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【Salesforce in Public Sector】”待つ行政”から”届ける行政”へ。Salesforceと共に拓く公共サービスの新しい姿「アウトリーチ」

「Salesforce in Public Sector」第2回は、セールスフォース・ジャパン最大の年次イベント「Agentforce World Tour Tokyo 2026」で好評だった「Data × CRM × AIで実現するアウトリーチ型支援による住民対応の変革」を解説します。

本記事は「Salesforce in Public Sector」と題し、日本の公共機関のみなさまのデジタル化およびAI活用に役立つ情報や、Salesforceが貢献できることを主要なテーマにした連載企画です。

第2回は、地方公共団体におけるアウトリーチ型支援でのSalesforce活用についてです(第1回は【Salesforce in Public Sector】社会福祉施設等の指導検査業務におけるSalesforce活用)。

Agentforce Public Sector

すぐに使えるケース管理機能で、公共機関のミッション達成をスピーディにご支援。セルフサービスや自動化機能で業務のデジタル化と効率化を加速させましょう。AI・データ・ワークフローが三位一体になったプラットフォームで、将来の変化にも柔軟に対応できます。

【第1章】最大イベントで関心を集めた
「業務AIデジタル職員」

2026年6月9日(火)ー10日(水)、東京にてセールスフォース・ジャパンは国内最大の主催イベント「Agentforce World Tour Tokyo 2026(AWTT)」を開催しました。

今年は 「人とAIエージェントが協働し、あらゆるビジネスを再定義する」をテーマに人とAIエージェントがいかに協働し、組織全体の成果を高めるかに焦点を当て、さまざまなセッションやブース展示を行いました。

基調講演のポイントは「【Agentforce World Tour Tokyo 2026 基調講演】95%が本番に辿り着けない。AIを「試す」から「成果」に変える分岐点」を是非ご覧ください。

本イベントでは、中央省庁・地方自治体・大学・NPOなど公共機関のみなさまに向けた公共展示ブース設置公共ラウンドテーブルによる公共機関同士の交流の場も設け、公共機関のみなさまが抱える特有の課題に対する解決策を体験できる場となりました。

展示ブースで注目を集めたのが、「業務AIデジタル職員」として整理されたユースケースのデモンストレーションです。

公共機関の業務フローを「案内・問合せ・申請」「調査・審査」「決裁・交付・対応」「監視・分析」という4つのフェーズに分け、それぞれフェーズごとにさまざまな実務をユースケースとしてデモンストレーション動画を作成しています。

来場いただいた自治体・中央省庁の担当者のみなさまからは「具体的なシナリオで業務がイメージしやすい」「自分たちの現場に当てはめて検討できる」という声を多く寄せていただきました。ユースケースの例は以下です。

  • 案内・問合せ・申請: AIで問合せ対応(自動チャット)、窓口の自動多言語対応、AIと会話しながら予約、アウトリーチ(積極的支援)による住民対応など
  • 調査・審査: 補助金審査支援、聞き取り調査AIナビ、RAGで類似案件の検索、添付ファイル審査など
  • 決裁・交付・対応: 候補者リコメンド、承認ルート自動判定、評価業務(Agentforce in Slack) など
  • 監視・分析: AIがダッシュボード解説、窓口状況をAIが分析など

こうした多様なユースケースの中で、来場いただいたみなさまが最も関心を寄せていたのが、「アウトリーチ(積極的支援)による住民対応」です。

データとAIで実現するアウトリーチ一体型相談支援の最前線

【第2章】Data × CRM × AIによるアウトリーチ型
「住民対応変革」

アウトリーチとは、住民が困ってから窓口に来るのを「待つ」のではなく、行政側が支援が必要な住民を能動的に発見し、先回りして行政サービスを届ける支援モデルです。

行政サービスは「申請してきた人だけを支援する」いわゆる申請主義が基本的な原則です。しかしながら、少子高齢化・人口減少が急速に進む現代、地域のつながりの希薄化や孤立化が進み、支援を必要としているにもかかわらず、自ら声を上げられない住民が増えています。

令和8年4月に内閣府孤独・孤立対策推進室が公表した資料によれば、年間2万人以上が誰にも気づかれず孤立死する実態が明らかになっており、行政サービスが届かない「制度の狭間」への対策は一刻を争う課題です。(出典:内閣府孤独・孤立対策推進室「令和7年孤立死者数の推計について」

こうした現状を踏まえ、行政側が能動的に被支援者にアプローチするアウトリーチ型支援の重要性は、政府のさまざまな資料で言及されています。

内閣府孤独・孤立対策推進本部が令和6年6月に決定した「孤独・孤立対策に関する施策の推進を図るための重点計画」において孤独・孤立対策の基本方針として、次のような方針が定められています。

孤独・孤立の問題を抱えているが、支援を求める声を上げることができない当事者等に支援を確実に届けることができるよう、その意向や事情にも配慮したアウトリーチ型の支援を推進する。
(出典:内閣府孤独・孤立対策推進本部「孤独・孤立対策に関する施策の推進を図るための重点計画」

また、厚生労働省が自治体職員向けに作成している「生活困窮者自立支援制度に係る自治体事務マニュアル 」でもアウトリーチの重要性が述べられています。
(出典:厚生労働省「生活困窮者自立支援制度に係る自治体事務マニュアル 」

アウトリーチ型支援の実現に向けて、被支援者に関わるさまざまなステークホルダーとの連携、制度や組織の整備に加えて、ITシステムの整備も重要であり、特に以下の3つの点が重要であるとSalesforceは考えます。

