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前回のSansan様事例講演(Vol.1はこちら)続き、セールスフォース・ドットコムが開催している「インサイドセールス分科会」では、インサイドセールスを導入している7社によるパネルディスカッションを行いました。今回のテーマはずばり「壁の越え方」。導入・運用にあたって直面するさまざまな壁について各社の経験をもとに議論がなされました。果たして、導入各社はどのような壁に直面し、それを乗り越えたのでしょうか?

冒頭で、株式会社HDE 水谷氏は、Sansanの一方井氏が紹介した「KPIの壁」「データベースの壁」「環境の壁」「教育の壁」「パワーバランスの壁」「採用の壁」「今後の壁」のうち、特に取り上げてもらいたい壁を来場者に尋ねました。その結果、「KPIの壁」「教育の壁」「採用の壁」「環境の壁」「パワーバランスの壁」について議論されることになりました。

(写真:株式会社HDE クラウドセールス&マーケティングディビジョン

デジタルマーケティング 部長 水谷 博明 氏)

KPIの壁

水谷氏によるファシリテーションのもと、まずは「KPIの壁」についての議論が始まりました。口火を切ったのは、セールスフォース・ドットコムの杉山直矢。KPIの設定は、インサイドセールスがビジネスの根幹に根付いている同社においても、常に試行錯誤を繰り返していると話します。「有効な架電数などの一般的なもののほか、商談数や金額など、いろいろな数値をKPIに盛り込みますが、KPIを複雑にしてしまうと、その意図をメンバーに正しく伝えることが難しくなります。そのため、どうやってシンプルにするかということをマネージャー間で議論し続けています」

(写真:株式会社セールスフォース・ドットコム インサイドセールス本部

広域営業事業部事業部長 兼 デジタルマーケティング営業事業部事業部長 ​杉山 直矢)

来場者からは、「商談金額や受注金額をKPIに加えると、営業の力量に左右されるのではないか」という鋭い質問が投げかけられました。それに対して、杉山は「我々は1か月単位という短期間のほか、6か月単位という中期でもKPIを見ています。6か月で見ると、営業の力量といった要素での差はなくなってくると考えています」と回答しました。

一方で、株式会社ビズリーチ様(以下ビズリーチ)では「営業の力量に左右される」という課題を別のアプローチで解消していることを茂野明彦氏が紹介しました。「弊社では、一定以上のスキルを持った営業にしか商談をパスできないようにしています」

さらに、ビズリーチやキャリアトレックなど、マルチプロダクトを扱う企業として次のような工夫もしていると語っています。「インサイドセールスはすべての商材を担当しているので、スキル等によって特定のプロダクトに偏らないようにしています。提案難易度の高いプロダクト、注力プロダクトは3ポイント、別の商材は1ポイントといったかたちで傾斜をかけてマーケティング戦略に沿った行動を促しています」

(写真:株式会社ビズリーチ キャリアカンパニー

ビジネスマーケティング部 部長 茂野 明彦 氏)

教育の壁

議論は「教育の壁」に移ります。水谷氏が、株式会社ユーザーベースの相羽輝氏にインサイドセールスの人材を教育する上での工夫や勘所を問います。「一番重要だったのは、成果に連動して給与がしっかりと上がっていく仕組みにしていたことです。また、インターン生も社員と肩を並べて仕事して、酸いも甘いも共有できるようにしています。こうした試みが、インターン生のやる気を引き出していると感じます」

(写真:株式会社ユーザーベース マーケティング&インサイドセールスチーム

マネージャー 相羽 輝 氏)

一方で、株式会社エイトレッド(以下エイトレッド)の平田圭氏は、実践的なかたちでの教育を行ってきたと明かしています。「現在、弊社では社員である部門リーダーと、時短勤務をしている派遣社員の2名でインサイドセールスを担当しています。立ち上げた当初は、私と部門リーダーで電話対応のシミュレーションを重ねていました。私が、途中で話をそらしたり、電話を切ろうとしたりして、嫌なお客様を演じることで状況に合わせた回答を身につけてもらいました」

