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最新のグローバル調査で見えてきたカスタマーサービスチームのリーダー、「3つの必須要件」

これからの競争優位性は「AIを使いこなす力(AIフルエンシー)」、「継続的な学び」、そして「揺るぎない顧客ロイヤルティを築くための人間ならではの判断力」を育てる組織にこそもたらされます。

AIエージェント導入は今どこまで進んだ?

世界3075人以上のカスタマーサービス専門家を対象にした調査で、AIエージェントが試験導入から本格運用へ移行している実態が明らかになりました。

AIエージェント(自律型AI)への投資は、「未来の話」ではありません。現在、AIは日常的な問い合わせ対応を自律的にこなし、サービス担当者の能力を増幅させ、コンタクトセンターの業務を根本から再定義しています。成長を目指すサービスチームにとって、これは紛れもないチャンスです。

世界3000人以上のサービスリーダーの知見をまとめたSalesforceの最新調査「カスタマーサービス最新事情: AIエージェントエディション」によると、すでに66%の組織が「エージェント型AI(Agentic AI)」を導入していることが明らかになりました。

これらのチームは、単にトラブル解決を迅速化し、手作業を減らしているだけではありません。「最も重要なこと」、すなわち「複雑な問題の解決」や「顧客との深い関係構築」にリソースを集中できる余裕を手に入れているのです。

大きな成果を上げている組織は、単にツールを導入するだけでなく、「人」への戦略的投資を行っています。

AIが定型業務を引き受けるようになるにつれ、サービスプロフェッショナルの役割は「タスクの実行」から「高度な判断の下し方」「AIを活用した顧客体験の導き方」「AIには決して真似できない顧客との信頼関係の構築」へとシフトしていく必要があります。

この進化は、フロントラインの担当者にとっても、リーダーにとっても極めて重要です。カスタマーサービスのリーダーである私自身、この「AIエージェントの世界」を勝ち抜くために、自分自身のアプローチを再定義し、新しいスキルを身につけました。その結果、自分の仕事のパフォーマンスをさらに高めることができたのです。

以下に、変化をリードするサービスチームを構築するためのリーダーの「3つの必須要件」

紹介します。

1. 組織のコアコンピテンシーとして「AIを使いこなす力(AIフルエンシー)」を義務づける

AIが日々のサービス業務に組み込まれる中、AIエージェントと効果的に協働するスキルは、技術部門だけでなく、「全員」にとっての必須の基礎スキルになりつつあります。

サービスプロフェッショナルには、以下のような判断やコントロールがますます求められています。

  • AIのアウトプットを「信頼すべきか」
  • 「いつ人間の介入が必要か」
  • AIを活用した顧客体験を「どうナビゲートするか」

弊社の「カスタマーサービス最新事情: AIエージェントエディション」調査でもこのシフトは裏付けられており、「適応力」「学習の俊敏性(ラーニング・アビリティ)」「AIの監視・管理」「複雑な問題の解決力」が最優先のスキルとして挙げられています。

特筆すべきは、「スキルアップに取り組んでいない」と答えたサービス担当者はわずか3%に過ぎず、現場の従業員が自らの成長を強く望んでいることです。

現在では、「プロンプトエンジニアリング」「AIの監視」「データリテラシー」は、従来のサービススキルと同等の戦略的価値を持っています。

英国の金融機関であるBlink Paymentsのテクノロジーディレクターであるラフィ・カッツ(Raphi Katz)氏は、この必要性を次のように証言しています。

「今、最も重要なスキルはプロンプトエンジニアリングです。AIエージェントを管理することは、人間の部下を育てるのとは全く異なります。AIに対しては、より具体的かつ明確に指示を出す必要があるからです」

実用的なAIスキルを習得するうえで、最も効果的かつ拡張性がある方法の1つが、「仲間同士での学び(ピア・ドリブン・ラーニング)」です。多くのサービスプロフェッショナルが、Salesforceの「Trailblazer Community」のようなコミュニティや、オンライ学習プラットフォーム「Trailhead」を活用し、仲間とともに新しい課題に挑戦しています。

また、社内に独自の学習コミュニティを立ち上げてこの動きを加速させている組織もあります。

ライフサイエンス業界向けITコンサルティングのWilco Sourceでプリセールス・ソリューションエンジニアリング担当ディレクターを務めるマゴン・メア(Magon Mair)氏は次のように説明します。

「私たちは『Agentforce』や『Data 360』の学習グループを立ち上げ、スタッフのスキルアップとナレッジ共有を行っています。お客様のユースケース(活用事例)をすぐに形にできる、スキルの高い従業員を揃えておくことが極めて重要だからです」

さらに、直接的な「実験・実践」を通じてAIを使いこなす力(AIフルエンシー)を積極的に高めているチームもあります。

ITサービス業を手がけるImplementologyのソリューションアーキテクト、ピユシャ・ピラニア(Piyusha Pilania)氏は次のように述べています。

「スキルアップの大部分は、実際に手を動かして導入してみること、そしてカンファレンスやウェビナー、ニュースレターを通じて他のTrailblazerたちと出会うことから生まれています」

