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【初のAIハッカソン】熱狂のDemo dayを制した優勝チームは、Agentforceをこう使った!

セールスフォース・ジャパンは2025年11月、「Agentforce(エージェントフォース)をテーマにした初めてのハッカソン「Agentforce Hackathon Tokyo」を開催、Demo dayと優勝チームの表彰を行いました。どれもユニークで高いクオリティの作品が集結。Demo dayの様子や作品の概要を紹介します。

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AIエージェントと働く未来へ

AIエージェント開発のハッカソンを初開催

2025年秋、 セールスフォース・ジャパンは過去にも数回、ハッカソンを開催したことはありますが、AIをテーマにしたハッカソンは今回が初めてです。

Salesforceが提供するAgentic AI(エージェンティックAI)の「Agentforce(エージェントフォース)」を活用して開発した、ビジネスや社会の課題解決につながるAIエージェントを競い合う場として企画。多くの開発者コミュニティメンバーから注目を集めました。

「Agentforce(エージェントフォース)」とは?

スペシャリストに聞く13の質問

合計37チーム、約150人の応募の中から選抜された20チームが、11月14日のDemo Dayに登壇。限られた開発期間で磨き上げた「未来を変えるAIエージェント」をそれぞれプレゼンテーションしました。

賞金総額300万円】セールスフォース・ジャパンが初のハッカソン開催。

「AIエージェントがすでに仕事を動かす」現実

このハッカソンは、単なるアイデアコンテストではありません。Agentforce を使って、「実際に動くAIエージェントを作り、ビジネスの成長や社会課題の解決で価値が出るところまで持っていく」ことが目的です。

審査では、課題設定の鋭さ、データやワークフローとの組み合わせ、具体的効果と拡張性など、「現場で成果を出すAI」の完成度が問われました。

20チームの発表は、教育や地域社会の活性化、マーケティングやカスタマーサポート支援など多種多様でしたが、共通していたのはAIを単体で動くチャットボットのような存在ではなく、Agentforceが業務の流れの中に“溶け込む”設計になっていた点です。

Demo Day参加チームと発表内容をキャッチアップ

以下が、Demo dayへと勝ち上がった20チームと開発したAIエージェントの概要です。全チームの実際のプレゼンはこちらからご覧になれますので下記をお読みいただき、気になったチームだけでもぜひチェックください。

Agrex 
「Agentforceで変わる日本の教育の未来」

AIエージェント(教師)が、生徒の個別学習支援や即時採点 、教師(人)の業務効率化を実行。教育格差の縮小や教師の業務負荷軽減、コミュニケーション活性化に貢献するソリューション。

Glue.Inc
「“つまずき”を“伸びしろ”に変える、未来の学習パートナー AIエージェント『受験3.0』」

生徒の質問に対し、AIがFAQや過去の履歴、資料を横断検索して根拠付きで即時回答します 。つまずきの兆候を検知して次に学ぶべき内容も提案し 、その対応も自動記録 。講師の負担を減らしながら、学習品質の向上も図るソリューション。

・Team RevComm
「探す時間を、読む時間に。AI書籍購入サービス Book Concierge」

顧客が自分に合った本を探す難しさを解決するソリューションです 。読みたい本のジャンルやテーマを自然言語で入力することで、Salesforceのデータをもとに、AIが最適な書籍を提案し 、注文から確認メールまで自動化するソリューション。 

SUGo 
「新生代AI補助受付 – A君 AIと共生共存~ 真剣にAIに向き合う~」

Agentforce基盤のAI自動受付システムです 。アポあり(QRコード) 、アポなし(名刺OCRやQR登録) 、宅配便 の3つの来訪目的に対応し、担当者へSlackで自動通知するソリューション。

migration-fm
「みらいシフト あなたの働き方をみらいへシフト」

AIエージェントが、従業員の希望集約からシフト自動作成、急な変更調整までを支援します 。管理者の煩雑な作業負担を大幅に削減し 、公平でスムーズな現場運営を実現するソリューションです 。

ADX Consulting 
「『人手運営』から『エージェント運営』へAgentforceで変えるフリマサイトの裏側」

Salesforce上のフリマサイト運営における本人確認書類や商品写真の確認業務を自動化する。セキュリティを担保しつつ、目視確認の負担を軽減し、運営業務の効率化を図るソリューション。

NovaRigel
「ReCheckAI」

顧客からの問い合わせに対し、AIエージェントでの即時対応や画像認識技術による審査自動化 、不良品アラートにより、ECの返品業務を効率化し 、売上機会の損失 やブランド毀損を防ぐソリューション。

