ナーチャリングとは、獲得した見込み顧客(リード)に継続的な情報提供やフォローを行い、信頼関係を築きながら購買意欲を高める活動です。しかし、リードを獲得しても十分にフォローできず、商談や成約につなげられない企業も少なくありません。
こうした課題の解決に有効なのが、顧客情報や接点履歴を一元管理できるCRMです。CRMとナーチャリングの関係や違いを整理したうえで、事業モデル別・課題別の施策、シナリオやスコアリングの設計例、企業の成功事例を紹介します。
Key Takeaways
目次
CRMを活用したリードナーチャリング(顧客育成)とは

CRMを活用したリードナーチャリングとは、見込み顧客の属性や行動履歴をCRMで一元管理し、検討段階に応じた情報を届けることで、段階的に購買意欲を高める取り組みです。
その基盤となるのが、顧客情報や接点履歴を一元管理するCRMです。情報が担当者の手元や個別の表計算ファイルに分散していると、顧客の関心や過去の対応を組織で把握できません。CRMに情報を集約すれば、見込み顧客の検討状況に応じた施策を実施しやすくなり、段階的に購買意欲を高められます。
CRMを基盤に、部門を越えて顧客情報を共有する考え方は、以下の動画でも紹介しています。「Customer 360」によって複数の接点のデータをつなぎ、顧客の状況に応じた対応へ活用する仕組みを確認できます。
リードナーチャリングが必要とされる3つの理由

顧客が自ら情報を集める購買行動や、長い検討期間に対応するには継続的な接点が必要です。過去に接点のあった顧客との関係を再構築できることも、ナーチャリングに取り組む理由です。
1. インターネットの普及による顧客行動の変化に対応するため
インターネットや検索エンジンが普及したことで、顧客は営業担当者と直接対話する前に、Webサイトや比較記事を通じて自ら製品情報を調査できるようになりました。
問い合わせが入った時点で、すでに他社製品との比較検討が進んでいる場合も珍しくありません。情報収集の初期から役立つ情報を提供し、相談先として思い出してもらえるよう、継続的な接点を保つことが重要です。
2. 成約までの検討期間が長い商材に対応するため
高価格帯の製品や法人向けサービスなどでは、複数の担当者による合意形成が必要となり、導入決定までに数か月から1年以上の期間を要することがあります。
検討期間が長い商材において、初回接触後にフォローを止めてしまうと、他社製品へ関心が移ったり、検討自体が立ち消えになったりする可能性があります。定期的な接点を維持し、顧客企業内の検討段階の変化を捉え続ける仕組みが必要です。
3. 休眠顧客から商談機会を掘り起こせるため
過去に資料請求や商談をしたものの、導入時期のズレや予算の都合で成約に至らなかった顧客は、すでに自社製品への関心が確認できている層です。再アプローチする価値は十分にあります。
状況の変化によって再度導入を検討し始める顧客も存在しますが、連絡を取らなければ再検討の兆候を把握できません。ナーチャリングの仕組みを整えておくことで、放置されていた休眠顧客から新たな商談機会を掘り起こせます。
CRMとナーチャリングの違い
CRMとナーチャリングは密接に関わりますが、前者は顧客情報を管理・共有するための基盤を指し、後者は顧客との関係を育てるための施策や活動そのものを指します。両者の違いを理解するため、対象顧客・目的・KPI・担当部門という4つの軸で整理し、MA・SFAとの役割分担もあわせて解説します。
1. 対象となる顧客の違い
ナーチャリングが主に対象とするのは、問い合わせや資料請求などを経た未購入の見込み顧客です。商談化や初回購入へと導くことが活動の中心となります。ただし、既存顧客に製品・サービスの活用や追加契約を促す場面でも、育成の考え方は応用できます。
一方でCRMが対象とする顧客範囲は、初期の見込み顧客から商談中の顧客、すでに契約を結んでいる既存顧客まで多岐にわたります。
2. 目的の違い
ナーチャリングの目的は、顧客の知識不足や導入に対する不安を解消し、自社製品やサービスへの購買意欲を高めることです。
これに対してCRMの目的は、顧客との良好な関係を中長期的に構築・維持し、顧客生涯価値(LTV)を最大化することにあります。
