部下の営業力をいっそう強化するためには、資格取得を推進することが効果的です。しかし、どの資格が実務に役立つのかを見極めることは簡単ではありません。
本記事では、営業職のスキル向上に役立つ資格を、業界別に厳選して紹介します。部下のキャリアアップにつながる資格を見つけ、営業チーム全体のパフォーマンスを高めるためのヒントとしてご活用ください。
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目次
営業職全般におすすめの資格3選

部下の育成や営業チーム全体のスキル向上を図るためには、実務に直結する資格の取得が非常に効果的です。ここでは、営業成果の向上に役立つ3つの資格を紹介します。
- 営業士
- マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
- TOEIC
それぞれの資格がどのように営業職に役立つのか、具体的に見ていきましょう。
1.営業士
営業士は、営業活動の基礎から応用まで幅広い知識を証明できる営業職に特化した資格です。営業スキルの向上だけでなく、部下に対して効果的な指導方法を学ぶ場合にも効果的です。
営業士には、初級・上級・マスターの3段階のレベルがあります。
レベル | 特徴 |
---|---|
初級 | ・営業担当者が対象・営業の基本的な知識やマーケティングの理解を深める |
上級 | ・中堅幹部クラスが対象・営業やマネジメントに関する応用知識を習得する |
マスター | ・幹部クラスが対象・経営に関する高度な専門知識や営業戦略の立案・実行、事業評価などの実践的な知識を習得する |
営業士は、営業活動における役職や責任範囲に応じたスキルを提供し、部下の育成や営業チーム全体のパフォーマンス向上に役立ちます。
参考:日本営業士会 公式サイト
2.マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)は、WordやExcel、PowerPointなどのパソコンスキルを証明する資格です。
資料作成やデータ管理が欠かせない営業職において、MOS資格を取得すれば、プレゼン資料の作成や売上データの集計をスムーズに行えるため、業務効率が向上します。その結果、チーム全体の成果にも好影響を与えられます。
参考:マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS) 公式サイト
3.TOEIC
TOEICは、英語力を測定する資格です。
営業職では、英語でのメールやプレゼン、交渉が求められる場面も多いため、TOEICで一定のスコアをもつことは大きな強みとなります。また、グローバル化が進む現代のビジネスにおいて、英語力の重要性はますます高まっており、外資系企業や海外展開を視野に入れた営業活動には欠かせません。
TOEICを取得することで、グローバルな営業活動にも対応できるスキルを証明でき、チーム全体の国際的な競争力を高めることが可能です。
営業現場で直面する課題に対して即戦力となるスキルを身につけたいなら、資格取得が効果的です。さらに実践的な営業スキルを習得し、営業チーム全体のパフォーマンスを向上させたい場合は、以下の資料をご活用ください。
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金融・保険業界の営業職におすすめの資格3選

金融・保険業界の営業職では、高度な専門知識やスキルが求められます。ここでは、金融・保険業界特有のニーズに対応し、営業活動をサポートする3つの資格を紹介します。
- ファイナンシャルプランナー(FP)
- 生命保険募集人
- 証券外務員
それぞれの資格について詳しく見ていきましょう。
1.ファイナンシャルプランナー(FP)
ファイナンシャルプランナー(FP)は、資産管理やライフプランに関するアドバイスを行う専門家の資格です。
FPを取得することで、金融、保険、税制、不動産など、さまざまな分野の知識を幅広く習得でき、顧客のニーズに応じた最適な金融商品やサービスを提案する力が身につきます。
金融・保険業界では、顧客のライフプランにもとづいた提案が求められるため、FPの取得により営業職としての信頼性や説得力が高まります。
参考:日本FP協会 公式サイト
2.生命保険募集人
生命保険募集人は、生命保険の販売を行うために必要な資格で、保険業務に関する基礎知識や法規制について学習します。
営業職が顧客に適切な保険プランを提案するためには、商品知識だけでなく、保険に関わる法律や税制についての理解も必要です。生命保険募集人を取得することで、実務に即したスキルを身につけ、チーム全体の営業力向上にも寄与します。
顧客に専門的なアドバイスを提供できるようになることで、信頼を獲得しやすくなるでしょう。
3.証券外務員
証券外務員は、金融機関や証券会社で働く営業職が証券業務に従事するために必要な資格です。
証券外務員1種は、株式や投資信託、債券など、あらゆる金融商品を取り扱うことが可能な資格です。この資格を取得することで、金融商品の販売やアドバイスに必要な法的知識や市場の動向を把握できるようになります。
営業職として証券外務員1種を取得すると、顧客に対して幅広い商品提案が可能となり、チーム全体のパフォーマンス向上に大きく貢献できるでしょう。
証券外務員2種は、1種より取り扱い可能な金融商品が限られており、主に株式や投資信託を中心に扱います。しかし、1種に比べて取得難易度が低いため、入門的な資格として有用です。
不動産業界の営業職におすすめの資格2選

