SFA・CRM・MAの違いや活用方法とは?連携のメリットや事例も解説
SFAとCRM・MAの違いを解説。「営業支援」と「顧客管理」という役割の違いから、自社に最適なツールの選び方、連携による効果的な運用のポイントまで網羅。導入後に後悔しないための比較基準を紹介します。
SFAとCRM・MAの違いを解説。「営業支援」と「顧客管理」という役割の違いから、自社に最適なツールの選び方、連携による効果的な運用のポイントまで網羅。導入後に後悔しないための比較基準を紹介します。
SFA やCRM 、MAなど多くの業務支援ツールが存在し、目的や機能を明確に区別できていない方もいるのではないでしょうか。
それぞれのツールは、別々の用途のために開発されたもので、機能や得意分野が異なるため、自社の営業戦略に合ったツールの選定が大切です。
また、SFA・CRM・MAを連携させることも可能で、連携によって顧客獲得に向けた効果的なアプローチができるようになります。
本記事では、SFA・CRM・MAの違いや使い分けのポイント、3つのツールを連携するメリットについてわかりやすく解説します。
それぞれのツールの違いから学びたいという方に。SFAとCRMの基礎を短時間で押さえられるデモ動画をご用意しています。まずは概要をつかむところからはじめてみましょう。⇒視聴はこちら
SFA・CRMの基本的なポイントである4つのポイント(顧客管理、案件管理、活動管理、分析/可視化)をデモンストレーションでご紹介します。
ではあらためて、SFAとCRM、MAについて、その概略から見ていくことにしましょう。
この3つのツールのうちMAは、ほかの2つと比べて機能が大きく異なり、使われる部門も違うことから、混同されることはまずありません。
しかし、SFAとCRMは、元々別の領域を処理するためのツールでありながら、両方とも営業部門で使われたり、似たような機能が実装されたりするため、ユーザー側でも混同されることが多いようです。
そのため、ひとつのツールで、それぞれの領域をカバーするという使われ方をしていることもあるようです。
SFAは「セールス・フォース・オートメーション(Sales Force Automation)」の略で、日本語では「営業支援 システム」と呼ばれます。
SFAは日本語の訳語のとおり、営業業務の中でも商談の管理が得意です。それぞれの商談の進捗状況や契約額の目安、成約確度など、商談に関するあらゆるデータを商談ごとに管理できます。
そのため、営業担当者はどの商談にどのようなアクションを取るべきかが明確になり、マネージャーは停滞ぎみの商談に対して、的確なフォローやアドバイスを送れます。
部門全体での売上予測も立てやすくなりますから、マネージャーだけでなく経営陣にとっても有用といえるでしょう。
入力された情報はチーム全体で共有できますから、営業担当者間での引き継ぎ、担当者不在時のトラブル対応も円滑にできます。
そして、パフォーマンスの高いメンバーのノウハウやマネージャーからのアドバイスをチーム全体のナレッジとして共有できるため、属人的になりがちな営業の業務を組織化・効率化し、成果の向上につなげられます。
個々の営業案件を可視化・共有化するとともに、個人プレーに頼りがちだった営業業務をチームプレーへと移行することが、SFAの役割といえます。
顧客情報は営業の生命線であり、会社の財産でもあります。担当者が異動や退社になっても、会社として保存・共有する手段を整備することが重要です。
参考:
今すぐSFAが必要な5つの理由
SFAの機能を10個紹介|できることや他ツールとの連携を解説
【関連記事】:SFAとは?主な機能や効果的な活用方法、活用事例を解説
CRMは、「カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(Customer Relationship Management)」の略で、自社と顧客との関係性を主軸とした顧客情報管理が得意分野です。
SFAは商談・案件を軸に情報を管理しますが、CRMは顧客ごとに情報を管理します。たとえば、「その顧客がどのような接点で自社を知り、どのような商談を経て顧客となったのか」「これまでの購入履歴はどうか」などです。
営業のアプローチの履歴や自社製品の購入履歴のほか、要望やクレーム、問い合わせなど、自社とのコミュニケーション情報をベースに顧客を管理します。
