CRMマーケティングとは、CRMに蓄積した顧客データを基に一人ひとりに合ったアプローチを行い、LTV(顧客生涯価値)や売上の向上を図る手法です。
既存顧客との長期的な関係を築き、事業を安定して成長させる方法として注目されています。しかし、具体的な施策の進め方や他ツールとの役割分担、成果を測る指標の設定に悩む担当者も少なくありません。
CRMマーケティングを成果につなげるには、自社の目的を明確にし、必要なデータや施策、評価方法を順序立てて設計することが大切です。本記事では、CRMマーケティングの進め方、顧客別の施策と評価指標(KPI)の設計、企業事例を解説します。
Key Takeaways
目次
CRMマーケティングとは?

CRMマーケティングとは、CRM(顧客関係管理)システムに蓄積した顧客データを基に、顧客一人ひとりのニーズや状況に合ったアプローチを行う手法です。顧客との関係を深め、LTVや売上の向上を目指します。
CRMマーケティングの目的はLTV(顧客生涯価値)の向上
LTV(顧客生涯価値)とは、顧客が自社との取引を始めてから終了するまでに、もたらす売上や利益の総額を示す指標です。例えば、1回の購入金額が1万円でも、年に4回の購入を3年間続ければ、売上ベースのLTVは12万円になります。
LTVは、購入・契約金額、利用頻度、取引の継続期間などによって変化するため、LTVを最大化するには、これらの要素を高める施策が必要です。
例えば、BtoCのECサイトでは、初回購入後に商品の使い方を案内して2回目の購入を促すほか、関連商品の提案や消耗品の補充案内によって、購入頻度と購入金額の向上を図ります。
BtoBでは、導入後の定着を支援して契約期間を延ばすほか、利用部門の拡大や上位プランへの移行を提案し、取引全体の売上や利益を伸ばします。
顧客データを活用してブランドへの信頼や継続利用につなげる考え方は、以下の動画でも紹介しています。顧客を理解し、パーソナライズしたマーケティング施策を実施する流れを確認できます。
CRM・SFA・MAの違い
CRM(顧客関係管理)は、既存顧客を中心に、見込み顧客を含めた関係構築と顧客データ一元管理を担います。 一方、SFA(営業支援システム)は、商談の進捗や営業担当者の活動、売上見込みなどを記録・共有し、営業活動を管理するツールです。また、MA(マーケティングオートメーション)は見込み顧客の獲得・育成を目的に、メール配信やスコアリングなどを自動化する仕組みです。
CRM・SFA・MAの比較
| ツール | 対象フェーズ | 目的 | 主な機能 | 代表的な使いどころ |
|---|---|---|---|---|
| CRM | 見込み顧客〜既存顧客 | 顧客関係の構築と全社でのデータ一元管理 | 顧客属性管理、対応履歴、取引履歴 | 全社での顧客情報共有、リピート促進 |
| SFA | 商談・受注・追加提案 | 営業活動の効率化と商談進捗の可視化 | 案件管理、活動記録、売上予測 | 営業プロセスの標準化、属人化の解消 |
| MA | 獲得・育成・継続施策 | 見込み顧客の育成と商談化プロセスの自動化 | スコアリング、メール自動配信、行動追跡 | Web接客、条件別の情報配信 |
機能が重なる製品もあるため、導入するツールは、顧客情報の分散、商談管理の属人化、見込み顧客へのアプローチ不足のうち、どの課題を解決したいかで選びましょう。
CRMマーケティングが重要とされる背景

デジタルマーケティングの広がりで、Webサイトやメール、SNS、店舗など、顧客との接点は増え続けています。接点ごとの情報を部署単位で管理していると、顧客の行動や過去のやり取りを全体として把握しにくくなります。
例えば、閲覧履歴はマーケティング部門、購入履歴は販売部門、商談内容は営業部門と分かれていると、同じ案内の重複やフォロー漏れが起きがちです。複数の接点から得たデータを集約・共有し、一貫した対応をとる手段として、CRMマーケティングの重要性が高まっています。
こうした対応の分断を防ぐには、複数の接点から得た顧客データを集約・共有し、過去のやり取りを踏まえて継続的に対応できる体制を整えることが必要です。
