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DXの現場から〜Salesforceプロフェッショナルメンバーが語る課題と解決策 Vol. 4

ニューノーマルの世界において、これまでと価値観が変わった顧客や社員に選ばれ、成長し続けるには、DXの実現が不可欠であるという認識が広まる一方で、その本質はデジタル技術の革新にとどまりません。真のDXがいかなるものかを理解することが必要です。まざまな業界においてSalesforceのお客様のDXを直接ご支援してきたエキスパート達が、事例を交えながら「DXとは?」について解説します。

ニューノーマルの世界において、これまでと価値観が変わった顧客や社員に選ばれ、成長し続けるには、DXの実現が不可欠であるという認識が広まる一方で、その本質はデジタル技術の革新にとどまりません。真のDXがいかなるものかを理解することが必要です。さまざまな業界においてSalesforceのお客様のDXを直接ご支援してきたエキスパート達が、事例を交えながら「DXとは?」について解説します。

お客様のDXを支援するプロフェッショナル「Salesforceアドバイザリーメンバー」によるブログシリーズ。Vol. 4は、プログラムアーキテクトリード 森岡 義貴が解説します。

Vol. 4:顧客中心主義を実現する「Customer 360」テクノロジー鳥瞰図

企業は、商品やサービスの価格、質だけで競争することが難しくなり、リアルかオンラインかを問わず、あらゆる顧客接点でメッセージやサービスが統一された顧客体験の提供を求められるようになっていました。加えて、新型コロナウイルスにより、短期間のうちに企業と顧客が置かれている環境、あるいは顧客の価値観が急速に変化しています。 こうした市場や顧客ニーズの変化に迅速に対応できるかどうかが、継続して顧客に選んでもらえる企業になれるかの成否を大きく分ける状況に置かれています。

統一感のある顧客体験を実現し市場変化に柔軟に対応していくには、顧客情報を部門ごとに分断された情報として管理するのではなく、企業内で一元的に管理する必要があります。 集約されたさまざまなデータから顧客をより正しく理解することはもちろん、新規にサービスを立ち上げるにあたっても、社内に分散している情報を集めたり顧客から取得し直す必要がないため、機能追加やサービス開発に集中することが可能になります。

Salesforceは「Customer 360」というコンセプトに基づいて、顧客像を一元的に捉えるプラットフォームを提供しています。マーケティング、セールス、コマース、サービスそしてITの各部門を連携させる、統合型CRMプラットフォームです。各部門が顧客情報を共有し協力しながら、顧客と長期にわたる信頼関係を築き、顧客の期待に応えるパーソナライズされた顧客体験を提供することが可能です。さらに、2019年11月には「Customer 360 Truth」がリリースされ、DX推進をさらに加速することが可能になりました。

DXの第1歩、マルチクラウド化で直面するシステム連携の課題

DXの第1ステップとして、業務プロセスやデータをクラウドに移行する企業が増えています。SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)、経理・会計業務のクラウドサービスを導入し、企業内でのマルチクラウド化も進んでいます。

その中で、DXの推進を妨げる要因の1つとなるのが、企業内の顧客接点をもつ事業部門が保有するデータのサイロ化です。既存システムが事業部門ごとに構築されていることに加え、場合によっては過剰にカスタマイズされ複雑化しているといった事情により、全社横断的なデータ活用が困難になります。 また各事業部門が各々さまざまなツールを導入し、顧客情報を別々に管理していることも問題です。一般的に、同じ企業内であっても別々に導入された各種ツールを連携させ、一元的な顧客ビューを実現することは困難を極めます。さらにマルチクラウド化が進んでいると、他システムとの連携や管理運用がさらに煩雑になってしまうのは想像に難くないでしょう。

このような課題を解決するには、なによりも顧客接点をもつ各部門が顧客情報を共有、連携することの価値を理解し、全社規模で顧客情報を一元的に管理することを目標に持つことが必要です。 そのうえで、システム横断的に顧客情報を紐付け、部門間で顧客データを共有しながら、顧客接点を持つ各部門のビジネス遂行を可能にするプラットフォームの構築が求められます。また、複数のプラットフォームを連携させて顧客情報を一元的に閲覧できるようにする技術も欠かせません。それを実現するのが「Customer 360」および「Customer 360 Truth」です。