Lightning Brightning
「化粧品リテール業務をAI駆動型䛻変革!Beauty Cloud」

顧客データを瞬時に解析し 、オンライン対応の自動化 と高品質なパーソナライズ接客を実現 。データドリブンな販売で化粧品販売の属人化をAIで解決するソリューション

・EP-AI コンシェルジュプロジェクトチーム
「引越し手続き AIコンシェルジュ~ AICON ~電気契約の手続き体験を変える!」

引越しにおける顧客からの問い合わせにAgentofrceが対応。柔軟な対話によって本人確認や住所変更などをチャットで完結させる 。顧客体験の向上と業務効率化を図れるソリューション。

びっぷる
「音声応対履歴から AIエージェントを実装 顧客䛾状況に合わせた開通工事案内を実現」

待ち時間の長さや対応品質のばらつきなど「BIGLOBE光」に寄せられる問い合わせに対し、Agentoforceが過去の応対履歴から自動で対応する。特に件数が多い開通工事関連の対応を迅速化・均質化し、24時間即時対応で顧客体験を向上させるソリューション。

株式会社キットアライブ
「Agentforceが拓く、地方創生の未来~自律型移住支援プラットフォーム~」

自治体向けの地方移住促進サービス。職員が持つノウハウの属人化や非効率な業務を、AIがデータに基づき自動化・体系化する。移住希望者への最適な提案や移住後のフォローアップも行い 、少数精鋭で運用を実現するソリューション。

Rouge-A
「TEBANAS Waste Management Servise」

チャットボットで不用品に関する日常の疑問解消から収集依頼までをサポートする。会話形式で最適な処分方法をAgentofrceが案内し、収集依頼を自動作成して業者に連携するソリューション。

JoySOLvers
「町のベーカリーのフードロスを解決する「Adaptive Food Loop Agent」

ベーカリーのフードロス課題をAIが解決 。Agentforceが販売・在庫を分析して余剰を検知し、寄付先の受付状況をWebで確認 。公平なルールで最適な寄付先を選定・自動登録し、日常業務でのフードロス削減を支援するソリューション。

食品ロス問題を解決するため、Agentforceを活用したAIエージェント「LossLink(ロスリンク)」を開発。簡単な対話操作で食品ロス素材と利用者を自動でつなぎ 、廃棄食品を支援が必要な方へ届け 、店舗の売上向上と社会貢献の両立を目指すソリューション。

「ロボホン」がAgentforceを活用して高齢者と会話し、日報を自動作成。日報はSalesforceで管理す、家族や友人へSlackで共有する。服薬確認や体調の異変を察知し 、孤独死の不安を解消する“お守り”ソリューション 。

チーム電通デジタル
「電通デジタルの集合知と勝ちパターンを搭載。Agentforceで実現する次世代型シナリオプランニング」

Slackで対話するAIエージェント群がシナリオプランニングのPDCAを支援するソリューション。電通デジタルの「勝ちパターン」やノウハウをもとに、KPI整理やデータ整理、示唆の創出、施策提案を行い、業務を効率化します。

エヌエヌ生命保険
「AIがサポートする生命保険の8つ業務」

AIで生命保険の8つの業務(商品推奨、リード獲得、リスク評価、支払い判断など)を支援し 、効率化と精度向上を実現するソリューション。

NovABeam
「ProManu」

製造業の営業向けAIエージェント「ProManu(プロマニュ」。見積・納期などの社内調整業務やナレッジ検索を支援し、工数を削減 。営業担当者が付加価値の高い顧客対応や提案活動に専念することを可能にするソリューション。

エージェントさん-あとはよろしく
「AIとの対話で災害時のサプライチェーン。危機を乗り越えるプラットフォーム」

災害発生時の初動優先度付けや代替部品の迅速な検索 、顧客問い合わせの自動化を実現し、事業継続を支援するソリューション。

TBD
「広告業カスタマーサポート自動化ソリューション」

広告業のカスタマーサポートをAgentforceとLINEで自動化。問い合わせや在庫確認、見積もり、受注を一元管理し 、業務効率化と顧客満足度向上、機会損失の最小化を実現するソリューション。

3分でわかるAgentforceとは

AIエージェントを作成し、展開するためのプラットフォーム「Agentforce」(エージェントフォース)について、5つのポイントで解説します。

優勝チームに輝いたのは……

審査を勝ち抜き、優勝ほか2位、3位、特別賞を獲得したチームは以下です。

🥇優勝:Lightning Brightning

化粧品販売の現場における顧客理解・提案・フォローを一気通貫で支えるAIエージェントを構築。店舗/EC/カウンセリングの接点をまたいで“一人ひとりに適した体験”を作るアプローチが高く評価されました。