3. KPIの違い
ナーチャリング活動で確認すべき主な指標には、メールの開封率やクリック率、セミナー参加率、商談化率、新規受注率などが挙げられます。
CRMを使った顧客管理全体では、これらに加えて既存顧客のリピート率、契約継続率、解約率、顧客単価、顧客満足度などを総合的に評価します。
4. MA・SFAとの役割分担
MA(マーケティングオートメーション)は配信・育成の自動化、SFA(営業支援システム)は商談管理を支援します。
MAで見込み顧客の関心度をスコア化し、優先して対応する顧客を選定。その情報を基にSFAで商談を管理し、一連の履歴をCRMに蓄積して既存顧客のフォローに活用します。
CRM・MA・SFAとナーチャリングの4軸比較
| 比較項目 | ナーチャリング(活動) | MA(ツール) | SFA(ツール) | CRM(基盤) |
|---|---|---|---|---|
| 主な対象 | 見込み顧客 | 見込み顧客・既存顧客 | 商談中・既存顧客 | 見込み顧客から既存顧客全般 |
| 主な目的 | 購買意欲の段階的な育成 | 施策の自動化・効率化 | 営業活動の可視化・効率化 | 顧客関係の維持・LTV最大化 |
| 主なKPI | 商談化率・新規受注率 | 開封率・スコア到達数 | 商談化率・受注率・売上 | リピート率・解約率・LTV |
| 主な担当 | マーケティング部門 | マーケティング部門 | 営業部門 | マーケティング・営業・顧客対応 |
CRMを活用したリードナーチャリングを導入するメリット

CRMを顧客データの基盤として活用すると、ナーチャリングの精度が高まり、見込み顧客との関係構築と営業活動の効率化につながります。
例えば、過去の接触履歴や関心のあるテーマを踏まえて情報を届ければ、画一的な案内を避け、顧客ごとに適したアプローチが可能です。さらに、行動データから関心度の高まりを捉えることで、営業担当者は受注の可能性が高い顧客を優先してフォローできます。
加えて、失注や検討見送りとなった顧客の情報もCRMに蓄積されるため、担当者が異動・退職した場合でも履歴が失われません。組織として情報を引き継ぎ、中長期的なフォローを継続できる点もメリットです。
CRMを活用したリードナーチャリングのデメリット

CRMを活用したナーチャリングの成果を判断するには、中長期的な顧客行動の確認が必要です。あらかじめ準備にかかる手間と、成果が出るまでの目安を押さえておけば、無理なく運用を続けられます。
まず必要になるのが、顧客の検討段階に応じたコンテンツの準備です。解説記事や配信メール、ホワイトペーパーなどを継続して用意するため、担当者と制作の段取りを決めておきましょう。最初から多くを作る必要はなく、既存の資料やよくある質問を活用して少ない本数から始める方法もあります。
なお、見込み顧客のデータが少ないうちは、配信結果の比較に時間がかかります。まずはクリックや資料請求など反応がわかりやすい指標から確認し、データの蓄積に合わせて判定の精度を高めていきましょう。
CRMを活用したナーチャリングの主な施策例

CRMを活用したナーチャリングには、メールやSNS、オウンドメディア、セミナー、Web広告など、さまざまな施策があります。ここでは、代表的な施策とそれぞれの活用方法を紹介します。
メール(ステップメール・セグメント配信)
CRMに登録された顧客情報や行動履歴を活用すると、顧客の状況に応じてメールを配信できます。代表的な方法が、ステップメールとセグメント配信です。
「ステップメール」は、資料請求や会員登録、商品購入などの行動を起点として、あらかじめ設定した順序と間隔でメールを届ける手法です。例えば、資料請求の当日に関連資料を送り、数日後に導入事例、さらにその後に個別相談を案内することで、段階的に検討を促進できます。
「セグメント配信」は、業種、企業規模、役職、関心のあるテーマ、購買履歴などの条件で顧客を分類し、グループごとに内容を変えて配信する手法です。BtoBでは業種や検討段階に合った導入事例、BtoCでは購入商品や最終購入日に応じた関連商品・再購入の案内などを届けられます。
