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日本のお客様を大切にする職種、Salesforceの「Product Manager(PM)」を知る8つの質問

Salesforceの各プロダクト・サービス、職種の特徴をセールスフォース・ジャパンの専門家にわかりやすく説明してもらう「教えて!エキスパート」。第4回は、プロダクトマネージャー(PM)の真野知子が、あまり馴染みがないPMという職種を解説します。

Key Takeaways

This summary was created with AI and reviewed by an editor.

セールスフォース・ジャパンには、「Product Manager(PM、プロダクトマネージャー)」という職種があります。世界標準のプロダクトに、日本企業の声を生かす橋渡しを担う稀有な役割です。

真野は前職、本社でPMをしていた頃にいちばん遠い存在は「顧客」だったといいます。そんな中、いまは日本のお客様のいちばん近くで、その声を世界の製品に変えています。自らもPMでありディレクターを務める真野が、その仕事を紹介します。

そもそもAgentforceって何?3分でつかむAIエージェントの基本

記事の中で何度も登場する「Agentforce」。これはSalesforceが提供する自律型AIエージェントで、日本のお客様の要望を反映しながら進化を続けています。まずは3分の動画で、その全体像をつかんでみませんか。

Q1.プロダクトマネージャー(PM)とはどんな職種?

主に3つあります。

1つ目は、本社が開発したプロダクトの特徴や優位性を、お客様および社内にわかりやすく正確に伝えること。認知と理解の促進です。

2つ目は、プロダクトを日本で使える状態に仕上げること。日本語環境で使ったときに不具合がないかなど、日本のお客様が快適に使えるよう、本社と一緒にパイロットプロジェクトを進め、検証する工程を担います。

3つ目は、日本のお客様の要望を収集し、改善点をまとめて本社にフィードバックすることです。グローバル標準で開発されたプロダクトゆえに、各地域のお客様の細かなニーズにお応えしきれない場合が出てきます。そうしたお客様の要望や期待を収集・分析し、本社プロダクトに盛り込むようにする。そうして製品を進化させるのもPMの仕事です。

1つ目は本社のPMと同じ役割ですが、2つ目と3つ目は地域(日本)独自のミッション。ですので、時にセールスフォース・ジャパンのPMは「Regional PM」とも呼ばれています。外資系のテック企業で、このRegional PMを設置している企業はあまりありませんので、Salesforceの特徴だと思います。

Q2.プロダクトマーケティングマネージャー(PMM)とは何が違うの?

PMMは、「Product Marketing Manager」の略称です。Marketingという単語が加わっていることから想像いただけるかもしれませんが、PMMはその製品の価値をどう伝え、どのように販売していくかを企画することに主眼を置いています。

整理すると、PMが「新プロダクト・新機能を日本で立ち上げる」役割で、PMMは「プロダクトが売れる環境を作る」役割。両者は車の両輪のような関係ですので、常に密な連携を取り合う間柄です。

Q3.顧客にはどんな価値があるの?

第1に、安心感です。日本のお客様にとっていくら優れたプロダクトでも、“海外”のプロダクトを採用することにはさまざまな不安があると思います。日本語で問題なく操作できるのか、サポート体制はしっかりしているのか……。

そうした不安に対して、私たちが日本のお客様の要望に応える役割を担っているとお伝えすることで、安心していただけます。そしてこの安心は、口先の約束ではありません。私たちは実際に、日本のお客様の声をかたちにしてきました。その実例は、後ほどお話しします。

第2に、リエゾン(橋渡し役)としての価値です。先ほどお話ししたように、本社と日本の間に立つことで、お客様の声を本社へ的確に届けて反映でき、より快適にお使いいただけるようになります。

お客様からの困りごとを、日本の営業担当者がそのまま本社のプロダクトチームに伝えても、響かないことがあります。

そこで私たちがプロダクト開発の視点に立ち、なぜそれが必要なのか、お客様のどのような困りごとを解決するのかを分析し、そしてその要望を製品に取り入れることで、どれくらいのビジネス価値があるのかなどの観点を整理します。

私たちが日々、現場からの要望を開発側がわかる共通言語、プロトコルに変換し、日本の状況を伝え続けることで、「この人が言うなら、ちゃんと精査された話だ」と本社にも受け止めてもらえるようになります。

Q4.世界中から要望が集まる中で、日本のお客様の声をどう届けるの?

