営業職を大きく分類すると「インサイドセールス」と「フィールドセールス」があります。この2つは目的や業務内容、アプローチ方法などに大きな違いがあるため、求められる役割も異なります。そのため、役割分担を明確にしたうえで、連携して分業することが営業成果を高めるポイントです。
本記事では、インサイドセールスとフィールドセールスの定義や違いといった基礎知識から、分業することのメリットまで網羅的に解説します。さらに、Salesforceが提唱する「The Model」をふまえ、インサイドセールスとフィールドセールスの連携を円滑にして生産性向上を実現するポイントを紹介します。
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なぜこの「インサイドセールス」が注目を浴びているのか、なぜ強い営業組織をつくるために有用なのか。「従来の営業スタイルが抱える4つの思い込み」から紐解きます。
目次
インサイドセールスとフィールドセールスの違いとは

インサイドセールスとフィールドセールスには、明確な違いがあります。営業活動を効率化し、成果を最大化するためには、この2つの違いを正しく理解することが不可欠です。ここでは、それぞれの定義や特徴を詳しく見ていきましょう。
インサイドセールスとは
インサイドセールスとは、電話やメール、オンライン商談ツールなどを活用して非対面で営業活動を行う手法および職種を指します。従来の訪問型営業とは異なり、オフィスから効率的に多くの見込み顧客にアプローチできるのが特徴です。
インサイドセールスの主な業務は、マーケティングが獲得したリードに対してアプローチを行い、購買意欲を高めて受注確度を上げていくことです。具体的には、見込み顧客との関係構築を図りながら、ニーズを引き出し、課題を明確化していきます。
また、確度が高まったリードを選別してアポイントを獲得し、受注につながりやすい商談を創出することが求められます。単にアポイント数を増やすのではなく、質の高い商談機会を生み出すことこそが、インサイドセールスの真の役割と言えるでしょう。
インサイドセールスの詳細については以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:インサイドセールスとは?役割やメリット・デメリット、成功事例をわかりやすく解説
フィールドセールスとは
フィールドセールスとは、顧客のもとに訪問して対面で営業を行う手法および職種です。以前からある営業スタイルで、直接顔を合わせることで信頼関係を構築しやすいという強みがあります。
ただし、最近はオンライン商談ツールなどを用いて非対面で商談を行うケースも少なくありません。コロナ禍を経て、Web会議システムの活用が一般化したことにより、フィールドセールスの働き方も多様化しています。
フィールドセールスは商談やプレゼン、社内稟議サポートなどを行い、受注まで進めるのが役割です。インサイドセールスから引き継いだ案件をクロージングまで導き、契約を獲得することが主な業務となります。
インサイドセールスとフィールドセールスの違い
これまでの内容をふまえると、インサイドセールスとフィールドセールスには以下のような違いがあることがわかります。両者の役割を明確に区別することで、営業組織全体の効率が高まるでしょう。
| 項目 | インサイドセールス | フィールドセールス |
|---|---|---|
| アプローチ方法 | 非対面営業(電話・メール・Web会議) | 対面営業(顧客訪問・オンライン商談含む) |
| 役割 | リードナーチャリング、リードクオリフィケーション | 商談プロセスの進行、クロージング |
| 業務内容 | リードへのアプローチ、購買意欲の醸成、アポイント獲得 | 商談・プレゼン、提案書作成、社内稟議サポート、受注獲得 |
| KPI | 新規商談数、リードの受注率、アップセル・クロスセルの受注率 | 受注数、受注金額、受注率 |
インサイドセールスとフィールドセールスが分業する組織体制

インサイドセールスとフィールドセールスはどちらも営業プロセスにおいて重要な役割を担うため、役割を明確にして分業体制を構築することで営業効率が高まります。それぞれが得意領域に集中できるため、組織全体としての成果も向上するでしょう。
具体的には、インサイドセールスはマーケティングが獲得したMQLに対してリードナーチャリングを行って商談を創出し、フィールドセールスへとトスアップします。この一連の流れを仕組み化することで、見込み顧客を効率的に受注へと導けます。
