Skip to Content

定量化とは?ビジネスにおける意味と定性化との違いをわかりやすく解説

定量化とは、通常は数値で表さない定性的データを数値などの客観的尺度で表すことです。本記事では、ビジネスにおける定量化の意味と定性化の違いをわかりやすく解説します。

定量化とは、もともと数値で表さない、または表せないデータを数値や客観的な尺度を使って表すことを指します。

ビジネスでは、消費者の心情や商品の評価などがテキストベースで表現されます。これを定量化すると分析が容易になり、商品や事業の改善に向けたPDCAサイクルの回転速度を向上させられるはずです。

そのため、マーケティングや営業など、普段数値で表さないデータが数多く集まる部門では、分析の前に定量化が必要になります。

本記事では、ビジネスにおける定量化の意味と定性化の違いを解説します。定量化の方法も簡単に紹介するので、参考にしてみてください。

今すぐSFAが必要な 5つの理由

本資料では、営業活動によくある5つの問題点を取り上げ、具体的な企業の事例を交えながら、SFA活用のメリットについて詳しく解説します!

定量化とは

定量化とは、対象の性質や変化を数値をはじめとする客観的な尺度で表すことです。

たとえば、顧客アンケートの内容を5段階評価でスコアリングして顧客満足度を表したり、従業員のモチベーションを数値で可視化したりすることが該当します。

このように、もともとは主観的・感覚的だった情報を具体的な数値に置き換えることで、比較や分析がしやすくなります。

定量化は、評価や判断に再現性を持たせるための手段であり、改善活動や意思決定の精度を高めるために重要です。定量化によってデータ分析が促進されることで、PDCAサイクルの回転速度を向上させることにもつながります。

定性化との違い

定量化と定性化は、情報を表現する方法が違います。

定量化は、売上金額や顧客数など「具体的な数値や尺度」を使って表現します。

一方、定性化は、顧客アンケートの文章や口コミなど「言葉や印象」を使って情報を表現する手法です。

定量化は客観的な評価に強く、データの傾向や成果を数値で比較できます。

これに対し、定性化は主観的な背景や理由を理解するのに適しており、事情や感情など数値化できない情報を詳しく深掘りすることが可能です。

両者は使い分けや併用が重要です。たとえば、アンケートではスコア(定量)と自由記述(定性)を併用することで、数値だけではわからない気づきを得られます。

数値化との違い

定量化と数値化は、作業範囲が異なります。

数値化は、単に情報を数字に置き換えることです。

一方、定量化は、定性的情報を数値に置き換えて、尺度として活用できる形に整理・分析することも含みます。

たとえば、満足度を5段階で評価する指標を設計するのが定量化であり、ただ点数を記録するだけでは数値化に留まります。

定量化は、誰が見ても同じように理解できる共通の基準を整えることが目的です。扱う情報に応じて、適切な評価軸を設定することが求められます。

ビジネスにおいて定量化が重視される理由

ビジネスにおいて定量化が重視されるのは、誰が見ても同じ基準で判断できる「客観性」が生まれるためです。個人の感覚や主観に左右されず、納得感のある評価や意思決定が可能になります。

これにより、定量化によって組織内での共通認識が持てるようになり、誤解を防ぎながら目標管理やチームマネジメントを遂行可能です。

また、状況の変化や成果の有無を可視化できることも大きな理由です。数値で比較・分析できることで改善点が明確になり、PDCAを回しやすくなります。

これらは、結果的にビジネスの成長につながるため、定量化を用いたデータ活用が重視されるのです。

以下の記事では、定量化を含めたビッグデータの活用事例を解説しているので、あわせてご覧ください。

ビッグデータ活用の本質とその進め方 ~城崎温泉の事例にみるデータ活用のポイント~

定量化の活用例

定量化は、以下のような場面で活用されます。

  • 目標管理
  • 品質管理
  • 人事評価

「定量化すべき情報がわからない」「定量化の効果が知りたい」という方は、参考にしてみてください。

目標管理

目標管理では、目標の達成度を「定量的な指標」で管理することが重要です。

たとえば「月間売上100万円を達成する」「顧客満足度を90%以上に維持する」など、目標を数値化することで、進捗状況を客観的に把握できるようになります。目標を迅速に達成するために、プロセスごとにKPIを立てるという形で運用されるのが一般的です。

定期的に定量化した目標を追うなかで、数値が思うように伸びないタイミングですぐに課題を探り、対策を講じる流れを作れるはずです。その結果、課題発見と改善のスピードが上がり、企業の成長が促進されます。