こうすることで、個々の顧客に最適なサービスを最適なアプローチで提供でき、先方の状況を分析することで、顧客自身も気づいていないニーズをくみ上げられます。
それによって、顧客満足度を高め、顧客をしっかりと囲い込み、クロスセルやアップセルによってLTVの向上を図ることが可能です。
『決定版CRM入門ガイド』では、CRMが必要になる際に見られるサインやCRMのROIを最大化する方法を解説しています。すぐにCRMに投資すべきか見極めるための情報をまとめていますので、CRM導入の決断にお役立てください。
【関連記事】
CRMとは?機能やメリット、活用法をわかりやすく解説
【事例あり】
CRMの7つの機能や目的、導入効果をわかりやすく解説
MAは「マーケティングオートメーション(Marketing Automation)」の略です。この略称から、「マーケティング活動を自動化してくれるツール」と認識されることが多いのですが、それは半分正解で半分が間違いです。
MAは、見込み客を「顧客」にまで育てる、つまりリードナーチャリングを受け持ちます。そのために、相手のアクションやタイミングに合わせて、適切なコンテンツをおもにメールで発信し、相手の興味や関心をかき立てる役割を担います。
ただし、どのようなアクションに対して、あるいはどのタイミングでアプローチするかは、MAの助けを借りつつもマーケターが設計しなくてはなりませんし、発信するコンテンツの内容も、人の手で作らなくてはなりません。
つまり、「オートメーション」といいつつも、すべてツール任せというわけではなく、マーケティングプラン全体の設計やカスタマージャーニーマップの作成などは、人の手で十分に練り上げておく必要があるわけです。
しかし、ひとたび設計できてしまえば、当初の予定どおりのアプローチを実行してくれますし、その結果を踏まえて微調整していくことで、マーケティング活動全体の効率をさらに高められます。
マーケティング施策の考え方から、MA活用のイメージまでを網羅し、MAを期待はずれに終わらせないために、導入する前に知っておくべきポイントは『はじめる前に読んでおきたいマーケティングオートメーション成果を上げる5つのポイント』にまとめていますので、あわせてご活用ください。資料ダウンロードはこちら▶︎
【関連記事】:マーケティングオートメーション(MA)とは?基本から選び方のポイントまでをわかりやすく解説
SFA・CRM・MAは、いずれも顧客情報を扱うシステムですが、担う役割や活用されるフェーズが異なります。
それぞれの違いを理解することで、自社に必要なツールや適切な組み合わせが見えてきます。ここでは、役割と機能の観点から違いを整理していきましょう。
SFA・CRM・MAの違いは、顧客の流れを「獲得・育成 → 商談・受注 → 継続・拡大」と整理すると理解しやすくなります。
SFAは、進行中の商談を受注という成果へ変換する役割です。商談状況を組織全体で可視化することで、営業活動を再現性のあるプロセスへと整えます。また、案件情報を生産管理など他部門と連携させることで、需要予測や計画精度の向上にも貢献します。
CRMは、受注後の顧客を長期的な収益へと育てる役割です。過去の商談経緯や取引履歴を一元的に把握し、適切なフォローや提案を行うことで、クロスセル・アップセルを実現します。部門を超えた情報共有により、単発取引を継続的な関係へと発展させる役割を担います。
MAは、見込み顧客を営業に引き渡せる状態まで育成する役割です。顧客の行動データをもとに関心度を高め、適切なタイミングで情報提供を行うことで、営業がアプローチできる状態まで育成します。部門横断で顧客情報を共有しながら商談化率を高める役割を担います。
このように、SFA=商談を成果に変える、CRM=顧客を資産へと育てる、MA=商談を生み出す、という役割分担で整理すると、3つは競合するものではなく、顧客フェーズごとに連携して活用すべき仕組みということがわかります。
機能面では、各ツールで中心となる機能が異なります。代表的な違いを以下の表にまとめました。
3つは競合するものではありません。顧客接点のフェーズごとに役割が異なる仕組みとして、組み合わせて活用できます。
| ツール | 主な対象フェーズ | 機能 | 目的・ゴール |
|---|---|---|---|
| SFA | 案件化〜受注 | 案件管理、活動管理、商談進捗管理、売上予測 | 受注率向上・営業生産性向上 |
| CRM | 受注後〜継続支援 | 顧客情報管理、対応履歴管理、問い合わせ管理、分析 | LTV向上・顧客満足度向上 |