CRMマーケティングの3つのメリット

CRMマーケティングの主なメリットは、LTVの向上、顧客情報の一元管理、業務の効率化の3点です。いずれも、顧客データを1か所に集めることで、効果や改善につながります。
1. 顧客生涯価値(LTV)の向上につながる
購買履歴や問い合わせ履歴を基に、顧客の関心や買い替え時期に合わせた提案ができます。好みに合う商品の紹介や、消耗品の消費サイクルに合わせた再購入の案内で、リピート購入を促せます。
2. 顧客情報を一元管理できる
営業、カスタマーサポート、マーケティングに分散していた顧客情報を、1つの基盤に集約できます。商談経緯や問い合わせ内容、購買実績まで社内で共有できるため、引き継ぎ漏れや重複連絡を防げます。
3. 業務を効率化できる
複数の表計算ファイルを突き合わせていた配信リストの抽出作業を、条件指定で効率化できます。空いた時間は、施策の企画や顧客フォローに充てられるでしょう。
CRMマーケティングの3つのデメリットと対策

CRMマーケティングのデメリットは、導入・運用に費用と工数がかかること、成果が見えるまでに時間がかかること、自社に合うツールの見極めが必要なことの3点です。
いずれも、目的と対象顧客を絞って小さく始め、段階的に広げることで負担を抑えられます。導入前に必要な費用・時間・運用体制を確認しましょう。
1. システムの導入・運用コストがかかる
ツールの利用料に加え、初期設定や外部システムとの連携、担当者の教育にも費用と時間がかかります。無料プランから始める場合も、運用にかかる社内の工数を含めて見積もることがポイントです。
2. 成果が見えるまでに時間がかかる
リピート購入や契約更新には時間がかかるため、成果が見えるまでに一定の期間を要します。開封率などの初期反応だけで判断せず、同じ顧客群の購買行動を継続して追うと、施策の効果を判断しやすくなります。
3. 自社に合うツールの見極めが必要
自社の課題や運用体制を整理しないまま選ぶと、必要な機能と現場の使い方が合わず、定着に時間がかかることがあります。事業形態、利用者のITスキル、既存ツールとの連携性を基準に選び、必要な機能から使い始めて段階的に広げると、無理なく定着させられます。
CRMマーケティングの進め方|5ステップ

目的と指標を先に決め、必要なデータを整えてから施策を実行します。各工程の成果物を残すと、担当者間で判断基準を共有できます。
ステップ1:目的(KGI)とKPIを決める
このステップの成果物は、事業方針と連動した最終目標(KGI)および評価指標(KPI)を明記した目標管理シートです。
例えば「今後1年間で既存顧客からの売上高を前年比15%増やす」と、KGIの期間と水準を定めます。
KPIは「初回購入から60日以内の2回目購入率30%」など、KGIにつながる行動や成果を追う指標にしましょう。あわせて対象の顧客群と測定期間を定め、KGIとの関係を整理します。
ステップ2:顧客データを収集・整理する(名寄せ・重複削除)
このステップの成果物は、識別キー、連絡先、取引履歴、配信許諾の状況が整理された統合顧客台帳です。
問い合わせ、購買・受注の記録、名刺などからデータを集めます。名寄せでは氏名や社名だけでなく、電話番号やメールアドレスなど複数の識別キーを照合しましょう。BtoBでは企業IDと担当者・検討課題・導入時期、BtoCでは個人IDと購買履歴をひも付けます。
誤った統合を戻せるよう元データを保管し、配信同意の取得状況も整理します。未取得の項目は今後の接点で収集し、入力担当者と更新のタイミングを決めましょう。
ステップ3:顧客をセグメントする(RFM分析・デシル分析)
このステップの成果物は、分析基準に基づいて顧客を分類したセグメント定義表です。
代表的な手法として、最終購入日(Recency)、購入頻度(Frequency)、集計期間内の購入金額(Monetary)の3軸で評価するRFM分析があります。直近90日以内に3回以上購入した層を「優良顧客」、最終購入から180日以上空いている層を「離脱懸念顧客」とするなど、商材の購買サイクルに合わせた期間を設定します。
