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Speeda、第二創業へ。経済情報×Salesforceでトップパフォーマーの「営業の型」を誰にでも

経済情報プラットフォーム「Speeda」などを提供するユーザベースは、SalesforceのAIエージェントのマーケットプレイス「AgentExchange」に参画し、経済情報とSalesforceを融合させたAIエージェントを開発しました。営業スタイルを抜本的に変える可能性を秘めたこの協業の狙いとインパクトを、ユーザベースの作田遼・上席執行役員B2B事業CROに聞きました。

Key Takeaways

This summary was created with AI and reviewed by an editor.

「与えられた枠でのスケール」から「枠を外す、広げる」挑戦へ

──作田さんは元Salesforceですよね。早速本題から逸れますが、なぜ辞めたんですか(笑)。

作田:いきなり、その質問ですか(笑)。Salesforceは今でも素晴らしい会社だと思っていますし、嫌だから辞めたわけではありません。だからこそ、約12年にわたってSalesforceでの営業活動に邁進してきました。

私はユーザベースに移籍するまで、一貫して外資系テック企業に勤めてきました。Salesforceだけでなく、外資系テック企業の日本法人の役割は、言葉を選ばずに言えば「与えられた枠の中で工夫しながらどうスケールさせるか」。すでに実績のある完成度の高いプロダクトやサービスがあって、それをどう広めていくかだと思います。

それにはやりがいを感じていたのですが、これからのキャリアを考えた時に「枠自体をどう広げるか」に関心を持ちました。プロダクトやサービスを自分たちの力で進化させ、そのうえでお客様に届ける。そんな仕事にチャレンジしたい、と。

そう考えていた時、ユーザベース代表の稲垣(裕介・代表取締役CEO)さんと話す機会がありまして。ユーザベースは、私がSalesforce在籍時に担当していたお客様だったので、プロダクトやカルチャーを理解していました。

これからどんな世界を創りたいかを語り合っているうちに、主力プロダクトの「Speeda(スピーダ)」は進化の可能性を秘めているし、自由闊達に議論する文化もある。私が新天地に求めた要素を持つプロダクトカンパニーだと思い、移籍を決めました。

AI時代に価値が増す「プロが認めるデータアセット」

──嫌になって辞めたのではなかったんですね(笑)。ユーザベースに移って約1年半が経ちました。現在の役割を教えてください。

CRO(Chief Revenue Officer)として、BtoB事業の責任者を務めています。売上や利益の拡大のための戦略立案と実行はもちろん、プロダクトやサービスの改善や新たな機能についても開発チームと連携しながら日々試行錯誤しています。

──BtoB事業の根幹プロダクトといえるSpeedaの強みを教えてください。

Speedaは、世界中の市場・業界・企業などの経済情報にワンストップでアクセスでき、経営や事業の意思決定に必要な調査・分析や、営業の提案準備を支援するソリューションです。もともとは、金融・コンサルティング業界の方が夜を徹して行っていたリサーチ業務の負担を軽減しようと、2009年に生まれたプロダクトです。

最大の強みは、金融機関やコンサルティングファーム、大企業の経営企画部門などプロが認めるデータアセットを持っていること。正確で網羅性が高く、独自性のあるデータを基盤に、経営の意思決定にまつわる重要な情報収集や分析ができます。

また、Speedaを提供開始して以降約17年、多様なお客様の調査・分析業務を支えてきたことで、ユースケースも蓄積されています。良質なデータと「使い方のベストプラクティス」をセットで提供できる点も、他の類似サービスにはない強みです。

──生成AIの進化によって、LLM(大規模言語モデル)を誰もが自然言語で操れるようになりました。聞きにくい質問ですが、Speedaにとって脅威ではありませんか。

むしろ追い風です。確かにAIによってWebで検索する以上に欲しい情報にアクセスしやすくなり、分析も簡単になりました。場合によっては事業計画書や営業の提案資料だって作ってくれます。

ただ、AIによるアウトプットの精度が上がったとはいえ、依然としてハルシネーションリスクはつきものです。

ビジネスの重要な意思決定を、真偽不明の情報で完結させるわけにはいきません。AI時代だからこそ、信頼性の高いSpeedaの価値を再認識してもらえています。AIの回答を、Speedaでファクトチェックしているお客様も増えています。

SalesforceやSlackを「業務の入り口」にする潮流に着眼

──ユーザベースは以前からSalesforceと協業していますが、今回、AIエージェントでも手を組んでいただきました。狙いを教えてください。

AIエージェントの技術が進むと、AIエージェントが各アプリケーション(システム)やデータを裏側でつなぐ時代がきます。そうなると、業務ごとにアプリをいちいち切り替えて使う必要がなくなり、「このアプリさえ開けば仕事が進む」ということもありえるでしょう。