さらに、製品知識は営業同行を通じて学習しているとか。「渋谷にあるオフィスの会議室で、ウェブ会議で商談をすることもあります。そうした際に、インサイドセールスの2人も同席して、営業ノウハウや製品知識を吸収してもらっています」。そして、現在エイトレッドが直面している「教育の壁」は、こうしたノウハウをドキュメント化することだと平田氏は語りました。

(写真:株式会社エイトレッド 経営戦略室 室長 平田 圭 氏)

採用の壁

教育と密接に関連する「採用」。株式会社イノベーションの佐川豪一氏によると、2017年秋頃に行ったインサイドセールスの人員拡充では次のようなことに留意したそうです。「拡充した人員は、営業から引き抜きました。引き抜いたのは、根気の強い性格の社員です。インサイドセールスの仕組みを整えている途中なので、本人のバイタリティが非常に重要だと考えたからです」

(写真:株式会社イノベーション オンラインメディア事業部

オンラインメディアユニット セールスグループ 佐川 豪一 氏)

一方で、ビズリーチでは採用の前段階でも工夫を凝らしていると茂野氏は語ります。「現在、世間一般にはインサイドセールスへの理解がまだ進んでいません。そのため、候補者に対して、採用プロセスに入る前段階からインサイドセールスに関する情報をお伝えしてインプットしてもらったり、すでに活躍しているスタッフがインサイドセールスの思いを伝えたりして、候補者の理解を促しています」

パワーバランスの壁

インサイドセールスを、若手営業人材を育成する場と捉えている企業も少なくありません。一方井氏は「営業への登竜門としてインサイドセールスを設けるのは間違いではない」としたうえで、それがインサイドセールスと営業のパワーバランスを崩してしまう可能性を示唆しました。「弊社では、営業がインサイドセールスを下に見るような状況がありました」

このような状況を解消するために、Sansanでは次のような取り組みをしたそうです。「インサイドセールスのマネジメントは、私を含めて営業の経験者が担うことで営業とのパワーバランスを保っています。また、インサイドセールスが営業やマーケティングを含むフロント部門全体の戦略立案を担い、中核的な役割を果たしていることもパワーバランスの是正につながっています」

(写真:株式会社HDE クラウド営業部 大成 優太 氏)

環境の壁

Vol.1の講演レポートで一方井氏が触れていたように、電話営業が主となるインサイドセールスでは環境の整備が重要になります。株式会社HDE様では、自宅を含む自席以外の場所でも架電活動を行えるリモートワーク制度を導入したものの、新たな2つの課題が生じたと大成優太氏は話します。「1つは、メンバーのいる場所と活動状況を把握しづらくなってしまったことです。チャットツールなどで、今どこで何をしているのかを共有するように促していますが、なかなか守られていないのが現状です」

2つ目の課題は在宅勤務にまつわるものです。「リモートワークは、誰もが無条件に行えるわけではありません。リモートワークを希望する前週で架電数やアポイントの取得数などを指標とした一定の条件を満たしている人だけが行えます。しかし、条件を満たそうとするあまり、質の高くないアポイントが溜まってしまったり、やみくもに架電をしていたりといった問題が生じています」

本分科会では、各企業の経験をもとにした、インサイドセールスにまつわる実にさまざまな壁が共有されました。今後もセールスフォース・ドットコムでは、インサイドセールスを導入・運用を検討している企業向けにセミナーなどを通じて支援を行っていまいります。また、ebook「いまから始めるインサイドセールス」では、なぜ「インサイドセールス」が強い営業組織をつくるために有用なのか、「従来の営業スタイルが抱える4つの思い込み」から紐解きます。ぜひダウンロードしてご活用ください。ebookはこちら