また、購入金額順に顧客を10等分して売上構成比を把握するデシル分析は、上位顧客への重点施策などを検討する際の全体把握に適しています。BtoBにおいては取引金額だけでなく、契約更新時期や検討課題、利用部門の規模なども分類軸として活用しましょう。
ステップ4:セグメント別に施策を実行する
このステップの成果物は、セグメントごとの施策内容、連絡チャネル、実施日程、担当者、停止条件を取りまとめた施策実行計画表です。
メール、LINE、郵送DM、営業担当者の個別連絡などから、顧客の同意状況や特性に合う手段を選定します。担当者や配信スケジュールを明確にするとともに、顧客から配信停止の申し出があった場合の処理方法や、一定期間反応がない場合の送信除外ルールも設定しましょう。
ステップ5:効果を検証し改善する
このステップの成果物は、施策の実施結果と課題、次回への改善案をまとめた効果検証レポートです。
メールの開封率やリンクのクリック率といった初期反応だけでなく、最終的な購買行動や契約継続に至ったかを追跡します。
効果検証では、比較する対象の母集団や期間の条件をそろえることが欠かせません。可能であれば対象を無作為に分けて比較します。難しい場合は、属性や施策前の行動が近い顧客群を設定し、同じ期間で変化を比較しましょう。
【顧客セグメント別】CRMマーケティングの施策と期待できる効果
顧客の状態に合う施策を選ぶと、必要な案内を届けやすくなります。4つの顧客群について、施策・チャネル・KPIを対応させます。
顧客セグメント別の施策マトリクス
| 顧客セグメント | 顧客の状態 | 主な施策 | 推奨チャネル | 見るべき主要KPI |
|---|---|---|---|---|
| 新規顧客 | 初回購入直後で利用定着が必要 | 使い方ガイド、歓迎メッセージ | ステップメール、同梱物 | リピート率(2回目購入率)、初期利用完了率 |
| リピート顧客 | 定期利用が始まり追加利用の余地がある | 関連商品提案、消耗品の補充案内 | メール、LINE公式アカウント | 購入頻度、リピート購入間隔 |
| 優良顧客 | 利用頻度や購入金額が高い | 限定案内、特別優待、先行案内 | 個別営業、専用メール、郵送DM | 売上ベースLTV、契約継続率 |
| 休眠顧客 | 一定期間の接点が途絶えている | 状況確認アンケート、再案内 | 郵送DM、SMS、アドレサブル広告 | 再購入率、アンケート回答率 |
新規顧客の定着
初回購入・契約の直後には、オンボーディング(定着の支援)を行います。使い方や初期設定の案内をステップメールや同梱物で届け、不安を解消して2回目の利用へつなげましょう。
新規獲得に注力したい場合は、既存の優良顧客の購買データや属性を分析しましょう。自社に定着しやすい顧客の特徴がわかれば、新規獲得向けの広告配信や訴求メッセージの改善に活かせます。
リピート顧客の継続利用を促進
複数回の購買実績があるリピート顧客には、過去の購買傾向に基づいた関連商品の提案や、消耗品の消費サイクルに合わせた補充の案内が有効です。
BtoCであれば買い替え時期を予測したメールやLINEでの通知、BtoBであれば他部署への展開支援や関連オプションの提案などが考えられます。
優良顧客との関係を強化
優良顧客には、特別な体験や手厚いサポートを提供し、企業に対する信頼を強めます。
会員限定の先行案内、特別な優待プログラム、BtoBにおける専任担当者による定期的な事業支援などが有効です。特別な関係性を築くことで継続的な取引を促し、長期的なLTVの向上を目指します。
休眠顧客の掘り起こし
過去に取引があったものの、一定期間にわたり接点が途絶えている顧客を休眠顧客として抽出できる点も、CRMの利点です。
商材の特性に合わせて「最終購入から半年」「最終更新から1年」といった休眠の判定基準を設定します。新機能やリニューアルの案内、状況確認のアンケートなどを通じて、再び接点を持つ機会をつくります。ただし、継続して反応がない場合は配信頻度を見直し、必要に応じて配信対象から除外するなど、顧客の意向に配慮した対応が必要です。