| MA | マーケティング〜案件化 | リード獲得、メール配信、スコアリング、ナーチャリング | 商談化率向上・リード育成 |
「ザ・モデル」とは、セールスフォース・ドットコムが提唱している組織営業のベストプラクティスのひとつです。
セールス全体を、「マーケティング」「インサイドセールス」「外勤営業」「カスタマーサクセス」の4つのプロセスに切り分け、その中でどのような分業・協業体制をとって、効率化と成果の増大を図るかを検討するためのモデルです。
「ザ・モデル」は時系列で区切られていますが、ここに3つのツールの活用領域をあてはめてみましょう。
具体的には以下の通りです。
| ツール | 主な工程(ザ・モデル) | 主な役割 |
|---|---|---|
| MA | マーケティング〜インサイドセールス | リード獲得・育成・スコアリング・案件化 |
| SFA | 案件化〜受注(外勤営業) | 商談管理・進捗管理・売上予測・受注管理 |
| CRM | 受注後〜カスタマーサクセス | 顧客情報管理・関係構築・アップセル/LTV |
MAは、最初期のマーケティングからインサイドセールスを経て、案件化するまでが受け持ち範囲です。
SFAはMAの最終盤から情報をバトンタッチし、外勤営業が受けもつ商談進行・受注成約までをカバーします。
その後のカスタマーサクセスの領域はCRMが管理しますが、CRMには商談中の情報も含む必要があるため、SFAとCRMがスムーズに連携できるかどうかがポイントです。
各プロセスに分けることで、ボトルネックになっているプロセスを特定でき、成約率向上につなげるための改善が可能です。
そもそもなぜSFAが必要なのかから、販売プロセスの見直し、SFAで実現すべき3大機能、定着化のための体制とステップに至るまで、この分野の専門家二人が解説します。ぜひダウンロードしていただき、今後の導入計画にお役立てください。
SFA・CRM・MAはそれぞれ役割が異なるため、「どれが優れているか」ではなく、「自社のどの課題を解決したいのか」という観点で選定することが大切です。
営業プロセス、顧客管理、リード獲得のどこにボトルネックがあるのかを見極めることで、優先すべきツールが明確になります。
営業活動や商談進捗が担当者任せになっており、マネジメント層が全体像を把握できていない場合は、SFAの導入がおすすめです。
案件情報や対応履歴を可視化することで、どの商談が停滞しているのか、どの担当者に支援が必要なのかを客観的に把握できます。
また、成功パターンを共有しやすくなり、営業プロセスの標準化も進みます。
属人的な営業から脱却し、成果を組織全体で再現できる体制を構築したい企業に適したツールです。
顧客情報がExcelや部門ごとのシステムに分散し、過去の商談履歴や問い合わせ履歴を十分に活用できていない場合は、CRMの導入が効果的です。
顧客情報を一元管理することで、担当者が変わっても継続的な対応が可能になり、顧客満足度の向上につながります。
また、過去の接点データを分析することで、クロスセルやアップセルの機会を見つけやすくなるため、既存顧客との関係性を強化し、LTVを最大化したい企業におすすめです。
Webサイトや展示会などで見込み顧客を獲得しているものの、その後のフォローが十分に行われていない場合は、MAの導入が有効です。
リードの興味関心や行動履歴をもとにスコアリングを行い、段階的に情報提供を行うことで、購買意欲を高められます。
営業に引き渡す前の顧客育成を仕組み化することで、営業担当者は確度の高いリードに集中でき、全体の営業効率向上につながります。
SSFA・CRM・MAの3つのシステムを連携することで、主に以下の5つのメリットが得られます。
システムの連携によって、データ可視化とリアルタイムな情報共有が可能となり、顧客ニーズに合わせた迅速かつ正確なアプローチができます。
それぞれのメリットを解説していきます。
SFA・CRM・MAの連携により、それぞれのシステムが管理している情報を一元管理・可視化できるため、リアルタイムな情報共有が可能です。
各システムが管理している情報は、以下のようなものです。
| システムの種類 | 管理している情報 |
|---|---|
| SFA | ・案件の商談内容 ・進捗状況 ・契約額の目安 |
| CRM | ・顧客の基本情報 ・購入履歴 ・問い合わせ内容 |