Salesforceには、CRMという企業の事業活動にとって欠かせない分野と、「Slack」という誰でも必要なコミュニケーション分野のツールがある。「仕事の入り口」になりえる強力なソリューションを持っているのです。

実際、お客様の声を聞くと「SalesforceやSlackを業務のフロントにしたい」というニーズを感じます。だからこそ、SalesforceのAIエージェント「Agentforce」と連携し、Salesforceの画面からシームレスにSpeedaの価値ある情報へとアクセスできるようにすることが大きな価値を生むと考えました。

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「経済情報×Salesforce」で狙うは営業の底上げ

──Agentforceと連携する「Speeda AI Agent」の利点を教えてください。

ユーザベースが長年構築してきた経済情報を土台に、市場や競合分析・調査のような高度な業務を自律的に推進。経営・営業戦略策定や意思決定に活用できるデータやリサーチ資料をワンクリックで提供できるソリューションです。調査や情報収集にとどまらず、開示資料に基づくアウトプット策定支援まで網羅します。

Speedaの持つ信頼性の高い独自データとUXで、従来は時間とスキルが必要だった情報収集・分析を大幅に効率化。1270万社のグローバル企業データと、1800種類以上の企業特徴データによって正確性を担保しています。

また、国内外のトップデータパートナーとの長期におよぶパートナーシップや、長期間の自社組成による企業情報による独自性の高いデータも強みです。「複雑な経済情報を意思決定と実行の力に変える」ことを特徴にしています。

──その利点を持つSpeeda AI AgentがAgentforceと連携する「Speeda AI Agent for Salesforce」についても教えてください。

Speeda AI Agent for Salesforceは、Agentforce上で動く営業支援にフォーカスしたAIエージェントと捉えてください。Speedaが保有する市場環境、業界情報、企業概要、経営課題といった正確かつ専門性の高いデータをAgentforceから呼び出すことができます。

これによって、Speedaが持つ経済情報とSalesforceが持つ顧客情報を組み合わせることで、アカウントプラン(営業計画書)やお客様に向けた良質な提案書を作成することができようになる。

LLMに「〇〇社に営業したいんだけど提案書を作って」と依頼しても、どうしてもWeb上の公開情報に基づいた一般的な営業方法になりがちですよね。情報の根拠という点でも、不安が残ります。

Speeda AI Agent for Salesforceを使えば、正確で専門性の高い経済情報と実際の顧客との取引情報や過去の提案情報などを活用するので、精度は比べものにならないほど高い。

たとえば、Agentforceに「アカウントプランを作って」と指示すると、ある程度まとまった形で自動生成され、少し加筆すれば使える状態になります。さらに、そのプランをもとに「ディスカッションペーパーを作って」と指示すれば、スライド資料が5〜6枚、瞬時に生成される。時間がなくてできなかった事前準備が“数秒でできる”インパクトは大きいと思います。

──営業スタイルが根本から変わりますね。

ですね。営業のトップパフォーマーは定常的に有価証券報告書や中期経営計画、経営者インタビューを事前に読むなど顧客調査を徹底し、仮説を立て、提案ストーリーに落とし込んでいる。

とてつもなく事前準備に時間を使っているんです。一方で、そうでない営業担当者も事前準備が大事なことも、やるべきことも分かっている。だけど、やり方が分かっていない。

Speeda AI Agent for Salesforceは、営業の事前準備を高速化し、「まずお客様に提案して、会話して、引き出す」ための材料を用意します。トップパフォーマーと同様の事前準備を可能にしますので、営業組織全体の底上げを担えると自負しています。

AI時代の営業は、機能説明だけでは価値が出にくい。だからこそ、仮説をもとに「顧客と対話する」という、人にしかできない価値あることに時間を使うべきです。

──Speeda事業にどの程度インパクトをもたらしますか。

私は、Speeda AI AgentのリリースでSpeedaは第二創業を迎えたと位置付けています。それくらいのインパクトがある。

その最大の理由はターゲットの拡大です。これまで、Speedaは市場調査や分析といった専門性の高い業務で活用されることが多く、ユーザーは経営企画部門や市場調査部門、または事業部のリーダークラスと限定的でした。

Speeda AI Agentは、違います。企業規模や業種を問わず、すべての営業担当者が利用する価値があるソリューションで、アプローチできる企業数が圧倒的に多い。過去の延長にはない非連続な成長を実現する可能性を秘めています。

それに加えて、Salesforceとの協業はプロダクト連携による新たな価値を創出するという点で大きな意味を持ちます。それと同等に営業支援の分野でNo.1のSalesforceと組むことによって共同でマーケティングやセールスができる点も大きい。しっかりタッグを組んで挑めればと思っています。

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