おっしゃる通り、本社のPMには「この機能、このテクノロジーを実装してほしい」という声が世界中から届きます。その中で、日本の優先順位をどう上げていくか。

それにはまず、本社のPMが抱える「3つの悩み」を理解する必要があると考えています。

1つ目は、世界中から届く「自分の国の要望が一番重要だ」という主張の中から、優先順位をつけなければならないこと。2つ目は、各地域の現場から遠く、その要望が「Nice to have」なのか「Must have」なのかを肌感覚で判断できない、解像度の欠如。そして3つ目は、各地域独自の要望は調べるだけで膨大な工数がかかり、手を出しづらいことです。

この3つを踏まえたうえで、私たちが実践するのは主に3つです。

①データで語る

本社のPMが優先順位を上げるための”武器”を、こちらで用意します。お客様の声(VOC)を商談情報に紐づければ、「この声を求めるお客様が何社あり、影響する商談金額はいくらか」までインパクトとして示せます。

「声の大きい人が言うから」ではなく、ちゃんと理屈がある。だから納得してもらいやすいのです。お客様自身が要望を投稿し、投票で実装が決まっていく「IdeaExchange」も、この思想の延長にあります。

②文脈を翻訳する

日本の商習慣を、本社のPMが理解できるストーリーに落とし込みます。カギは「Jobs to be done」。「この機能が欲しい」ではなく「何が課題で、何を解決したいのか」を伝え、手段である機能はあくまで一案として添える。

PMは「何をやるか」を決め、エンジニアは「どうやるか」を決める。だから私たちは、課題を語ります。

③コミュニティ・仲間をつくる

結局、最後は人です。本社側では担当PMと結託し、そのマネージャーまで巻き込む。日本側では製品営業もSEも味方につけ、「PMひとりではなく、ONE TEAMで叶えるVOCだ」と考えます。

こうした活動を続けて、本社と信頼関係を築くことで、日本のお客様の声を反映してもらいやすくしています。

7年かけて実現したLINE連携、実際の姿を見てみる

真野が「入社から要望実現まで7年」と語ったLINE連携。日本のコンタクトセンターに根づくこのチャネルを、AgentforceがどのようにAIエージェントで自然に応答するのか、デモでご確認いただけます。

Q5.PMで経験した印象深い仕事は?

たくさんありますが、その中でも2つ紹介します。

1つは、LINE連携です。日本のコンタクトセンターではメールや電話、チャットなどのチャネルだけでなく、LINEも重要な顧客とのチャネルになっています。

ただ、米国から見れば「LINEって何?」という感覚で、最初はなかなか相手にされませんでした。日本から要望が上がり始めてから実現まで、実に7年。私が入社してからも、3年を費やしました。

それでも「日本にはこれだけのビジネスインパクトがあり、連携すればこれだけの価値になる」と交渉し続けたのです。本社のプラットフォーム刷新のタイミングともかみ合い、2025年にようやく一般提供を開始できたことは、エポックメーキングな出来事でした。

もう1つ、忘れられない仕事があります。昨年、あるAI製品の日本語対応をローンチしたときのことです。

発表の舞台は、2025年の「Agentforce World Tour Tokyo」の基調講演。ところが当日、会場へ向かう電車の中で、本社のカウンターパートから突然メッセージが届きました。

「日本語のローンチが難しい」。

講演のわずか2時間ほど前です。その場は表記を一部見直すことで切り抜けましたが、需要の高いプロダクトです。すぐに本社と会議を組み、社内のカスタマーサクセスやプロフェッショナルサービス、パートナーまで巻き込んで、最重要事項として検証を進めました。そして約2か月半でやり切り、無事に一般提供開始までこぎ着けたのです。

このチームがいなかったら、ずるずると先延ばしになっていたかもしれません。世界最新のプロダクトを、日本のお客様が安心して使える状態にして届ける。それを最後まで諦めずにやり切るのも、Regional PMの大事な役割だと思っています。

Q6.PMに求められるスキルとは?

