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営業におけるAIの活用方法7選|メリットや成功事例、注意点を紹介

営業にAIを導入すると、業務の効率化と売上アップが期待できます。本記事では、営業にAIを導入するメリットと活用方法、成功事例を紹介します。

「トップセールスが退職したら、チームの売上が大きく落ち込んでしまった…」
「部下によって営業成績のばらつきが大きく、指導や育成に限界を感じている…」

このような営業の属人化は、多くのマネージャーが頭を悩ませる、根深い課題ではないでしょうか。

もし、その優秀な営業担当者の思考や行動パターンをAIが学習し、チーム全員が「売れる仕組み」として活用できるとしたら、組織の可能性は大きく広がるはずです。

本記事では、営業分野におけるAI活用の具体的なメリット、実践的な活用方法、そして導入時の注意点を分かりやすく解説します。さらに、AIを活用した営業DXの成功事例もご紹介しますので、営業のデジタルトランスフォーメーションを推進したい方、勘や経験といった曖昧なものから脱却してチーム全体の成果を底上げしたい方は、ぜひご一読ください。

AI導入により、営業担当者の業務効率化やデータドリブンな営業の加速が期待できる一方で、学習データの質や従業員のITリテラシー、運用・保守体制といった注意点も存在します。

具体的な活用方法として、リードの絞り込みと評価の自動化、メールの自動生成などが挙げられます。

また、AIを活用した営業DXの成功事例として、人材育成への応用、AIによるスコアリングを活用した営業活動の具体化、リードスコアにもとづいた架電活動の改革によるアポイント獲得率向上などを紹介します。

営業向けAI活用|AIを活用して成約件数を増やす7つの方法

本ガイドでは、AIを活用した営業活動の例を紹介しています。AI導入後のイメージがつかない方は、ぜひご覧ください。

AIの導入で営業の仕事はなくなる?

AIが進化しても、営業担当者の仕事が完全になくなる可能性は現時点では低いと言えます。むしろ、AIは営業担当者を単純作業やデータ分析といった負荷の高い業務から解放し、より創造的で人間的なスキルが求められる活動へとシフトさせる強力なパートナーとなります。

平成29年に厚生労働省が発表した「IoT・ビッグデータ・AI 等が雇用・労働に与える影響に関する研究会報告書」によれば、営業部門の業務がAIなどに完全に代替されると考える企業はごく少数(0.4%)に留まっています。一方で、約67.6%の企業がAIによる業務の一部代替や支援を期待しており、これはAIが営業担当者の能力を拡張する役割を担うことを示唆しています。

AIは大量のデータを処理し、パターンを見つけ出すことに長けていますが、顧客の微妙な感情を読み取ったり、複雑な状況を理解し共感したりといった、高度なコミュニケーション能力や人間的な洞察力は依然として人間が優位です。

したがって、AIは営業担当者を代替するのではなく、営業担当者がより顧客中心の価値提供に集中できるよう支援する存在と捉えるべきです。AIによって効率化された時間を活用し、顧客との信頼関係構築や、より深いニーズの掘り起こしといった本質的な営業活動に注力できるようになるのです。

営業でAIを活用する本質的なメリット:生産性向上と顧客価値の最大化

圧倒的な業務効率化と、営業担当者の戦略的時間の創出

AIは、営業担当者が抱える反復的かつ時間のかかるタスクを自動化・効率化します。

Salesforceの調査では、営業担当者は勤務時間の実に72%を営業以外のタスクに費やしていることがわかりました。具体的には、以下のような業務です。

  • 顧客情報の入力やSFA/CRMへのデータ反映
  • 営業日報の作成
  • 基本的な提案資料のドラフト作成

会議のスケジュール調整やリマインド これらの業務をAIが担うことで、営業担当者は顧客との対話や、より戦略的な思考、新しい提案の創出といった高付加価値業務に集中できる貴重な時間を生み出します。同調査でも、AI導入企業の多くが時間の使い方改善を実感しています。