同一のデータモデルの採用により一元化された顧客像を把握

Customer 360には、B2B向けエンゲージメント用アプリケーションである「Sales Cloud」「Service Cloud」「Pardot」「B2B Commerce」「CPQ」「Community Cloud」「Financial Services」「Lightning Platform」などが含まれています。これらは、すべて同じデータモデル(標準オブジェクト、カスタムオブジェクト)を用い、データを1箇所に保存しています。そのため、マーケティング担当はキャンペーンによって生成されたリードが商談につながっている様子を確認したり、営業が顧客訪問する前にサポートケースを確認したりすることができます。 つまり、Customer 360によって、一元化された顧客像を把握し、統合された顧客体験を提供できるようになるのです。

B2BとB2Cのデータ連携〜「Customer 360 Truth」 による一元的な顧客ビューの実現

「Customer 360 Truth」は Customer 360に加えられた新しいケイパビリティであり、SalesforceのB2C製品をも含めた一元的な顧客像の把握を実現します。追加された製品は「Customer 360 Data Manager」「Identity for Customer」「Customer 360 Audiences」です。

Salesforce B2Cエンゲージメント用アプリケーションには「Marketing Cloud」「Commerce Cloud」「Service Cloud 」があります。しかしこれらの製品は別々のプラットフォームで動作しているため、互いに連携させるためには苦労がともないました。

たとえばService CloudではB2C顧客を個人取引先オブジェクトを使って表しますが、 Marketing Cloud の「Email Studio」「Mobile Studio」では、「Data Extension」というテーブルで、Commerce Cloud では「Customer Record」というテーブルを使って表します。これら別々のテーブルに保存されている同一の顧客レコードをどのようにして紐付けるかは、システムアーキテクトの手腕によるものが大きかったのです。

しかし、Customer 360 Truthに含まれるCustomer 360 Data Managerによって、Marketing Cloud、Commerce Cloud、Service Cloudの顧客情報を紐付ける、標準的な手段が提供されました。Customer 360 Data Manager が「データハブ」となり、登録されたそれぞれのインスタンスに含まれる顧客データの対応づけを実行するとともに、各レコードにグローバル顧客IDを付与することによって、一元的な顧客ビューを実現するのです。

加えて、Salesforceアプリケーション以外のシステムを登録することにより、全社横断的な顧客ビューの提供も可能になります。Customer 360 Data Manager に接続されたデータソースとなる各システムのデータを、「Cloud Information Model(CIM)」という標準的なデータモデルに対応づけることで、システム間で1対1のデータの対応づけを行うことなく、システム連携を可能にします。CIMは、Salesforceをはじめ、Amazon Web Services、Googleといった複数のITベンダーがスポンサーしています。

このように、Salesforceは顧客中心主義の実現に向けて、製品や技術の革新を続ける一方で、実際にお客様が既存システムからの移行や既存データとの連携を行う場合、さまざまな課題に直面するのも事実です。 アドバイザリーメンバーのアーキテクトは、Salesforce製品やテクノロジー、CRM領域などに精通しており、より適切かつスピーディーな課題解決方法を提供し、お客様のDX成功を共に目指し、支援させていただいております。

ブログシリーズ:DXの現場から〜Salesforceプロフェッショナルメンバーが語る課題と解決策

Vol. 1: バズワードからの脱却〜Salesforceが考える真のDXとは?
Vol. 2: データのサイロ化を脱却〜真の顧客理解のために動きはじめた日本企業
Vol. 3: DXにおいて打破すべきデジタルマーケティングの壁とは?
Vol. 4: 顧客中心主義を実現する「Customer 360」テクノロジー鳥瞰図
Vol. 5: DX成功のカギを握る「組織風土変革」と実現のためのフレームワーク
Vol. 6: 継続的なDX実現のために〜顧客エンゲージメント推進組織「Salesforce CoE」とは?

Yoshitaka Morioka カスタマーサクセス統括本部 アドバイザリー本部 プログラムアーキテクトリード Yoshitaka の他の記事

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