こうした分業体制は「The Model」の一部です。The Modelでは、マーケティングから始まる一連の営業プロセスを、それぞれの専門部門が担当することで、顧客体験の質を高めながら受注を最大化する仕組みを構築しています。
営業プロセスを分業する「The Model」とは
Salesforceが提唱する「The Model」とは、マーケティングからセールスまでのプロセスをを以下のように分業し、連携しながら案件を進めるビジネスモデルです。
- マーケティング
- インサイドセールス
- フィールドセールス
- カスタマーサクセス
各部門が専門性を発揮することで、営業組織全体の生産性を高められます。
このモデルでは、商品・サービスを認知する前段階から、契約して利用を継続する段階まで、一貫した顧客体験を提供できるのが強みです。顧客のステージに応じて最適な部門が対応することで、満足度の向上と効率的な営業活動の両立が実現できるでしょう。
The Modelについては以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:The Model(ザ・モデル)とは?用語と営業プロセスをSalesforceが解説
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イインサイドセールスとフィールドセールスを分業化するメリット

インサイドセールスとフィールドセールスを分業化することには、以下のようなメリットがあります。
- 営業効率を高められる
- 人材の育成・配置を最適化できる
- PDCAを回しやすくなる
営業効率を高められる
ひとりの営業担当者が初回アプローチからアポイント獲得、商談、クロージングまで担当すると、膨大な案件を抱えなければならなくなります。その結果、個々の案件に十分な時間をかけられず、成約率が低下してしまうでしょう。
分業して明確な役割分担すると、それぞれの役割に集中できるため営業効率が高まります。インサイドセールスはリード育成に、フィールドセールスはクロージングに注力できるため、各プロセスの質が向上するのです。
また、リードを獲得してすぐにインサイドセールスがアプローチするため、リードの取りこぼしを防げます。マーケティングが獲得した熱量の高いリードに対して、タイムリーに接触できることが強みです。
さらに、インサイドセールスが確度の高い商談を創出するため、フィールドセールスは重要度の高い商談に集中でき、結果として受注率も高まります。商談の質が向上することで、営業活動全体の効率が飛躍的に向上するでしょう。
人材の育成・配置を最適化できる
ひとりの営業担当者が一連の営業プロセスを担当すると、幅広いスキルが求められるため独り立ちするまでに時間を要します。
インサイドセールスとフィールドセールスは役割が異なるため求められるスキルも違うことから、分業できているとそれぞれに必要なスキルのみを教育すればよいでしょう。育成の効率化により、新人が戦力化するまでの期間を短縮できます。
また、インサイドセールスとフィールドセールスそれぞれ資質がある人材を配置できるため、得意な分野で活躍できパフォーマンスが向上します。コミュニケーション力に長けた人材をインサイドセールスに、プレゼン力や交渉力に優れた人材をフィールドセールスに配置することで、組織全体の力が最大化されるでしょう。
AIとデータ活用によるインサイドセールス人材育成法
セールスフォースのインサイドセールス責任者が、実際に行っているAIやデータを活用した人材育成法や、インサイドセールス経験者のキャリアパスと将来性について、10分程度の動画で解説しています。
PDCAを回しやすくなる
営業活動では、顧客情報や商談履歴などが属人化してブラックボックス化しやすいという課題があります。進捗管理がしにくく、なぜ失注しているのか分析もできない状態に陥りがちです。
さらに、営業に関するノウハウや成功事例も共有されないため、成果に偏りが生じてしまいます。トッププレイヤーだけが成果を出し、組織全体の底上げができないという問題も発生するでしょう。
インサイドセールスとフィールドセールスを分業すると、リードのナーチャリングやトスアップのためにそれまでのデータが必要となるため、必然的にデータを蓄積するようになります。情報共有が仕組み化されることで、属人化を防げるのです。
その結果、自社の営業プロセスにおけるボトルネックや成功パターンを分析しやすくなり、PDCAを回して営業力を底上げしていけます。データに基づいた改善活動により、組織全体が継続的に成長できるでしょう。
関連記事:PDCAサイクルとは?メリットや目的、古いと言われる理由を簡単に解説
インサイドセールスとフィールドセールスを分業にするデメリット