データドリブンな意思決定の加速と、顧客理解の深化

AIは、SFA/CRMに蓄積された膨大な顧客データや営業活動データを瞬時に分析し、人間では見過ごしがちなインサイト(洞察)を抽出します。これにより、営業担当者やマネージャーは、勘や経験だけに頼るのではなく、客観的なデータに基づいた迅速かつ的確な意思決定を行えるようになります。

例えば、AIは有望なリードの特定、成約確度の高い商談の予測、あるいは顧客ごとの最適なアプローチタイミングやコンテンツを提案できます。これにより、一人ひとりの顧客に合わせたパーソナライズされた体験を提供し、エンゲージメントを高め、結果として成約率向上に貢献します。

営業ノウハウの形式知化と、組織全体の営業力強化(セールスイネーブルメント)

属人的なスキルに依存した営業組織は、エース社員の異動や退職によって大きな影響を受けます。AIは、トップパフォーマーの営業プロセスや顧客対応のパターンを分析・学習し、その成功要因を形式知化するのに役立ちます。

このAIによって抽出されたベストプラクティスや効果的な営業トークなどを組織全体で共有し、体系的なトレーニングやコーチング(セールスイネーブルメント)に活用することで、営業担当者全体のスキルレベルを底上げし、誰でも一定水準以上の成果を出せる、再現性の高い強い営業組織を構築できます。これは、個人の能力に依存しない、持続的な成長基盤の確立を意味します。

営業におけるAIの活用方法

ここでは、Sales Cloudで活用用で切る営業向けAI『セールス向けAI』の機能をもとに、AIの活用方法を解説します。

  • リードの絞り込みと評価を自動化する
  • プロンプトを使ってリードへのメールを自動生成する
  • 顧客との通話や会議の内容を要約する
  • ガイダンスを活用して業務を自動化する
  • 優先順位に沿って最適なアクションプランを構築する
  • リアルタイムにデータを把握・分析し営業メンバーに指示を与える
  • 精度の高い売上予測をもとにKPIマネジメントを行う

営業におけるAIの活用方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

また、以下の記事では、営業におけるAIの活用方法に触れた動画を掲載しています。

関連記事:【映像解説】AI時代のセールスの極意、スペシャリストと語ります。

リードの絞り込みと評価を自動化する

営業向けAI『Einstein for Sales』は、Webサイトに設置しているフォームを、リアルタイムにチャットを行えるツールに切り替えられます。

この機能を使うと、チャットはリードとのやりとりを収集する手段となり、質問を通じてリードの絞り込みと評価を行います。リードの情報をWebから自動で収集するとともに、既存情報からネットワークを探し出し、つながりを見つけ出すなども可能です。

商談につながる可能性が高いリードに対しては、すぐにアポを取るといったコミュニケーションが可能で、商談までの時間を短縮できます。

営業担当者は、手間をかけずにリードの情報を収集し、商談準備につなげられるでしょう。

プロンプトを使ってリードへのメールを自動生成する

営業向けAI『Einstein for Sales』は、SFA/CRMに蓄積されたデータをもとに、パーソナライズされたメールを自動で作成します。たとえば、営業担当者の自己紹介や打ち合わせの日程、フォローアップのための連絡などを文章に盛り込み、本文を作成できます。

できあがった文章に修正が必要であれば、プロンプト(※)を通じて指示を出し表現を変える、あるいは担当者が微調整を行うことも可能です。AIによって、担当者が頭を悩ませながら行っていたメールの作成業務を大幅に効率化できるでしょう。

※ プロンプトとは、AIの動作を促す指示のこと

以下の記事では、営業活動に効果的なプロンプトを紹介しているので、生成AIを活用する際の参考にしてみてください。

関連記事:営業活動に効果的なAIのプロンプト11選

顧客との通話や会議の内容を要約する

営業向けAI『Einstein for Sales』は、顧客との通話や会議などの音声データを文字に起こし、要約します。

たとえば、しばらくコンタクトを取っていなかった顧客から数ヵ月後に連絡がきても、過去の通話の要約から内容を思い出せるため、質問の回答や新たな提案を即座に行えます。

このように、担当者は重要な情報を要約から探し出せるようになり、顧客へのアクションの構築に時間を割けるようになるでしょう。従来発生していた、議事録の作成業務も削減できます。

