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AI投資のROIを、どう証明するか。日本のIT意思決定者277人が挙げた「5つの壁」と突破口

 日本企業のCIO・ITリーダー277人への調査で判明した「AI ROI証明」の最大課題と、業務再設計・人材再配置・スキル習得・再調整の4ステップ解決策を徹底解説。Salesforce自社における実践事例を交えて紹介します。

Key Takeaways

This summary was created with AI and reviewed by an editor.

AIは導入したのに、なぜ成果が見えないのか

「AIを入れたのに、経営層に成果を説明できない」──。そんな悩みを抱えるCIO・ITリーダーが急増しています。

Salesforceが日本企業のCIOをはじめとするIT意思決定者・テックリーダー277人に実施した調査で、その手応えのなさは数字となって表れました。

最大の課題に挙がったのは、「AI投資のROI証明」。回答者の約半数にあたる137人が、これを選んでいます。AIはいま、「先進的な取り組み」から「投資対効果を厳しく問われるコスト」へと評価の物差しが変わりつつあります。

なぜ、AIを導入しても成果が見えないのか。そして、ROIを「見える化」できる企業は、何が違うのか。277人の声と、Salesforce自身の実践からその分岐点を読み解きます。

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AI活用を阻む5つの壁。そのすべては、技術ではなく組織にある

調査から浮かび上がった課題のトップ5(複数選択可)は以下です。

順位課題
1位AI投資のROI証明
2位人間とAIの役割分担の設計
3位複雑な業務プロセスへの適用
4位データ品質への懸念
5位AIガバナンス

注目すべきは、上位5つのすべてが「AI技術そのものの問題」ではなく、「組織・プロセス・データ・人」に関わる課題だという点です。つまり、AIプラットフォームをいくら高度化しても、組織側の設計が追いつかない限り、ROIは証明できません。

1位:AI ROIの証明が困難な理由

AIの導入によって個人の生産性が上がっても、その創出された時間が企業価値の向上に正しく反映されなければ、ROIとしては見えてきません。

ROIが見えるようになるのは、AIが生み出した変化を測定可能な形に変換できたときだけです。そのためには、業務と組織の再設計が不可欠であり、ここに他の4つの課題が連鎖しています。

2位:人間とAIの役割分担の設計

「どこまでAIに任せ、どこから人間が担うか」という設計がなければ、AIはあくまで個人業務の生産性向上ツールにとどまります。

役割をタスク単位に分解し、繰り返しの多い作業や時間のかかる業務はAIへ、複雑な判断や顧客との関係構築は人へ、という明確な振り分けが必要です。この設計なしにAIを導入しても、創出された時間を組織の価値に変換するサイクルが機能しません。

3位:複雑な業務プロセスへの適用

単純な定型業務へのAI適用は比較的容易ですが、複数部門をまたぐ業務や例外処理が多いプロセスへの適用は難易度が高くなります。

AIエージェントを複雑な業務フローに組み込むには、プロセス自体の整理・標準化や、AIエージェントがコンテキストをより深く理解するためのアーキテクチャが必要となります。

4位:データ品質への懸念

AIの判断精度は、参照するデータの品質に直結します。データの重複・欠損・定義の不統一があると、AIエージェントは誤った判断を下すリスクが高まります。AIエージェントが参照するデータを統合・クレンジングし、ガバナンス体制を整えることが早期に着手すべき基盤整備です。

5位:AIガバナンス

「何をAIに委ねてよいか」「どこに人間の承認が必要か」を明確にする体制がなければ、AIの活動が組織のリスク要因になりかねません。ガバナンスの整備は、AI活用の信頼性と継続的な拡大の土台となります。

ROIはどこで生まれるのか。「導入→時間創出→価値創造」の分岐点

ROIが証明できるフローは「AI導入 → 時間創出 → 価値創造 → ROI証明」です。

このうち最初の2段階(AI導入と時間創出の測定)を機能させるには、業務の再設計(Redesign) が欠かせません。そして、その測定可能になった時間を「価値に転換する」ためには、人材の再配置(Redeploy)という仕組みが必要になります。この一連の転換を、業務・人材・スキルの面から体系化したのが、次に述べる「4R」の考え方です。

