしれません。 

一方、エンゲージメントが低い場合は、再ターゲティングが必要であるか、あるいはリストから完全に削除する必要があるかもしれません。結局のところ、重要なのはリストのサイズではないのです。リスト内の何人が実際にコンテンツにエンゲージしているかが重要です。

メールマーケティングは変化を続けていますが、基本的な原則は変わっていません:価値あるものを提供すれば、顧客はこちらの期待に応えてくれます。 

しかし、上記を実行しながらこの成功をトラッキングするには、俊敏に考える必要があります。これらのKPIは、メールマーケティングを開始するうえで役立ちますが、それだけにとどまるべきではありません。常に学び、試し、進化を続けましょう。

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デジタルマーケティングにおける各チャネルの特性と、クロスチャンネル戦略を考える上でのポイントをご紹介します。

Dillon Baker

Dillon BakerはSalesforceの製品マーケティング担当シニアマネージャーです。

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