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CRMマーケティングを活用した施策例

CRMマーケティングでは、蓄積した顧客データをメール配信やLINE公式アカウント、Web広告、セミナー、アンケートなどの施策に活用します。ここでは、代表的な6つの手法と顧客データの活かし方を紹介します。
1. メルマガの配信
全員に同じ内容を送る一斉配信と、顧客の行動を起点に順に送るステップメールを使い分けることが重要です。
新商品やお知らせは一斉配信、初回購入後の定着支援にはステップメールが向いています。例えば、初回購入の数日後に使い方を送り、2週間後に活用事例を届けるといったシナリオを組むことで、必要な情報を適切な順序で伝えられます。
2. LINE公式アカウントの活用
LINE公式アカウントは、セールや入荷、消耗品の補充時期など、タイミングが重要な案内に向いています。CRMに蓄積した購買履歴や会員情報と連携し、顧客の関心や購入状況に応じて配信内容を分けることで、一斉配信よりも顧客に合った案内が可能です。
連携環境を整えれば、購買履歴に応じて配信内容を分け、クーポン利用などの反応を顧客情報にひも付けられます。配信頻度は、反応を見ながら調整しましょう。
3. 郵送DM・同梱物の活用
郵送DMは、メールやWeb広告への反応が少ない顧客への再案内や、優良顧客への限定案内などに活用できます。CRMの購買履歴や最終購入日を基に対象を絞り、顧客の状況に合った内容を送ることで、休眠顧客との接点の回復や再購入につなげられます。
商品への同梱物は、使い方の説明、関連商品の提案、アンケートや会員登録の案内に適しています。DMの送付後や商品の到着後に生じた購入・問い合わせ・アンケート回答などをCRMへ記録し、施策の効果を検証しましょう。
4. Web広告配信・アドレサブル広告
Web広告配信は、検索エンジンやSNSなどの広告枠で商品やサービスを案内する施策です。なかでもアドレサブル広告は、自社の顧客データと広告媒体の情報を照合し、特定の顧客に配信する手法を指します。例えば、メールへの反応が途絶えた顧客に、SNS広告で新機能を案内できます。
5. セミナーの開催
セミナーを企画する際は、CRMに登録された業種や役職、商談履歴を基に、対象顧客の課題に合ったテーマを設定します。開催後は出欠やアンケートの回答をCRMに集約し、関心度に応じて、営業担当者が個別に連絡するか資料提供を続けるかを判断します。
6. アンケート調査
アンケート調査では、購入後や問い合わせ対応後に、満足度や改善点を尋ねて顧客の声(VoC)を集めます。実施するタイミングは購入後や問い合わせ対応後、回答手段はメールやWebフォーム、アプリなどが有効です。
回答を顧客レコードにひも付ければ、購買履歴と合わせた分析が可能です。不満の声には速やかに対応し、高評価の顧客には意向を確認したうえで、事例インタビューを依頼する方法もあります。
CRMマーケティングのKPI設計|LTV・リピート率・チャーンレート
CRMマーケティングの成果を正しく評価し、施策の改善を継続するためには、目的に合わせた適切なKPI設計が欠かせません。
CRMマーケティングで用いる代表的なKPI一覧
| 指標名 | 主な目的 | 計算式の定義例 | 主に見る施策 |
|---|---|---|---|
| LTV(顧客生涯価値) | 顧客1社/1人から取引期間全体で得られる売上高の簡易推計 | 簡易・売上ベース:平均購入単価 × 年間購入回数 × 平均継続年数 | 全社的な関係構築、優良顧客育成 |
| リピート率(2回目購入率) | 初回購入者の再購入割合 | (設定期間内に2回目を購入した人数 ÷ 初回購入顧客群の人数)×100 | 初回フォローメール、同梱案内 |
| チャーンレート(解約率) | 契約型ビジネスの離脱割合 | (期首顧客のうち当該期間に解約した顧客数 ÷ 期首顧客数)×100 | オンボーディング、利用支援 |