「4つのR」で成果に変える

Salesforceが提案する解決策の核心は、「Redesign・Redeploy・Reskill・Rebalance」という4つの取り組みで構成するフレームワークです。

Redesign(業務の再設計)

人間とAIエージェントのワークフローを構築します。AIのスピードと規模を活用しながら、人間の判断と創造性を強化します。AIエージェントを導き、拡張するために必要なスキルを従業員に習得させます。

ただAIを既存業務に「追加」するのではなく、業務そのものをAI前提で設計し直すことが土台になります。

Redeploy(人材の再配置)

固定された役割から脱却し、人材が他の役割に柔軟に適応し、インパクトの大きい業務に集中できるようにします。

AIが一部の業務を担うことで生まれた人材の余力を、より付加価値の高い業務へ再配置することで、組織全体の生産性が向上し、ROIとして計測可能になります。

Reskill(スキルの再習得)

スキルの再習得の優先事項として、以下が挙げられます。

  • 企業への影響が最も大きいスキルを優先して再教育する
  • ビジネスの変革や成長にとって重要なスキルに注力する
  • 組織全体に必要なスキルと個々の職務に必要なスキル、両方を身につけられるトレーニングプログラムを構築する

Rebalance(再調整)

適材適所の再配置をしたとしても、役割分担は一度決めたら終わりではありません。AIエージェントの能力は常に変化しているため、人間とAIエージェントを組み合わせた労働力を継続的に再評価する必要があります。

Salesforceの実践。Agentforceが問い合わせの7割をその場で解決

AIが実際にカスタマーサービスのROIを証明できるのか。Salesforceはその問いに対し、自社を「カスタマーゼロ(0番目の顧客)」として、製品を社内で徹底的に活用・検証することで答えを出しています。

Salesforceのお客様からの問い合わせサイトでは、従来のヘルプポータルが以下3つの課題により顧客体験を損ねていました。

  • パーソナライゼーションが限定的:顧客一人ひとりの状況に合わせた案内ができず、汎用的な回答にとどまっていた
  • 複雑な問題への対応が困難:定型化できないケースや複数サービスにまたがる問題に、チャットボットが対応しきれなかった
  • 24時間対応体制のコスト:人手によるサポートで全時間帯をカバーするには、多大なリソースが必要だった

これらの課題に対し、AIエージェントプラットフォーム「Agentforce」をサポートサイトに実装。その結果として得られた成果は次の通りです。

  • 420万回:AIエージェントによる会話数
  • 70%:AIエージェントがその場で解決した割合
  • 20%:解決できない問い合わせのみ、人へエスカレーション

AIエージェントが問い合わせを24時間一次受付し、解決できない問い合わせのみ人の対応へ引き渡す仕組みで、対応品質を落とすことなくスケールを実現しました。

重要なのは、成果の数値だけではありません。現場でAIエージェントを動かしながらその実力を見極め、任せられる対応範囲を少しずつ広げていきました。そうして空いた人手は、プロアクティブな支援など、より顧客の成功に直結する仕事へ振り向けています。

これはまさに4Rフレームワークにおける「Redeploy(再配置)」の実践例です。AIが創出した時間を、より高付加価値な業務へ振り向けることで、ROIを「見える形」で証明しています。

見落とせないのは、その進め方です。Salesforceは、業務を再設計してからAIを導入したわけではありません。まず本番環境に投入し、走りながら4Rを回しました。

「本番に載せない限り、AIがどこまで担えるかは見えない」。そう考えたからです。導入後にどの順番で4Rを回し、現場の不安をどう解いたのか。その具体的なプロセスは、無料ガイドで追体験できます。

「よくある質問」で振り返るITリーダーの今とROI

Q1.ITの意思決定者およびテックリーダーが、AI投資で課題に感じていることは?

A.Salesforceが日本企業のIT意思決定者・テックリーダー277人を対象に行った調査では、課題のトップ5(複数選択可)として以下が挙がっています。

  1. AI投資のROI証明(約50%が最大課題と回答)
  2. 人間とAIの役割分担の設計
  3. 複雑な業務プロセスへの適用
  4. データ品質への懸念
  5. AIガバナンス

注目すべきは、これらすべてが「AI技術そのもの」の問題ではなく、「組織・プロセス・データ・人」に関わる課題である点です。テクノロジーの成熟とともに、AI活用の壁は導入側の組織設計と運用体制に移っています。

Q2. AI ROIを証明するには、まず何から始めればいい?