インサイドセールスとフィールドセールスで担当部署を分けるメリットがある一方で、分業には以下のようなデメリットもあります。
- フィールドセールス部門と連携する仕組みが必要になる
- 顧客と信頼関係を築きにくい
フィールドセールス部門と連携する仕組みが必要になる
見込み顧客の引き継ぎを行わないと二度手間やトラブルにつながります。高確度の見込み顧客を誘導するためには、フィールドセールス部門だけではなく、マーケティング部門との連携も必要です。
連携を強めるためには後述するSFAなどのツールを使い、見込み顧客の情報を一元管理し、可視化することが重要です。
適切なタイミングで引き継ぐことによって顧客の温度感が高い状態で情報を渡せるため営業担当が営業しやすくなり、その結果、受注率を高められます。
また、他部門との分断が起きないように行動できる営業マネージャーの育成が重要です。お互いに助け合い、協働が生まれやすい環境を作れると、分業の効果が期待できます。
顧客と信頼関係を築きにくい
最初の窓口であるインサイドセールス部門は非対面のため、顧客と信頼関係を築きにくいといったデメリットがあります。
非対面の場合、顧客の反応や心境変化がわかりにくく、コミュニケーションが取りづらくなる可能性があります。
インサイドセールス部門はアプローチの頻度を多くし、コミュニケーションのとり方も工夫するなど、顧客との信頼関係を築けるような努力が必要です。
メリット・デメリットをふまえたうえで、営業活動の分業体制を検討してみましょう。
インサイドセールスとフィールドセールスが連携する重要性

インサイドセールスとフィールドセールスの分業により、営業効率の向上が期待できます。それぞれが専門領域に集中することで、個々のパフォーマンスが高まるためです。
ただし、単に分業するだけではお互いの業務内容や成果を把握できず、目標達成が難しくなります。部門間の壁が生まれ、情報の断絶が起きてしまうでしょう。
明確な役割分担や情報共有の徹底、お互いの業務に対するフィードバックなど、密接に連携することが重要です。連携を強化することで、分業のメリットを最大限に引き出せます。連携する重要性は以下のとおりです。
- 商談の質を高められる
- リードタイムを短縮できる
- 顧客満足度を向上できる
- 施策の精度が向上する
商談の質を高められる
インサイドセールスがリードの購買意欲を高めた状態でフィールドセールスにトスアップするため、確度の高い商談を実施できます。温度感が高まったタイミングで引き継ぐことで、商談の成功率が向上するのです。
また、インサイドセールスがヒアリングした課題やニーズをもとに提案内容を考えられるため、リードの心に響く商談を行えるでしょう。事前に把握した情報を活用することで、的確な提案が可能になります。
リードタイムを短縮できる
顧客情報や商談経緯がリアルタイムで共有されることで、引き継ぎ時の情報伝達ロスや重複作業がなくなります。スムーズな情報連携により、営業プロセス全体のスピードが向上するでしょう。
さらに、リードのニーズにマッチした提案ができるため、短期間でクロージングまで進められます。顧客の検討期間を短縮し、効率的に受注へと導けるのです。
顧客満足度を向上できる
問い合わせから商談、契約、アフターフォローに至るまで、一貫性のあるスムーズな対応ができます。部門間で情報が共有されているため、顧客は何度も同じ説明をする必要がありません。
その結果、「自分のことをわかってくれている」「企業全体でサポートしてくれている」と感じ、顧客満足度向上につながるでしょう。顧客体験の質が高まることで、長期的な関係構築にも寄与します。
関連記事:顧客満足度とは?4つの評価指標やKPI、調査方法や成功事例を解説
施策の精度が向上する
インサイドセールスとフィールドセールスがお互いにフィードバックし合うことで、施策の精度を高められます。現場の声を反映することで、より効果的な営業活動が実現できるのです。
たとえば、インサイドセールスとフィールドセールスの間で「受注につながりやすいリードの特徴」や「インサイドセールスにヒアリングしておいてほしいこと」などをフィードバックし合うため、より成果につながりやすいアクションを立案できます。継続的な改善により、営業活動の質が向上していくでしょう。
インサイドセールスとフィールドセールスの連携体制を構築する5つのステップ

インサイドセールスとフィールドセールスの連携を成功させ、営業成果を最大化するためには、戦略的なアプローチと具体的な仕組みづくりが不可欠です。
以下の5つのステップに沿って、自社の体制を見直し、インサイドセールスとフィールドセールスの連携を強化していきましょう。