ガイダンスを活用して業務を自動化する

営業向けAI『Einstein for Sales』は、蓄積したデータから担当者の質問に回答します。

たとえば、顧客のニーズや好みを質問すると瞬時に答えてくれるため、情報を検索する時間の削減が可能です。また「この商談の戦略を作って」といった高度な指示にも対応可能で、どのように商談を進めていけばよいかアドバイスをもらえます。

AIの視点を加えることで、従来とは異なるアプローチや成約確度の高い戦略を立てられるでしょう。経験が浅い担当者の営業スキルを補う形でも利用できます。

優先順位に沿って最適なアクションプランを構築する

営業向けAI『Einstein for Sales』は、成功または失敗した商談の共通点を導き出し、成約確度を分析してスコアリングを行います。導き出された商談スコアをもとに商談の優先順位づけを行うため、担当者は優先度の高い商談を即座に判断可能です。

また、スコアをクリックすると各商談のプラス要因・マイナス要因を確認でき、顧客に合った最適なアクションの構築に役立てられます。

成約確度が高い商談がわかれば、優先的に進行することで、成約率の向上につなげられるでしょう。

AIを活用すると、担当者の経験や推測をもとにした営業活動よりも、効率的に成約を獲得できるはずです。

リアルタイムにデータを把握・分析し営業メンバーに指示を与える

営業向けAI『Einstein for Sales』は、Web情報だけではなくメールや通話などのコミュニケーションから、顧客情報を自動で取り込むことができます。

営業マネージャーは、AIが提示する商談の進捗に関するインサイトや担当者のエンゲージメントレベルなどを参考に、担当者へ指示を出せます。適切な担当者が案件に関わっているかどうかも見極められるため、適材適所の配置で効率的に業務を遂行させられるでしょう。

営業マネージャーがデータを根拠として指示を出すと、主観や推測を排除できるため、担当者の納得感も高まります。

精度の高い売上予測をもとにKPIマネジメントを行う

営業向けAI『Einstein for Sales』は、精度の高い売上予測をリアルタイムに実行し、営業マネージャーはダッシュボードを見るだけでKPIマネジメントを行えます。エクセルを使用した場合と比較して、数値の入力や分析業務が格段に効率化されるはずです。

売上予測だけではなく、あらゆる収益タイプごとの予測やコンバージョン率、担当者ごとのパフォーマンスなども数値として表示できます。

たとえば、担当者ごとの売上予測やパフォーマンスをもとに、評価と指導を行うことも可能です。データにもとづく教育によって、効率的な営業スキルの向上を期待できるでしょう。

以下の動画では、SalesforceのAI『Einstein』の活用方法をよりわかりやすく解説しているので、あわせてご覧ください。

関連動画:生成AI・予測AIが変える新しい営業活動のカタチ

営業でAIを導入する4ステップ

営業におけるAIの有効性を理解しても、「何から手をつければ良いのか分からない」と疑問に思うのではないでしょうか。思いつきでAI導入を進めても、現場の混乱を招くだけです。

ここでは、AI導入を成功に導くための具体的なプロセスを4つのステップに分けて解説します。この手順に沿って進めることで、着実に成果へと繋げることができるでしょう。

STEP1:課題の明確化とゴールの設定

まず最初に行なうべきは、「AIを使って、何を解決したいのか」を具体的に定義することです。

課題の特定「見込み客の質が低い」「商談化率が上がらない」「既存顧客へのアップセルができていない」など、組織が抱える最も重要な課題をリストアップします。
ゴールの数値化      特定した課題に対して、AI導入によって「何を」「いつまでに」「どれくらい改善したいのか」を具体的な数値目標(KPI)として設定します。
例:「半年後までに、AIのスコアリングによって商談化率を15%向上させる」

上記のようなゴール設定が、後のAIツール選定や費用対効果の判断における重要な判断基準となります。

STEP2:AIツールの情報収集と比較検討

次に、STEP1で設定したゴールを達成できるツールはどれか、情報収集と比較検討を行ないます。その際、以下の観点で比較すると良いでしょう。

機能自社の課題解決に必要な機能が備わっているか。
操作性現場の営業担当者が使いやすいか(無料トライアルなどで確認)。
サポート体制導入時や運用開始後のサポートは充実しているか。
費用ライセンス費用や初期費用が、予算や費用対効果に見合うか。
連携性現在利用しているSFA/CRMなどのツールとスムーズに連携できるか。

