「売らずに売れる」投稿事例でfacebookの悩みを解消(2)

いざ投稿、で出てくる問題を解決する

ソーシャルメディアは「売り場」ではない。だが、事業には目的があり、収益もその一つだ。ではソーシャルメディアで事業者が収益を意識して投稿する際のポイントはなんだろうか。
前回では「売らずに売れる」投稿のポイントとして

  • 事業の裏側を見てもらう
  • 商品やサービスの『向こう側』を紹介する
  • 顧客や見込み客からの質疑応答を共有する
  • 自社の人材の強みを活かし、お役立ち情報を公開する
  • 日々の『努力の成果』でお客様にリラックスを伝える

などを実例とともに紹介した。だが、これらをいざ実践しようとするといくつかの問題が発生する。「誰が投稿すればよい?」「何から手を着ければ良 い?」「やっぱりネタがない。」などだ。ここが解決しないことには次に進まない。この回では、そうした場合の対処法やポイントをいくつかご紹介するので、 ぜひこれらの問題点をクリアーして次回以降説明する「収益化の実践ステージ」までに体制を整えてもらいたい。

一発でドカーンと「いいね」を集めたい!

その前に「もっと効率よく、いいね!を集める投稿は無いのか?」というご質問もあったので回答しておく。最も強力なのは「診断アプリ」と「キャン ペーンアプリ」だ。特に診断アプリなどは、1週間もあれば数万の「いいね!」が集まる。読者の中にも、ニュースフィードに流れてきた友達の「手相診断」 「武将診断」などの結果に興味を持って、アプリを利用されたご経験をお持ちの方も多いと思う。この診断を、懸賞応募に置き換えたものが「キャンペーンアプ リ」だが、いずれも、その企業のfacebookページに「いいね!」を押す必要があるので、驚異的な勢いでファン数は増えて続けて行く。興味のある方 は、Yahooやgoogleで「診断アプリ facebook 作り方」で検索すればたくさんの情報が見つかるはずだ。
だが、ここで考えてみて欲しい。こうして事業者のコンセプトやスローガンに関係なく、一瞬で集まった大量の「いいね!」は、本来あなたが求めているユーザ 層なのだろうか。この他にも一気に「いいね!」を集める方法は存在するが、結論からいうと、いずれも「実験的な試み」と位置づけておくほうが賢明だろう。 どうしても試したい場合は、以下の体制を整えてからでも遅くは無いし、本稿がテーマとしている「継続的な収益」にはつながりにくい。

ソーシャルでの投稿のゴールを再確認する

そもそも、投稿のゴールはなにも「いいね!」の数や、リーチ数を増やす事では無い。同じようなサービスや商品を扱っている事業者の中から、「ここに任せたい!」という「印象」を、対象となるユーザ層に持ってもらうことだ。

図

だからソーシャルな投稿では「印象づくり」を優先すべきだ。印象とは、「感動」や「共感」といった情緒的なもので、商品やサービスの数値やスペック からは得られにくく、人との「関係性」が必要だ。例えば、わからなかったことが解決した瞬間や、あるシーンにふれて、感動した、共感した、といった印象が 生まれる。それが何度か積み重なって初めて「信頼」となるのに、一気に大量の成果を上げようとしたり「効率よく」やろうとすると、失敗するのは当然だ。ダ イナマイト漁のように一攫千金をねらうのではなく、日々コツコツと土を耕し実りを得る気持ちで取り組もう。
今、ソーシャルを上手く収益に結びつけている事業者達は、前回ご紹介した事例も含め、自社の特徴をしっかり表現し、コツコツと「印象」を積み重ねている。 それがユーザとマッチした時に「信頼」となり、最終コンバージョンへと結びつくようなしくみを持っている。安易な価格競争に陥ることも無い。ただ、時間が かかるだけに、早くから始めた事業者から順番にゴールを体験することになる。
つい先日も、facebook上に、友人が自家用車の購入を決意して、車種も決めカーディーラーに出向いた、という投稿が流れてきた。しかし次の瞬間、接 客を受けた営業マンの不潔な身なりや態度の悪さで、当日の購入を見送ったことを知った。まったく「印象」とは、すぐれた商品やサービスとは関係なく、購入 を決定づけるものであると再認識させられた。慈悲深いその友人は、facebook上でその店の名前こそ明かさなかったものの、こうしたユーザからの投稿 はともすれば炎上にも繋がりかねない。信頼の失墜である。これがソーシャル時代というものだ。
炎上の防止や対処法は、また次回以降で触れて行くが、印象一つで一定の商品やサービスが、「その店では2度と買わない。」とも「買うならずっとここ。友達にも勧めたい。」ともなる。

自社のユーザが「何を書いて欲しいか」調べてみよう!