ステップ1:明確な役割分担と共通目標の設定
まず、インサイドセールスとフィールドセールスそれぞれのミッション(主要な任務)と具体的な役割範囲を明確に定義し、文書化します。
そのうえで、組織全体の最終目標であるKGIを共有し、そこからブレイクダウンする形で、各部門のKPIと両部門が共同で責任を負う「連携KPI」を設定します。
連携KPIの例
- インサイドセールスからフィールドセールスへの有効商談供給数(SQL:Sales Qualified Leadの数)
- SQLからの案件化率
- SQLからの受注率
- インサイドセールスが関与した案件の平均受注単価
インサイドセールスは単なるアポイント獲得数だけでなく、質の高い商談機会をどれだけ創出できたかを、フィールドセールスは引き継いだ商談をどれだけ受注に繋げられたかを評価に組み込むことで、自然と連携意識が高まります。
ステップ2: スムーズな情報共有の仕組み作り
企業情報や担当者情報、過去の対応履歴、現在の課題、ヒアリング内容、ネクストアクションなど、顧客に関するあらゆる情報を、両部門間でリアルタイムかつ正確に共有できる仕組みが不可欠です。
SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理システム)を効果的に活用しましょう。
SFA/CRM活用のポイント
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 入力項目の標準化 | 誰がいつ何を入力するのか、具体的な入力ルールを明確に定めます。「とりあえず入力」ではなく、「フィールドセールスが商談前に必ず確認したい情報」「インサイドセールスがフォローアップに必要な情報」など、目的を意識した項目設計が重要です。 |
| リアルタイム更新の徹底 | 商談後や顧客対応後、速やかに情報を更新する文化を醸成します。スマートデバイスからの入力しやすさなども考慮するとよいでしょう |
| ダッシュボード活用による可視化 | 連携KPIの進捗状況や各担当者の活動状況をダッシュボードで可視化し、両部門で共有することで、目標達成に向けた意識を高めます。 |
| 通知機能の活用 | 新規リードの割り当てやトスアップ時のアラート、重要顧客の活動変化などを自動通知する設定を活用し、対応漏れや遅れを防ぎます。 |
ステップ3: 「質の高いトスアップ」を実現する基準とプロセスの定義
インサイドセールスからフィールドセールスへ案件を引き継ぐトスアップの質は、その後の受注確度を大きく左右します。
どのような状態のリードを、どのタイミングで、どのような情報とともに引き渡すのかを明確にし、基準とプロセスを定義しましょう。
トスアップ基準(SAL/SQL定義)の明確化
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| SAL (Sales Accepted Lead) | マーケティング部門からインサイドセールス部門が「営業対応する価値あり」と認めたリード。 |
| SQL (Sales Qualified Lead) | インサイドセールス部門がヒアリングを通じて育成し、「フィールドセールスが具体的な商談を進めるべき」と判断した質の高いリード。このSQLの定義を具体的に定めることが重要です。 |
| BANT条件の活用例 | SQLの判断基準として、BANT条件(Budget:予算、Authority:決裁権、Needs:ニーズ、Timeline:導入時期)が一定レベル以上満たされているか、などを活用できます。 |
具体的なトスアッププロセスの策定
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 事前共有情報リストの作成 | フィールドセールスが商談に臨むうえで最低限必要な情報をリスト化し、必ずSFA/CRMに記録・共有します。(例:顧客の課題、検討背景、予算感、決裁フロー、競合情報、過去のやり取りの要点など) |
| トスアップミーティングの実施 | 特に重要な案件や複雑な背景を持つ案件については、インサイドセールスとフィールドセールスの担当者間で短時間の引き継ぎミーティングを実施し、ニュアンスや補足情報を直接伝える機会を設けます。 |
ステップ4: 定期的な会議とオープンなフィードバック文化の醸成
ツールやルールを整備するだけでは、インサイドセールスとフィールドセールスの連携は円滑に進みません。両部門の担当者が顔を合わせ、定期的にコミュニケーションを取る場を設けることが重要です。
連携会議のポイント
