

株式会社Rimpは、福岡県福岡市に本社を構え、「最高の仲間と社会を揺さぶろう」というビジョンを掲げる成長企業です。2013年の設立以来、エンジニアリソースが不足する顧客企業に対し最適なSEを提供するとともに、未経験者に向けた教育カリキュラムを整備することで、累計3000社を超える顧客の人材支援を行ってきました。
エンジニア不足と事務作業の負担。その先に見えた変革の必要性
Rimpが直面していた最大の経営課題は、労働人口の減少と市場競争の激化でした。福岡県内外で同等の技術力や価格競争力を持つ企業が増えるなか、優秀なエンジニアの確保はますます難しくなり、一人当たりの生産性を引き上げることが不可欠となっていました。さらに、半導体業界の不振や国際的な関税リスクといった外部環境の変化も大きく影響し、安定的な案件獲得に不確実性が高まっていたのです。
同社のビジネスはJavaやPHPを中心とした開発案件に強みを持ちながらも、現場では受発注や応募対応、日程調整といった定型的な事務作業に多くの時間を費やしていました。本来ならば営業活動や技術力の強化に注力すべき社員が、付加価値を生まない作業に追われる状況は大きな機会損失につながっていました。
「人は人、機械は機械」。人間が担うべき領域と機械に任せるべき領域を明確に分けることで、社員が本来の強みを発揮できる組織へと変革したい――。これが、RimpがDX推進とAI活用に踏み出した背景でした。
Agentforceが生産性70%向上と月間1000万円の売上向上へ
RimpはSalesforceをCRMとして長年利用してきましたが、当初は「ただの箱」と化しており、業務の効率化には十分に活かせていませんでした。転機となったのは、Salesforceの営業担当やSEによる熱心な提案でした。具体的な業務課題に即したデモンストレーションや丁寧なヒアリングを通じて、RimpはSalesforceをAI活用の基盤として捉え直し、Agentforce導入を決断しました。
応募対応の自動化は、その第一歩です。各種媒体からの応募情報を自動でSalesforceに取り込み、応募者には自動的にレジュメ提出依頼や日程調整が送られます。人が介在することなく面接に必要な情報が揃う仕組みが整ったことで、面接官は応募者との対話に集中できるようになりました。従来は年間で120人日の工数がかかっていたものが40人日にまで圧縮され、およそ70%のコスト削減効果を実現を見込んでいます。
Agentforce導入によって期待される効果はさらに大きなものです。AIエージェントが応募者のスキルや案件適合度を事前にスクリーニングし、面接前に精度の高い情報を提供することで、選考準備の効率化とマッチング精度の向上を同時に実現します。また、大量に届く案件情報をAIが事前に振り分け、営業担当者が追うべき案件を自動で抽出することで、営業活動の効率化と案件取りこぼし防止につながります。結果として、月間1000万円規模の売上増加が期待されています。
私たちはAgentforceを“新しい仲間”として迎え入れ、より高収益な組織をつくっていきたいと考えています。
吉永 淳一朗 氏代表取締役社長, Rimp株式会社
“新しい仲間”としてのAI
RimpがSalesforceを選んだ理由は明快です。すでに蓄積してきた顧客データや業務データを移行作業なしにそのままAI活用できる点。クリック操作中心でAIエージェントを汎用的に構築できる柔軟性。そして豊富な学習リソースやAI関連イベントを通じて常に最新知識を得られる環境。これらは他社製品にはないSalesforce独自の強みでした。
「長年Salesforceを使ってきたからこそ、蓄積された情報を最大限活用できるのはSalesforceだけだと確信しています」と吉永氏は語ります。営業現場に厳しい目を持つ同社が、他社製品を検討することなくSalesforceを選び続けるのは、その信頼と実績に裏打ちされています。
同社は今後、9体のAIエージェントをAgentforceで構築する計画を掲げています。それぞれが異なる役割を担い、応募者対応・案件スクリーニング・営業支援・パートナー企業とのリソース調整など、幅広い業務を担うことで、AIをまさに“新しい仲間”として組織に迎え入れる構想です。これにより、人間はより創造性や付加価値の高い業務に集中でき、高収益な組織づくりを実現しようとしています。