デジタルネイティブ世代が購買力を持つようになった現在、店舗における接客とEコマースでのサービスに対するお客さまのニーズは刻々と変化し続けています。多くの企業では、モバイルやメール、SNS、チャットなどを駆使して顧客接点の強化に取り組んでいますが、大切なのは、「すべてのチャネルで販売のチャンスが生み出せる“優れた顧客体験(UX)”をどう提供するか」です。そこで、優れたUXでEコマースを成功させた事例を紹介します。

 

モバイルデバイスに対応した、一人ひとりにパーソナライズされた情報というUXが重要

「第4次産業革命」の時代、ロボット工学やビッグデータ、ブロックチェーン、IoTなどの先端技術が注目されています。小売業界においてAI(人工知能)が重要視される中、Eコマースの業界では、AIを活用してECサイトにアクセスしてきた一人ひとりにパーソナライズした情報を提供することが求められています。

また、近年、ECサイトにアクセスする端末として、モバイルデバイスが利用されています。Salesforceの予想ではECサイト訪問数の68%、注文数の46%がモバイルからとなっています。訪問数より注文数の比率が低いのは、モバイルからECサイトを訪れて購入を検討し、最終的にPCから注文している場合もあると想定されるためです。見方を変えると、商品検討時の接点はモバイルからのアクセス率が高いと言えるでしょう。そして、3人に1人がECサイトより提示されるレコメンデーションから商品を購入しており、見逃せない機能となっています。

ECサイト運営者は、ユーザーがモバイルデバイスの小さな画面でもスムーズに買い物ができるようにするため、UXをモバイルに最適化することが大切になります。そして、ユーザーごとにパーソナライズした情報を、ユーザーが使用しているデバイスに応じて提供するため注目されているのが、AIの活用なのです。

Salesforceでは、Eコマース成功のポイントには「賢さ」「速さ」「つながり」「サクセス」の4つがあると考えています。

ビジネスを前に進めるイノベーションとして、Commerce Cloudでは、この4つのポイントをもとに、SalesforceのAI機能であるEinsteinをはじめとした新機能を追加しています。

 

  • 賢さ
    たとえば、消費者が商品を検索するときに、商品名がわからなかったり、思い出せなかったりしたらどうなるでしょうか?従来の文字検索やカテゴリー検索のみの機能では、こういった消費者に対応することはできず、せっかくのチャンスを逃すことになります。
    AIを活用することで、「欲しい商品の写真で検索」といったことが可能になります。
    また機械学習によって、消費者が検索する言葉を予測して提案するなど、消費者が迷うことなく商品にたどり着けるようになります。
  •  速さ
    消費者の多くがEコマースを使いこなすようになった現在、サイトをすばやく編集できることが売上に直結するようになりました。商品の入れ替えや金額の変更、特集やセール用のページの作成に、エンジニアやデザイナーなど多くの人が関わると、提供スピードが遅くなってしまいます。
    プログラミングなどの専門知識がなかったとしても、ページをすばやく・直感的に編集できることが、今後のEコマースプラットフォームに求められることなのです。
  • つながり
    Eコマースにおいて、カスタマーサービスやマーケティングとのつながりは欠かせません。
    集客と購買がつながることで、消費者ごとに適切な商品のレコメンドや、購入した商品に即したメッセージの送信などが可能になります。
    購買とカスタマーサポートがつながれば、購入した商品に応じたサポートが可能になり、消費者の購買体験をより良いものにできます。
    Commerce Cloudでは、Marketing CloudやService CloudといったSalesforce製品同士をよりシームレスに連携させ、最適なタイミングで最適なメッセージの送信や、カスタマーサポートでのスムーズな顧客対応を実現します。
  • サクセス
    変化の早いEコマースにおいて、機能面のみだけでは、劇的な進化は生まれません。ECサイト担当者や、開発者の進化が欠かせないのです。
    Commerce Cloudなら、それらの進化をサポートするサービスも展開しています。
    Trailheadという無料のトレーニングサイトにて、年末商戦など大きな商機における対応策などが学べ、開発者向けの新しいコミュニティサービスでは開発者同士の情報交換が可能です。
    また、カスタマーサクセスマネージャーによる、Einsteinの配置や活用方法について、ベンチマークと比較しながら改善案を提案などもあります。
    こうしたサポート体制によって、Eコマースを成功へと導けるのです。

大手リテール、特化型企業、消費財、ブランドメーカーなど500社以上を対象にした調査によると約60%のブランドリーダーは、他社との差別化ポイントは「商品の品質か独自性」と答えています。自社の商品へこだわりを持つこと自体は良いことですが、顧客とのリレーションシップや、エモーショナルなつながりについて他社よりも自信を持っているブランドは多くはないことを示してもいます。

一方で、顧客の80%は企業が提供する体験は、その企業の商品やサービスと同じくらい重要だと答えています。

これは、ブランド側の意向と顧客のニーズに差が出てきていることに繋がります。

これからの時代は、顧客の要望を理解し、より満足させることが強いブランドになるために必要になるのです。

 

Commerce Cloudを活用した事例:e.l.f Cosmeticsの場合

Commerce Cloudの機能を使って大きな成果を上げている企業の1つに、e.l.f Cosmeticsがあります。同社は、2004年に創設されたニューヨークに本拠を置く国際的な化粧品ブランド企業です。

e.l.f Cosmeticsでは、サイト訪問者の行動に基づいて、購入してもらえそうな商品の表示や検索結果をパーソナライズして提案する仕組みを活用しています。つまりは、一人ひとりの好みに合わせた商品が表示されるため、まるでその人専用のサイトであるかのように見えるのです。その仕組みこそが、私たちのAI技術であるEinsteinです。

例えば、Einsteinではユーザーの行動を分析し、同じ新着商品の商品群の中でもユーザーがより興味を持ちそうな商品順に並べ変えるだけでなく、サイト内での検索結果もユーザーに合わせて最適化させることができます。e.l.f CosmeticsはEinsteinを活用して「賢さ」を実現している事例と言えるでしょう。

 

Commerce Cloudを活用した事例:LACOSTEの場合

ラコステは1933年設立の、右を向いたワニの商標で有名なフランスのアパレルブランドです。Customer 360を活用してB2Cコマース、B2Bコマースの両方でお客さまとのエンゲージメントを果たしています。

 

例えば、モバイルアプリの活用です。モバイル専用アプリを構築し、Eコマースだけでなく実店舗でも利用することで店舗の売り上げが約8%も上昇するという成果を上げています。

同社では、B2B専用のサイトも運営しています。B2Bのサイトながら、消費者向けのECサイトのような使いやすいUI/UXでありながら、同時にB2Bならではの情報も提供されています。例えば商品をカートに入れて注文したり金額を確認したり、複数の商品写真とともに詳細を確認できたりする手軽さはB2Cサイトとよく似たUXですが、業績見込みなどが算出されるのはB2Bならではの情報と言えるでしょう。またEinstein Commerce APIで消費者向けのECサイトのデータを活用することで、一般ユーザーに何が売れているかといった「売れ筋商品のレコメンド」を表示することでビジネスのサポートも実現しています。

このように、Commerce Cloudを活用して、B2Cのみならず、B2Bでも「顧客目線でのUX」の提供に成功しています。この事例では「賢さ」「つながり」などが成功のカギとなっていると言えるでしょう。

Eコマースを成功に導く「優れたUX」はユーザー目線で構築されていることが重要です。そしてCommerce Cloudはユーザーの快適なEコマース体験を強力にサポートしています。