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【Salesforce in Public Sector】社会福祉施設等の指導検査業務におけるSalesforce活用

日本の公共機関を取り巻くデジタル環境と、そこに向けてSalesforceが支援できることをシリーズで解説していきます。第1回は「社会福祉施設等の指導検査業務におけるSalesforce活用」についてです。

みなさん、こんにちは。セールスフォース・ジャパンで公共機関を担当する田代です。

本記事では、「Salesforce in Public Sector」と題し、日本の公共機関のみなさまのデジタル化およびAI活用の検討に役立つ情報やSalesforceが貢献できることを主要なテーマを設定して、お届けしていきます。

中央省庁や地方公共団体、大学、NPOなどの公共機関において、DX/AX推進の実務を担うプロジェクトリーダーや、現場の業務改善を模索している担当者を読者として想定しています。ご自身の組織で実践可能な知見を見つけていただくための情報源としてぜひご活用ください。

第1回は、社会福祉施設等の指導検査業務におけるSalesforce活用についてです。

指導検査業務で検討中の「共通化」とは

内閣官房が事務局を務める「デジタル行財政改革会議」では、急激な人口減少の対策として、利用者起点で行財政の在り方を見直し、デジタルを最大限に活用して公共サービスなどの維持・強化と地域経済の活性化を図り、社会変革を実現するためのさまざまな事柄が議論されています。

この会議の下に、「国・地方デジタル共通基盤推進連絡協議会」が設置されています。この連絡協議会では、人口減少社会においても公共サービスをデジタルの力で維持・ 強化していくために、約 1,800 の地方自治体が個々にシステムを開発・所有するのではなく、国と地方が協力して共通システムを開発。それを幅広い地方自治体が利用する仕組みを広げていくことが重要であるとの観点のもと、共通化の対象候補の選定や運用実態、実現可能性の調査などの検討が行われています。

この連絡協議会において、令和6年度と7年度に、さまざまな共通化対象システムが選定され、対象候補に対する実現可能性の調査など、各種検討が制度所管省庁で実施されています。

令和6年度と令和7年度の対象候補は以下の図のとおりです。

出典:
・令和6年度:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_gyozaikaikaku/kyotsu12/kouho_r6.pdf

・令和7年度:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_gyozaikaikaku/kyotsu12/kouho_r7.pdf

社会福祉施設等に対する指導検査業務システムに関する調査結果

社会福祉施設等に対する指導検査業務は、令和6年度に共通化対象候補として選定され、

令和7年度にその業務を支援するシステムの調査事業が実施されました。そして、令和8年3月26日にデジタル庁から共通化の実現可能性に関する結果が公表されました。

国・地方デジタル共通基盤の整備・運用における社会福祉施設等に対する指導検査業務システムに関する検証について

この調査・検証の過程では、業務実態の把握と複数の共通化実施方式を想定した調査が実施されました。

社会福祉施設等に対する指導検査業務の実態として、検査対象となる施設数は増加している一方で、業務の担い手である職員数は横ばいであることや、業務プロセスにおいて以下の課題があることが明らかになりました。

  1. データ管理(事業所からのフォーマットにばらつきがある。データが一元管理されていない)
  2. 知見/制度(関連する法令・基準が多岐にわたりチェック項目が膨大で時間がかかる)
  3. 体制 (人員が不足している。人事ローテーションの中で教育も十分できていない)

調査の詳細は、報告資料をご覧いただければと思いますので割愛しますが、本検証は、「全国一律のシステム導入以外の方法が、選択肢として考えられる」という結論で締めくくられています。

この結論に至った要因の1つとして、指導検査業務に適用可能な民間SaaSが提供されており、地方公共団体がすでに利用可能であることが述べられています。そして、この民間SaaSの一例としてSalesforceの「Agentforce Public Sector」が紹介されています

出典:国・地方デジタル共通基盤の整備・運用における社会福祉施設等に対する指導検査業務システムに関する検証について

指導検査業務に活用可能な「Agentforce Public Sector」とは

民間SaaSの一例として紹介されている「Agentforce Public Sector(APS)」は、公共機関特有の業務に特化したSalesforceが提供するSaaSであり、全世界で1,000を超える公共機関にご利用いただいている実績豊富なサービスです。

指導検査業務を含む12の業務テンプレートが存在しており、このテンプレートを活用することで、公共機関のみなさまは素早くシステムを構築することが可能です。(2026年5月現在)

APSは、指導検査業務に必要なデータモデルをテンプレートとして提供するだけでなく、公共機関ごとの特性にあわせた操作しやすい画面を簡単に作成可能な「コンポーネント」と、組織内での決裁を支える「ワークフロー」の機能を備えています。