| MA | ・見込み客の情報 ・成約予測のスコアリング |
情報を集約して可視化することで、社内のどの部署からでもリアルタイムに情報を確認でき、データ共有が円滑になります。
とくに、情報をダッシュボードで一元的に可視化することで、営業・マーケティング・カスタマーサクセスが同じデータを同じタイミングで確認が可能です。
その結果、部門間の認識ズレや判断の遅れを防ぎ、商談対応や顧客フォローのスピードを高められます。
また、リアルタイムで状況を把握できることで、問題の早期発見や優先順位の見直しが迅速に行えるようになります。
業績効率化によって組織の生産性向上にもつながるため、競争力を高めるうえでも、システム連携は効果的な取り組みです。
SFA・CRM・MAを連携するメリットのひとつは、顧客情報をもとに効果的なナーチャリングができることです。
ナーチャリングとは「顧客育成」を意味する言葉で、見込み客に対してさまざまなアプローチを行い、最終的に顧客の課題を解決するプロセスのことです。
主なナーチャリングの手法として、以下が挙げられます。
| ナーチャリングの手法 | 内容 |
|---|---|
| メール | メールマガジン・ステップメール・セグメントメールを使い、さまざまな情報を配信する |
| SNS | SNSで企業イメージや製品・サービスをPRする |
| オウンドメディア | 自社運営のサイトで役立つ知識・情報を発信する |
具体的には、MAでWeb閲覧履歴や資料ダウンロード、メール開封といった行動データを取得し、興味関心や検討度合いをスコアリングします。一定のスコアを超えた見込み客は「ホットリード」として自動判定され、SFAへ連携されます。
SFAでは、MAから引き継いだ閲覧コンテンツや反応したメール、検討テーマなどの行動履歴をもとに、営業担当者が最適なタイミング・切り口でアプローチできます。
商談化後は、その進捗や結果がCRMに蓄積され、過去の接点や課題、提案内容を含めた顧客履歴として一元管理可能です。
さらに、CRMに蓄積された顧客情報をもとに、MAで次回提案やアップセル・クロスセル向けのシナリオを設計することで、継続的な育成サイクルを構築します。
3つのシステムの連携によって、営業の進行状況から顧客の情報を的確に把握し、コミュニケーションを通して顧客を成功へと導けます。
それぞれうまく活用することで、見込み客を顧客に、顧客をリピーターへと育成できるでしょう。
【関連コンテンツ】:ナーチャリング(顧客育成)でリードを顧客にする手法とは?
見込み客に対して営業活動がスムーズに行えることも、SFA・CRM・MAを連携する魅力のひとつです。
具体的には、MAで適切なアプローチ方法を分析した情報をもとに、SFAで顧客ニーズに合わせた営業活動へと移行します。
営業によって獲得した顧客は、CRMによって情報が詳細に管理され、顧客の行動・購入履歴から、アップセルやクロスセルにもつなげられます。
営業部署は見込み客の行動や関心を把握しやすくなり、顧客一人ひとりに最適なアプローチが可能です。
顧客ニーズを満たす営業ができれば、企業への信頼感も高まり、成約率の向上が見込めます。
SFA・CRM・MAの連携によって、顧客情報や商談の進捗状況など各システムの情報をまとめて管理でき、社内全体で情報の共有が可能です。
マーケティングや営業、製品開発など部門を横断して情報を閲覧できることで、各部門が連携して効果的な施策を検討できます。
施策の具体例として、以下のような取り組みがあります。
部門間の協力によって、社内のコミュニケーションも活発になり、組織力の強化にもつながるでしょう。
顧客ニーズに合わせたアプローチとフォローができることも、SFA・CRM・MAを連携するメリットです。
MAは見込み客に対して適切なアプローチ方法を提供してくれますが、すべての見込み客を獲得につなげるには難しい場合があります。
しかし、提案した製品・サービスの成約につながらなかった場合でも、3つのシステムを連携することで、再獲得に向けたアプローチの見直しができます。
また、顧客情報や商談内容がリアルタイムに共有されることで、顧客ニーズをくみ取った迅速なフォロー体制も構築可能です。
適切なアプローチとフォローによって、顧客との関係性が強化されて顧客満足度の向上も期待できます。
本資料では、営業活動によくある5つの問題点をとり挙げ、具体的な企業の事例を交えながら、SFA活用のメリットについて詳しく解説します!
