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消費財メーカー集結の情報交換会開催。見えてきた5つの営業DXヒント

消費財業界のSalesforceユーザーの方が招いた営業DXのヒントを提供するイベントをこのほど開催しました。本記事ではその内容をレポートします。

「CPG Trailbrazer取り組み情報交換会」とは、消費財業界でSalesforceを活用中の企業にお集まりいただき、改革の手法や悩みを共有しながら活用促進を目指すコミュニティイベントです。

本レポートでは、その内容のハイライトと、消費財業界でSalesforceの活用を目指すユーザー企業や導入検討中の企業に改革推進のヒントをお伝えします。

消費財業界の
インサイトレポート

世界の消費財業界1,500人の意思決定者にトレンドや課題について調査した結果に基づくレポートです。

CPG Trailblazer 情報交換会とは

CPG Trailblazer 情報交換会は、消費財企業の改革促進とコミュニティ活性化のために開催しているSalesforceのユーザー企業同士の情報交換の場です。こうした消費財業界向けのMeet upは2022年から開始し、好評につき規模を拡大し現在は年3回ほど実施しています。

Salesforceの使い方にとどまらず、営業改革の進め方や利用定着のコツ、実画面をみながら業務をどう機能に落とし込んだかなど、ユーザー企業同士のナレッジ共有が大きな魅力です。

本記事では、2025年3月に実施した内容を要約してご紹介します。

Consumer Goods Cloud 便利機能、OmniStudioの紹介

最初のセッションとしてSalesforceの利用定着をサポートする機能「OmniStudio」を紹介しました。

「OmniStudio」は、Salesforceの消費財業界向け専用プロダクト「Consumer Goods Cloud」の機能の一つで、いわゆるローコード開発機能です。

Salesforce Platformはローコード開発機能を備えていますが、「OmniStudio」はこれを拡張するものです。従来は、コーディング開発が必要だったリッチなユーザーインターフェースをクリックベースで開発可能なOminiScriptや「FlexCard」、パートナーソリューションなしにSalesforceデータからドキュメント生成が可能な「Document Generation」などが利用できます。

Consumer Goods Cloud の紹介

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ユーザー体験の高度化

セッションでは、消費財業界におけるOminiScriptの利用例として、「店頭画像検索」「業務用営業におけるメニュー提案検索」を紹介しました。

どちらも画像をタイル状に並べて、視覚的に情報検索したいシーンですが、実現のためにはコーディングによる画面のカスタマイズが必要でした。Consumer Goods Cloudの契約があればOminiScriptを利用してクリックベースの開発で同様の画面を実現可能です。

システムバックエンドの高度化

また、システムのバックエンドを強化できる例として「Document Generation」による商談帳票の出力を紹介しました。

消費財業界の家庭用営業プロセスでは、得意先チェーンごとに指定のフォーマットがあるため、商談の準備は営業活動の中で大きな時間を占めています。Document Generationを利用することで、Salesforceの商談画面に保存された情報を元に、Power Pointの商談資料を出力でき商談資料の準備時間を大幅に節約できます。

また、Partner Solutionの利用によりExcelの条件書を出力することも可能で、グループディスカッションの中でも商談資料の出力は効率化につながる有望なテーマとして議論の対象となりました。

グループディスカッション

イベントの後半は、11社の企業が3グループに分かれ、自社の活用状況のシェアと質疑を行うグループディスカッションを実施しました。各グループの議論から消費財業界での営業改革のヒントとなるトピックをピックアップして紹介します。

1.営業改革のスコープ

各社の事業や商品カテゴリごとに違いはありますが「家庭用」「業務用」「自販機」の営業プロセスおよび「フィールド活動」と、各営業チャネル・プロセス全体を改革の対象とされています。

Tableau」をSalesforceに埋め込み、販売データの可視化やフォーキャスティングにも同時に取り組んでいる企業が多くいらっしゃいました。販促ROIの分析や生産部門への見込み連携は今後の展望となっているようです。

2.営業マネジメントの変革

情報の一元管理や日報といったレベルにとどまらず、取引先機能と商談機能を利用した組織的な得意先深耕に取り組まれる企業が大半でした。消費財業界の営業プロセスで特徴的な棚割り商談や販促商談をどのような粒度とフェーズで管理するか、各社工夫をこらして運用されており、ディスカッションが白熱したポイントのひとつとなりました。

