近年、データ活用や分析の重要性が高まるなかで「データマート」という言葉を耳にする機会が増えています。しかし、データウェアハウスやデータレイクと混同してしまい、違いや役割がよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
データマートは、部門や目的ごとに最適化された「使えるデータの集まり」であり、迅速な分析や意思決定を支える土台となる存在です。うまく活用することで、業務効率やデータの整合性が向上し、企業全体のデータ戦略にも貢献します。
本記事では、データマートの基本的な意味や類義語との違い、導入するメリットなどをわかりやすく解説します。初めてデータ基盤の整備を考えている方にも役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてみてください。
10分で学ぶシリーズ
〜データ分析の始め方編〜
分析の上で重要なステップとは?
本動画では、データ分析における2つポイントを解説します。
1.データ分析の進め方
2.何から取り組むべきか
本動画が貴社のビジネス成長の一助になりますと幸いです。
目次
データマートとは?

データマートとは、分析に必要なデータへスムーズにアクセスするための、データベースを指します。利用者の目的や用途に合い、かつ活用しやすいよう加工されたデータのみが格納されています。
そのほかの類義語と比較しながら、データマートとは何かを見ていきましょう。
データベースとの違い

データマートとデータベースは混同されがちですが、データベースというくくりのなかに、データマートが存在するといったイメージです。
データベースは、あらゆるデータを保存・管理するための仕組み全般を指します。一方でデータマートは、そのデータベースのなかでも特定の目的や用途に合わせて、必要なデータだけを加工・整理して集めたものです。
つまり、データベースが「すべての情報が保管された本棚」だとすれば、データマートは「特定の部門や業務で使う本だけを集めた専用の棚」のようなものです。データマートは、必要な情報に素早くアクセスできるよう最適化されており、分析や意思決定に活用しやすい構造となっています。
データレイクとの違い
データマートとデータレイクは、データの格納や活用方法が異なります。
データレイクは、構造化されたデータだけでなく、画像・動画・ログなどの非構造化データも含め、あらゆるデータをそのままの形で大量に蓄積できるデータの貯蔵庫です。
一方でデータマートは、分析や活用の目的に合わせて必要なデータを整理・構造化した状態で保存されています。
つまり、データレイクは「加工前の生データの貯蔵庫」、データマートは「すぐ使えるデータの集まり」といえます。
目的に応じて、即分析できるデータを保管する場合はデータマート、柔軟な探索やAI学習用に活用したいデータを保管するならデータレイクが適しているでしょう。
データウェアハウスとの違い
データマートとデータウェアハウスは、取り扱うデータの範囲や用途に大きな違いがあります。
データウェアハウスは、企業全体の複数部門のデータを統合・管理する大規模なデータベースを指します。
一方、データマートは特定の部門や目的に特化し、必要なデータだけをまとめた小規模なデータベースです。
データマートは、営業やマーケティングなど部門ごとの分析に最適化され、迅速な集計や可視化を支援します。データウェアハウスの一部として構築されるケースも多く、用途に応じて使い分けることが重要です。
テーブルとの違い
データマートとテーブルは、データの管理単位が異なります。テーブルは、データベースやデータマート内おける、構造化されたデータの集まりひとつを指します。
データマートは複数のテーブルや集計データを含む「データの集合体」です。つまり、テーブルはデータマートを構成する部品のひとつです。
テーブル単体では限定的なデータですが、データマートはこれらを組み合わせ、分析や集計の目的に合わせて最適化されています。テーブルはデータの格納形式、データマートは分析単位の集合体と理解するとよいでしょう。
データマートでできること

データマートは、特定の利用者が業務で活用しやすいように整理・加工されたデータの集まりです。単なるデータの保管庫ではなく、分析や意思決定に役立つよう、さまざまな機能が備わっています。
以下に、データマートでできることを詳しく紹介します。
データの保管
データマートは、特定の部門や業務目的に合わせて必要なデータを整理・保管するためのデータベースです。
複数のシステムやデータベースから収集されたデータを、用途ごとにまとめ、分析や可視化しやすい形で保管できます。
企業内の膨大なデータのなかから、必要な情報を素早く取り出せるため、業務の効率化や意思決定の迅速化につながります。
また、データマートに保管されるデータは通常、クレンジングや集計・加工が施され、利用者がそのまま分析やレポートに活用できる状態で提供される場合がほとんどです。
ただし、用意したデータを適切に活用するためには、企業や組織内の体制づくりが不可欠です。データ活用のコツについて、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
データ分析
データマートには、特定の目的に特化して、自動でデータ分析を実施してくれる機能が備わっている場合があります。
マーケティング・営業・経理など、部門ごとに必要なデータがあらかじめ集約・整理されています。そのため、ユーザーは複雑な処理を行わなくとも、即座に必要なデータを使って集計やレポート作成・傾向分析が可能です。
またBIツールやダッシュボードと連携させることで、グラフやチャートによる可視化も容易になり、データにもとづいてスムーズに意思決定ができます。
データ分析について基本や手順などを以下の動画で解説していますので、あわせてご覧ください。
10分で学ぶシリーズ
〜データ分析の始め方編〜
分析の上で重要なステップとは?
本動画では、データ分析における2つポイントを解説します。
1.データ分析の進め方
2.何から取り組むべきか
本動画が貴社のビジネス成長の一助になりますと幸いです。
データマートの種類