主に3つあると思います。

1つは、プロダクトを理解する力。細かい仕様だけでなく、本社がどの方向を目指しているのかまで掴むことが大切になります。

2つ目は、お客様の声を理解する力。営業担当者が「お客様はこう言っている」と伝えてきても、それが本当に求めているものとは限りません。たとえば「絶対にこのボタンは赤じゃないとダメ」と言われても、なぜ赤なのか。もし分かりやすくするのが目的なら、縞模様でもいいかもしれない。お客様の本当の困りごとを掘り当てる力が必要です。

3つ目は、本社と交渉し、関係を築くコミュニケーション力。そして、最後が営業の売り方や市場ニーズを捉える力です。

この3つが揃うと、誰かに指示されなくても「製品はこうで、顧客の声はこうで、営業はこう売りたい。ロードマップ上、次はこれが課題になる。だから数か月前から関係者と動こう」と、自ら先回りして仕事をドライブできるようになります。

もっとも、1人で完璧にこなせるものではありません。製品営業やSEと協業し、お互い助け合うことも欠かせません。

Q7.どんなキャリアにつながるの?

Regional PMの先には、さまざまな道があります。特徴的なのは、本社にとても近い場所で働けること。ここからグローバルの本社へ移る人もいれば、マネージャーや、人材育成を担うイネーブルメントへ進む人もいます。

入り口も多様で、SE(セールスエンジニア)出身のメンバーが多いのも特徴です。プロダクトを深く理解し、お客様と本社の両方に向き合った経験は、その後どんな役割に進んでも生きてきます。

さまざまな部署と接点を持ち、世界最新のテクノロジーに最前線で触れられる。プロダクトマネジメントに関心のある方にとって、これほど学びの多いポジションはなかなかないと思っています。

Q8.セールスフォース・ジャパンのPMで働く醍醐味は?

まずSalesforceという企業は非常にスピードが速い。プロダクトのアップデートが目まぐるしいですし、新しいテクノロジーやプロダクトもどんどん出てきます。

私はセールスフォース・ジャパンに籍を置いて、約5年になりますが、15年分の経験を積んだような気がします(笑)。最新のテクノロジーが好きな人には、これ以上なく刺激的な日々を過ごすことができます。

そのうえで、PMという職種は、日本のお客様により良い環境を提供するためにプロダクトの最前線に立ち、国内外問わず、さまざまな役割のメンバーと一緒に働きます。日本の営業やSE、カスタマーサクセス、そして本社や他地域のPM……。実に多彩な仲間に囲まれた仕事です。

ドラゴンクエストってゲームがあるじゃないですか? 私はやったことはないのですが、敵を倒すためにさまざまな得意分野を持つメンバーを束ねてゲームを進めると思いますが、その中で、PMは勇者だと思うんです。

攻めるのが得意な人もいれば、守るのが得意な人、呪文が得意な人などさまざまなメンバーがいる中、勇者はそれぞれのメンバーの得意分野の力には及ばないものの、チームをまとめ上げることには長けている。

PMはまさにそんな役割だと思っていますし、そうでありたいと思っています。そんな仕事がグローバルのステージでできることが最大の醍醐味だと思っています。

取材・執筆:木村剛士
撮影:大橋友樹

日本のお客様の声が反映されたAgentforce、実際に見てみる

真野をはじめとするRegional PMたちが本社と交渉を重ね、日本のお客様の声を反映してきたAgentforce。人材不足の解決や労働革命をもたらすAIエージェントの実際の姿を、デモでご覧いただけます。