| NPS(推奨意向度) | 他者への推奨意向 | 9〜10点の推奨者割合(%)− 0〜6点の批判者割合(%) | 製品改善、アフターフォロー |
表のKPIを用いる際は、対象顧客と測定期間をそろえましょう。条件をそろえることで、施策前後の数値を正しく比較できます。
LTV(顧客生涯価値)は、平均購入単価、年間購入回数、平均継続年数を掛け合わせた売上高ベースの推計値です。利益ベースでは粗利率も加味します。
リピート率は、同時期の初回購入者を母集団として計測します。例えば、100人のうち90日以内に30人が再購入した場合は30%です。全購入者に占める再購入者の割合を示すリピーター比率とは、計算対象が異なります。
チャーンレート(解約率)は期首顧客数を基準に算出します。都度購入型ECで一定期間購入がない状態は解約ではないため、休眠顧客として管理します。
NPS(推奨意向度)は、他者への推奨意向を0~10点で尋ねる指標です。推奨者の割合から批判者の割合を差し引き、-100~100ポイントで表します。再購入率や売上を直接示す指標ではないため、ほかのKPIと組み合わせて評価しましょう。
CRMマーケティングの成功事例
顧客データを統合し、顧客の状況に応じた対応や組織づくりに取り組んだ企業の事例を紹介します。3社とも、まずCRMで顧客データを整え、その基盤の上でAIの活用へと広げた点にご注目ください。
株式会社REFLAME
採用支援を行う株式会社REFLAMEは、求職者と採用企業のマッチング精度と、求人検索工数の改善に取り組みました。
同社はCRMを基盤とし、企業と求職者の情報を定量・定性の5段階で構造化して一元管理しました。その上でData 360とAgentforceを活用したAIマッチングと面談支援の仕組みを構築。この取り組みにより、求人検索工数を67%削減し、面談決定率は従来の10%から最大20%に向上しました。
(導入事例:AIと人が協働する採用支援へ ー 面談決定率10%向上を実現した、株式会社REFLAMEの人材マッチングの進化)
株式会社TAPP
資産運用コンサルティングを手掛ける株式会社TAPPでは、集客を目的としたマネーセミナーの規模拡大に伴い、参加者からの日程変更やキャンセルに関する問い合わせが急増していました。
同社は過去3年間で蓄積したCRMの顧客情報や予約履歴とAgentforceを連携させ、AIが自動で日程調整やキャンセル処理を行う体制を構築。この施策により、問い合わせに対するAI解決率は90.3%に達し、離脱しかけていたリードを月間60件復旧させました。
(導入事例:リードは増え続ける。しかし、人は増やせない。 TAPPがAgentforceで実現した「顧客対応が止まらない仕組み」)
株式会社ユニバーサルポスト
総合印刷やプロモーション支援を行う株式会社ユニバーサルポストでは、顧客ランクに応じた対応方針が定まっておらず、営業担当者が小規模案件の問い合わせ対応に追われて上位顧客への提案に十分な時間を割けないという課題がありました。
同社はCRMで全社の顧客データを統合し、全体の約2割を占めるEランク顧客への対応を、経理や総務、生産管理のスタッフが担うコンタクトセンターへ移管。Service CloudとAgentforceを活用して取引履歴を共有する体制を整えました。営業担当者は上位顧客への提案に注力し、コンタクトセンター部門の売上目標達成率は336%を記録しました。
(導入事例:「Salesforceは、家族です。」ユニバーサルポストが語る、営業組織改革への道)
CRMに蓄積した顧客データをAIで活用する方法については、以下の動画も参考にしてください。顧客対応や業務を支援する自律型AIエージェント「Agentforce」の特徴と活用の考え方を紹介しています。
中小企業がCRMマーケティングを始める時の現実的なタイムライン
中小企業がCRMマーケティングを始める際は、小さな範囲で運用を定着させ、分析と再アプローチ、自動化の順に広げます。同意取得やデータ整備、施策の実行体制が整っているかを確認しながら、次の段階へ進めましょう。