Salesforce導入をきっかけに現場まかせだった営業マネジメントが全社的に統一され、棚割り決定日から逆算した営業プロセスが実施されるにつれ「思考が整理された」「期日を意識した活動ができるようになった」「活動量が多い人やバイヤー接点が多い人の活動を参考にできるようになった」との声が聞かれました。

「Chatter」が持つライブ感や双方向性を営業カルチャーの活性化やナレッジ共有に活かしている企業も多く見られました。良い陳列や販促企画にコメントをつけたりメンションできることから、アイデアについてディスカッションするなど良い刺激となっているようです。

3.業務の効率化

SFAの導入で起こりがちな「現場にメリットがない」「仕事が大変になった」という反発が発生しないよう、先行する企業の取り組みを参考に各社が工夫して導入を進めているのが印象的でした。

「日報の完全廃止」「情報収集のための入力依頼の廃止」「会議資料をレポート/ダッシュボードに移行し会議準備の負荷を低減」「引き継ぎ資料はsalesforceデータとする」「salesforce導入と同時に何を廃止できるか棚卸しした」など、実用的なTipsがたくさん交換されました。

4.利用定着のコツ

新システムや新しい営業ルールの導入後にそれが定着できるかは各社が最も関心を寄せるテーマです。今回もたくさんのアイデアが共有されました。

「導入時のトレーニングや巻き込みが重要」という点は共通したポイントです。特に変革のキーとなる現場マネージャー層に新しい営業マネジメントの理解を得られた企業はうまく推進を進められているようです。「経営層を巻き込んだ情報発信」や、「各支店の若手層に一緒に活用推進する推進担当者を置く」というのも各社で効果が出ている手法のようです。

IT活用に苦手意識のある利用者を支援する「動画による活用ガイド」は良いアイデアです。また、「salesforce以外でも業務できる」という逃げ道を残さない(システム併存しない)、「重要な情報をsalesforce上のみ参照可能にする」などのアイデアも定着に悩む企業にとっては目から鱗だったようです。

5.AppExchangeの活用

salesforce導入の効果と利用者の利便性向上のため、各社はAppExchangeを積極的に活用していました。多くのお客様で活用できそうなものをご紹介します。

  • MashMatrix(RaySheet)

salesforce上でExcelライクな入力UIを実現できるソリューション。推進部門でのデータメンテナンスや、商談画面でのSKUや単価、販促情報の入力に活用されている企業が多くいらっしゃいました。

  • sansan

名刺管理ソリューション。スキャンした名刺をsalesforceにデータとして取り込むことができ、名刺データ入力の負荷軽減と正確性向上を実現できる。

  • uSonar

salesforceの外部法人企業データを取り込むことができるソリューション。企業検索機能が充実しており業務用営業のアタックリスト作成に活用したり、外部DBを利用して法人情報の表記揺れ防止やデータ鮮度の向上に活用できる。

まとめ

過去最大の11社での開催でしたが、今回も非常に活発な意見交換がかわされました。アンケートでは「お客様どうしの意見交換」について26.7%のお客様が「役に立った」、73.3%のお客様が「とても役に立った」と回答いただきました。

この会をきっかけにお客様どうしの交流や新たな社内施策の検討が始まるなど、良いきっかけとなったようです。

今後もSalesforce利用の定着・推進のお役に立てるよう業界特化のご支援を継続していきたいと思います。

お客様の声

  • 他社事例を実際の画面を見ながら情報交換ができ、大変勉強になりました。
  • 各社の同じ様な立場の人との話し合いで抱えている課題等が分かり、アドバイスなどをし合えた点。
  • 少人数にグループ分けされていたため、発言しやすく議論が活発化し意見交換が大変しやすかった。
  • 各社苦労しながら取り組んでいる課題の解決方法について、遠慮無く公開してくれること。家庭用の営業マネジメント方法について多くの事例を紹介頂けたこと。
  • 消費財メーカーで同じような課題を持つ各社の取組を共有いただき勉強になりました。貴社からの機能紹介も勉強になり、当社での活用を検討したいです。
  • 他社様の事例は大変参考になりました。セールスフォースというより、業務改革に携わる知見が深まりました。

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