それでは、最も手軽に印象づくりが始められる「ユーザの要望に応える」に取り組んでみよう。困っていた状況が解決してもらえれば、誰だって良い印象 を持つ。まず、あなたの事業の対象ユーザが、どのような問題で困っているのかを調べてみよう。気の利いた事業者なら、過去の質問メールやアンケート、体験 談をストックしているだろう。そこから隠れたニーズを読み解くことは時間はかかるが容易な作業だ。しかし、そうしたストックがない場合、Yahoo知恵袋 などのソーシャルサービスが解決してくれる。

Yahoo知恵袋

Yahoo知恵袋

OKwave

なにも「自社のユーザ層が何で困っているかがわかりません。教えて下さい。」と質問するわけではない。かわりに、自社に関わる思いつくキーワードをいくつか検索覧に入れてみよう。自分たちのユーザ層が、様々な質問を投稿していることが分かるだろう。
例えば、テニスラケットを販売している事業者であれば、「テニスラケット」「テニス 練習」などを入力すれば、「テニスラケットの重量の差ってなんです か?」「室内でできる効果的な練習を教えて下さい。」などのユーザからの質問がズラリと並ぶ。例えば、テニスラケットを販売している事業者なら、地域の子 供にテニスのコーチをしている方もいるだろうし、販売のプロとして十分な情報を持ち合わせてもいるはずだ。そうした独自のノウハウも踏まえて回答する。お もてなしの気持ちが込もった、事務的な通り一辺倒の回答ではなければ、そこには何らかの感動や共感が生まれるだろう。
どうだろう、あなたのサイトやブログでは、こうしたコンテンツを提供しているだろうか。もしキーワードに行き詰まっても心配はない。グーグル・キーワードツールに、自社を表すいくつかのキーワードを入力すれば、どんどんと関連ワードの幅が広がる。これで、ユーザがどんな悩みをかかえているかを調べて行こう。
ちなみに、OKwaveは、「教えてgoo」や「MSN相談箱」などにもそのしくみを提供しているシステムだ。もし迷ったなら、Yahoo知恵袋とOKwaveを閲覧すれば、ほぼ国内の質問の需要は網羅できるだろう。
また、自社サイトにこうした質疑応答のコンテンツを増やす以外に、企業アカウントとして、Yahoo知恵袋などに直接回答することもメリットがある。回答 した質疑応答は、永続的に残るため、通常の検索エンジン経由などから多くのユーザに閲覧されることになる。回答記事内に、関連資料として自社のコンテンツ へのリンクを設置しておけば、厳選された来訪者を得ることも可能だ。特定の目的に絞り込まれたユーザの来訪は、しばしばコンバージョンを生むこともある。
参考までに、以下は直近一ヶ月の当サイトへのこうした回答サイトからのアクセス数である。ここ1年はこうしたサイトへの回答活動は行っていないのだが、ど うやら一般の回答者が当社のブログへリンクしてくれているようだ。このように、回答サイトで直接回答することがなくても、有益な情報を自社サイト内に蓄積 しておけば、さまざまなアクセスが得られることになる。

図

ここで良く犯しがちな誤りは、回答サイト上で、身内同士で自社に有利な質問をしてもらい、さらに自社に都合の良い回答をつける、といういわゆる 「マッチポンプ」だ。こうした行為は厳禁であるし、技術的にもすぐに特定されペナルティをうけるしくみとなっている。また、Yahoo知恵袋や OKwaveなどの回答サイトもソーシャルメディアの一つである。(第一回参照)だから、facebook同様、ソーシャルの住人と共生する、一定の市民性をもつことがが大切だ。当然、売らんがためのリンクなどは簡単に見透かされ信頼を失うことになる。あくまで「ありがとう」を生むための場として活動に専念してほしい。
参考までに、筆者は1年前、Yahoo知恵袋でテスト的に2週間ほど回答したことがある。元々自社の提供サービスはウェブ担当者の育成とマーケティング支 援や制作開発となるが、この時はフェイスブックに特化して「facebookを活用したビジネスに興味を持っていそうなユーザ」か「まだ誰も解明できてい ないような質問」に対応できることを自社の強みとして回答をしてみた。こうして「ユーザ層」「自社の強み」をもって回答をしたところ、86件が回答済みと なり、ベストアンサー率は99%だった。プロとして1%を落としたのは残念だったが、説明の仕方が悪かったのだろう。これはこれで反省点として、投稿自体 を通じて勉強をさせて頂いたと思う。