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 開催頻度と参加者 | 週に1回または隔週に1回など、定期的に開催します。各部門のマネージャーと主要メンバーが参加し、現場の声を吸い上げられるようにします。 |
| オープンなフィードバック | 「リードの質が悪い」といった一方的な批判ではなく、「どのような情報があればもっと商談しやすかったか」「このアプローチは有効だった」など、具体的かつ建設的なフィードバックを双方向で行える心理的安全性の高い場を作ることが大切です。 |
ステップ5:継続的な人材育成とスキルアップ支援
インサイドセールス、フィールドセールスそれぞれに求められる専門スキルは異なりますが、連携を成功させるためには、お互いの業務を理解し、尊重し合う姿勢が不可欠です。
人材育成や支援のポイントは、以下のとおりです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| インサイドセールス向け | ヒアリングスキル、ニーズ喚起力、クレーム処理スキル、簡潔な製品説明力、SFA/CRM活用スキルなどの研修を実施します。 |
| フィールドセールス向け | 課題解決型の提案スキル、高度な交渉力、クロージングスキル、プレゼンテーションスキル、SFA/CRMからの情報読解・活用スキルなどの向上を支援します。 |
| ジョブローテーションや同行研修 | 短期間でもお互いの業務を体験したり、フィールドセールスの商談にインサイドセールスが同行したりすることで、相互理解を深めることができます。 |
| 連携の成功事例や貢献を称賛する文化 | 連携によって大きな成果が出た際には、関係者を称賛し、成功体験を共有することで、連携へのモチベーションを高めます。 |
これらのステップを参考に、自社の状況に合わせて具体的なアクションプランに落とし込みましょう。粘り強く改善を続けることで、インサイドセールスとフィールドセールスは最強の営業タッグになり得ます。
インサイドセールスとフィールドセールスの連携が失敗するパターンと成功ポイント

インサイドセールスとフィールドセールスの連携がうまくいかない原因には、いくつかの共通パターンがあります。これらを理解して適切に対処することで、連携体制を成功に導けるでしょう。ここでは、よくある失敗パターンとその解決策を紹介します。
役割や目標の共通認識ができていない
インサイドセールスはアポイント獲得数、フィールドセールスは受注額、というように、目先の目標を追うだけになっているケースがあります。各部門が独自の指標のみを追求すると、全体最適が損なわれてしまうでしょう。
部門間の目標が連携しておらず、結果として「質の低いアポの量産」や「引き継ぎ後の放置」が発生します。インサイドセールスは数を優先し、フィールドセールスは自分で見つけた案件を優先してしまうのです。
また、役割が明確に分かれていないために、「ここまでやってくれると思っていた」という認識のズレが生じ、部門間で軋轢が生まれてしまいます。お互いへの不満が蓄積し、協力体制が崩壊するリスクがあるでしょう。
【解決策】業務範囲と目標設定を明確にする
インサイドセールスとフィールドセールスのやるべきことを明確にし、役割を線引きする必要があります。どこからどこまでを誰が担当するのか、明文化して共有しましょう。
さらに顧客対応フローを作成して、トスアップのタイミングを明確にしておくことも重要です。具体的な基準を設けることで、迷いなく引き継ぎができます。
「質の高いアポイントがなければ受注にはつながらない」「引き継ぎ時に正確な情報を共有することで受注率が高まる」といった前提を理解し、お互いの目標が関連し合っていることを理解することが大切です。
The Modelでは、インサイドセールスのKPIがフィールドセールスのKPIの母数となっているため、自然と連携意識が生まれます。このような仕組みを取り入れることも効果的でしょう。
情報共有が形骸化している
情報共有の仕組みが構築されておらず、リードの引き継ぎがうまくいかないケースも多く見られます。ツールは導入したものの、活用されていない状態です。
せっかく商談を創出できても、対応の遅れ・漏れが発生してしまいます。タイムリーな対応ができず、せっかくの機会を逃しかねません。
さらに、リードについての情報を把握できないまま商談に臨み、ニーズにマッチしない提案をしてしまうこともあるでしょう。事前の情報不足により、商談の質低下を招きます。
【解決策】適切なツール導入とルール設定をする
インサイドセールスとフィールドセールスが連携するには、正確な情報共有が欠かせません。SFAやCRM、MAなどの適切なツールを活用し、情報共有の土台を整えましょう。