SFA・CRM・MAの連携は多くのメリットがある一方で、成功させるためにはいくつかの注意点があります。
注意点を把握することで、システム連携をスムーズに進めるヒントとなるでしょう。
連携時の注意点について、以下で解説していきます。
SFA・CRM・MAのデータを連携させる際は、各システムが管理しているデータのスコアリングが重要です。
製品・サービスへの単なる感想などの情報では、見込み客であるかどうかの判断が難しいため「満足度を1〜10点でスコアリング」のように基準を決めておきましょう。
スコアリングの一例として、以下のようなものが挙げられます。
連携させるデータは絞り込んで、情報過多にならないようにすることも大切です。『SaaS ビジネス成功の基礎「The Model」』でも触れていますが、スコアが高い見込み客から優先的にアプローチしたり、より興味がありそうな内容を盛り込んだアプローチをすることで、フォローの質を高めて商談化率を向上させることができます。
SFA・CRM・MAで使用していたデータの重複を防ぐため、連携時にクレンジングを行うことも重要です。
クレンジングとは、重複したデータを削除したり、不正確なデータを修正・削除したりする、データ品質を向上させるプロセスのことです。
クレンジングする際は、各データの必要性が判断しやすいように、自社で運用ルールを決めておきましょう。
各システムの連携前にデータクレンジングを行って、品質の高いデータベースを構築していきましょう。
SFA・CRM・MAの連携を成功させるために「どの部門がどの情報を扱うのか」役割を明確に決めておくことが重要です。
各部門の役割が決まっていないと、情報の精度や考え方の違いでトラブルが起きることがあります。
部門間を横断するような施策を実施する場合は、以下の一例のように業務プロセスを決めておきましょう。
| 部門 | 業務プロセスの例 |
|---|---|
| 営業 | SFAで見込み客へのアプローチと進捗管理 |
| マーケティング | MAで見込み客をスコアリング |
| 製品開発 | CRMから顧客のフィードバックを収集 |
各部門の業務プロセスを決めることで、情報の連携とデータの一貫性が確保され、顧客への営業が最適化されます。
SFA・CRM・MAを連携する方法には、おもに以下の2つの方法があります。
自社のシステムや営業プロセスに応じた方法を選択し、効果的な連携を実現させましょう。
以下より、2つの連携方法を解説します。
SFA・CRM・MAの連携する方法のひとつは、API(Application Programming Interface)を使用することです。
APIとは、異なる複数のソフトウェアやシステムを接続するインターフェースのことで、各システムのデータ・機能の一部を共有できる仕組みが構築されます。
APIを活用することで、SFA・CRM・MAの各データ間で双方向に通信を行い、それぞれの情報の同期・共有が可能です。
たとえば「商談・営業活動の進捗状況がSFAからCRMへ」「顧客情報や購入履歴がCRMからMAへ」といったように情報が連携されます。
ただし、システムによっては連携できない場合や、サーバー障害が起きる可能性もあるなど、注意点やリスクについての確認が必要です。
【関連記事】:APIを活用して、ビジネスエコシステムを形成する
SFA・CRM・MAのスムーズな連携を実現する方法として、オールインワン型のツールの活用がおすすめです。
オールインワン型のツールは、複数のシステムをAPIで連携する必要がなく、ひとつのプラットフォームで各システム間のデータ連携をシームレスに行います。
しかし、利用しているシステムが、それぞれ異なる企業が開発したものだと、API連携できない可能性もあります。
ひとつの企業が提供しているオールインワン型のツールの導入により、業務の効率性が高まるうえ、導入コストの削減にもつながるでしょう。
Salesforceでは、SFA・CRM・MAを連携して使用できるプラットフォームを提供しています。ご興味のある方は、下記のリンクから確認してください。
▶ Salesforceとは?
