3. 分譲住宅の成約率は4割を突破、その半数は失注リサイクルによるもの
具体的に、顧客から来た反響に対して、どのような対応を行っているのでしょうか。
「お客様からの反響は、自社サイトや外部の住宅ポータル、住宅展示場や分譲住宅の現場で対応した営業担当者から受け取り、これに対してシナリオベースでメールを送信しています」と説明するのは、アイダ設計 販売促進部 インサイドセールス課の深津 なずな 氏。これと同時に、対象地域が明確な分譲住宅に関しては、すぐにその地域の営業店にリードを割り当てていると言います。「注文住宅に関しては、お客様の居住地近くに営業店がある場合には、その店舗にすぐリードを割り当てています。そうでない場合には、いったんインサイドセールスでナーチャリングを行ってから、適切な店舗を選んで割り当てを行っています」。
入社した時にはすでに、Salesforceによるシナリオベースのメール送信の仕組みが実装されており、特に違和感なく業務を始められたと深津氏。ナーチャリングのためのメールマガジン送付は最低でも月に4回は行っており、そのコンテンツはお客様が興味を持っている内容に合わせて作成、メールテンプレートの視覚的なデザインも担当していると言います。さらに、メールに対するお客様の反応を確認した上で、シナリオの見直しも毎月のように行われています。
また、2022年に入社し、当初はインサイドセールスのアウトバウンドコールを担当していた、アイダ設計 販売促進部 インサイドセールス課の岩原 未彩希 氏は、「これまでどのような問合せをされて何を知りたいのか、お客様一人ひとりのことをきちんと知った上でお話ができるのが、Salesforceのいいところです」と指摘。早川氏は「営業活動の属人性を解消する上で、このような機能が重要な役割を果たしています」と述べています。
もちろん最初の反響で成約できる割合は、決して高くはありません。大槻氏によれば、その割合は2割程度ではないかと言います。ここで注目したいのが、最初に失注した案件の中から、リサイクルされている案件の割合です。全体の8割を占める失注案件のうち、2割は他社に取られてしまいますが、6割はリサイクルされ、そのうち2割が成約に至っているのです。注文住宅と分譲住宅とでは成約率が異なりますが、Salesforceでの管理が徹底している分譲住宅では成約率が4割を超えており、そのうち半分は失注リサイクルが占めていると言います。
このように、失注案件のリサイクルで大きな成果に貢献しているSalesforceですが「まだ十分に使い切れているとは考えていません」と大槻氏。現在は消費者を対象にしたBtoC事業でしか活用していませんが、今後は法人を対象にしたBtoB事業や土地の仕入れなどにも、適用領域を拡大していきたいと語ります。
「そのためには基幹システムなど、周辺システムとの連携が必要になりますが、現在はそのための下準備を進めている段階です。また将来はSalesforceに蓄積された膨大な案件データを活用し、AIによる商談のグレーディングを行うことも視野に入れています。最終的には物件の仕入れから販売までの工程をSalesforceで可視化し、勘や経験に依存した属人的なやり方から脱却していきたいと考えています」。