回答一覧

データの詳細

回答一覧

諸事情から、手元で公開できる事例が自社のものとなり恐縮だが、このようにして、自社のユーザが何を欲しているかがわかれば、今度はそれらを自社の facebookやブログ上で記事としてコンテンツ化してみよう。こうした取り組みは、SEOにも大変有用だ。今すぐできることなので、すぐに取り組んで みて欲しい。

裏側・向こう側を撮りに、カメラを持って取材に行こう!

前回でもご紹介した、事業の裏側や、商品やサービスの向こう側、成果といったコンテンツを作成するためにはPCの前に座っていてもダメだ。カメラとメモを持って取材にゆこう。対象は、場所、人、モノなど、多くの取材ネタがあるはずだ。

各業態ごとの取材対象例

業態 取材場所
小売業 仕入れ市場・畑・海外展示会・生産者・新人スタッフ・店員・店長・朝礼風景・社内研修・新店準備・歴史
製造業 原料生産地・作業場・研究所・スタッフ・技術・社員研修・取引先・利用現場・歴史
サービス業 学会発表・人材研修・視察旅行・厨房・取引先・原料生産地・仕入市場・施設機器・利用者の目線・歴史・スタッフ・技術・作品

そして、取材を終えたら、そのことをブログに書いて、facebookに投稿してみよう。単なる出来事としてそのままファンに伝達するのでは無く、自分なりの意見や感想を添えれば、ユーザからの反応も高くなる。
なお、取材現場はある程度「見せる」に耐える状況に整えておく必要はある。撮影場所は、会社の方針が反映された景観になっているだろうか、人選は誤ってい ないか。華美・装飾は不要だが、自社の取り組みやこだわりなどが伝わるシーンを考えて、取材計画を立ててみよう。当然、出張になったらご当地ネタは欠かさ ず事前チェックだ。現地の人々とのふれあいも記事になる。

「こわくて書けない」ありふれた記事の原因

「こわくて書けません・・・」いまから4年ほど前、当社がソーシャルメディアで最初に直面した問題だった。代表である私が書いていた投稿やコメント を、自社のある女性スタッフに任せたところ「できない」という答えが返ってきた。彼女はプライベートのtwitterやfacebookページ上では、数 千のファンを持つちょっとしたカリスマ管理人なのだ。日々のファンからの投稿やコメントにもそつなく対応できており、ウォールでの盛り上がりも高く、絶大 な影響力を持っている。しかし、彼女曰く、それは「あくまでも個人の発言であり、企業としての発言ではありません。あらかじめご了承ください。」という前 提があるからだという。
「何を書いてもよいよ、責任は私が取るから。いつもの面白い口調で書いて見てよ。」とお願いして書いてはみてくれたものの、どうも、あたりさわりの無い内 容で、ごく平均的なありふれた表現になってしまう。いつものエッジの効いた彼女の個性を引き出すことができず、彼女自身もハツラツとしていない。これには 筆者も悩んだことがあった。
実際、上手くいっているソーシャルメディアでは、社長が書いているケースが多い。ある程度の規模までの社長なら、リスクも自分で負えるし、事業やユーザへ の想いも、そのまま書けば良いだけだ。もし、社長自身がfacebookに貼り付いていなくても、「これを投稿しておいて」と、社内スタッフに書いてもら うことも一案だろう。経営リスクを負った社長が自分で判断して投稿し、コメントも付けているわけだから、面白いのも当然である。
だが、組織としてスタッフに参画してもらい、経営者と同じ方向性で「顧客」や「サービス」への想いを、情感タップリと表現してもらうにはどうすればよいのだろうか。悩んでいたときに、ある面白い企業を見つけた。

自由なスタッフの対応で「感動」を作った企業

アメリカのオンラインストア「ザッポス」は、ネットの靴業界では全米の3分の1のシェアを占める。その分野での売上は、全米ではアマゾンを追い抜 き、アクセス解析やSEO対策の領域でも1,2位を争うオンラインストアだ。「マニュアルなし」「スタッフまかせ」といった特徴的な経営スタイルだけが一 人歩きしている感もあるが、実際には、スタッフの対応が素晴らしいと、ソーシャル上で多くの顧客が「感動」を語り、その名が広まっていった。結果的に広告 宣伝しなくても1日の売上が14億円近くになる日もあるという。
ソーシャル時代に登場したモンスター企業だが、どちらかというと、ザッポス自体は、twitterやfacebookを企業として活用していると言うよ り、社員が自由にソーシャルメディアで発信したことで注目を浴びた。彼らにとっては、「電話対応」もソーシャルメディアだという。