AIの導入で最大の成功を収めている企業は、人材育成を「継続的かつ協調的なチーム全体の取り組み」として捉えています。

Astrea IT Servicesのナヴィーン・ガブラニ(Naveen Gabrani)氏は、自社のアプローチをこう強調します。

「私たちのスキルアップは、常にお客様からのフィードバックを起点としています。そして何より重要なのは、技術チームとビジネスの専門家(現場のプロ)とのコラボレーションが不可欠であると気づいたことです」

この協調モデルがあるからこそ、企業は「人間とAIのコラボレーション」を常に洗練させ、AIエージェントのパフォーマンスを時間をかけて向上させ続けることができるのです。

2. 人材の再フォーカス:「定型業務の処理係」から「戦略的な関係構築のプロ」へ

AIエージェントが、反復的でトランザクション(処理型)な業務をこなせるようになるほど、人間固有の能力である「判断力」「共感力」「複雑な問題の解決力」の価値は跳ね上がります。

Wilco Sourceのメア氏は、AIが仕事のあり方をどう根本的に変えるかを次のように表現しています。

「AIエージェントが価値の低い(定型的な)タスクを自動化してくれるおかげで、人間のエージェントは価値の高い業務に集中できるようになります」

このパターンは、今や業界の新しい標準となっています。多くの組織が、営業時間外の対応、繰り返しのフォローアップ、ナレッジの検索、ケース(問い合わせ)の振り分けなどにAIを導入しています。これにより、従業員は戦略的で信頼関係を重要視した顧客対応に集中できるようになりました。

例えばImplementologyでは、住宅リフォーム会社向けに、従来の営業時間外の顧客対応)をAI音声エージェントに任せています。これにより、営業チームはより角度の高い商談に集中できるようになりました。ピラニア氏はこう説明します。

「私たちはAIを『人間の代替』として使っているのではなく、『生産性を増幅させるため』に使っているのです」

この違いは、極めて重要です。最も高い成果を出している組織は、AIを人員削減の道具として扱っていません。業務の摩擦を減らし、単純作業を自動化し「人間の専門知識が輝くためのスペース」をより多く創出するためにAIを活用しているのです。

これからのカスタマーサービスの未来は、「人間 vs AI」の対立構造ではありません。勝者となるのは、「AIのスピードと効率性」と、「人間にしか提供できない共感・専門知識・判断力」を、いかに効果的に融合できるかを定義できた組織です。

AI導入で伸びた指標は効率ではなかった

調査で最も改善したのは業務効率ではなく「顧客満足度」でした。自社のAIエージェント戦略を見直すヒントがここにあります。

3. AI最適化のエンジンとして「継続的な学び」を定着させる

AI活用で最も強力な成果を出している組織は、ツールの導入をゴールとは考えていません。彼らは「継続的に学ぶ文化」を築いており、それが数値となって明確な差を生み出しています。

AIの導入を成功させるには、継続的なブラッシュアップ、厳格なテスト、そして反復的な学習(イテレーション)が必要です。ITサービス業のRed Argyleで戦略シニアディレクターを務めるデイビス・ヘンリー(Davis Henry)氏はこの現実を強調します。

「非常に印象的だったのは、導入後に改善のサイクル(イテレーション)を回し始めた途端、成果がみるみる向上したことです」

より複雑なシナリオを洗練させていくことで、Red Argyleはわずか数時間のうちに、ケース偏向率(AI等による自己解決率)を50%以上から71%へと急速に引き上げることに成功しました。

このスピード感で進化を遂げるためには、「主体的な実験が推奨され、学びが当たり前に続く環境」を組織が徹底的に育む必要があります。

また、優れた成果を出すチームは、自社の「ナレッジベース(知識情報)」を極めて重要な資産として扱い、情報が常に構造化され、最新で、瞬時にアクセスできる状態を維持しています。「データを主体的に管理すること」は、そのまま「AIが出す成果を管理すること」に直結するからです。

Blink Paymentsのカッツ氏も次のように主張します。

「人間とAIの双方が利用できるように、すべての情報がアクセス可能なナレッジベースに格納されている状態を確実に作ることです」

この取り組みは、ある重要な事実を再認識させてくれます。それは、「AIは一度設定すれば終わり(セット・アンド・フォーゲット)のテクノロジーではない」ことです。

データの品質を維持し、出力を洗練させ、パフォーマンスを監視し、AI体験が顧客の信頼を獲得し続けられるようにするためには、人間のチームが不可欠です。これは負担ではありません。むしろ、人間の専門知識の価値が最も発揮される場所なのです。

AIを活用して成功を収める組織とは、チームの働き方を常に進化させ続け、その業務を担う「人」に投資し続ける組織に他なりません。

カスタマーサービス最新事情: AIエージェントエディション』でインサイトを

AIエージェントは、チームに必要なスキルから、リーダーによる顧客体験の再考に至るまで、すでにサービス組織のあり方を激変させています。最大の成功を収めている組織は、テクノロジーだけでなく、そのテクノロジーと共に働く「人」に投資しています。

最新の『カスタマーサービス最新事情: AIエージェントエディション』レポートでは、3,000人以上のサービスプロフェッショナルがこのシフトにどのように対応しているかを深く掘り下げています(現在のAIの導入状況、チームが優先しているスキル、リーダーが最大の効果を実感している領域など)。

調査データは進むべき道を示しています。今、最も速く動いている組織は、すでにその道を歩み始めています。

 次の一手はAIエージェントで決まる

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