そのうえで、ツールに入力する項目やタイミングなどを明確にしておくことで、リアルタイムで正確な情報を共有できます。運用ルールを定めると、形骸化を防げるでしょう。
各ツールの特徴は以下の通りです。
| ツール | 主要機能 |
|---|---|
| ツール | 主要機能 |
| SFA(営業支援システム) | ・顧客情報や営業ステータスの一元管理 ・営業メンバーの行動管理 ・売上の管理・予測 ・営業データの蓄積・分析 ・顧客へのメール配信 |
| CRM(顧客関係管理システム) | ・顧客情報管理 ・メール配信 ・問い合わせ管理 ・データ分析 |
| MA(マーケティングオートメーション) | ・分析の自動化 ・カスタマージャーニーの可視化 ・興味関心に合ったメールを送信 |
Salesforceが提供する「Sales Cloud」と「Marketing Cloud」を活用することで、マーケティングから営業までの一連のプロセスを統合的に管理できます。これらのツールの導入により、インサイドセールスとフィールドセールスの連携が飛躍的に向上するでしょう。
5分で学ぶシリーズ SFA・CRM編
こちらの5分で学ぶウェブセミナーでは、SFA・CRMの基本的なポイントをデモンストレーションでご紹介します。
インサイドセールスとフィールドセールスの連携成功事例

インサイドセールス部門とフィールドセールス部門を連携させた成功事例について紹介します。ぜひ連携体制構築の参考にしてください。
- Sansan株式会社
- 株式会社ビズリーチ
- 株式会社エイトレッド
Sansan株式会社
Sansan株式会社は、名刺管理をはじめとしたさまざまな機能で営業課題を解決できる営業DXサービスを提供する会社です。
同社はインサイドセールス導入において多くの壁に直面しました。とくに大きかったのがKPIの壁です。たとえばインサイドセールスがアポイントを多く獲得し、引き渡しても、営業はほかの案件に追われているため、新規のアポイントに対応できないという状況が生じていました。
そこで、同社はインサイドセールスの第一指標を案件の受注金額の合計値である受注貢献額に変更することで壁を乗り越えました。今後は、顧客からの情報を深掘りし、フィールドセールスに引き渡すことに注力していくそうです。
関連記事:事例で分かるインサイドセールス Vol.1 Sansan株式会社編
株式会社ビズリーチ
株式会社ビズリーチは、スカウトで希少・高年収な求人紹介サービスを提供する会社です。
インサイドセールス導入においては、商談金額や受注金額をKPIに加えると、営業の力量に左右される点が課題でした。
そこで同社は、一定以上のスキルを持つ営業担当者のみに商談を引き渡す体制を構築しました。
また以下のようにインサイドセールスに対しては、マーケティング戦略に沿ったKPIを設定し、連携がスムーズにいくようにしています。
- 提案難易度の高いプロダクト、注力プロダクトは3ポイント
- 別の商材は1ポイント
株式会社エイトレッド
株式会社エイトレッドは、社内業務を飛躍的に効率化するワークフロー製品を提供する会社です。インサイドセールスは、社員である部門リーダーと、時短勤務をしている派遣社員の2名が担当しています。
同社の課題は「教育の壁」でした。蓄積されたノウハウをドキュメント化することで解決できたそうです。立ち上げた当初は、マネージャーと部門リーダーで電話対応のシミュレーションを重ねることで状況に応じた対応ができるようにしました。
また、製品知識は営業同行を通じて学習してもらったり、ウェブ会議での商談へ出席してもらったりすることで教育効果を高めています。
インサイドセールスとフィールドセールスの連携を強化しよう
インサイドセールスとフィールドセールスは同じ営業職でも、目的やアプローチ方法などに違いがあります。両者の違いを活かして分業することにより、それぞれの得意分野に集中できるため営業効率が向上するでしょう。
ただし、密接な連携をしなければ分業しても成果につながりません。役割分担や目標設定の明確化、そしてSFA/ CRMやMAツールの活用により、連携を強化しましょう。Salesforceでは貴社の営業組織に合わせたツール選定から導入サポート、さらに運用支援まで行っております。まずはお気軽にお問い合わせください。
また、以下からお問い合わせも可能ですので、営業支援や案件管理のツール導入を検討している方は、お気軽にご相談ください。
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