こうしたyoutubeの動画(英語)や、『ザッポスの奇跡 改訂版』な どで、その様子が日本でも紹介されたのでご存じの方も多いかと思うが、長年eコマースの現場を運営してきた筆者としては「こんな理想の夢物語なんて存在し ない!」と懐疑的だった。というのも、多くのeコマースの現場では、寝袋持参でクタクタになりながら一週間を終えるのに、ザッポス社員は「月曜日が待ち遠 しい!」というのだ。どう考えても「あとづけの成功ストーリー」としか思えない。そこで私は、直接米ザッポス社まで行って確かめることにした。
ザッポスを訪れてわかったことは、その事業目的が全員に浸透していたこと。

  • 何を大切にしているのか
  • 何のために存在するのか
  • 誰のために運営されているのか

これら事業の想いを、スタッフの全員がまったく良く理解していた。「サービスを通してWOW(驚嘆)を届ける」などの10のコアバリュー(核心となる事業の存在価値)にさえ従っていれば、あとは自分たちで判断して、顧客対応なりすればよい、というルールだ。
実際に、社内ですれ違うどの社員に質問しても、イキイキと回答し、ほぼその回答は同じ方向性だった。「(社長の)トニーに聞いても同じ回答になると思いま す。」と皆一様に口を揃える。ツイッターを書いている普段は表舞台に立つことの無いコールセンターの社員達も、ザッポスの一社員というバッチを掲げながら イキイキとソーシャル上で発言をしていた。

事業のめざす「向こう側」を社内で浸透させよう

正直、ザッポスでの風景を目の前にして、筆者は、ソーシャルで自分たちの強みがイキイキと表せないのは、結果的に「経営者の責任」だと痛感した。当 社でも「こわくて書けな」かったのではなく、スタッフ達が経営方針なり自社の強みである「事業の向こう側」を、経営層と同じレベルで語れる状況にしていな かった、ということに他ならない。(前回の「商品とサービスの向こう側」参 照)ものごとの習得度合いには、知識・見識・胆識という段階があるというが、「胆識」とは、単に知っている状態から発展して「知識を実践することで得た見 識で、決断力と実行力を伴う」レベルを指している。筆者はスタッフに対して「私が責任を取るから好きにしていいよ」と権限委譲したつもりが、事業者の経営 方針を「胆識」レベルにまで浸透させてもいないのに、いきなりそんなことを求められても困るだけだな・・・と無茶ぶりっぷりを反省した次第である。「何の ために日々自分たちは仕事をしているのか。」報酬以外の事業としての市民性や社会的なやりがいを理解し、スタッフが誰の指示も仰がずとも「決断」できる土 壌を作り出さなければ、と感じた。
なにもザッポスに限ったことでは無く、リーマンショック後のサバイバル時代を生き延びたアメリカの企業達は、企業の「個性」を磨き、スタッフに権限委譲で きるしくみである「企業文化」の構築に取り組んでいる。これはソーシャル時代を生き抜くためにも必要なことではないだろうか。
だから、先日、先の『ザッポスの奇跡 改訂版』の著者でもあり米国での「企業文化」の研究では第一人者でもある石塚しのぶ氏に来日いただき「企業文化のつくり方」という講演をいただいた。その内容は、株式会社アルコの黒須氏がまとめてくださり、石塚氏自身も「企業文化の作り方」を、 ブログにアップされているのでぜひ1度ご参照いただきたい。これぞ唯一の解決法、とはいわないが、アメリカに追いつき追い越せで、本来日本が持っていた 「おもてなし」や「家族的つながりの経営」といった企業文化の風土を見失っているとしたら、その再生方法の一つとして十分に参考になるだろう。少なくと も、経営層は、ソーシャルメディア担当者とはこうした事業の経営方針を深く話し合う必要があるだろう。
いずれにしても、ソーシャルでの「印象づくり」は、マーケティング担当者に任せておけばよいというモノではない。実体が伴っていなければ、それは「対メディア向け」の「いつかは剥がれるメッキ張り」の姿でしかなくなる。ある歴史家によると、日 本史は「形式の時代」と「実体の時代」を何度となく繰り返してきたという。形骸化した室町時代のほころびが、戦国時代という実力行使の形態を生んだよう に、今、webのマーケティングは間違い無く実体そのものが問われる「マーケティングの戦国時代」を迎えている。だからこそ「実体」を強化して行く必要が あるのでは無いだろうか。