また、チーム内で目標の進捗や成果を同じ基準で共通認識を持てるほか、常に目標を意識した業務の遂行にもつながります。

品質管理

品質管理では、製品の不良率や納期遵守率といった指標を数値で管理することに加え、定性的な情報も定量化して活用することが重要です。

たとえば、クレームの内容を「梱包不備」「破損」「説明不足」などに分類し、件数を集計することで品質の傾向が見えてきます。作業工程ごとにトラブルの発生頻度を可視化すれば、改善すべき優先順位が明確になります。

こうした定量化の活用により、効率的かつ的確な品質改善を実現することが可能です。

以下の記事では、自動車業界における品質管理手法を紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。

自動車業界に学ぶ8Dレポートなどを用いた品質管理手法

人事評価

人事評価においては、勤怠状況や業績、行動指標などを定量化して、公平かつ公正な評価基準を構築できます。

たとえば「売上目標の達成率」や「遅刻・早退の回数」など、客観的な数値を用いて評価基準を明確にすれば、従業員が評価向上に向けて取り組みやすくなります。

評価における「頑張り」や「積極的」といったあいまいな表現も、行動の頻度や具体的な成果で表現し、可視化することが可能です。こうした客観的基準をベースに評価されたのであれば、従業員も納得感を得られます。

また、チームへの貢献度や取り組み姿勢などの定性的な要素をスコア化すれば、より多面的に評価できるでしょう。

定量化した人事評価基準の運用と評価は、従業員は「自分を見てくれている」「正しく評価してもらえている」と感じやすく、エンゲージメントの向上にもつながります。

従業員エンゲージメントを高める方法は、以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

従業員エンゲージメントとは?ビジネス上の意味や測定方法、高める方法を解説

定性データを定量化する方法

定性データを定量化する方法を簡単に3ステップで紹介します。

  1. スコアリングを行なう
  2. イベントの発生頻度・回数を集計して定量化する
  3. 定量化したデータを可視化する

定量化したい情報と置き換えながら、実際に定量化に挑戦してみてください。

1.スコアリングを行なう

定性データを定量化するときは、まずスコアリングを行ないます。

スコアリングとは、定性データを5段階評価やYes/Noなどを使って分類し、数値に変換することです。

たとえば、口コミをスコアリングして定量化する流れは以下のとおりです。

口コミをスコアリングする流れ内容
スコアリング項目を決める・使いやすさ・デザイン・価格満足度・耐久性・全体満足度 
各項目のスコア基準を定義づける・「使いやすさ」を 1(非常に悪い)〜5(非常に良い)の5段階に分ける(「ボタンが押しやすい」を「4」に設定するなど)
スコアを割り当てる・口コミ文から該当表現を抜き出しスコアリングする(人力やAI活用で行なう)

このように、口コミのようなテキストベースの情報も、適切な基準を設けることで定量化できます。スコアリングを行なうことで、評価結果を統一的に集計・分析できるようになり、客観性や再現性のある評価が実現します。

2.イベントの発生頻度・回数を集計して定量化する

スコアリングによって定性データを数値化したあとは、イベントや行動の発生頻度を集計することで、さらに具体的な傾向分析が可能になります。

たとえば、「使いやすさ:4」と評価された口コミがA商品では50件、B商品では15件だったとします。発生件数を比較することで、A商品の方が使いやすさに対する評価が高いことが定量的にわかり、商品ごとの強みや課題が明確になるはずです。

また「使いやすさ:1〜2」が多い時期を特定できれば、改善の効果や施策の影響も時系列で確認可能です。

このように、イベントや行動の発生回数を定量化すれば、定性データの可視化が進みます。定性データもSFAやCRMなどのツールに蓄積しておけば、定量化がしやすくなり、迅速に分析にもつながります。

3.定量化したデータを可視化する

定量化したスコアや件数は、棒グラフ・折れ線グラフ・ヒートマップなどで可視化することで、傾向や異常値、パターンを直感的に把握できるようになります。

たとえば、口コミ評価の変化を月別の折れ線グラフで表示すれば、改善施策の効果やタイミングごとの反応を一目で確認することが可能です。定性データ特有の「見えにくさ」が解消されるため、チーム内での共有や意思決定にも活用しやすくなります。