データマートには大きくわけて以下3つの種類があります。
- 従属型データマート
- 独立型データマート
- ハイブリッド型データマート
それぞれの特徴を理解し、自社にあったデータマートを利用しましょう。
従属型データマート
従属型データマートは、データウェアハウスに格納されたデータをもとに構築される、データマートです。
データウェアハウスで一元管理されたデータを、部門別や用途別に加工・抽出することで、整合性や一貫性を保ったまま活用できます。
たとえば、営業部門や経理部門など、特定の業務に特化した集計や分析に役立ちます。また、企業全体で統一したデータ管理が可能なため、ガバナンス強化にもつながるでしょう。
ただし、データウェアハウスを利用していることが前提なため、初期構築や運用コストは高めです。
独立型データマート
独立型データマートは、データウェアハウスを介さず、各部門や業務単位で個別に構築・運用されるデータマートです。
各部門が自ら必要な外部データや業務システムのデータを直接収集し、独自に加工・分析を行うため、短期間で導入でき、初期投資も比較的少なく済むのが特徴です。
ただし、データの一貫性や整合性が確保しにくく、サイロ化やデータの重複管理が発生する可能性があるため、適切な運用管理が求められます。
ハイブリッド型データマート
ハイブリッド型データマートは、従属型と独立型の両方の特徴を組み合わせたデータマートです。
データの一部はデータウェアハウスから供給され、企業全体で共通のデータ基盤を活用します。また、同時に各部門独自のデータソースも取り込むため、柔軟な分析が可能です。つまり、全社統一のガバナンスを維持しつつ、部門ごとに必要な意思決定を迅速に行いやすくなります。
複雑なデータ連携や運用管理が求められますが、全体への最適化と現場のニーズを両立できる点が強みです。
データマートを活用するメリット

データマートを活用することで、データを効率よく業務へ活かせます。
具体的に、どのような場面で役立つのか、データマートを活用するメリットについて解説します。
データの保守・管理が容易になる
データマートを導入することで、特定の部門や目的に応じたデータを集約・整理できるため、保守や管理が容易になります。
全社規模の膨大なデータから必要な情報だけを抽出して管理するため、データ容量や処理負荷が軽減され、管理コストの低減にもつながります。
また、データ構造や仕様を部門単位で最適化できるため、保守作業の複雑さが軽減され、データの更新や修正も迅速に対応可能です。
データ品質の維持やガバナンスの強化が実現し、企業全体のデータ管理体制が整うでしょう。
必要なデータを効率よく活用できる
データマートは、特定の業務や分析目的に合わせてデータを集約・加工する仕組みです。そのため、利用者は膨大なデータのなかから必要な情報を探す手間が省けるうえ、目的に応じたデータを効率よく活用できます。
たとえば営業やマーケティング部門では、部門に特化した売上データや顧客情報を素早く抽出し、分析やレポート作成に役立てられるでしょう。
さらに、データの前処理や集計が済んでいるため、分析作業のスピード向上や人的ミスの防止にもつながります。
意思決定が効率よく行える
データマートを導入すると、意思決定に必要なデータが整理・集約されているため、必要な情報をすぐに取得でき、迅速な意思決定につながります。
特定の部門やプロジェクトの視点に合わせたデータがあらかじめ用意されているため、経営層や現場責任者は分析結果をもとに、スムーズに施策を検討・実行できます。
また、データの正確性や一貫性が確保されているため、意思決定の質が向上し、組織全体の競争力強化やリスクの低減にもつながるでしょう。
AI機能搭載の『Tableau』でデータマートの活用がより効率的に

データマートを導入すれば、必要なデータをスムーズに活用できます。具体的には、データをもとにした経営戦略の立案や資料作成などを自動かつスピーディーに実現できるでしょう。
しかし、データマートを導入しても、活用しきれなければ意味がありません。Salesforceが提供するBIツール『Tableau』は、データマートに格納された情報を効率的に分析・可視化するのに最適なツールです。
TableauにはAI機能が搭載されており、チャット形式で自然な日本語の指示を入力するだけで、データマート内の情報をもとにグラフやレポートを自動作成できます。たとえば「売上推移を折れ線グラフで表示して」といった指示にも即座に対応可能です。
さらに、AIが重要な傾向を自動で抽出し、「なぜその結果になったのか?」といった深掘り分析にも対応します。予測される質問を提示してくれるため、データの背景理解もスムーズに進みます。
データマートをより実践的に活用するには、こうした分析支援ツールの導入がカギになるでしょう。
スムーズなデータ活用ならデータマートの導入がおすすめ

データマートは、部門や用途ごとに特化したデータを効率よく管理・分析するためのデータベースであり、データウェアハウスやデータレイクとは役割が異なります。
本記事では、データマートの基本や類義語との違い、導入メリットなどを解説しました。データマートを正しく理解し、自社のデータ活用方針に合わせて導入・運用することで、迅速な意思決定や業務効率化が実現できるでしょう。
なお、データ分析をどう始めればよいか迷っている方に向けて、「進め方」や「取り組み方の優先順位」をわかりやすく解説しています。ビジネスの成長に向けた第一歩として、ぜひ動画をご覧ください。
10分で学ぶシリーズ
〜データ分析の始め方編〜
分析の上で重要なステップとは?
本動画では、データ分析における2つポイントを解説します。
1.データ分析の進め方
2.何から取り組むべきか
本動画が貴社のビジネス成長の一助になりますと幸いです。