  1. Dataの集約:従来の行政システムは税務、生活保護や障害者福祉など、制度ごとにデータベースが分かれている(縦割り)ケースがほとんどです。アウトリーチでは、世帯全体の複合的な課題を捉え、支援が必要と思われる予兆を確実に発見することが重要。必要な情報を収集し、業務につなげていくためのデータ基盤の整備は必要不可欠です。
  2. CRMによる構造化・制御:アウトリーチで出会うケースの多くは、経済的困窮、疾患、介護、育児など、複数の課題が絡み合っており、慎重な対応が求められます。被支援者との関係性をシステムに丁寧に記録し、複数の支援者の間でセキュアに管理・共有するためにCRMとワークフローを整備することは、アウトリーチ型支援を実現するための重要な基盤となります。
  3. AIによるデータ活用:数多くのデータを横断的に分析して、アクションを行うアウトリーチ型支援には、高度な知見が求められます。また現場対応が多く発生する中で、計画書や報告書作成などの事務負担も多くかかってきます。こうしたノウハウの継承や効率的な業務実施を実現するために、AIと協働すること前提に業務を設計することが非常に効果的です。

行政機関のみなさまは、Salesforceを活用することで、「Data × CRM × AI」によるアウトリーチ型支援を実行する基盤を迅速に立ち上げることができます。ソリューションのイメージは以下の図のとおりです。

  1. データ集約:庁内の情報システムの状況にあわせて「Data 360」「 MuleSoft」「Informatica」などの製品を選択し、データの集約を実現します。このレイヤーは単純なデータ統合だけではなく、データを意味のある形に整え、アウトリーチに携わる職員や職員と協働するAIエージェントが正しい状況把握や意思決定を行えるようにする非常に重要なレイヤーです。
  2. データ構造化・制御:Salesforceは、公共機関の業務に特化したSaaSソリューションである「Agentforce Public Sector(APS)を提供しています。アウトリーチ型支援における日々の業務を実現するうえで有用な機能の多くを標準機能として提供しており、迅速な業務の立ち上げを実現します。Salesforceの優れた権限管理やメタデータ管理の機能ももちろん利用可能であり、被支援者のセンシティブな情報も安全に取り扱うことができます。
  3. データ活用:Agentforce Public Sectorでは、公共機関向けの業務に特化したAIエージェントがすぐに利用可能です。例えば、被支援者の状況に即した行政サービスの提案や、対応履歴の自動登録、多言語対応や他部門への引継ぎなど、アウトリーチ型支援において発生する様々な事柄を、自律的に対応することが可能です。

こうした基盤を整備することで、実際に以下のようなプロアクティブな支援を実現することが可能となります。

例:相談受付フェーズにおける自律型AIによる24時間対応

「Agentforce Service Agent」 が、複雑な制度に関する住民からの問い合わせを対話形式でわかりやすく解説。CRMとワークフローが一体となっているため、制度の利用可否判定や申請手続きまでを迷わせることなくエスコートします。有人対応が必要な問い合わせはケースとして自動起票され、スムーズに担当職員へ引き継がれます。

例:潜在ニーズの発見のためのベストアクション提案

CRMに蓄積された相談履歴や住民データを元に、Next Best Action(予測型AI) が「次に案内すべき最適なアクション」を自動提示します。職員の経験値に依存せず、支援が必要な住民を能動的に発見するアウトリーチを実現します。窓口での受け身の対応から、相談者の課題を先回りして解決する能動的な伴走型支援へと、行政サービスの質を転換します。

このアウトリーチ型実行基盤が実際に動いているデモ動画をご覧いただくことが可能です。以下の業務フローを題材とした4分ほどの動画になります。アウトリーチ型支援の実現にご関心のある行政機関のみなさまはどうぞご覧ください。

データとAIで実現するアウトリーチ一体型相談支援の最前線


【第3章】”待つ行政”から”届ける行政”への
転換を全面支援

従来の申請主義に根ざして構築されたシステムだけでは、支援が必要な住民にタイムリーに行政のサポートを届けていくことは困難です。Salesforceはアウトリーチ型支援を実現するために、Data × CRM × AI の三位一体の活用でお応えできると考えています。

  • Data(データの集約と構造化):福祉データ・相談履歴などをData 360等で統合し、住民一人ひとりの状況を360度で把握
  • CRM(公共特化のデータ管理): Agentforce Public Sectorの公共特化データモデルで、給付・相談など被支援者のあらゆる状況を一元管理
  • AI(Agentforceによる自律的支援): 支援が必要な住民の自動発見(Next Best Action)、24時間対応のAIチャット、職員の判断サポート、審査の自動化まで、業務フロー全体をAIが支援

この組み合わせにより、「申請を待つ」受動的な行政サービスから、「支援を届ける」能動的な行政サービスへと変革することが可能になると考えます。

アウトリーチ型支援の実現にあたって、まず何から検討を始めればいいか戸惑われる人もいるかもしれません。

Salesforceは最新の技術に関する理解を深め、新しい業務の要件や課題、あるべき姿を定義するために必要な検討のフレームワークを有しており、これを勉強会やワークショップという形で無償でご提供可能です。こうした検討も是非ご活用ください。

行政機関の担当者のみなさまの「”はじめの一歩」の踏み出し方から一緒に伴走していきます。

【公共機関さま向け お問合せ窓口】

Salesforce全般に関するお問い合わせはこちらのフォームからお気軽にご連絡ください。

データとAIで実現するアウトリーチ一体型相談支援の最前線

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