フェーズ1(最初の3か月):小さく始める
複数の施策に手を広げず、「2回目購入率の改善」など明確な目的を1つに定め、対象とする顧客層も「直近の新規購入者」などに限定して始めます。
現場が無理なく続けられるよう入力項目を最小限に抑え、重複を避ける名寄せの基準を整えることがポイントです。情報の入力担当者や更新頻度を定め、データの蓄積体制ができた段階で、初回購入後のフォローメールなど単一の施策を開始して運用の流れをつかみます。
フェーズ2(3~6か月):分析と再アプローチ
同一の顧客群を対象にKPIの数値を追跡し、どのような行動や属性を持つ顧客が2回目の購入に至ったかを分析します。
結果に応じてメッセージや配信頻度を調整し、休眠顧客への再案内などへ施策を広げましょう。反応がない相手の配信停止条件も整え、運用の精度を高めます。
フェーズ3(半年~1年):自動化と連携拡大
開始から半年~1年を目安に、定着した運用プロセスを自動化し、他システムや他部門との連携を広げていきます。定期的なリスト抽出作業の自動化や、特定の行動を検知した際の通知設定などを導入し、業務効率化を図ります。
業務自動化や複雑な連携は、入力と施策の実行が現場に定着してから広げると無理なく運用できます。組織規模やIT習熟度に合わせて、段階的に範囲を広げましょう。
CRMマーケティングならSalesforceがおすすめ

CRMマーケティングで成果を上げるには、顧客情報や購買・対応履歴を一元化し、営業、カスタマーサポート、マーケティングで共有することが重要です。さらに、顧客の状態に応じた施策を実行し、その反応を次の対応へ生かす仕組みも求められます。
Salesforceでは、顧客管理に加えて、営業活動や問い合わせ対応、メールマーケティングに必要な機能を同じ基盤で利用できます。部門やツールごとに顧客情報が分散するのを防ぎ、施策の実行結果を顧客単位で蓄積できる点が、CRMマーケティングに適している理由です。
Salesforceでは、少人数での顧客管理から本格的な業務管理まで、段階に合わせて選択できるエディションが用意されています。
フェーズ1のように、小規模に顧客情報の蓄積とメール配信を始める場合はFree Suite(2ユーザーまで無料)、営業・サービス・マーケティングをまとめて運用するなど施策を広げるフェーズ2ではStarter Suite(月額3,000円/ユーザー)を検討できます。また、フェーズ3の自動化と連携拡大・カスタマイズが必要な段階では、Pro Suite(月額12,000円/ユーザー)も選択肢の1つでしょう。
Starter Suiteで、ビジネスをまるごと前に進めよう
営業・サービス・マーケティングをオールインワンで。AI搭載のCRMで、顧客管理をスモールスタートできます。
CRMマーケティングに関するよくある質問
顧客情報が社内に分散している場合は、先にCRMを導入して情報基盤を整えるのが基本です。すでに管理基盤があり、定期フォローやシナリオ配信の手作業が課題であれば、MAを検討しましょう。両方の機能を備える製品もあるため、情報管理と配信業務のどちらが不足しているかで判断します。
あります。例えばSalesforceのFree Suiteは、クレジットカード情報の登録不要で、最大2ユーザーまで、利用期間の制限なく無料で利用できます。
基本的な顧客・商談管理に加え、問い合わせ管理や月間最大100通のマーケティングメール送信に対応します。利用人数と送信量が業務に合うかを判断して始めましょう。
利用ユーザー数が無料プランの上限を超える見込みが立った場合や、月間のメール送信数が上限に達した場合は、有料プランを検討する目安になります。
顧客別のメール施策や権限管理、他システムとの連携や自動化など、業務の幅を広げたい段階になった際が有料プランを検討する目安です。利用料と運用工数が、削減できる作業や期待する成果に見合うかを確認して判断しましょう。
※2026年10月現在の情報を基にしています。最新の詳しい価格情報については、営業担当者にお問い合わせください。