SFA・CRM・MAを連携すれば自動的に成果が出るわけではありません。
むしろ、役割設計やデータ設計が不十分なまま統合すると、運用が複雑化し、現場に混乱を招くケースもあります。
ここでは、連携しても失敗してしまう代表的なパターンを整理します。
SFA・CRM・MAそれぞれの目的や担当領域を明確に定義しないまま導入すると、機能が重複し、運用が曖昧になります。
本来は、MAが見込み顧客の育成、SFAが商談管理、CRMが既存顧客との関係構築といった役割分担があり、適切に活用することでツール本来の力を引き出すことが可能です。
しかし、設計が不十分だと、同じ顧客情報を複数ツールで更新したり、どのデータを基準にすべきかわからなくなったりします。
その結果、「どのツールを見れば正しい情報がわかるのか不明」「現場が使い分けできない」といった状態に陥り、連携のメリットを活かせなくなります。
各ツールの役割を明確化し、組織に落とし込んで活用するようにしましょう。
ツール同士が技術的に連携していても、必要なデータが正しく引き継がれていなければ意味がありません。
たとえば、MAで取得した行動履歴やスコア情報がSFA側に十分反映されない、CRMの顧客情報が最新化されず古いまま運用されている、といったケースです。
連携設計や項目定義が曖昧だと、データの整合性が取れず、判断材料として活用できません。
結果として、分析精度が下がるだけでなく、現場の信頼を失い、ツールが形骸化するリスクがあります。
SFA・CRM・MAを連携しても、各部門間のゴールが一致していなければ成果は出にくくなります。
たとえば、マーケティング側では「リード獲得数」や「資料請求数」をKPIに設定している一方で、営業側では「受注数」や「売上」を重視している場合、評価軸が分断されます。
その結果、営業は「質の低いリードが多い」と感じ、マーケは「十分に案件化していない」と不満を抱く構図にもつながりかねません。
ツール連携以前に、共通のKPI設計や役割分担を明確にし、最終的な成果から逆算した目標をすり合わせることが不可欠です。
データやダッシュボードが整備されていても、現場で活用されていなければ意味がありません。
情報は蓄積されているものの、営業担当者が日常業務の中で確認していないケースなどが挙げられます。
入力やデータ確認が業務フローに組み込まれていないと、「見ると得をする」状態にならず、ツールは形骸化してしまいます。
SFA・CRM・MAを定着させるには、活用シーンを具体的に定義し、会議や評価制度と連動させるなど、運用ルールとして組み込む設計を見直しましょう。
SFA・CRM・MAは単体でも活用できますが、顧客接点を一気通貫で管理することで、より大きな成果を生み出せます。
大切なのは、ツール同士を単に接続することではなく、部門を横断した運用設計と活用体制を整えることです。
特定の部門だけがツールを使うのではなく、営業・マーケティング・カスタマーサクセスなど、関係部門がシームレスに活用できる体制を構築することが必要です。
たとえば、MAで取得した見込み顧客の行動データをSFAへ引き継ぎ、商談後の顧客情報や対応履歴をCRMに蓄積する流れを明確にします。
各部門が同じ顧客データを同じタイミングで確認できれば、認識のズレや対応漏れを防げます。
部門間で一貫した情報共有が実現することで、顧客体験の質向上と営業効率の改善が同時に期待できるでしょう。
AIを活用することで、データ分析や判断業務の負担を軽減し、連携の効果を最大化できます。
たとえば、見込み顧客のスコアリングや成約確度の高い商談の抽出、次に取るべきアクションの提案などを自動化することで、営業担当者の判断を支援します。
担当者はデータ整理や分析に時間を割くのではなく、顧客対応や提案活動に集中することが可能です。
Agentforce Sales(旧Sales Cloud) は、一般的なSFA機能にAIエージェントを組み込むことで、営業サイクルの各段階における生産性向上を支援します。