A.「業務の再設計(Redesign)」から着手することを推奨します。AI導入そのものはROIを生みません。AIが創出した時間を測定可能な形に変換するためには、業務フローをAI前提で見直し、どの業務をAIに任せ、どの業務を人間が担うかを明確に定義することが出発点になります。

Q3. AIへの投資に対して、経営層はどんな成果指標(KPI)を求めている?

A. Salesforceの調査では、「AI投資のROI証明」が最大の課題(回答者の約50%)として挙げられています。経営層が求めるKPIとしては、AIエージェントの成功率、顧客満足度(CSAT)、平均解決時間、そして「AIがどれだけ売上・生産性に貢献したか」の定量的な根拠です。

企業価値に貢献するには、AIにより創出された時間を、どのように再配置し、価値のある業務をさせられるかが鍵となります。

Q4. 人間とAIエージェントの役割分担は、どう設計すればいい?

A. タスク単位で役割を分解するアプローチが効果的です。繰り返しの多い定型業務や時間のかかるルーティン作業はAIに委ね、複雑な判断・顧客との関係構築・クリエイティブな課題解決は人間が担う、というラインを明確に引きます。重要なのは、この設計を「一度決めたら終わり」ではなく、継続的にモニタリングしながら調整し続けることです。

Q5. データ品質の問題が解消されていない状態でAI活用を進めても大丈夫?

  1. データ品質への懸念はAI導入課題の4位に挙げられており、軽視できません。AIの判断精度は、学習・参照するデータの品質に直結します。まず着手すべきは、AIエージェントが参照するデータを統合・クレンジングし、ガバナンス体制を整えることです。完璧を待つ必要はありませんが、データの統合性と正確性の確保は並行して進めることが重要です。

【まとめ】AI ROIを証明する7つのチェックポイント

AI活用は「導入フェーズ」から「成果証明フェーズ」へと移行しています。日本企業のIT意思決定者が直面する課題の本質は、テクノロジーではなく「組織・プロセス・人」の変革にあります。

問われているのは、AIをどれだけ導入したかではありません。AIが生み出した時間を、どのような価値へ変えるか。その設計こそが、これからの企業の競争力を分けます。セールスフォースは「人間+AIエージェント」が共存する組織のかたちを自ら実践しながら、顧客の変革に伴走していきます。

チェック項目アクション
✅ 業務の再設計(Redesign)AIを既存業務に追加するのではなく、業務フロー自体を再設計する
✅ 人材の再配置(Redeploy)AIが担う業務が明確になったら、人材をより付加価値の高い業務へ
✅ スキルの再習得(Reskill)AIをリード・拡張するためのスキルトレーニングを組織に実装する
✅ 成果の可視化(Measure)AIのROIをKPIで定量化し、経営層に説明できる状態にする
✅ データ品質の確保AIが参照するデータの統合・クレンジングを並行して推進する
✅ 継続的な再調整(Rebalance)パフォーマンスデータをもとに業務配分をリアルタイムに最適化し続ける
✅ AIガバナンスの整備ルール・制御・記録の仕組みを構築し、信頼できるAI運用を確立する

その「実装」、無料ガイドが引き受けます

本記事で描いた「4R」の考え方を、明日から動かすための手順とチェックリストにまで落とし込んだ無料ガイド「AI投資の『ROI証明』をどう突破するか?——AI導入課題TOP5と解決のロードマップ」をご用意しています。記事では触れきれなかった、実装のノウハウがここで手に入ります。

<eBookでわかること>

  • AIに任せるべき仕事の見極め方と「自動化タスクTop5」
  • 業務を再設計する「5つのステップ」と実行チェックリスト
  • AIが生み出した時間を価値に変える、人材の再教育・再配置の進め方
  • AIの成果をKPIで管理する「Agentforce Command Center」の使い方
  • Customer Zeroが“導入してから4Rを回した”実践プロセスの全貌

▼ 無料ガイド「AI導入課題TOP5と解決のロードマップ」をダウンロード(登録後すぐにお読みいただけます)