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Tim Ferriss氏は、ニューヨークタイムズ紙の選出するベストセラー本である「The 4-Hour Workweek」(邦訳「「週4時間」だけ働く。」)の著者であり、また世界トップクラスのITサービスへの投資やアドバイザーも務める、今もっとも勢いのある投資家の一人です。Salesforce LiveではTim Ferriss氏をお招きして「10倍の成果を出す質問力」と題したインタビューを行いました(インタビューはこちら(英語))。その内容をダイジェストでお届けいたします。

上手くいかない現状を打破するための魔法の質問

私は大学を卒業してから、データストレージを取り扱うIT系の会社に就職しました。これらの商品を売るためには、まず顧客のCEOやCTOといった経営陣との商談を取り付けなければなりません。しかし駆け出しのセールスマンだった私にとって、経営陣のアポを取ることは非常に難しいことでした。そこで考えたのが、世界のトップパフォーマーたちがどのようにしてその地位まで上り詰めたのか、という点です。ITテック業界の成功者からトップアスリートまで、人とは違うやり方で成功している彼らに共通していたのが、一見意味をなさない質問を自分に問いかけることでした。具体的には「What if(もしも~だったら)」からはじまる質問、「もし今やっていることと反対のやり方をしたらどうなるか?」といった質問は、多くのハイパフォーマーたちが問いかけているものでした。

これに習い、通常と全く異なる仕事のやり方をしてみました。具体的には、顧客への電話を通常のビジネスアワーである9時から17時の間にすることを止め、昼間の時間はメールでの営業のみを行うようにしました。そして18時~20時半といったビジネスアワー外で顧客に電話をするようにしてみました。その結果、9時から17時までは電話番の人が電話を取るため、CEOやCTOにアクセスできず、電話番の人が退勤している夜の時間の方が経営陣にアクセスしやすいことが分かりました。それがつかめてからは、以前とは比べ物にならないほど頻繁にアポが取れ、セールスをクロージングさせることができるようになりました。

「もし今やっていることと反対のやり方をしたらどうなるか?」という質問は、ブレイクスルーを生み出す強力な質問のひとつだと思っています。

10%の改善ではなく、10倍の結果を達成するための質問とは?

今日では、さまざまなポイントでマルチタスクの罠にはまってしまう危険性を秘めています。人によっては、メールの受信ボックスの奴隷にでもなっているかのように感じる人もいるかも知れません。これらの罠から抜け出すためには、どうすればいいのでしょうか。

私が実践しているのは、2つの質問を自分自身に問いかけることです。例えば5つのタスクがTo doリストに書き込まれているとします。このとき、問いかけるべきなのは「これらのタスクのうち、完成させることで私の一日を満足させるものはどれか?」というものです。もうひとつの質問は、「これらのタスクのうち、完成させることで残りのタスクをより簡単に、もしくは重要でないものにするものはどれか?」というものです。両方を問いかける必要はなく、どちらかひとつだけで十分です。

ピーター・ドラッカー著の「The Effective Executive」(邦訳「経営者の条件」)にも出てくる通り、生産性を上げるためには「どうやるか」よりも「何をするか」の方がはるかに大事です。先に上げたふたつの質問のどちらかを自分に問いかけ、何をするかの優先順位をしっかりつけることができれば、10%の改善、10%の収入アップではなく、10倍の成果を出せるようになるはずです。

「分かってはいるけどやれない」を実行に移すためのツール

「どうやるか」ではなく、「何をするか」をしっかり考えるために、私は一日の中でかなりの時間を「何をするか」を考える時間にあてています。時には一日のはじめの1~2時間を使ってしまうこともありますが、それでも問題ないと考えています。またスマートフォンの通知に悩まされることのないよう、意識的に機内モードに設定することもあります。このようなポイントをほかの人に説明すると、時に「効果があるのは分かるが、そんなこと私は実際にできない。なぜなら上司がいて、〇〇があって……」と言われることがあります。そんなときにぜひ試してもらいたいのが「Fear Setting」という、潜在的なリスクを見える化する手法です。私自身もFear Settingを定期的に行っており、多い時は毎週実施することもあります。

Fear Settingを実施するためには、まず1枚の紙を用意します。紙の一番上には、やろうかどうしようか考えているアクションを書きます。給与アップの交渉をする、恋人と別れる、仕事を辞める、といったように、どんなことでも構いません。タイトルとして書いたアクションの下に、縦に2本線を引き、3つの列を作ります。そして向かって左側の列には、アクションを実施した時に起こりうる最悪の出来事を、考えうる限り書いていきます。このとき、できるだけ具体的に書くことがポイントです。例えば「上司に怒られる」だけでは不十分で、どのように怒られるのかまで書いていきます。次に真ん中の列には、これらの最悪の出来事をできるだけ起こさせないようにするためには、何をすればいいかを書きます。そして一番右側の列には、それでも最悪の出来事が起こってしまったときに、何をすればその被害を最小限に食い止めることができるかを書いていきます。

例えば起業することをアクションとして書いた場合、最悪の出来事はビジネスがうまくいかず、家賃を払えなくなることだとします。その事態が起こってしまったときに、何ができるか? 民泊アプリを使って、旅行者に一部屋貸し出すことで家賃を稼げるかも知れません。もしくは実家に帰るというのもひとつの方法でしょう。

Fear Settingを行い各アクションのリスクを洗い出していくと、自分が思っていた以上に起こりうるリスクの数は非常に少なく、それらリスクに比較して得られるベネフィットの方が大きいことにすぐに気が付くでしょう。Fear Settingは起こりうるリスクを分析して、アクションに向かって立ち上がる勇気をくれるはずです。

人生の質を上げるためのお金の無駄遣い方法とは

人は学校を卒業し、お金を稼ぐようになってから、時間を売ってお金を得ることに慣れ始めます。しかし私は、ある時から時間をお金で買うことの方がより意味があることだと思うようになりました。お金は再生可能な資源です。なくなったとしても、取り戻す手段や増やす手段はいくらでもあります。しかし時間はそうではありません。なくなっても取り戻すことはできません。計画的にお金を無駄遣いし、時間を買うことで、人生の質を大いに向上させることができると考えています。

私の人生の質を向上させる施策は、両親との旅行です。ある本を読んだ時に知ったのですが、人生のうちで自分の両親と過ごす全体の時間が100だとして、生まれてから高校を卒業するまでの期間ですでに80を消費しており、高校卒業後は20しか残されていない計算になるそうです。高校卒業後は、両親とほとんど時間を過ごさない計算になるのです。それに気づいてからは、半年に一度、両親と旅行に行くように決心しました。行先を決め、先に航空券やホテルなどを支払っておく。こうすることで、私自身も事前に楽しみを見出すことができ、両親も同様に楽しみを持つことができ、人生に彩りを与えることができます。お金を払うだけで、生活の質を大いに向上させることができるのです。

人生の質を向上させるお金の無駄遣い方法は、人によって千差万別でしょう。ぜひ腰を据えて、どのようにお金を遣えば人生の質を向上させることができるのか、考えてみてください。