配信後は、リンクのクリック率や資料閲覧数、商談化率、再購入率などを確認し、セグメントの条件や配信内容を改善します。
SNS
SNSを活用すれば、見込み顧客と日常的な接点を持ちながら、自社の認知度や専門性を高められます。例えば、顧客の課題解決に役立つ情報を継続して発信することで、商品やサービスを身近に感じてもらいやすくなるでしょう。
LINE公式アカウントなどを、問い合わせ対応や情報提供の窓口として利用する方法もあります。SNS上の反応をCRMに連携すれば、問い合わせ前の関心もフォローに活かせます。連携の際は、顧客を識別する方法を決め、各サービスの利用条件や個人情報の取り扱いにも配慮しましょう。
オウンドメディア
オウンドメディアとは、自社が運営するWebサイトやブログを通じて、顧客の課題解決に役立つ情報を発信する媒体です。見込み顧客が情報を集める段階から接点をつくり、商品やサービスへの理解を徐々に深めてもらえます。
記事を読んでもらうだけで終わらせず、詳細資料や事例集のダウンロードページへ誘導することも大切です。読者の関心に応じた導線を設けることで、資料請求や問い合わせといった次の行動につなげられます。
自社セミナー
自社セミナーは、見込み顧客の課題解決に役立つ情報や製品の活用方法を、対面またはオンラインで伝える施策です。参加者の疑問や関心を直接把握できるため、その後の提案につなげやすいという特徴があります。
開催後は、参加者の属性やアンケート回答をCRMに記録しましょう。関心のあるテーマに応じて関連資料を送ったり、営業担当者が個別に連絡したりするなど、フォローを調整できます。
なお、申し込み後に欠席した顧客には、録画や当日資料を案内することで、接点を途切れさせずに次の行動を促せます。
リターゲティング広告
リターゲティング広告は、過去に自社のWebサイトを訪問した履歴を持つユーザーに対して、外部のWebサイトやSNS上で広告を再表示する手法です。
離脱した見込み顧客に対して、新機能の案内や導入事例を提示して再訪を促せます。CRMに蓄積された顧客リストを媒体側に連携して照合する顧客マッチ広告を活用すれば、商談中や契約済みの企業を配信対象から外せます。不要な配信が減り、広告費の抑制にもつながります。
【事業モデル別】ナーチャリング設計の考え方

ナーチャリングの設計方針は、対象顧客が法人(BtoB)か個人(BtoC)かによって異なります。意思決定者と購入周期に合わせて管理データを選びましょう。
BtoB・BtoC別ナーチャリング設計の比較
| 比較項目 | BtoB | BtoC・EC |
|---|---|---|
| 主な意思決定者 | 担当者・上長・決裁者など複数の関係者 | 購入者本人 |
| 検討期間 | 数か月〜1年以上に及ぶこともある | 比較的短く、購入を繰り返すことが多い |
| CRMで重視するデータ | 企業情報、部署・役職、予算・導入時期・決裁権限、資料閲覧やセミナー参加の履歴 | 最終購買日、購入頻度、購入商品カテゴリ、閲覧履歴、会員ランク・ポイント |
| 主な施策 | 検討段階に合わせた事例紹介、スコアリングと営業への引き渡し | 購買履歴に基づく関連商品の案内、ポイント・ランク施策 |
| 主なKPI | 商談化率、有効商談率、受注率 | リピート率、継続率、配信解除率 |
BtoBの場合
BtoBでは、複数の関係者が関わり、検討が長期化しやすい商材を想定したフォローが必要です。CRMでは担当者個人だけでなく企業単位で情報をひも付け、商談の進行に合わせて予算や導入時期を更新します。資料閲覧やセミナー参加などの行動をスコアリングし、関心度が一定の基準に達した段階で営業部門へ引き渡しましょう。
BtoCの場合
BtoCやECサイトでは、直近の購買行動や個人の関心が次の購入に影響しやすい傾向があります。CRMに蓄積した購入履歴を基に、リピート購入や関連商品を案内しましょう。ただし、売り込み色の強い案内を頻繁に送ると配信解除につながるため、顧客ごとの購入サイクルに合わせて配信間隔を調整することが大切です。
【課題別】CRMを活用したナーチャリングの打ち手