ここでは、不動産業界の営業職に役立つ2つの資格を紹介します。
- 宅地建物取引士
- マンション管理士
それぞれの資格について詳しく見ていきましょう。
1.宅地建物取引士
宅地建物取引士は、不動産の売買や賃貸に関する契約に必要な知識を証明する資格です。この資格を保有していることで、重要事項の説明や契約書の作成が可能となり、営業活動において幅広い役割を担当できるようになります。
資格取得により専門知識を深めることで、契約手続きの信頼性が高まり、顧客との関係強化が期待できます。そのため、不動産営業の業績向上につながる非常に価値のある資格といえるでしょう。
2.マンション管理士
マンション管理士は、マンション管理組合の運営において重要な役割を果たす国家資格です。
不動産営業のなかでも、とくにマンションの販売や管理の業務を行う営業担当者に有用な資格となります。資格取得者は、管理組合のトラブル解決やコンサルティング業務を行うことが可能です。
マンションに関連する知識はもちろん、法律や管理技術に関する知識を習得できるため、資格を取得することで営業活動の信頼性と専門性が高まります。その結果、顧客への提案力が向上し、チーム全体の営業力強化にもつながります。
コンサルティング業界の営業職におすすめの資格2選

コンサルティング業界の営業職には、高度な専門知識と戦略的思考が求められます。そこで、コンサルティング業界の営業職にとくにおすすめな2つの資格を紹介します。
- 中小企業診断士
- MBA
それぞれの資格がどのように営業活動に役立つのか、詳しく見ていきましょう。
1.中小企業診断士
中小企業診断士は、経営に関する深い知識をもち、経営課題に対するアドバイスを行う専門家として広く認知されている資格です。営業担当者は顧客企業に対して有益な提案が可能となり、経営層との信頼関係を築きやすくなります。
試験は非常に難易度が高く、経営学全般に関する知識を必要としますが、取得後には営業スキルの向上が期待できます。具体的には、論理的思考力が養われ、難しい商談においても自信をもって対応できるようになるでしょう。
また、企業分析やマーケティング戦略の知識が営業活動に役立ち、より戦略的な提案が可能になります。営業部門のリーダーとしてチームを牽引するためには、中小企業診断士の資格が非常に有用です。
2.MBA
MBAは、経営学修士号を取得した人に与えられる学位で、企業全体の経営戦略やマネジメントに関する高度な知識を習得できます。MBAを取得することで、営業職は単なる販売活動を超え、企業全体の戦略にもとづく営業提案が可能になります。
とくにBtoBの営業職にとって、経営の視点をもつことは大きな強みとなり、クライアントとの商談において一歩先を行く提案を行うことが可能です。営業チーム全体のパフォーマンス向上にもつながり、より戦略的かつ効果的な営業活動を実現するための基盤となります。
広告・マーケティング業界の営業職におすすめの資格3選

広告・マーケティング業界の営業職は、常に変化する市場環境に対応するための柔軟な思考と高度な戦略が求められます。ここでは、業界での競争力を高め、組織全体のパフォーマンス向上に寄与する3つの資格を紹介します。
- Google広告認定資格
- ウェブ解析士
- Webアナリスト検定
それぞれの資格をどのように業務に活用できるかを詳しく見ていきましょう。
1.Google広告認定資格
Google広告認定資格は、インターネット広告の運用に必要な知識を証明する資格です。
Googleが提供する広告ツール「Google Ads」に関する基本的な操作から、広告キャンペーンの戦略的運用に至るまで、広告運用に関するさまざまな知識を習得できます。営業職として、クライアントへの効果的なWeb広告の提案に役立つスキルも身につけられます。Googleの公式認定を受けることで信頼性が増し、クライアントに対する説得力も高まるでしょう。
参考:Google 広告の認定資格について|Google広告ヘルプ
2.ウェブ解析士
ウェブ解析士は、Webサイトのアクセス解析を中心としたデジタルマーケティングに必要な知識を証明する資格です。具体的には、顧客のWeb施策や広告の効果を数値化し、課題を特定して効果的な改善策を提案する能力が身につきます。
この資格を取得すれば、データにもとづいた説得力のある提案が可能となり、営業活動においてさらに強みを発揮できるようになります。解析結果を用いて効果的な改善案を示すことで、営業職としての信頼性を高めるだけでなく、顧客のビジネス向上にも貢献できるでしょう。
3.Webアナリスト検定
Webアナリスト検定は、Webサイトのデータを分析して訪問者の動向やサイトのパフォーマンスを評価し、分析結果にもとづいて改善案を提示するスキルを証明する資格です。具体的には、Googleアナリティクスの活用方法やデータ分析技術を学びます。
営業職においては、クライアントに対してWebサイトのパフォーマンス向上策を提案する際に非常に有効です。具体的なデータにもとづく信頼性の高い提案が可能になるため、営業成績の向上が期待できます。営業活動で重要な課題発見力や問題解決能力を高め、チーム全体のパフォーマンス向上にもつながる資格です。
IT業界の営業職におすすめの資格3選