STEP3:スモールスタートと効果検証

いきなり全ての営業部門にAIを導入するのはリスクが大きいため、まずは特定のチームや個人を対象にスモールスタートを切ることをおすすめします。

限定された範囲で試験的に導入し、たとえば3ヶ月間などの一定期間で運用します。そして、STEP1で設定したKPIが実際に改善されたかどうか、効果を客観的に検証してください。

この効果検証の結果が、全社展開に向けた説得材料となります。

STEP4:全社展開と定着化に向けた取り組み

スモールスタートでAI導入の有効性が確認できたら、いよいよ本格的な展開です。成功事例を社内に共有し、利用範囲を広げていきます。

その際、導入して終わりではなく、定着化させることが最も重要です。

定期的な勉強会の開催やAIの分析結果を活用した営業会議の実施など、AIが日常業務に溶け込むための仕組み作りを継続的に行いましょう。

AIによる営業DXの成功事例3選

ここでは、AIを活用して営業DXを成功させた事例を3つ紹介します。

  • 事例1.AIを人材育成に活用し営業スキルを向上
  • 事例2.AIによるスコアリングで営業活動の具体化を実現
  • 事例3.AIが算出したリードスコアをもとに架電活動を改革しアポイント獲得率を向上

成功事例におけるAIの活用方法から、自社で活用する際のヒントを得られるので、営業DXで企業に変革をもたらしたい方は参考にしてみてください。

事例1.AIを人材育成に活用し営業スキルを向上

ある生命保険関連会社では、人手不足を背景とした人材確保競争の激化に課題を感じていました。未経験を採用するとしても、生命保険という商品の性質上、習得しなければならない知識が多いため、十分な研修が必要です。

営業スキルを向上させるため、対面の研修会やマンツーマンの指導を行っていましたが、負担が大きいデメリットがありました。

そこで、AIを顧客と見立てて新商品のシミュレーションを行えるソフトを開発。AIは、営業担当者の説明から新商品の基本情報が網羅できているか、不適切な発言や口癖がないか、説明速度に問題はないかなど、いくつかの項目から採点を行います。

ソフトを導入したことで、担当者は自分で営業スキルを磨けるようになりました。ソフトを利用した研修を完了した担当者は、未完了の担当者と比較して販売実績が高いという効果も出ています。

従来発生していた研修会の時間を削減するとともに、浮いたリソースをほかの業務に充てられるようになった事例です。

参考:AI等の導⼊により労働者の更なる活躍を実現している企業の取組事例集(暫定版)|厚生労働省

事例2.AIによるスコアリングで営業活動の具体化を実現

株式会社淵本鋼機は、働き方改革が求められるなかで、限られた時間と人員で生産性を高め、収益を上げる手段として『Sales Cloud』を導入していました。

『Sales Cloud』の利用によって、月1回の営業会議と資料の作成が不要となり、別の業務にリソースを割けるようになったのです。

続いて同社は、『CRM Analytics(旧:Tableau CRM、 Einstein Analytics)』を導入。AIによるスコアリングをもとに、商談の確度を分析するようになりました。

担当者の感覚に頼らず営業活動を具体化したうえで実行することで、2017年5月期の決算で約30億円だった売上高が2年連続で最高値を更新しています。

参考:「このままでは社の未来はない」老舗商社がSalesforceで業務大改革に挑む

事例3.AIが算出したリードスコアをもとに架電活動を改革しアポイント獲得率を向上

SALES ROBOTICS株式会社は、営業担当者の働き方を改革するために「今すぐ営業できるリードとアポ」が自動で追加される営業支援サービス『SALES BASE』を提供しています。

『SALES BASE』は、Salesforceをはじめとする他社のシステムとも連携可能で、営業現場の業務を効率化し、生産性の向上と働き方の改革につなげられます。