CRMを活用したナーチャリングでは、抱えている課題によって確認すべきデータや有効な施策が異なります。ここでは、よくある4つの課題を取り上げ、それぞれに適した対策を解説します。
リードは取れるが商談化しない
リードを獲得できても商談につながらない場合、顧客の検討段階に対してアプローチが早すぎる可能性があります。検討初期の顧客には、商談の案内よりも課題解決に役立つ情報の提供が適しています。
例えば、ダウンロードした資料や直近のアクセス日時、業種、企業規模、検討条件などをCRMで確認し、関心度に応じて対象を分類します。そのうえで、関心度が低い顧客には同業界の導入事例を段階的に届け、料金ページの閲覧など、検討が進んだ兆候が見られた段階で営業担当者が接触します。施策の効果は、商談化率や、そのうち提案に進んだ商談の割合(有効商談率)の変化から判断しましょう。
休眠顧客が積み上がっている
失注や検討保留の後に接点が途絶えると、休眠顧客は増えていきます。ただし、過去に自社の商品やサービスへ関心を示した顧客であるため、状況の変化によって検討を再開する可能性があります。
再アプローチの際は、失注理由や当時の検討時期、最終接触日、配信可否をCRMで確認します。そのうえで、導入予定時期の直前や、関連する法改正、新機能のリリースなどの節目に合わせ、検討状況を尋ねるアンケートや最新の市場動向レポートを送りましょう。返信率や再商談化率を測定すれば、取り組みの効果を評価できます。
リピート率が上がらない
初回購入後のリピート率が伸びない原因は、商品を使い始めた顧客へのサポートや、再購入を促す案内の不足にあるかもしれません。
購入日や商品、問い合わせ履歴をCRMで確認すると、顧客ごとに適したフォローの時期と内容を判断できます。例えば、商品到着後には初期設定ガイドを送り、利用状況に応じてアフターフォローを実施します。消耗品の補充時期が近づいた顧客には、再購入や定期購入を案内するのも有効です。一定期間内の2回目購入率や継続率を指標に、施策を改善していきます。
施策の効果を測定できていない
施策の履歴が顧客情報や商談情報と結び付いていなければ、どの取り組みが売上に貢献したのかを把握できません。施策ID、顧客ID、商談IDを関連付け、一連の顧客行動を追跡できる環境を整える必要があります。
メールやセミナーを実施した際は、キャンペーン情報や流入経路、その後の商談・受注結果をCRMへ記録します。ただし、メールの開封率は、メールソフトの自動読み込み機能によって正確に測定できない場合があります。開封率だけに頼らず、リンクのクリック数やメールへの返信数、問い合わせ数、商談創出数、受注金額も組み合わせ、施策の投資対効果を総合的に判断しましょう。
CRMでナーチャリングを始める5ステップ

専任のマーケティング担当がいない中小企業でも、次の5つのステップで順に進めれば、無理なくCRMを活用したナーチャリングを始められます。
- 顧客データの一元管理と統合:顧客IDや担当者、配信可否などの項目を統一し、分散している情報をCRMに集約します。
- 育成対象のセグメンテーションとゴールの設定:育成する顧客層を分類し、「商談獲得」など施策のゴールを決めましょう。
- シナリオ作成と配信コンテンツの準備:顧客の検討段階の流れ(カスタマージャーニー)に沿って、配信する内容と日程を具体化します。
- スコアリング基準の策定と営業引き渡しルールの明確化:営業担当者へ通知する条件、フォローの担当者と期限、結果の記録方法を決めます。
- 施策の実行と効果測定・改善:商談化率などのKPIを定期的に確認し、配信シナリオやスコアの配点を見直します。
ナーチャリング施策のKPIや顧客行動を可視化し、改善につなげる際は、以下の動画も参考になります。ダッシュボードでデータを分析し、次のアクションにつながる情報を見つけるTableauの活用方法を紹介しています。
ステップメールのシナリオ例とスコアリング設計例

ナーチャリングを計画的に進めるためには、具体的な配信シナリオと顧客の関心を可視化するスコアリングの設計が役立ちます。資料請求後のステップメール、休眠顧客の掘り起こし、スコアリング配点の具体例を紹介します。
資料請求後のシナリオ例