ダッシュボードやBIツールを使えば、こうした可視化・分析も自動化でき、より効率的です。

定量化の注意点

定量化をするときは、次の4点に注意が必要です。

  • 定量化と定性化は使い分けと組み合わせが必要となる
  • 定量化できないデータもある
  • データの偏りに注意する
  • 適切な指標を選択する

ポイントを押さえた運用でなければ、定量化したデータの精度が下がるおそれがあります。適切に運用するためにも、参考にしてみてください。

定量化と定性化は使い分けと組み合わせが必要となる

定量化は「数値で測る」ことで比較や進捗管理に向いており、定性化は「背景や理由を探る」ことに適しています。そのため、目的や場面によって、両方を組み合わせて使うことが重要です。

たとえば、アンケートでスコア(定量)と自由記述(定性)を併用すれば、全体傾向と個別の理由を同時に把握できます。また、定性データを定量化し、得られた数値に対して再び定性的に分析することで、より深い理解と納得感のある判断が可能です。

定量化できないデータもある

感情や関係性といった定性データは、スコアリングによって定量化することも可能ですが、すべてを数値で表現しきれるとは限りません。無理に定量化すると、本質を見落とすリスクもあるため注意が必要です。

たとえば「安心感」や「信頼感」は、満足度スコアなどで可視化できますが、背景にある体験や理由は定性的な情報として把握することが重要です。

このように、定性データは定量データを補完し、判断精度を高める役割を果たします。あえて数値化しない判断も、定量化のなかで意識しておくことが大切です。

データの偏りに注意する

定量化したデータは、すべて客観的とは限らず、収集元や収集方法によって偏りが生じることがあります。

たとえば、回答率の低いアンケート結果をそのまま全体の傾向として扱ってしまうと、実際の意見を正しく反映できません。

そのため、データに偏りが含まれる可能性を考慮し、慎重に分析することが重要です。定性情報を組み合わせることで、数値だけでは見えにくい背景や補足情報を得られ、偏りの補完やデータの深掘りが可能になります。

適切な指標を選択する

定量化を行なうときは、データに対して適切な指標を選ぶことが大切です。指標がズレていると、たとえ数値化できても誤った判断につながるリスクがあります。

たとえば、成果を「稼働時間」で評価すると、長時間働いた人が高評価になる可能性があり、実際の貢献度を反映しないケースがあります。これだと、公平・公正な評価だとはいえません。

このように、目的や意図に合った指標を設計しなければ、定量データそのものの信頼性を損なうおそれがあります。評価したい実態と指標が結びついているかを確認することが重要です。

定量化に活用できるAI搭載型BIツール「Tableau」

BIツールを活用すると、定量化された数値をリアルタイムに可視化できるため、共有・意思決定のスピードがアップします。

BIツールは、エクセルでは難しいリアルタイムのグラフ化やダッシュボード化が得意なほか、最近はAI機能によって「なぜこの数値になったのか」という要因分析も自動化できます。

Tableau』なら「Explain Data」機能を通じて、数値の背景にある傾向をすばやく把握可能です。また、多様なデータソースを統合し、定量データを一元的に管理・分析できます。気になる方は、無料トライアルでお試しください。

▶ 『Tableau』の無料トライアルを試してみる

定量化したデータをもとに事業・業務改善の速度を向上させよう

定量化は、定性データを数値や尺度を用いて可視化する手法です。定性データの分析が容易になるため、目標管理や人事評価、品質管理といった幅広い領域で、PDCAサイクルの回転速度を上げることが可能です。

ただし、データの偏りや指標選定には注意が必要で、定性データとの組み合わせが重要となります。

定量化による定性データの活用を効率化するためには、BIツールによるリアルタイムの可視化が効果的です。

Tableau』なら、CRMやSFAなど複数のデータソースを統合し、定量データをリアルタイムで可視化・分析できるため、迅速な意思決定と継続的な改善をサポートできます。無料でお使いいただけるので、ぜひお試しください。

▶ 『Tableau』の無料トライアルを試してみる

また、定性データを活用するためには、日頃からデータを蓄積するプラットフォームも重要です。以下の資料では、営業のあらゆる業務情報を蓄積するSFAの活用メリットを紹介しているので、あわせてご覧ください。

今すぐSFAが必要な 5つの理由

本資料では、営業活動によくある5つの問題点を取り上げ、具体的な企業の事例を交えながら、SFA活用のメリットについて詳しく解説します!

今、知るべきビジネスのヒントをわかりやすく。厳選情報を配信します