「データモデル」と「コンポーネント」、「ワークフロー」を活用することで、公共機関の業務の多くをAPSでカバーすることができます。指導検査業務ひとつとってみても、社会福祉施設等への検査対応だけでなく、介護サービス事業者への運営指導、保育所・認可外保育施設への指導検査、産業廃棄物処理業者への指導・立ち入り等への適用も可能であり、非常に多くのユースケースに対応可能です。

APSの魅力は、充実した機能だけではありません。価格についても公共機関向けの価格設定がなされており、高いコストパフォーマンスを発揮できることも魅力のひとつです。

APSは、ユーザーの業務内容や役割に応じて、価格設定が異なるいくつかのライセンスの中から最適なライセンス種別を選んでいただく形となっています。

例えば、限定的な業務実施や承認のみを行うユーザーなどが主に利用する想定である「Employee Experience for Public Sector(EX4PS)」は、Salesforceの従来のライセンスである「Lightning Platform Starter」相当以上の機能を提供していますが、Lightning Platform Starterの定価の40% Offで利用可能です(2026年5月現在)。

また、EX4PSは利用するユーザー数に応じた課金のみならず、利用頻度ベースでの課金モデルに対応したライセンスも提供しています。

これにより、利用者数は多いが年間で数回しか使わないようなシステムでも、コストパフォーマンスよくSalesforceで構築することができます。

APSでは、Salesforceが提供するAIエージェントプラットフォーム「Agentforce」も利用可能です。指導検査業務における適用イメージは、以下のようなユースケースが想定されます。これらのユースケースは、APSの標準機能で実現できたり、コーディングをせずに実装可能なものがほとんどです。

  1. 計画策定と優先順位付け
    1. リスクベースの対象選定: 過去数年分の検査結果、不祥事のニュース、職員の離職率データなどをAIに学習させ、「問題が発生する可能性が高い施設」を自動でスコアリングします。これにより、重点的に検査すべき施設の選定をAIが提案します。
    2. 自動集計とレポート作成(実績管理): 期末の集計作業をAIエージェントが自動で行い、関係省庁への報告フォーマットや、ホームページ公表用のサマリーを自動生成します。
  2. 事前提出資料の自動チェック
    1. 形式不備の自動検知: 提出された書類の「必須項目の空欄」「計算ミスの疑い」がないかを瞬時に判別します。不備がある場合は、施設側へ修正依頼メールを自動で下書きすることも可能です。
    2. 要約と論点抽出: AIが事前提出資料を読み込み、「過去の指摘事項が改善されているか」「財務状況に不自然な点はないか」を要約して職員に提示します。「訪問前準備」の時間を大幅に短縮できます。
  3. 実地検査中のリアルタイム支援
    1. 音声認識による自動メモ・議事録: 検査員と施設職員の会話をAIが録音・文字起こしし、チェックリストの項目に関連する発言を自動で紐付けます。
    2. 法令・ガイドラインの即時照会: 現場で判断に迷う事例が発生した際、AIエージェントに音声で質問(例:「〇〇設備の設置基準は?」)すると、膨大なガイドラインの中から即座に該当箇所と回答を提示します。
  4. 評価・結果通知書の自動生成
    1. チェックリストからのドラフト作成: 現場で入力したチェック内容やメモを基に、「指導検査結果通知書」の文章をAIが自動生成します。職員はAIが作った下書きを確認・修正するだけで済むため、事務時間を大幅に削減できる可能性があります。
    2. 改善報告書の妥当性判定: 施設から提出された「改善報告書」の内容が、指摘事項に対して適切に対応しているかをAIが一次判定します。

こうした先進的な生成AI機能も含め、APSは、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(通称:ISMAP)の認定を取得済みです。政府が求めるセキュリティ要求を満たしており、公共機関のみなさまに安心してクラウドサービスをご利用いただける環境が整っています。

また、APSはデジタル庁が整備している「デジタルマーケットプレイス(通称:DMP)」のカタログサイトにも掲載されており、DMP経由でライセンスを調達いただくことが可能です。

APSは、社会福祉施設等に対する指導検査業務におけるシステム化と徹底的な業務効率化を実現できる強力なソリューションです。また、社会福祉施設以外への類似の指導検査業務や、指導検査以外の許認可、給付や助成金管理などの公共機関特有の様々な業務に適用することが可能です。

APSは日々進化を続けています。今後もさまざまな機能追加が予定されていますので、今後もこのブログでもAPSに関する最新情報を定期的にみなさまにお届けしていきたいと思います。

Agentforce Public Sector

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