IT業界の営業職には、ITの基礎から応用に至るまでの理解が必要です。専門知識や業界特有のスキルが求められるなかで、資格は営業力を強化するための重要な武器となります。そこで、IT業界の営業職にとくに役立つ3つの資格を紹介します。
- ITパスポート
- 基本情報技術者
- 応用情報技術者
それぞれの資格の特徴を詳しく見ていきましょう。
1.ITパスポート
ITパスポートは、ITの基本的な知識を証明する国家資格です。
ITパスポートを取得することで、営業担当者はIT関連商材の特性や市場の動向を理解し、顧客に対する提案力を高められます。ITの基礎を押さえることで、エンジニアとのコミュニケーションも円滑になり、営業活動を効率的に進められます。
とくにIT業界未経験の営業担当者にとって、非常に有用な資格といえるでしょう。
参考:ITパスポート試験|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
2.基本情報技術者
IT業界で働く営業職にとって、さらに専門的な知識を習得できる資格が「基本情報技術者」です。この資格では、プログラミングやITシステムの基本構造に関する知識を学びます。
基本情報技術者の資格をもつことは、営業担当者がIT技術者と効果的にコミュニケーションを取るための大きなアドバンテージとなります。IT関連の商材やサービスを提案する際、資格の保有が信頼感を生み、営業活動において有利に働くでしょう。
参考:基本情報技術者試験|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
3.応用情報技術者
応用情報技術者は、基本情報技術者よりもさらに深い専門知識を習得できる資格です。
応用情報技術者を取得することで、高度なITソリューションやサービスを理解し、複雑な案件を処理する能力が向上します。たとえば、大規模なシステム導入や複雑なITプロジェクトを扱う場合に強力な武器となるでしょう。
顧客のニーズに応じた高度な提案ができるため、営業チーム全体のパフォーマンス向上にもつながります。
参考:応用情報技術者試験|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
営業職のスキル向上に資格の活用が効果的な理由

営業職において、資格取得は実務に役立つ知識やスキルを得るための効果的な手段です。資格を保有することで、営業に必要な知識やノウハウを証明できるだけでなく、自信をもって顧客に対応できるようになります。
たとえば「営業士」や「中小企業診断士」などの資格は、専門的な知識を裏付ける証となり、顧客からの信頼を得やすくなります。顧客に対して専門的なアドバイスを行う際、これらの資格を示せば、信頼感を強化し、営業の成約率を高めることが可能です。
また、資格を取得する過程で得られる知識やテクニックは、営業活動に直結します。たとえば、課題解決型営業やコンサルティングスキルを学ぶことで、顧客のニーズをより深く理解し、効果的な提案を行う能力が身につきます。資格を通じて、顧客に対して適切なタイミングで適切な情報を提供できるようになり、その結果、営業成果の向上が期待できるでしょう。
営業職における専門知識やスキルを証明できる手段として、資格取得は非常に有効であり、個々の成長はもちろん、営業チーム全体の成長を促進する重要な要素となります。
組織の営業力を強化する方法について詳しく知りたい方は、以下の記事をあわせてご確認ください。
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営業職のスキル向上を目指して、資格を戦略的に活用しよう

部下の営業スキル向上とチーム全体のパフォーマンス向上を目指すには、資格を戦略的に活用することが重要です。
業界に応じた資格を取得することで、営業スキルだけでなく、部下に対してより的確な指導が可能になります。たとえば、金融業界であればFP、IT業界であれば基本情報技術者など、専門的な資格は部下の業務理解を深め、提案力や問題解決能力を高めます。
資格取得を通じて、チーム全体の営業力が底上げされ、組織としての成果につながるでしょう。
資格取得によって得られる知識やノウハウに加えて、実際の営業現場では「お断り文句」への対応力も求められます。以下の資料を活用して、お断り文句への効果的な切り返し術を学び、部下がより高い成果を上げられるようサポートしましょう。
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