成功のカギは、透明性と継続性

「印象づくり」というと「形作られた、美しいイメージを作り上げる」と誤解を受けそうだが、ソーシャル時代において、もうそんな完全培養の金魚鉢の ような古くさい環境は得られない。どんなに完成度の高い読売ジャイアンツだって、阪神ファンから見ればアンチの対象のひとつだ。日々事業を行っていればミ スもあるし、時として失敗も起こる。ソーシャルの時代では、「すべての事実と意見を許容する」という低い姿勢が必要だ。
まじめ、が取り柄であれば、そのまじめさを愚直ながらも伝えれば良いと思う。ユーザは、あなたやあなたの事業の「ありのまま」を、知りたい・見たい、と望んでいるはずだ。ソーシャルでは、一見しただけではわからない、本音の部分を伝えるべきである。
あるfacebookページに掲載される商品の写真が大変きれいだったので、常々気にしていたオンラインショップがあった。天然素材を活かした職人でしか 作れないような緻密なインテリアである。2ヶ月ほどして興味が出てきたのでサイトを訪れ、「お薦めの商品はどれですか?」と質問して紹介された商品を購入 してみたところ、届いた商品はまったく期待していた「印象」とは異なり、接着剤がはみ出た「がさつ」なものだった。ガッカリした想いをしたが、当然、もう そのfacebookページの投稿は見ることは無くなった。
一方では、印象どおりの素晴らしい商品を届けてくれたお店や、身の丈にあった素敵なもてなしをして下さったレストランもある。
多くの中小企業では、常に競合がひしめき合う以上、自分の事業にあったユーザ層を絞り込む「割り切り」も大切だ。共感してくれる顧客に特化して、末永くお 付き合いをしてゆく。「万人に愛される、みんなの人気者」をめざそうと欲張りすぎても、後発の大手の資本力などに違いを見せつけられるのがオチだ。自分た ちにとって、誰が顧客で、どんな価値を提供したいのか。ずっと付き合ってくれる人を、1人1人増やして行く事が重要なのではないだろうか。
「自分がありふれてて、嫌われないかと、無理して気の利いた会話を作る必要も無いし、化粧もしなくていいから、素顔のままでいて欲しい・・・」ビリー・ ジョエルの「素顔のままで」という曲の歌詞が思い出される。事業者も、ユーザが求めている「透明性」を理解し、等身大の自分とはなにかを客観的に判断し て、じっくりと伝えて行く事が重要だ。
透明性は、長い間継続することで、価値が深まる。本音がコロコロと変わっているようでは信頼は生まれない。継続することで、ごまかしは効かなくなり、少々のできごとでは、その事業者の「本音」と「本質」への印象が揺るがない信頼となるのだ。
今回ご紹介したいくつかの方法で、何を投稿すればよいかはおおよそ決まったと思うが、長期的にみれば、うわべのテクニックでは何ともできないこともある。 だが、経営方針に「個性」が感じられれば、どんなに時代が変わっても、事業は存続するのだろう。米国の先端企業だけで無く、ごひいきさんに支えられている 日本の「老舗」にも学ぶべき点は大いにあるはずだ。

「印象づくり」で得た「信頼」の成果を計測してみよう!

実のところ、こうした印象をつくるマーケティングが今すぐ事業に及ぼす収益性は、クライアントの平均を見ていると全マーケティングのうちまだ 「25%」程度だ。だがしかし、この25%は大きく、その他の施策を大きく後押ししてくれるし、ますますその割合は高くなってきている。おそらく、今まで もこうした「印象づくり」の施策は「ブランディング」という言葉で取り組まれてきただろうが、コストが見合わない、計測ができないとされ、よほどの大企業 や中堅企業で無い限り避けられることが多かった。しかし、テレビや雑誌と違い、ソーシャルメディアが「インターネット上」にある以上、「グーグル・アナリ ティクス」などの無料計測ツールを使えば、こうした活動が、結果的にどのくらい自社の収益に結びついているかが、十分に計測可能だ。
次回では、こうした「印象づくり」の結果が、どう自社の収益に結びついているのかを計測するために必要な、具体的な方法をご紹介してゆきたいと思う。

© Copyright 2012 ISSUN All Right Reserved.