資料請求を起点に、比較検討に必要な情報を提供し、個別相談へつなげるシナリオ例です。表は基本の流れです。リンクのクリックや資料閲覧など反応があった顧客には、次の配信を前倒しするなど分岐させましょう。
資料請求後のステップメール設計例
| 配信日 | 件名例 | 内容の骨子 | 次のアクション |
|---|---|---|---|
| 当日 | 資料をお届けします | お礼、資料のダウンロードURL、簡単な問い合わせ窓口の案内 | 資料ダウンロードの確認 |
| 3日後 | 選定時に確認したい3つの点 | 自社商材の選び方、導入時によくある失敗例と対策の解説 | 比較検討記事への誘導 |
| 7日後 | 導入後の運用イメージ | 近い業種の活用事例、導入企業が実感した業務変化の紹介 | 事例詳細ページへの誘導 |
| 14日後 | 課題整理をお手伝いします | 専門スタッフによる無料相談、個別オンラインデモの案内 | 個別相談フォームへの誘導 |
顧客が途中で返信した場合や、個別相談を申し込んだ場合、商談中や契約成立となった場合、または配信停止を希望した場合は、自動的にシナリオ配信を停止する除外ルールを設けておきましょう。
休眠顧客の掘り起こしシナリオ例
過去に接点があったものの、一定期間連絡が途絶えている顧客に対するアプローチでは、一方的な製品案内を避け、現在の検討状況を尋ねる内容から始めます。
休眠顧客の掘り起こしシナリオ例
| 配信タイミング | 件名例 | 内容の骨子 | 次のアクション |
|---|---|---|---|
| 最終接触から90日後 | 現在のご検討状況を教えてください | 簡単な選択式アンケート、最近の業界動向レポートの送付 | アンケート回答、状況確認 |
| アンケート回答から7日後 | 関心に合わせた情報をご案内します | 回答内容に応じた最新の事例集や新機能情報の案内 | 関連資料の閲覧確認 |
| 反応がない場合 | 今後の情報配信についてのご案内 | 配信頻度の希望確認、配信停止の案内 | 頻度を下げた定期配信または配信除外 |
配信の間隔は一律に設定せず、商材の検討周期に合わせて調整しましょう。資料の閲覧やアンケートへの回答など、反応があった顧客には次の情報を案内します。顧客の反応に応じてシナリオを分岐させることで、不要な配信を避けながら接点を維持できます。
スコアリング配点の例
スコアリングは属性と行動を分けて点数化し、対応の優先順位を決める方法です。以下は配点と営業への通知条件の設計例です。
スコアリング配点の設計例
| 分類 | 項目 | 配点例 |
|---|---|---|
| 属性 | 自社のターゲット業種に合致 | +10点 |
| 属性 | 役職が意思決定に関与(部長・役員等) | +10点 |
| 行動 | 特定の製品資料をダウンロード | +10点 |
| 行動 | 料金プランページを閲覧 | +10点 |
| 行動 | オンラインセミナーへの参加 | +15点 |
| 行動 | 個別相談・デモの申し込み | +30点 |
| 減点 | 30日間、Webサイト訪問、リンクのクリック、問い合わせなどの反応なし | -10点 |
合計点が40点以上、かつターゲット属性の条件を満たした場合に「優先対応リード(ホットリード)」と判定して営業へ通知する、といった運用を行います。スコアは、対応の優先順位を決める目安です。導入の意思は、実際の商談で営業担当者がニーズや予算、導入時期を確かめて判断しましょう。
中小企業のはじめてのCRMは、Salesforce
創業したばかりでも、成長期でも。永久無料のFree Suiteから、あなたのゴールに合わせてスケールできます。
CRMを活用したナーチャリングの成功事例
CRMを活用して顧客データを整理し、見込み顧客との関係構築や業務効率化につなげている企業の取り組みを紹介します。
株式会社TAPP
株式会社TAPPでは、セミナー集客の拡大に伴い日程変更やキャンセルへの対応が追いつかず、検討途中の見込み顧客が離脱してしまうことが課題でした。
