

テラスカイ・テクノロジーズは、IT未経験者を多数採用・育成する中で、同じ質問が繰り返されメンターが逼迫する課題を抱えていました。Agentforce in SlackとData Cloud及びナレッジで社内規定やQ&Aを一元化し、「まずAIに聞く」習慣を定着させました。AIが定型を即答し、人でしか回答できない質問のみを人へエスカレーションします。24時間の伴走で、学びの密度とスピードを同時に高めています。
テラスカイ・テクノロジーズはSalesforceを中心としたクラウド活用の活性化・内製化・定着化を支援し、保守・運用、利用拡張まで一気通貫で伴走するパートナーです。日本のエンジニア不足に真正面から向き合い、「日本にエンジニアをもっと増やす」を掲げてIT未経験人材を9割以上採用・育成しています。「教え方」に強みを持ち、コロナ禍発のリスキリング潮流を追い風に事業を拡大しています。
“聞けば早い”を、学びに変える
テラスカイ・テクノロジーズはSalesforceとAWSの活用支援を主軸に、IT未経験者を9割以上採用して育成する独自モデルを展開してきました。一方で関係性が良いがゆえに、営業・受講エンジニアからの質問がSlackに集中し、講師や先輩の時間を圧迫していました。社内規定や運用手順、技術Q&Aは点在し、検索より“人に聞く”行動が常態化していました。人の成長を最優先にしつつ、迅速な自己解決とメンターの“人でしか回答できない質問への対応”を両立させる――それが、テラスカイ・テクノロジーズの次の成長に不可欠なテーマでした。
“社内のもう一人の先輩”を、Slackに
改革にあたって導線は変えませんでした。質問の“玄関”はこれまで通りSlackです。その中にAgentforce in Slackを配置し、社員は自然とAIに話しかけます。裏側では、Agentforceデータライブラリに投入した社内規定やルール(約10件・200ページ規模のPDF)、さらにスプレッドシートのQ&Aをナレッジ化しました。Data Cloud経由で取り込んだテキストは構造化され、規程系の回答は「驚くほど綺麗に返ってくる」と評価されます。経営企画部の阿部氏は「自然言語で全部指示できるのが本当に強い。やりたいことを丁寧に書くほど意図通りに動く」と語ります。
AIが答えきれない場合は、Agentforceが代理で既存のSlackチャンネルへ質問を投稿し、専門家が引き取る形で効率的に人へのエスカレーションを実現しています。経営企画部の小宮氏は「人でしか回答できない質問だけが講師に届くようになり、対応の中身が濃くなった」と手応えを語ります。未経験出身の担当でもプロコードは不要です。ビルダー画面に最初は戸惑いがあったものの、ウェビナーやイベントで学びつつ、実装自体は1.5〜2か月で到達しました。「まずAIに聞く」が定着した今、未解決の問いをレポートで洗い出し、トピックやアクションを磨き続ける運用を確立しました。「AIが8割を即時解決する世界観」を現実の目標に据えています。
コードではなく言葉で動く。誰もが“自分のAI”を持てるようになった。それがAgentforceの強みです。
宮内 修 氏取締役執行役員, 株式会社テラスカイ・テクノロジーズ
“人を育てる”現場を支えるAIの相棒
最大の価値は、習慣を壊さないことでした。社員はいつも通りSlackを開き、ただ宛先がAIに変わるだけです。導入のハードルがほぼゼロだから、浸透のスピードが違います。Agentforceは自然言語で業務文脈をそのまま受け止め、Data Cloudは社内のマスターデータとして回答の均質化と最新化を支えます。解けない問いは既存のSlack運用に沿って即座に人へ橋渡しされます。この“連続性”こそ、Salesforceがもたらす体験設計です。
さらにまず自分たちで試し、わかったことをお客様へ返しています。ノーコード中心で、非エンジニアでも組み立てられる拡張性は、育成現場に最適です。阿部氏は「AIに投げる一次対応があるから、講師は“教える価値”に集中できる」と語り、営業本部の松本氏も「質問数は体感で大幅に減った。待ち時間が消えたことで前に進むテンポが上がった」と続けます。
「効率化の先に、人が育つ」。Agentforce, Data Cloud, Slackの三位一体で、テラスカイ・テクノロジーズは、学びの一歩目をやさしく、そして速くしました。人でしか回答できない質問は人へ、定型的な質問はAIへ、人とAIの協業が、テラスカイ・テクノロジーズの成長を加速させています。