メールやイベントなどの活動情報をCRMに自動的に集約し、リード・取引先・商談に紐づけて信頼できる情報源を整備することで、担当者は情報整理の負担を減らし、顧客との信頼構築や提案活動に専念しやすくなります。
さらに、レポートやダッシュボードで状況を可視化できるため、注力すべき商談や優先タスクの判断も行いやすくなることもメリットです。
ツールを連携しても、運用ルールが曖昧であれば効果は限定的です。どの部門が、どの情報を、いつ・どのツールに入力するのかを事前に定義しておかなければなりません。
入力項目や更新頻度、活用シーンを具体的に決めておくことで、データの整合性が保たれ、現場の迷いの軽減につながります。
また、定例会議や評価制度と連動させると、ツールの活用が日常業務に組み込まれ、さらにスムーズな運用が可能です。
明確なルールが整備されていれば、属人化を防ぎ、継続的な活用と成果が期待できるでしょう。
実際にSFA・CRM・MAを導入・連携して活用している企業事例を紹介します。
各システムの導入と連携によって、ビジネスにどれだけのメリットをもたらすかを理解することで、自社の営業戦略と照らし合わせた選択ができるでしょう。
会社名:ビッグローブ株式会社
事業内容:インターネット接続サービス事業
ビッグローブ株式会社は、インターネット・サービス・プロバイダーとして「ビッグローブ光」などのサービスを提供し、社会貢献の活動にも注力しています。
その中で、顧客サービスの強化を目指し、SFA・CRM・MAを連携させた仕組みを構築しています。
同社では、光回線の開通プロセスの最適化を図るため、以下のような仕組みを取り入れました。
顧客は光回線のスムーズな開通を望んでいるため、早期開通と顧客ニーズに合った最適なサービス提供が、顧客満足度の向上につながると考えています。
会社名:株式会社プレジデント社
事業内容:雑誌や書籍等の出版事業
株式会社プレジデント社は、ビジネス誌の「プレジデント」や、グルメなど幅広い情報を発信する「dancyu」など、書籍の出版事業を行っています。
同社では、会員向けメールマガジン「PRESIDENT Online」を配信しており、顧客属性にもとづいたパーソナライズな情報の提供を目指しています。
顧客が求める最新コンテンツを提供する中で、手作業が多く膨大な時間を要していたため、SFA・CRM・MAを導入して効率化を図りました。
以上の取り組みにより、メールの開封率が以前よりも5〜7%向上し、CTR(クリック率)も1.5〜2%の増加となりました。
会社名:株式会社JTB
事業内容:旅行・観光業等
株式会社JTBは、日本国内外の旅行・ツアーを提供し、観光業をとおして地域経済の活性化に向けた取り組みを行っています。
これまでの紙が中心だった業務から脱却するべく、SFA・CRM・MAを基盤として、以下のようなデジタル管理する仕組みを構築しました。
地域と連携したクラウドシステムも構築し、さまざまな観光データの一元管理にも取り組んでいます。
「地域共創基盤」によって、顧客が旅行先で優れた体験ができるようなサポートを可能としました。
CRM (顧客管理システム) は自社にも必要なのか?CRM導入の正しい進め方が分からない... そんな疑問・不安を抱えている皆様に経営改革の新たな一手としてのCRM活用をご紹介いたします。
ここで紹介したMA、SFA、CRMの3つに限らず、ツールにはそれぞれ想定された用途があります。
各種ツールは機能が充実してきており、部門ごとに決まったツールを使うというわけではなくなってきています。
営業部門もMAを利用しますし、マーケティング部門もSFAを使います。異なるツールをうまく連携させることで、営業フロー全体をカバーし、業務効率をさらに高めることができるのです。
自社にとって必要なツールを必要な場所に導入し、存分に活用してください。