同社は『SALES BASE』はSalesforceと連携するなかで、営業向けAI『Einstein for Sales』の効果を自ら実証しました。

まずは、リードのスコアリングを活用するにあたって、担当者にスコアを意識させずにインサイドセールスを行わせました。その結果として、従来通りのインサイドセールスにおけるアポイント獲得率は以下のとおりです。

  • 『Einstein』のリードスコアリングが60ポイント以下のリード:10%前後
  • 『Einstein』のリードスコアリングが81ポイント以上のリード:60~70%程度

つまり『Einstein』が提示したリードスコアが高いほど、アポイント獲得率が高いことを確認できたのです。この結果を受けて、インサイドセールスの架電活動をハイスコアなものから取り組むように業務プロセスを変更しました。

現場の感覚としても、獲得できたアポの数は確実に増えていると、効果を実感しています。

参考:営業活動に人工知能Einsteinを組込み営業力の平準化と底上げへ

AI導入を成功させるための重要な考慮事項・注意点

AIは強力なツールですが、その効果を最大限に引き出すためには、いくつかの重要な点に注意を払う必要があります。

学習データの質と量が精度を左右する

AIはデータから学習して賢くなります。そのため、分析の元となるデータの質と量が、AIの予測精度や提案の質に直接影響します。

データの不足十分な量の学習データがなければ、AIは正確な予測を行えません。
データの不備入力された情報が間違っていたり、フォーマットがバラバラだったりする汚れたデータでは、AIは誤った学習をしてしまい、間違った示唆を出してしまいます。

SFA/CRMに正確なデータをタイムリーに入力する、という基本的な業務ルールが組織に根付いていなければ、高性能なAIを導入しても宝の持ち腐れになってしまう危険性があることを、肝に銘じておきましょう。

不正確なデータや偏ったデータでは、誤った示唆を生む可能性があるため、データガバナンスの確立と継続的なデータクレンジングが重要です。

営業においてAIは強力なツールですが、決して魔法の杖ではありません。メリットだけに目を向けて導入を進めると、期待した成果が得られず失敗に終わる可能性があります。

従業員のITリテラシー向上とチェンジマネジメント

AIツールを導入しても、従業員がそれを使いこなせなければ意味がありません。

AIの基本的な仕組みやツールの使い方に関する教育(セールスイネーブルメントの一環としてのデジタルスキル研修など)に加え、AIを業務に取り入れることへの心理的なハードルを下げるためのチェンジマネジメントも重要です。AIを脅威ではなく、業務を支援してくれるパートナーとして受け入れる文化を醸成する必要があります。

適切な運用・保守体制の構築とパートナー選定

AIシステムの安定的な運用と継続的な改善のためには、専門知識を持つ人材や体制が必要です。自社で全てを賄うのが難しい場合は、導入から運用、保守まで一貫してサポートしてくれる信頼できるベンダーやパートナーを選定することが重要になります。

個人情報保護とセキュリティ対策の徹底

AIが扱うデータには、顧客の個人情報や企業の機密情報が大量に含まれます。情報漏洩は企業の信頼を著しく損なうため、厳格なセキュリティガイドラインの策定、アクセス権限の適切な管理、従業員へのセキュリティ教育の徹底は必須です。セキュリティ性能が高く、コンプライアンスに対応したAIプラットフォームを選定することも極めて重要です。

導入・運用コストと費用対効果(ROI)の見極めが必要

営業におけるAIの導入には、ライセンス費用だけでなく、見落としがちなコストも発生します。

初期費用ツール本体の価格に加え、SFA/CRMなどの既存システムとの連携や初期設定をベンダーに依頼する場合、別途費用がかかることがあります。
運用費用従業員向けのトレーニング費用やAIを使いこなすための人的コスト、そしてデータ品質を維持するための継続的なメンテナンス費用などが発生します。

これらのトータルコストを踏まえ、「どの業務の、どの指標(例:商談化率、成約単価)を、どれくらい改善できるのか」という費用対効果(ROI)を事前にシミュレーションすることが極めて重要です。

