



CRMが車ならば、CRM戦略は行先を示すロードマップと言えるでしょう。
ビジネスの規模にかかわらず、顧客関係管理(CRM)戦略の本質は、顧客をより深く理解しそれぞれの課題を解決するパーソナライズされた体験を提供することにあります。パーソナライズされたCRM戦略を導入することで、顧客とより強固な関係を築き、成長への取り組みを最適化し、業界で優位に立つことができます。
この戦略には、マーケティング、営業、カスタマーサービス、分析など、顧客と関わるあらゆるビジネスの側面が含まれます。CRMシステムと戦略について見ていき、次の一手をどう計画できるかを確認しましょう。
CRMとは
CRMシステムは、企業が潜在顧客や既存顧客との接点や関係を一元化された単一のプラットフォームから管理できるように支援します。CRMは、顧客情報の保存やタッチポイントの管理に加え、パーソナライズされた営業・マーケティングキャンペーンの作成、人工知能(AI)によるレコメンデーションの提供、カスタマーサービス対応の支援までを実現します。
CRMを導入することで、企業はマーケティング、営業、コマース、カスタマーサービス、ITの枠を越えたカスタマージャーニーを全体的に管理できます。CRMは、パーソナライズされたサービスを提供することで、購入に至るプロセスを顧客がよりスムーズに体験できるように支援します。すべてのチームが顧客データについて信頼できる唯一の情報源にアクセスできるため、エラー、サービスの遅延、顧客の不満を減らすことができます。
CRMは、企業と顧客の両方にメリットをもたらします。また、多くのビジネステクノロジーと同様に、テクノロジーを最大限活用するには戦略が必要です。

CRMを使い始めたばかりの場合は
CRM初心者向けガイドをご覧ください。顧客を開拓、獲得、維持するうえで必要なものをすべて紹介しています。
CRM戦略とは何か?なぜ重要なのか?
CRM戦略は、企業が既存顧客と潜在顧客との接点を管理するための計画です。データとテクノロジーを利用してビジネス関係の改善、カスタマーサービスの強化、売上向上を目指します。
Salesforceの調査によると、テクノロジーの進歩に伴い、顧客の81%がより迅速なサービスを期待するようになっています。つまり、CRM戦略では、営業、マーケティング、カスタマーサービス、テクノロジーの各部門を連携させ、顧客との関係強化を図る必要があるのです。顧客のニーズや行動を理解し、顧客接点を最適化して、より強固な関係を築くことを目指します。
たとえば、5人体制の中堅・中小企業のチームで、CRMプラットフォームに50ユーザー分の料金を支払うのは無意味です。成長に合わせて拡張できるCRMも必要ですが、現在のニーズに適したCRMをまず導入すべきでしょう。では、ニーズに最適なCRMを選択するための戦略とは、どのようなものでしょうか。
8ステップでCRM戦略を作成する
CRMを選ぶ前に、そのCRMで何を実現したいかをしっかり把握しておきましょう。効果的なCRM戦略を立てるには、顧客のニーズを中心にビジネスプロセスを設計するいくつかのステップを踏む必要があります。
ここでは、CRM戦略を策定するステップ形式のガイドを紹介します。
1. 目標と目的を定義する
まず、CRMで何を達成したいのかを明確にしましょう。ビジネスの目標はそれぞれ異なります。顧客満足度の向上、売上の増加、顧客リテンション率の強化、コミュニケーションの合理化など、さまざまな目標があります。
2. カスタマージャーニーを特定して定義する
次に、データを収集してターゲット顧客を定義し、その顧客のニーズ、好み、行動を把握します。類似した特性にもとづいて顧客をグループにセグメント化し、アプローチを調整します。最初の連絡から販売後のサポートまで、顧客がビジネスと接するあらゆるタッチポイントを明らかにします。こうしたジャーニーを理解することで、パーソナライズされた顧客体験を生み出すことができます。

AIを活用したCRMへのジャーニーをマッピング
Forrester社が700名を超えるビジネスリーダーを対象に実施した調査をご覧ください。顧客サービス向上に向けて、ビジネスリーダーたちがどのようにAIを活用しているかをご確認いただけます。
3. 収集するデータを定義する
タッチポイントとビジネス目標にもとづいて、必要となる顧客データのタイプを明らかにします。通常は、次のように分類できます。
- 属性:年齢、性別、収入、学歴
- 行動:購入履歴、製品の好み、Webサイトの閲覧パターン、マーケティングキャンペーンへの反応
- 取引:購入、返品、交換の詳細
- 顧客接点:カスタマーサービスでのやり取り、フィードバック、問い合わせの記録
- サイコグラフィック:顧客のライフスタイル、価値観、関心
4. プロセスとワークフローを確立する
データを収集したら、そのデータを分析し、チームのプロセスとワークフローをセグメント化します。このセグメント化は、特定の顧客ニーズを満たすためにマーケティング戦略と営業戦略をパーソナライズする際に役立ちます。
組織内での顧客情報の取り扱いと共有方法について、明確なプロセスを確立します。CRMの機能が、こうしたプロセスを効率性と正確性の向上につながる形で支援できるかを検討しましょう。
5. 営業パイプラインをカスタマージャーニーと一致させる
まず、認知から購入に至るカスタマージャーニーを可視化することから始めましょう。各段階における主なタッチポイント、モチベーション、問題点を特定します。セールスパイプラインの各段階を定義します(通常は、プロスペクティング、評価、提案、交渉、成約などがあります)。セールスパイプラインの各段階は、カスタマージャーニーの特定のフェーズに対応しており、それらはすべてCRMで一元的に管理されます。
7. AIと自動化を設定する
CRMシステムには、フォローアップメールの送信、訪問予定のスケジューリング、販売機会の更新など、日常的なタスクを処理するための自動化が求められます。他にも、新規訪問者へのマーケティングメール送信や、カート放棄のリマインダー送信などがあります。自動化により、チームの作業負担が軽減され、カスタマーサービスの問題を見逃さずに対処できます。
時間を節約して人為的なミスを減らすために、まずは自動化できる反復的なタスクを特定することから始めましょう。顧客を待たせることなくサポートするために、AIを搭載したチャットボットと仮想アシスタントを設定します。AIを使用して顧客データを分析し、インサイトを導き出しましょう。
AI CRMは、顧客の行動パターンと傾向を特定し、顧客のニーズを予測するだけでなく、売上の予測にも役立ちます。これにより、マーケティングやコマース戦略の立案に役立つインサイトが得られるので、顧客接点をパーソナライズできます。
8. 測定、反復、成長
AIモデルと自動化ルールは、一度設定してそれで終わりではありません。AIモデルや自動化ルールのパフォーマンスや、ビジネスへの影響を定期的に見直すことが重要です。そこで、CRM戦略の成否を評価するCRM指標を確立しましょう。これらの指標を定期的に分析し、戦略の成果と修正すべき点を把握することが重要です。追跡すべき指標としては、顧客満足度スコア、売上成長率、顧客リテンション率などがあります。お察しのとおり、これらすべては多機能でパワフルなCRMひとつで実現できます。
CRM戦略を導入してCRMプラットフォームを最大限に活用
この戦略を確立することで、ロードマップが完成し、CRMを使用する準備が整います。コミュニケーションの合理化、マーケティングキャンペーンの最適化、カスタマーサービスの強化など、Salesforce CRMは目標を問わず、必要なすべてのツールを提供します。優れた戦略があれば、あらゆる目標を達成できます。
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