ここがポイント

  • 顧客の嗜好・購買履歴・カウンセリング内容を統合し、最適提案をリアルタイム生成
  • 販売員の経験差を埋める“提案の型”をエージェントが補助
  • 購入後のフォローやリピート施策まで含め、LTV最大化に直結する設計

🥈2位:電通デジタル

マーケティングの企画から実行、効果検証までをSlack上の対話と複数のAIエージェントの役割分担で回すソリューションで、並列で働くAIチームという発想が特徴でした。

ここがポイント

  • 戦略立案、コピー生成、分析などを分業するマルチエージェント構成
  • Slackをハブに、人とAIが同じワークスペースで協働
  • タスク受け渡し・進捗共有まで含め実務に耐える運用設計

🥉3位:キットアライブ

自治体・企業・移住希望者の“情報の分断”を解消し、移住の意思決定と実行を支えるエージェントを提案。生活・仕事・コミュニティの不安を対話で解いていく伴走型のデザインが印象的でした。

ここがポイント

  • 条件整理から地域/仕事/制度をマッチング
  • 自治体側の案内を個別最適で自動化
  • 移住後の定着フェーズまで見据えた長期支援設計

介護現場の人手不足や業務負荷に対し、ロボットとAIエージェントの協働で支援するモデルを提案。安全性と現場適用のリアリティが評価されました。

ここがポイント

  • 見守り/状況共有の補助でスタッフ負担を軽減
  • ロボットの行動とエージェント判断を連動
  • Human-in-the-Loopを前提にした安全設計

優勝したLightning Brightningは、セールスフォース・ジャパンが開く1年で最大のイベント「Agentoforce World Tour Tokyo」のゲストとして登壇。 Salesforceのパーカー・ハリス共同創業者やセールスフォース・ジャパンの小出伸一会長兼CEOから表彰を受け、優勝賞金150万円を手に。短期間で“動くエージェント”を作り上げた挑戦そのものに大きな拍手が送られました。

発表後には「このまま実運用したい」「社内でも試したい」といった声が上がり、ハッカソンの枠を越えて社会実装の入口になる熱量を強く感じさせる場となりました。 

優勝の秘訣は? チームリーダー武田雅人さんの声

Lightning Brightning 武田雅人さん

「私はこうしたハッカソンやコンテストがあると出たくなる性分で、今回も発表があった時に即決で参加を決めました。 また、Salesforceは以前から大好きで、休日に勉強することもあったので、そういう意味でも迷いは全くありませんでした。

勝因は、技術をどう使うかよりも、まずどのような世界観を作るか、解決したい課題は何でそれを最も合理的に解決するにはどうすればいいのかをチームメンバーが団結して突き詰めることができただと感じています。その手段として「匠Method」というビジネスをデザインするための手法を取り入れたことが奏功したと思います。

今回のハッカソンは他と比べて開発期間が長く、どこまでも作り込んでしまい、しんどかったですが、努力が優勝という形で表れて嬉しく思います。来年開催されるなら、もちろん参加します。」

初代チャンピオンの誕生を経て新たなる挑戦へ

Agentforce Hackathon Tokyo 2025は、「AIエージェントはもう概念ではなく、仕事を動かすパートナーになり始めている」という事実を、複数のデモが証明したイベントでした。

Salesforceは今後も、開発者・パートナー・ユーザーの皆さまとともに、AIエージェントの社会実装を加速していきます。ハッカソンは来年も開催できるよう計画を進めています。2026年開催のご案内をお楽しみに。

主催者の声稲葉 洋幸 Head of Technical Audience Relations

改めて、参加いただいたみなさま、ありがとうございました。初開催だったので、どの程度こだわった作品が登場するか未知数でしたが、SlackやTableauなどの他のプロダクトと組み合わさった作品などもあり、どれも非常にユニークでクオリティの高さにも驚きました。

また、企業の業務改善や生産性向上だけではなく、社会課題の解決にも着眼した作品もあり、Agentforceの活用範囲の広さを再認識する機会にもなりました。Demo dayに参加いただいた方からこの機会を企画したことに感謝をいただき、大変嬉しく思います。

2026年も必ず開催できるよう今回の反省を活かした計画を進めています。Agentforceもさらに進化しますので、ぜひ会場の熱気を味わっていただければ幸いです。来年、お会いしましょう。

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