AIへの過度な期待と現場の抵抗

AIの導入は、現場の営業担当者の協力なくしては成功しません。

「AIに仕事が奪われるのではないか」「新しいツールを覚えるのが面倒だ」といった現場の不安や抵抗は、導入が失敗する典型的な原因のひとつです。

導入の目的は人を置き換えることではなく、人がより創造的な仕事に集中できるように支援することであると丁寧に説明し、現場の理解を得るプロセスが欠かせません。

スモールスタートで成功体験を共有し、徐々に利用者を広げていくといった工夫も有効です。

営業におけるAIとSFA/CRMとの決定的な違い

「すでにSFAやCRMを導入しているが、AIとは何が違うのだろう?」

このように感じているのではないでしょうか。SFA/CRMにデータを入力するだけで手一杯になってしまい、十分に活用しきれていないという声もよくお聞きします。

両者の違いを理解する鍵は、その役割にあります。端的に言えば、SFA/CRMは情報の器であり、営業AIは情報の頭脳です。

SFA/CRMの役割:活動を記録・管理する器

SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)の主な役割は、日々の営業活動や顧客情報を正確に記録し、一元管理することです。

  • 過去の商談履歴や顧客とのやり取りを記録する
  • 現在の営業パイプライン(案件リスト)を可視化する
  • 営業担当者の行動を管理・報告する

これらは、いわば営業活動の過去と現在を正確に写し出すための器と言えます。

営業におけるAIの役割:データを分析・予測する頭脳

一方、営業におけるAIは、SFA/CRMという器に蓄積された膨大なデータを分析し、ビジネスに有益な未来の示唆を導き出す頭脳の役割を担います。

  • どの見込み客が最も成約しやすいかを点数付けする(リードスコアリング)
  • 過去の失注パターンから、現在の案件のリスクを検知する
  • 顧客の状況を分析し、最適な次のアクションを提案する(ネクストベストアクション)

このように、AIは「これからどうすべきか」という未来の行動を指し示してくれます。

SFA/CRMが優秀な秘書だとすれば、営業AIはデータにもとづいた次の一手を教えてくれる超優秀な戦略コンサルタントと考えると、その違いが分かりやすいでしょう。

営業を変革させるAI搭載型SFA/CRM『Sales Cloud』

営業向けAIを搭載したSFA/CRM『Sales Cloud』は、営業活動と営業におけるデータ活用を効率化するシステムです。顧客情報と営業活動の記録を一元化し、精度の高い売上予測や業績予測を実行します。

AIは、蓄積されたデータをもとに、顧客に合わせたセールスメールを自動生成します。また、通話記録の文字起こしから要点の編集を行い、営業活動に必要な情報を整理することも可能です。

さらに、AIがリアルタイムに精度の高い成約確度の予測を行い、優先順位の高い商談を提案してくれます。

主観や推測ではなく、客観的データにもとづく営業活動をスピーディーに実行できるようになり、成約率の向上を狙えるでしょう。

Sales Cloud デモ動画

世界シェアNo.1のAI搭載SFA「Sales Cloud」を活用することで、時間や場所にとらわれず、売上の最大化と新しい働き方を実現します。
「Sales Cloud」の使い方をまとめた動画をぜひご覧ください。

まとめ:AIを活用した営業で成約率を向上させよう

AIを活用すると、営業業務が効率化され、生産性の向上や働き方の改善が可能です。浮いたリソースを別の業務に充てることで、対人営業の質と量を増やすことも可能で、成約率の向上も期待できるでしょう。

営業で導入するAIとしては、AI搭載型のSFA/CRMがおすすめです。蓄積されたデータの分析・活用が容易になり、データにもとづく意思決定も実現できるでしょう。
Saleceforceでは、AI搭載型のSFA/CRM『Sales Cloud』を提供しています。まずは無料体験をお試しいただき、機能性をご確認ください。また、『Agentforce』の活用方法をより詳しく知りたい場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

トップ企業によるAgentforce for Salesの活用事例

ヘルスケア、テクノロジー、研究機関などの業界で、AIエージェント「Agentforce」がリード育成から見積り作成までの営業プロセスをどのように代行・最適化し、チーム全体の生産性と成果を高めているかを、豊富な実例をもとに紹介します。

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