同社は、過去3年間にSalesforce上へ蓄積した顧客情報や予約管理データを基盤として、AIエージェントであるAgentforceを導入しました。これにより、セミナーの日程変更やキャンセルの問い合わせに対してAIが自動対応する仕組みを約1か月で構築しました。
その結果、AIによる問い合わせ解決率は90.3%に達し、手続きが完了せず離脱しかけていた見込み顧客を月間60件、検討プロセスへ戻す成果を上げています。
(導入事例:リードは増え続ける。しかし、人は増やせない。 TAPPがAgentforceで実現した「顧客対応が止まらない仕組み」)
株式会社ギブリー
株式会社ギブリーでは、顧客への継続的な情報提供と、メールなどの企画・制作にかかる負担の軽減を両立することが課題でした。
そこで、Marketing CloudとAgentforceを導入。CRMに蓄積した顧客データや過去の制作物を活かし、マーケティング施策の企画からコンテンツ作成までを効率化する体制を整えました。
こうした取り組みにより、月8本配信するメールマガジンとLPの制作工数は、16時間から8時間へ半減。開封率は17%から20%へ3ポイント、クリック率も11%から13%へ2ポイント向上しました。
(導入事例:ギブリーが挑むAgentforce(AIエージェント)による“労働力革命”)
CRMに蓄積した顧客データをAIで活用する方法については、以下の動画もご覧ください。顧客対応や業務を支援する自律型AIエージェント「Agentforce」の特徴を紹介しています。
【世界シェアNo.1】SalesforceのCRMで営業効率を最大化

CRMを活用したナーチャリングで成果を上げるには、顧客情報や接点履歴を一元管理し、検討状況に応じた情報を継続的に届けることが重要です。さらに、顧客の反応を営業活動へ引き継ぎ、商談化率などのKPIを基に施策を改善する仕組みも欠かせません。
こうしたナーチャリングの基盤として活用できるのがSalesforceです。営業・サービス・マーケティングの情報を1つのプラットフォームに集約できるため、顧客の行動を部門間で共有し、情報提供から営業フォローまで一貫して管理できます。また、企業の成長段階や必要な機能に合わせてプランを選べる点も特徴です。IDCの調査では、2025年の売上高ベースのシェアが20.0%となり、13年連続で世界のCRM市場シェア1位を獲得しています。
小規模に始める場合は、最大2ユーザーまで無料で利用できるFree Suiteが選択肢です。メールキャンペーンやセグメント配信を本格化する場合はStarter Suite(月額3,000円/ユーザー)、業務の自動化や売上予測、見積もり管理まで広げる場合はPro Suite(月額12,000円/ユーザー)へ段階的に拡張できます。
Starter Suiteで、ビジネスをまるごと前に進めよう
営業・サービス・マーケティングをオールインワンで。AI搭載のCRMで、顧客管理をスモールスタートできます。
CRMナーチャリングに関するよくある質問
自社の課題によって異なります。顧客情報が担当者ごとに分散し、組織内で共有できていない場合は、まずCRMで情報基盤を整えましょう。一方、顧客データをすでに一元管理できており、メール配信やフォローの手作業が負担になっている場合は、MAの導入が適しています。CRMとMAには重複する機能もあるため、現在の業務で不足している機能を整理したうえで選ぶことが大切です。
できます。SalesforceのFree Suiteは最大2ユーザーまで永久無料です。基本的な顧客・商談管理と小規模なメール配信から始められます。利用人数・配信量・必要機能に合わせてプランを選びましょう。
フォロー漏れや対応の属人化が見え始めたときが目安です。例えば、営業担当者が新規リードへの個別対応に追われ、既存リストへのフォローが漏れている場合は、CRMの活用を検討してみてください。また、過去の商談履歴や問い合わせ内容が社内で共有されておらず、アプローチが属人化していると感じる場合も、顧客データをCRMへ統合してナーチャリング体制を見直す好機といえます。
※2026年10月現在の情報を基にしています。最新の詳しい価格情報については、営業担当者にお問い合わせください。














